ぺこぽこまむず広場

あじさいのつぶやき。

　私、この家の『あじさい』でございます。
　最初は鉢植えで生活しておりました。
　この家の母さまに、店先で見初められ、ここへ連れて来られました。
　着いて早々、玄関先のお客様に一番目に付く所へ置かれ、
　梅雨の間はずーっとそこが私の特等席でございました。
　「なんとみごとでしょう！」と何度となくお褒めの言葉を頂戴しました。

あじさい

　梅雨が過ぎた頃から、私の葉にも茶色い物が目立ち始めました。
　『葉』と申しましたが、皆さまが見るところの『花』でございます。
　日に日に茶色い部分が増え、とうとう私もその場を去る心の準備を
　しなければならない時がやって来ました。

　植木鉢を持ち上げられた時、
　「このまま引っこ抜かれて、さよならだわ…』と覚悟を決めていました。

　ところが、連れて行かれた先は、ちょっと日陰の涼しいところ。
　程良く湿った優しい土に、私サイズの穴が掘られておりました。
　母さまは、私のお尻を優しく押さえ、穴の中へそっと入れてくれました。
　程好い土をふんわりかけ、その後ぎゅっぎゅっと力強く押さえ、
　頭の茶色い部分をきれいに処理して、お水をたっぷり与えてくれました。

　ミントさんの匂いは、結構きつく目に沁みる感じもしますが、
　やさしいサクランボさんが、そんな愚痴を聞いてくれます。

　『今年の梅雨も、ここで綺麗に咲いてみますとも！』
　母さまの為にも…。

　【成長記録】１
　★２００４年５月２８日(Fri)
　２年前、我家にやって来た『あじさい』は今年も元気一杯です。
　当初３ヶだったカオも、今では１０ヶ以上になりました。偉い！
　これから訪れる梅雨を、明るく彩ってくれる事でしょうね。
　楽しみです。
あじさい.２