不登校とカウンセリング



欠席が一ヶ月を越えると、「不登校児」として登録される。自治体で不適応児のためのカウンセリングが行われており、私は予約をとって出かけていった。以前から集団になじめず、発達に波があることなどをたびたび相談してはいたのだが、不登校についての相談ははじめてだった。

不登校自体は、親も子もそれほど問題視していないのだけれど、Aの発達のかたよりについて、学校の先生が理解してくれないことが苦しいということを相談した。

親が見ている範囲では、Aには年齢よりかなり幼い部分があり、それは学校の先生がいうような単なる努力不足ではない気がした。できることとできないことの開きが、普通の子どもよりかなり大きい幅がある。単なる得意不得意の枠をはるかに超えているように思える。ひらがなや数字の書き分けができないのに、写生をするとこまかい部分の描写ができる。単なる不器用なら、写生もできないはずだと思った。

記憶に波があり、細かいことまで逐一覚えているかと思うと、さっきした話も思い出せない。学校で倒れたときの記憶がないことも気になっていた。小さな頃に難聴ではないかと言われたことがあったが、あの反応の遅さは何かの障害ではないか?

私の話を聞いたあと、カウンセラーの先生は、こう言ってくれた。「小児科で異常なしといわれても、お母さんが納得できないのなら、もっと大きな病院へ行ってみたら?毎日Aちゃんといるお母さんが感じていることの方が、検査の結果より正しいと思うよ。」

私はAを連れて、大学病院へ行こうと思った。


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