今が生死

今が生死

2025.10.02
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カテゴリ: 読書

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心。 [ 稲盛和夫 ]
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昨日用事があって東京の東大安田講堂に行ってきた。東京駅を乗り継ぎ起点にして本郷三丁目で降りて安田講堂迄歩いての往復でスマホで測定した歩数は9千歩を超えていた。長い東京駅構内を乗り換え口を探して何通りも歩いたが、その時対向の歩行者は男も女も老いも若きも様々な人達が様々な歩き方で側を通り過ぎていった。私は疲れていてヨタヨタフウフウしながら皆に追い抜かれながらやっとの思いで歩いていたが、皆さんは何も考えていないかのように機械的な感じですれ違って行った。東京には大勢の人がいて毎日、毎日通勤や通学、遊行等のため急ぎながら歩いているのだなと思った。自分と他人を感ずる良い機会になったと思った。
用事を済ませて帰路についた時東京駅のツタヤ書店に寄った。甲府までの中央線の車中で読もうと思って適当な本を探したら、稲盛和夫さんの「心」が目について買った。全ての基本は利他の心でそれが自分が関わった京セラやKDDI、そして日本航空を立ち直らせた心だったとのことである。しかし稲盛さんとて全て順風満帆だったわけではない。少年時代から青年期を経て社会に出るまで彼の人生は全てうまくいかなくて挫折と失望の連続だったとのことである。そのような人生の中で一つだけ驚くように成功したことがあり、それは印刷工場を経営していた実家が空襲で工場も家も全勝してしまい、真面目に働いていた父親が抜け殻のようになってしまった時、父親に紙袋の製造販売を提案して高校生だった自分は授業の合間や日曜日には朝から晩まで自転車の荷台につけてその紙袋を売り歩いていっぱい売って大成功を収めたのである。後年その成功を振り返った時、他のことはほとんどすべて自分の欲得や保身、あるいは人から褒められたいという自分のために行ったことに対してその紙袋売りは、家計を助けよう、家族を守ろうという他者への思いやりから初めて、自分のことより他人のために必死で売り歩いたから成功したのではないかと気が付き、将来の成功の原点になったとのことである。
利他と言ってもいきなり世界のため、宇宙の為といっても従業員にはピンとこないことがある。家族のため、同僚職員のため、会社のため、隣人のためというように身近な他人のために一生懸命になる心、これが一番大切で、その心はやがて世界のため、人類のためにと広がっていき、終局的には自分を最高に幸せにしてくれる生き方になっていくと自らの体験を交えながら語りかけてくれた素晴らしい本だった。おかげであっという間に甲府駅に着いてしまった。





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Last updated  2025.10.02 22:23:50
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