Angel

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全て | 日々の日記 | 小説
June 7, 2016
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カテゴリ: 日々の日記
  『 MY SISTER Wedding STORY 』(星に願いを番外編)パート7





 助けてくれた人の顔をよく憶えていなかったが、こうやって助けて貰う事の方が珍しい。

周りのイメージとしては、女王様の振る舞いをイメージされるのだが、昔から勝ち気な性格で弱い者いじめをするような柔が大嫌いだった。

幼稚園くらいの時、ちょっとした誘拐事件巻き込まれそうになった。

当時から愛らしいと言われ、大人も同級生達にもちやほやされていた。だけど、意地悪する子には手厳しいがそれはそれで女王様と崇められたりなんかしていた。

友達と公園で遊んで帰ろうとした時に知らない男に声を掛けられ、そのまま、車に連れ込まれそうになったことがあり、両親は心配し過保護になったのだが、刑事をしている伯父に護身術をその後、習い。

マスターしたのだ。

護身術と柔道、空手と仕込んでもらったので見かけによらず強くて、兄からも恐れられる腕前になってしまった。

周りの友人達はそんなことは知らない。



帰ってから、伯父からの電話で危険な事をするなと叱られてしまったが、それよりも助けてくれた彼のことが気になって頭から離れなかった。








 それから数日後、校長室と生徒会に呼び出され、この間の一件の話をする羽目になった。

被害者の井上さんと一緒にいた私、何故か鍋島君がいた。

まず校長室に入ると鍋島君がいて、井上さんが会うなり彼にお礼を言うので、何でだろうと不思議な顔をしていると

「気にすることはありませんよ。女性に酷いことをしようとする男は許せませんから!」

“同感だわ。”

そう思うと生徒指導の先生達も集まり、この間の件を話しを進めていく内に助けてくれたのが、彼だったのだとやっと気付いた。あの時と全然、違ったので気付かなかったのだ。

彼が私達に非がないことを証明してくれたのだった。








 続いて、放課後生徒会室にて

同じことを聞かれ、同じように答え。以後気を付けるようにと忠告を受け、そのまま、帰るはずが会長に呼び止められたのだった。

「いやしかし、真璃亜ちゃん。危ないから本当に気を付けてね!兄貴とか吃驚して心臓止まりそうになったみたいだから!」



こちらに非がないので苛立つ一方だった。

「そりゃあ、井上さんも可愛らしい娘だから、ついね、声を掛けたくなったんだろうね?」

「そんなこと言ったら、毎回のように絡んでくる輩がいる私はどうなんですか?丁重にお断りしているのにもかかわらず、絡まれて困っているんだと言いましたよね?」

「それは・・・・・・」

会長は言葉に詰まる。



会長に助け舟が出された。

「西野先輩。以後、気を付けます。先日も伯父にお叱りを受けたばかりなので・・・・・・いくら、腕に自信があるからと言って自惚れてはいけないと」

「そうね。そのことをよく肝に銘じて行動するのよ!」

生徒会書記の西野先輩に言われるとぐうの音も出なくなる。

「ホント、頼むから無茶しないでね!もしも何かあったら、君のお兄さんにも俺も兄貴も顔向けできないよ!」

と私達の話が続いている中

「あの・・・・・・会長と藤野さん達はお知合いなんですか?すごく親しげにも見えますが?」

鍋島君がそう問えば

「会長と私は従兄弟同士で、会長のお兄さんと藤野さんのお兄さんが友達なのよ。で、私の従兄弟の奏多さんが警察ので、藤野さんの伯父さんも警察の人なの。」

西野先輩の説明が入った。

「それで、お兄さん経由で知り合い、奏多さんが藤野さんに惚れているんだけど相手にされていなくて、よく落ち込むんだけど、更に最大のラスボス的なのが彼女の伯父さんで直属の上司とかではないが、先輩であることは変わらないから迂闊なことも出来ないのよ!」

「すごい接点ですね・・・。」

鍋島君にとっては壮大な話に聞こえる。

「そりゃあ、俺だって真璃亜ちゃんに何かあったら心配だよ!護身術を習っていたって、いつも危険じゃないことの方が少ないんだし、もっと周りを頼るべきだよ!」

心配を装いながら、肩に腕を去り喧嘩う廻そうとするので叩き落とした。

「痛・・・」

「気安く触らないでください!」

「そうですよ!会長。セクハラで訴えられますよ!」

鍋島君が言うと

「鍋島まで言うか。皆冷たい!」

モテるが、チャイのが玉の傷で社交的な生徒会長である。次期生徒会長と大違いだなと思う。

それから間もなく、生徒会室を後にし

「会長まで迷惑かけてすみませんね。キッチリ懲らしめておきますんで。」

鍋島君はそう言った。

「別に構わないわ。いつもああだし、それに見てくれだけで判断されるの嫌いなのよね。別にモテたいからテニスをやっているわけじゃないのに・・・・・・」

一生懸命やっていてもどこかいい加減にみられる節があり、そう言う所が嫌だった。

「俺は貴女も皆さんも頑張っていると思いますよ。その努力も知らずに言う方は本当に残念な方ですね。」

と言い、私を一人の人間として扱ってくれる対応が嬉しかった。

廊下ですれ違えば、挨拶したり、世間話をする仲になっていた。

それが心地よくて、いつの間にか恋に堕ちていた。














 snowの日記
あとひと月で七夕ですね。
今回はちょっと複雑な設定にしてみた。





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Last updated  July 31, 2016 01:14:14 AM
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