今が生死

今が生死

2025.10.20
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テーマ: 救急・救命(18)
カテゴリ: 健康
まだ咲いている紫御殿

今朝病院に着いたら78歳女性の膠原病治療中で恥骨骨折して入院していた患者さんが昨日くも膜下出血で救急搬送されたとの報告を受けた。18日は土曜出勤で午後1時20分ごろ帰宅したが、その時は全くお元気で問題なかった。午後10時頃頭痛、嘔吐、発熱、意識障害あり、当直の先生が血液検査やCT検査などをして下さり、くも膜下出血の診断で大病院に転院になったとのことだ。急な転院で主治医として責任を感じ、申し訳ない気持ちになった。
くも膜下出血は非常に死亡率が高く、発症当日に25%が死亡し、1か月以内に40%、半年後には50%が死亡すると言われている。主な原因は脳動脈瘤破裂で、85%は脳内の血管のふくらみである動脈瘤が破裂して発症する。その予防法は高血圧の治療である。血圧を高いままにしておくと脳血管に対する圧力が高まり、動脈瘤が膨れたり大きくなる可能性がある。高血圧を放置しないことが大切である。喫煙や過度の飲酒も危険因子とされているのでなるべく控えた方が良い。
男女別では女性の方が多く、女性が7割、男性3割くらいで死亡率は女性は男性より1.7倍高い。発病のピークは男性60歳代、女性70歳代である。女性に多いのは閉経後エストロゲン(女性ホルモン)が減少して血管保護作用が低下するためと言われている。血圧管理に留意し、野菜や果物をよく食べて血管を保護してもらいたいと思う。昨日救急搬送された患者さんは70歳代女性だった。血圧は正常に保たれていたが、いつ発症するか分からないところに怖さがある。この患者さんは難病指定の顕微鏡的多発血管炎という膠原病の治療中だったのでそれと本症発病と関連があるかもしれない。





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Last updated  2025.10.21 21:41:16
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