非常に適当な本と映画のページ

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2015.05.09
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カテゴリ: 邦書

 西内ミナミによる絵本。
 絵は堀内誠一が担当。


粗筋

象のぐるんぱは、汚く、臭かった。
 見かねたジャングルの象達はぐるんぱの身体を綺麗にし、町に働きに出す。
 ぐるんぱは、人間の世界でビスケット屋、皿作り、靴屋、ピアノ工場、自動車工場と、様々な職場で物作りに没頭するが、象の視点で作ってしまうので、人間が利用するには大き過ぎる物ばかり。結局作った物を手切れ金代わりに解雇される。
 途方に暮れていた所、子供を大勢抱える女性に声を掛けられる。これまで作ってきた物が有効活用される。
 ぐるんぱは、幼稚園を開く事を思い付き、好評を得る。


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解説

「働いている奴こそ偉いんだ」という、滅私奉公の精神を子供に叩き込む絵本と言える。
 人間が自身の生活の為に働くのは当然だが、労働は自発的にやるべき事であり、他人(社会や世間とやら)が強制するものではないし、特に偉い事でもない。
 にも拘わらず美徳であるかの様に描くのは、高度成長期真っ只中の1960年代ならではの絵本。
 日本社会は現在もこの手の社蓄根性を良しとする風習が未だにまかり通っているので、罪な絵本でもある。

 ぐるんぱは、寝てばかりいるから、という理由で他の象に非難され、人間社会に送り出されるのだが、ぐるんぱを非難した他の象は、どんな仕事をしていたのか。ぐるんぱと同様、ビスケット屋、皿作り、靴屋、ピアノ工場、自動車工場等で働いていた訳ではあるまい。ある意味、ぐるんぱが一番の働き者だったと言える。
 他人を散々非難しながら、非難する連中も結局大差は無い、という有様。

 絵は水彩画風で、分かり易いタッチになっている。
 極端に上手い、と感じる絵ではない。


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Last updated  2015.05.09 18:00:04
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