非常に適当な本と映画のページ

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2012.02.06
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カテゴリ: 洋画

 2003年に公開されたスパイコメディ「ジョニー・イングリッシュ」の続編。
 ローワン・アトキンソンが再びぼんくらスパイ・ジョニー・イングリッシュを演じる。
 他に、X-FILESで一躍有名になったジリアン・アンダーソンがイギリス情報局MI7の局長(通称ペガサス)を演じる。また、007ダイ・アナザー・デイでイギリス情報局MI6を裏切る女性諜報員を演じたロザムンド・パイクが、本作では心理学者ケイトを演じる。
 原題は「JOHNNY ENGLISH REBORN」。邦題は、007の最新作「慰めの報酬」を意識したものになっている。原題は、原題なりの理由があるタイトルになっているので、勝手に邦題を付けてしまったのは残念。


粗筋

かって祖国イギリスの危機を救い諜報機関MI7のエースとなるも、ある任務の失敗で自信を失ったジョニー・イングリッシュ(ローワン・アトキンソン)。チベットの僧院に引きこもってしまう。
 そんな折、英中首脳会談を控えた中国首相を暗殺する動きがある事から、彼に情報収集と暗殺阻止の命令が下る。イングリッシュは新たな任務に大張り切り。直ちに「ボルテックス」という、元諜報局員によるテロ集団が絡んでいる、という事実を掴む。しかもボルテックスこそ、イングリッシュがチベットに引きこもるきっかけとなったテロ事件を起こしていた。
 イングリッシュは、ボルテックスの一員だったものの脱退した元CIA諜報員から、テロ活動に必要な鍵の一部を得るが、結局奪われてしまう。ただ、ボルテックスの一員に元ロシア諜報局員がいる事を知る。イングリッシュはその元ロシア諜報局員の下へ向かうが、彼も殺されてしまう。死ぬ直前、元ロシア諜報局員は「ボルテックスは3人から成っていて、一人は先日頃された元CIA、もう一人は自分、そして最後の一人は現役のMI7だ」と言い残した。
 イングリッシュは、MI7の誰がボルテックスなのだ、と捜索を始めるものの、いつの間にか彼自身がボルテックスの一員だ、と見なされてしまい、MI7から追われる羽目に。
 イングリッシュは、相棒とたった二人でボルテックスの陰謀の阻止に走る……。


楽天ブックス(large)

感想

 007シリーズを、かなりの予算を投じて製作したパロディ。
 所属機関がイギリス情報局(ただ、名称は架空のMI7)で、局長が女性というのも、本家と同じ。
 イングリッシュがロールスロイス(実際に販売されていないプロトタイプ)を乗り回す等、本家より金がかかっているのでは、と思ってしまう部分も。
 007シリーズに出演していたロザムンド・パイクを登場させる等、007を観た者なら思わずニヤリとしてしまう配役も、大作ならでは。

 ストーリー的には非常にまともなスパイアクションだが、主人公がジョニー・イングリッシュなので、当然ながら一筋縄にはいかない。
 イングリッシュは、自身を優秀と見なしているが、実際にはそうでなく、詰めが甘くなり、それが次から次へと災難をもたらす、という展開になっている。
 最近の007シリーズと同様、キャラのちょっとした会話を聞き逃してしまうと、主人公が次のシーンで何故そこへ移動したのか、何の為にそこにいるのかが分からなくなってしまう。イングリッシュの馬鹿振りをただただ楽しむ、というなら、細かいストーリーは気にする必要はないのかも。

 007のパロディ大作には、オースチン・パワーズもあるが、そちらは下ネタに走ってしまっているので、「一家で楽しむ」という訳にはいかないが、こちらは下ネタは一切ないので、家族で楽しめる。イギリス人のアトキンソンと、アメリカ人のマイク・マイヤーズのコメディに対する姿勢の違いが垣間見える。
 コメディシーンはパターン化され、同じネタが繰り返し利用されるので、驚きがない。最終場面(イングリッシュがイギリス女王をボルテックスの殺し屋(掃除おばさん)と勘違いしてぶん殴る)は「またか」と飽きてしまっている感が。

 コメディの部分を取り払うと、ストーリーは穴だらけ。
 テロ組織ボルテックスは元CIA、ロシア諜報局、そしてMI7のメンバーの3人で成り立っている、とされるが、この内二人は脱退し、最後の一人に殺される、という運びになっている。ただ、二人が脱退した理由が分からない。「中国首相を殺したくない」という訳ではなかろうに。
 ボルテックスの一員である事が判明するMI7局員(敏腕諜報員という設定)が、何故テロ組織を結成するに至ったかの経緯も描かれておらず、消化不足。

 登場人物で一番の味を出していたのは主人公のイングリッシュではなく、殺し屋の掃除おばさんか。
 最終的には呆気なく捕まってしまうが。

 最近日本では何卒中国に媚びる「媚中政策」が非難されているが……。
 何も日本だけの現象ではないらしい。
 本作は、「中国首相の暗殺を阻止せよ!」がメインの任務だが、観ている側からすれば「そこまで躍起になって遂行する任務か?」と疑ってしまう。むしろ暗殺者側を応援したくなる。
 中国以外の首相に出来なかったのかね。


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Last updated  2012.02.06 10:41:46
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