Angel

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全て | 日々の日記 | 小説
July 6, 2016
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カテゴリ: 日々の日記
    『 もう一度君と ~ 幼き約束 ~ 』6


夢を見た。

幼き日に出逢った初恋の彼との想い出、交わした約束の夢を高校に入ってから毎晩の様に見ていた。

私は約束を交わした日から毎年、彼に会う為だけに屋敷をこっそり抜け出しては彼を捜す

結果的にはこっぴどく叱られるので、ここ数年、お目付け役を連れつつ、お忍びで彼の姿を捜すのだが、見つからない。

手掛かりは、私のあげた匂袋だけ。

いつも逢えなくて、その日の夜は泣き腫らす。だけどいつかまた逢えると信じているから、今日まで頑張ってこれたのだが、時間が迫ってきている。

時間が許す限り、情報収集を行うが、上手くいかず焦っていた。

 そのせいか、最近は幼き日の約束の夢の夢を見た後に、再会を果たす夢も見るのだが、いつも冷たく突き放す言葉を言われ、目を覚ます。


目が覚めれば泣いていた。
夢に見た内容を思い出すだけで、胸の中が痛み、また泣く。

「逢いたいよ・・・・・・」

きっと周りの人からすれば子供同士の約束でくだらないというのかもしれない。
だけど、私にとっては希望で、唯一、ありのままでいられた貴重な時間。何も替えがたい。
だけど、再会を果たせないのも怖いだけど、逢って冷たくされるのはもっと怖い。

だけど、やっぱり逢いたくて、二人の思い出の神社に今日も足を運び、神様に祈る。


そこに

「早苗、何やってんだこんな朝早くから?」

振り替えるといたのは葵だった。

「お早うございます。葵先輩。散歩ですよ。」



「散歩って、早すぎるだろう、しかも護衛もつけないで!!」

「あっ、やっぱりここだったか早苗。葵も一緒か良かった。」

守がやって来た。

「会長…お早うございます。」

一応挨拶をするので、彼も挨拶を交わす



親より心配してくれる。お節介であるが、優しいと思う。

「ごめんなさい・・・・・・。」

しょんぼりする彼女を見兼ね、葵は庇った。

「兄貴、こいつだって、たまには一人になりたい時もあるんだろ。秀兄みたいなのと居ると息も詰まるだろうし。」


「兄さんに失礼だろう。早苗、あんまりこういうことが続けば、君の自由な時間を更に制限されるだけだろ。」

守は諭すように言う。

「・・・分かってます。だけど、もう時間もない。どうしても、どうしても逢いたい人がいて…!」

泣きそうな顔をする。


「お嬢様。こちらにいらしたんですね。出掛けるなら一声かけて頂ければ、私がお供しましたのに・・・」

「沙夜・・・。ごめんなさい。」

使用人で、彼女のお世話係であり、姉の様な存在だ。

「沙夜。お前が一緒でもダメだろ!女同士でも、何かあったらどうするんだ!危ないだろう!」

葵が突っ込んだ。

「大丈夫ですわ!この通り、色々と武器も持っておりますし。」

紗夜はどこから取り出したのだろうと言うくらい、色んな武器を携帯していた。流石に皆呆れて何も言えない。

「とにかくだ。こんな朝早くもしくは、夜遅く出歩くのは控えろ!貴女は月野の姫君なんだから!」

月野の姫君と言われるのが昔から嫌だった。
正しいことを言っている守に対しても、ムッとしてしまう。

「早苗、逢いたい人てのは大事な人なのか?」

静かに頷く。沙夜と守には判ってしまったから、複雑な顔をする。

葵は少し考え、こう提案した

「俺がランニングするついでだったら、早苗が散歩したい時、付き合ってやるよ!その代わり、きちんと声を掛けろ!兄貴、それで良いだろ?」

渋々だが、説得された早苗と守だった。

「それよりここじゃないとその人に逢えないのか?」

葵は疑問を投げかける。

「・・・うん。ここに来ればもしかしたら、逢えるかもって思って・・・」

葵はそれ以上深く追求する事はなかったが、守は辞めさせたかった。

だけど、彼女はきっと辞めない。

彼女の中に初恋の彼が未だにいるから





 snowの日記
明日は七夕。
天の川見たことないな。
ちょっと、話が長めになってしまった。





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Last updated  August 29, 2016 05:31:57 PM
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