非常に適当な本と映画のページ

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2014.05.04
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カテゴリ: 洋画

 アメコミのマーベルコミックスのヒーローの一人、キャプテン・アメリカの実写版第2弾。
 クリス・エヴァンスが引き続きキャプテンアメリカ/スティーブ・ロジャーズを演じる。


粗筋

アベンジャーズのメンバーとして戦ってから2年。
 キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)は、国際対テロ機関SHIELDの一員として活動していた。
 そんな中、キャプテン・アメリカとブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)を謎の暗殺者ウィンター・ソルジャーが襲撃。
 更に、SHIELDが、過去に倒した筈の悪の組織ヒドラに乗っ取られてしまっている事に気付く。
 その事実を掴んだ瞬間に、ヒドラ化したSHIELDは、キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、そして長官のニック・フューリーを「裏切り者」として追い始める。
 逃亡者となった3人は、古巣に対し、反撃せざるを得なくなる……。


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感想

 キャプテン・アメリカは、母国アメリカでは、スパイダーマンやXメンと並ぶメジャーなヒーローだが、アメリカ以外では、然程浸透していない。
 今のトレンドはダークヒーローなので、クリーンで硬派な、ヒーローらしいヒーローは退屈と映るらしい。
 更に、キャラの名前からして、「アメリカ万歳」的な色が濃過ぎるのが災いしている事もある様である。
 実写版の公開で、漸く認知度が上がっている感じ。

 現実の世界では善悪や敵味方が分かり辛くなっているので、フィクションの中でも勧善懲悪は描き難い、という雰囲気が出来上がってしまっている。
 無理に勧善懲悪にしてしまうと、「幼稚で時代遅れの代物」「リアリティに乏しい」と酷評されてしまう、と。
 この風習はいつから始まったのか。
 鑑賞者は、現実の世界では善悪が分かり難くなっているのは百も承知の筈。そういう厳しい現実から僅かな間でも逃れる為に映画館に足を向け、金を出しているというのに、映画の世界でも「善と悪は分かり難くなっています」では、やり切れなくなると思うのだが。
 本作でも、国際対テロ組織SHIELDは、実は壊滅された筈のテロ組織ヒドラの隠れ蓑だった、という事実が明らかにされる。世界平和の為に創立された機関が、実はその正反対の為の機関だった。つまり、初めから存在していなかった方が、世界平和・世界秩序の為になっていただろう、という事で、本シリーズというか、マーベルコミックスで描かれている世界そのものの意味を完全に否定してしまっている。
 現実の世界でも、フィクションの世界でも、外の敵より、内の敵の方が余程危険、という事らしい。
 この傾向はマーベルコミックスだけでなく、DCコミックス系や、007シリーズ、ミッション・インポッシブル・シリーズでも観られる。
 善と悪の、単純明快な戦いを観たいと願っているのに、善と悪が同化した組織内の内輪もめしか観られなくなってしまっているのは、残念である。

 主人公のキャプテン・アメリカは、DCコミックスの硬派ヒーロー・スーパーマンと同様、クリーンで、格好良く、性格も良い。
 その意味では、古き良きアメリカのヒーロー。
 しかし、その所属機関や、取り巻きが一癖二癖あるので、浮き上がってしまい、場違いに映っている。
 キャプテン・アメリカ自身も、それにうすうす気付いている感じ。

 ヒロインのブラック・ウィドウは、相変わらず強いが……。
 演じている女優スカーレット・ヨハンソンは、本作公開の時点で30歳。
 アイアンマン2(2010年公開)で初めてこのキャラを演じた時は若々しく、妖艶に映ったが、本作では実年齢より老けて見え、「ケバケバしいオバサン」に成りつつある。
 老け易いという欧米人女性の宿命から、女優であるヨハンソンすら逃れられないのは悲しい。

 本作は、世界観に置いては、アイアンマン、アベンジャーズ、マイティ・ソー、超人ハルクのシリーズとリンクしているが、口頭で軽く触れられる程度で、他のシリーズのキャラは登場しない。
 ここまでの危機に陥りながら、姿を見せないのはおかしい。登場したら登場したで、「主人公が誰なのか分からない」という状況に陥るのだろうけど。
 これらのシリーズはいつまで作り続けられるのか。俳優らも、当然ながら歳を取る訳だし、「死ぬまでこの役を演じるのは嫌だ」という者も出てくるだろう。といって、別の俳優をキャスティングしてしまうと、「前の方が良かった」と酷評される可能性が高くなる。


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Last updated  2014.06.01 20:14:15
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