いなかの猫の天邪鬼部屋

第18話

OnAir~シーズン3・第18話~


#ギョンミン車中

(運転するギョンミン、しばらく走らせ、車を停める。ショーウインドーをしばらく見る....)


#サンウ車中

(サンウ、運転席に座っている。セア、助手席に座っている。)

セア : 私の車がまだあそこにあるんです。お願いします。

サンウ : ....(怒ったようにハンドルだけ見る)

セア : ......(唾を飲み込む)

サンウ : .....昨日俺が言った事、聞いていなかったんですか?

セア : .......

サンウ : 俺の目に見えないようにしてくれと言ったんですが...

セア : (口をギュッと閉じる)....

サンウ : もう一度言います。俺の目に見えないようにして下さい。そうでないと.... 傷付けても責任を取れません。

セア : ...(声震える) もう傷付いたようです..

サンウ : .....??(頭を回して見る)

セア : もう傷付いたようなんです...傷付いたのだから...

サンウ : (搖れる目。睨む) .....

セア : ...責任を取って下さい。警告する前に傷付いたのだから...

サンウ : (頭を回す) まだ治らない程ではないでしょう?そのまま放っておけば治るはずです。

セア : (冷たい目で見る) もし...もっと傷付いたら?

サンウ : (冷ややかに) そうならない事を願いますよ。(始動させる) ......(黙って運転する)

セア : (息苦しい).....


#セアのアパート前

(サンウの車、入って来て停まる。サンウ、降りる。助手席のドアを開けて黙って立っている。)

セア : (ためらってサンウを見る) ...

サンウ : (目を避ける) 降りて下さい。

セア : (口をギュッと閉じる)...

サンウ : ....降りて。

セア : (ゆっくり降りる) ...(目を閉じて、開ける) 本当に...会えなくてもいいのですか?

サンウ : (目が搖れる。奥歯を噛む) 初めから会わなかったと思えばいい。

セア : (冷たく見る) 私は思えません...

サンウ : やってみて。人生で出来ない事はそうないものだから。心さえ閉ざせば。

セア : (涙を溜める) ごめんなさい...そうしたくないんです...

サンウ : (目を閉じて、開ける。セアの腕をつかんで車から引き出し、ドアを閉める) さよなら。(戻って運転席に乗る)

(サンウの車去る。セア、サンウがつかんだ腕に戦慄流れる。固まったまま立っているセア....)


#ギョンミンとヨンウンのアパート、夜

(居間に座っていたギョンミン、チュニが風呂場に入ると立ち上がる。)


#チュニの部屋

(机の前に立ったチュニ、机の上に置かれた箱を見る。カードが差さっている。カードを抜いて読んでみる。)

" 恐縮な俺の心だ。チュニが愛する全てを撮ってみてごらん。ママでも、ミンジでも、生まれて来る弟(妹)でも...心の目で見て残して欲しいと.... - ギョンミン-"

(箱を開けてみると小さなカメラが入っている。チュニ、カメラを取り出して部屋のドアを見る..)


#水曜日、ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウン、机に座って首を回す。腕を伸ばして伸びをする。)

ヨンウン : ミジュ~、私に飲み物。

ミジュ : はい。(コップを持って来る) あとどれだけ残っていますか?

ヨンウン : もうすぐ終わるわ。明日までには出来ると思う。(苦笑) 短くてすぐ終わると思ったら2ヶ月も掛かっちゃった..

ミジュ : それでも出産前に終わって良かったです。来週が予定日ですか?

ヨンウン : ええ。早く生まれればいいわ。


#セアのアパート

(セア、ノートPCを広げたまま考える。何かを書く。目を閉じる。口を開けて小さくため息をつく。)


#サンウの事務室

(サンウ、資料見て仕事に沒頭する。電話する。時々ボーッとしてため息をつく。また働く。)


#木曜日、ヨンウンの仕事部屋。午後

(ヨンウン、ノートPC叩く。)

ヨンウン : 終わった!(気持ち良く眺める。暖かい微笑滲む) ミジュ~、コーヒー一杯だけ飲みましょう。

ミジュ : (見る)...一杯だけですよ。

ヨンウン : ええ。 (椅子から立ち上がり、風呂場に行く)

(しばらくして風呂場から出たヨンウン、お腹を見下ろす。ソファ-に座ってため息をつく。)

ヨンウン : ミジュ、監督にちょっと電話して。

ミジュ : はい。(受話器を持つ).....もしもし?少々お待ちください。(受話器渡す) 先生。

ヨンウン : (表情を上気させたまま受ける) うん、私。

ギョンミン : ああ。どうした?

ヨンウン : 今終わらせたわ。あなたの....

ギョンミン : (胸がじいんとする)....そうか。御苦労様...すぐ行くよ。

ヨンウン : うん....ところで..

ギョンミン : (切ろうとしたが) うん?

ヨンウン : お腹が痛いの。

ギョンミン : うん?...............?

ヨンウン : お腹が痛いのよ.... 生まれるのかもしれない。

ギョンミン : (椅子から立ち上がる) 何????


#二日後、病院新生児面会室前

(ギョンミン、オキシム、チュニ、赤ん坊を見て笑う。チュニ、懐からカメラを取り出して写真を撮る。ギョンミン、チュニを見て微笑む。)


#セアのアパート

(セア、パソコンホームページのギョンミン写真フォルダを削除する。息を吸い込む。きらめく目。立ち上がる。)


#SW事務室建物前

(サンウ、出る。車に乗る。出発する。セアの車が付いて行く。)


#病院の廊下

(サンウとギョンミン、椅子に座っている。)

サンウ : (苦笑) 本当に...こんな場所に来るなんて。

ギョンミン : (笑う) そうですよ。いらっしゃらなくても良かったのに。

サンウ : 行く途中だからですよ。ここにいらっしゃると言うので....

ギョンミン : .....何か話があるんですか?

サンウ : (見て視線を回す) いいえ...

ギョンミン : (じっと見る) ...... うまく行かないんですか?

サンウ : (視線避けて) 何がですか?

ギョンミン : (腰を伸ばして呼吸する) 俺は...チン代表は少し,..自由になればいいと思います。

サンウ : (硬直する)....

ギョンミン : 少しだけ楽になったらいいと思いますね...

サンウ : ...... 今も楽ですよ。

ギョンミン : そうでない部分があるじゃないですか。

サンウ : (ハッと)...

ギョンミン : 少し正直になるとか...

サンウ : 俺たち.. あまりにも親しく過ごしたようですね...

ギョンミン : (見る)......

サンウ : (目つき搖れる).....あまりにも多くを御存知存ですね...

ギョンミン : ...それできまり悪いんですか?

サンウ : .... (苦笑) きまり悪くなるべきなのに....(口をつぐむ)

ギョンミン : ...(黙って見る)


#病院駐車場

(サンウ、車の方に歩いて来る。自分の車のそばに見慣れた車を発見し、ギクッとする。運転席を見る。セアがハンドルにもたれてサンウを見ている。サンウ、見ているが車に乗る。出発する。セアの車が付いて行く。)


#遅い夜,漢江水辺

(駐車場に入って来る車。付いて来る車。サンウ、車を停めて出る。セア、車を停める。サンウ、セアの車の方に近付き、運転席の隣に立つ。怒ったように睨む。セア、ためらって窓を下ろす。)

サンウ : (睨む) 何の真似だ?

セア : (前を見て) あなたの目に見えるようにしようとすると、こうするしかないんです。見ても見えない振りをするから。

サンウ : ..........................幼稚な事をするな。あなたが傷付く事は願っていない。

セア : (見る) どうして傷付くと思うのですか?会えないのはもっと辛いのに...

サンウ : (目を閉じる).......(見る) 傷付く事になるから。それは明らかだから...

セア : (涙を浮かべる) それでは傷付きます。それで辛いのも、こんなふうになって辛いのも、まったく同じだから。

サンウ : (辛い。声が大きくなる) どうしてだ?俺の何が分かる?俺を...分かるのか?

セア : (車から降りる。正面から見る) 分かります。他の事は分からなくても、私に映るあなたは分かります。他の事は、私には関係ない...

サンウ : (辛い目でセアを見る) 頼む...これ以上近付くな...

(サンウに近付くセア。サンウ、固まったまま立っている....)

(セア、サンウの目を眺める。サンウの目が搖れる...)

(セア、サンウに近付いて口付ける...サンウ、固まる... )

(サンウの首を抱くセア。サンウの体が震える。拳を握り締め...)

(セア、サンウにキスをする。サンウ、目を閉じる...)





(原作出処: sonkhj1116さんのブログ




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