Re Habilis Ation <Auferstehungs>

Re Habilis Ation <Auferstehungs>

視覚刺激


無断で転用されることなく、また何かの理由で使用される場合は著作権の問題等に十分に配慮されるようにお願いします。
また要約は研究対象とした症例の結果であるので、これが全ての場合に当てはまるとは限りません。ケースによっては逆の場合の可能性もあります。

≪意識障害者への視覚的刺激1≫
【文献名】
脳と心へのアプローチ
【著者】
上田 孝:EB NURSING Vol.3 No.2 2003
【方法】
周波数の異なるストロボ閃光を安静閉眼状態で眼前に当てながら、脳血流を測定した。
【結果】
3Hz・8Hz・20Hzのいずれの光も後頭葉内部、視床の血流を増加させたが、前頭葉外側野の血流も増加した。これらの反応は意識障害の有無にかかわらずみられたが、脳内での反応部位は限局していた。

【私の感想】
これは非常に興味深い内容です。眼を閉じた状態でも、視覚刺激として感覚入力され、視覚関係のみならず想像を行う前頭葉までも脳血流が増加したという内容です。
意識障害学会でもドイツでのスヌーズレンが紹介されておりましたが、臥床して閉眼していても実施できる方法です。
ストロボ閃光はあまり現実的でないので、パーティー用のミラーボール等で試せそうです。ちなみにミラーボールは東急ハンズで3000円位です。


≪意識障害者に対する視覚刺激法 2≫

【文献名】
遷延性意識障害者に対する視覚刺激法(アイトレックを用いて)
【著者】
佐藤智彦:BRAIN NURSING Vol.16 No.12 2000
【方法】
意識障害がいずれも数ヶ月にわたり遷延化した症例を対象に、アイトレック(眼鏡型映像テレビ:OLYMPUS社製の家電製品で接続すると目の前2mに62インチの大画面が映る)を用いて強制的に視覚刺激を実施。症例に応じて、局所脳血流・脳波を測定した。
【結果】
アイトレック療法を実施した症例は10数例に及び、そのうち植物状態を脱した症例は6割強であった。アイトレック療法の適応は開眼追視できる症例が最も効果があった。
アイトレック療法開始時期の目安は患者様の表情であり、アイトレックを用いたときに、映像を凝視してくれるような症例がもっとも適していた。
アイトレック療法は後頭葉に加え、前頭葉・頭頂葉・側頭葉に血流の上昇がみられ、脳波においてもθ・α帯域からβ帯域へと変化が得られたことから、明らかに脳血流・電気生理学的観点から有効と思われる。
色彩・動きからアニメーションが有効であったが、何回も同じものを見せると飽きてしまい、見なくなるので注意が必要である。

【私の感想】
アイトレックはすでに販売終了となっておりますが、アイシアター等の商品名で別メーカーから販売されています。他の方法として、テレビや近距離からではビデオカメラの液晶モニター、携帯用DVDや携帯電話のモニター、プロジェクターでの大画面などが考えられます。






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