漢字制限により・・



新聞を読んでいて時々気になり、
不思議に思うことが屡ありました。

つい先日も、
痛ましい殺人事件を扱った記事の中で、
「せい惨」と表記されていたのです。

そこで質問(1)
この言葉を漢字で書ける人は?
・・この言葉を知っている人です。

この言葉を漢字に直せない人は?
・・この言葉を知らない人です。
・・知っているけど、漢字を忘れている人です。

では、辞書を引いて確かめる人は?
・・??? 面倒だから、調べない人が多いですよね。


次に質問(2)
[凄惨(セイサン)]とルビをふっていたらどうでしょうか。
この言葉を読める人は?
・・全員読めます。

この言葉を漢字で書ける人は?
・・通常、読めても書けない人は、この漢字を見れば全員書けます。

この言葉に初めて出合った人も、
この言葉の意味が解らない人も、
・・辞書で引けば意味を理解できます。

さあ、みなさん、
「せい惨」と[凄惨(セイサンのルビ付き)]
どちらの表記をご希望でしょうか?

漢字により親しみ、漢字を上手に使用するのには、
どちらがいいか・・
是非、みんなで考えましょう。

「常用漢字表」で漢字の使用を制限することは、
逆に「国民の漢字力」を低めていることに繋がっていないでしょうか。

ちなみに、岩波の『広辞苑』を引いてみると、
「正餐」「生産」「成算」「制酸」「青衫」「青酸」「星散」「凄惨」
と8つ目にして漸く「凄惨」が出てきました。
私の電子辞書は『広辞苑』を内臓しているのでこれに同じ。

学研の『国語大辞典』では、
一番初めに「凄惨」が出てきました。

「凄惨」を知らずして「せい惨」の「凄」を知ることは、
大変なことだと思うのですが・・。

「ひらがな表記の方が易しい」というのは誤まった信仰に等しい。
私はそう思うのですよ。

皆さんは如何ですか?


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: