いなかの猫の天邪鬼部屋

第14話

第14話 窮地

ヤン市長の死で窮地に追い込まれたドウは、シンとウンスの親しげな姿に嫉妬を感じる。
嫉妬が呼んだ誤解が行き違い、ドウとギョンアの結婚式が始まろうとしていた。


1.今まで物証はなく心証だけがある状態で遅々として進まなかったヤン市長の死に、ついに証拠が発見される。キョンジュ刑事とジェミョンの努力でついにミョンド市警察署に'ヤン・ウソン事件状況室'が出来る。そして、政警癒着のアイコン、ミョンド市警察署長は懲戒上に立たされる。大変だったが、ヤン市長の悔しい死の糸口も見付けた。
今や解決すべきはジェミョンとシンに掛かった告訴。これを解くためにドリームチームが動く。
キーワードはオ・サンウォン市長(オ理事)。緻密な水底作業で副市長の席に上がったオ・サンウォンは、ヤン市長が殺害された後、自然にミョンド市の市長になった。
ドリームチームが攻略する所は、まさにオ市長の非理行脚だ。
この先生にこの弟子、このおかずにこの御飯と言ったところか?オ理事は、過去チェ会長がロビーの大商人(?)たちに施行していた手法をそのまま利用していたが、まさにこの人達を攻略する事だった。
辞職した前副市長を訪ねて行き、ムンホの専攻である詐欺とシンの専攻である脅迫(?)で、オ理事の弱点を知り、ドウに、オ市長の非理を記者に知らせるという脅しで取引をしに来たシンは、ドウにそれを望まないのなら自分とジェミョンの告訴を取り下げるよう頼み、ドウとしては他に選択の余地がない取引を提案する。
ドウの告訴取下で自由の身になったシンとジェミョンは、疲れも忘れて再びドウとの闘いを準備する。

2.ミョンド市の開発によって 資金難に面しているドウ が農業法人を狙っているという事を、オ理事を通して伝え聞き、攻略に出る。
シンは、ドウがチェドンの株式によって作戦を繰り広げるだろうとドウの手を事前に読み、大兄貴ボムファンに、農業ベンチャーに投資を勧め、今まで裏でボスの役割をしていたギョンテとボムファンが乗り出し始めた。
組織ではトップだが株式では一介の蟻でしかなかったためだが、ギョンテの照準にもかかわらず、ボムファンの固執で望んでいた目標値に達する事が出来なかった。だが、それでも資金難に陥ったドウに一杯食わせ、株式作戦は成功する。
今回の株式作戦で利益を得たボムファンは、農業ベンチャーに絶えず投資してやる事を約束し、この噂はドウの耳にまで入って行く事になる。

3.一方、ヤン市長を殺害した犯人としてケイに目星をつけたジェミョンは、証拠不十分でケイを逮捕出来なくなると同時にケイが韓国を発って逃走する事を出来なくするために、臨時手段として以前自分を刺して 自分の銃を盗んで行ったという罪名で逮捕を要請 する。
ケイを警察に引きとめておき、調査出来る時間はわずか48時間だけ。この時間内にジェミョンとキム刑事は証言を得て一つでも確実な証拠を見付けなければならない。
だが、ケイは 黙秘権 を行使して何も言わず、警察も彼の住居地でも何も成果を得られなかった。
結局ケイは警察署を出る事になり、そんな ケイにジェミョンは、自分が預けた銃を探しに行くと脅す。

4.前回、ドウの精神病を知る事になったシンは、ギョンアにドウの危険性を知らせるため、ギョンアに会おうとするが、ギョンアはそんなシンの試みを拒否する。ギョンアにとって既にシンという存在は過去の幸せだった頃の亡霊でしかなかったようだ。
ギョンアはシンがまだ自分を愛していると錯覚しているのだろうか。だが、シンのギョンアに対する感情は、恋人の感情ではなく、いばらの道と分かっても引き返す事が出来る家族のような人、もどかしさに、より近い。
一方、ミューズに定着して暮らしているウンスとチェ会長によって、シンは混乱するようになる。自分の兄を殺した張本人ドウをどうやってでも潰すために一刻も早く動いて作戦を繰り広げなければならないのに、 彼らの存在はちくちくして不便なだけ だ。
だが、ぶつかり続ければ、ぶつかっているうちに、生まれるはずのないものも生まれたという事だろうか?
シンにはウンスが、不便だが一方では守ってやりたいと思う姿に見える。
そして、偶然でなくシンとウンスが一緒にいる姿を、親しげな姿を見たドウが、彼らの間柄を誤解する事になり、シンに対して憤怒を更に強めて行く。'悪'という存在に作られたドウにとって'善'だけで作られたウンスの存在は、憧憬し、得たく、自分だけのものである事を願ったものだ。それだからか、ウンスが徐々に自分と遠くなり、その理由がシンに会って以後だと考え、ドウは何だか分からない憤怒が激しく込み上げる。
そして、そんな理解出来ない感情をギョンアにほのめかすが、ギョンアはその話をドウが自分に話す事、即 プロポーズと誤解 する。結局彼らは行き違った感情を揺する事も出来ないまま結婚式は進行された。
ドウに愛はあり得なかった。 ドウの事務室に隠された空間にあった王妃の写真で'グレイス・ケリー'が着ていたドレスと同じデザインのドレスを着たギョンアを見ると、ドウはネオモナコの構成品である王妃が必要だった真実に、シンとウンスの親しげな姿に刺激され、ウンスの心も確認してみる事を兼ねて競争するように結婚式を執り行わなければならなかったという事ではなかっただろうか。
彼らの結婚式の日、最も幸せで美しい新婦は笑わずにいた。
これからギョンアとドウはどうなるのだろうか?


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