いなかの猫の天邪鬼部屋

キム・シン - 革命家

キム・シン - 革命家

流れるままに流れて行った人生に大転換が生じたのは一瞬だった。
着実にギョーザ工場をして来ていた兄が'ゴミギョーザ'の汚名を被って自殺した後、私債業者に追われるようになる。結局彼は、残った家族と愛していた恋人'ギョンア'までも見送り、一人で全てをかぶったまま監獄行を選ぶ。だが、そこで兄の死を巡る巨大な陰謀と実体に触れ、彼は変化する。
そして決心する。金を稼ぐ方法を学び、金で世界を買おうと・・・その世界と一度勝負してやろうと!


残った人生?金で世界を全部買う!
世界と闘う事を決めた前職無職、世界に向かって宣戦布告をする!


世の中を知らない天上の無職、風浪に巻き込まれる
キム・シンの人生のモットーは、おそらく'なるようになる'だったのだろう。世の中に流されるままに生き、金が足りなければ兄のギョーザ工場で働いて小遣いを稼ぎ、時々恋人ギョンアに殴られ、そうこうするうちに彼の人生を180度変える事件が勃発した。
彼の兄が運営していたギョーザ工場が'ゴミギョーザ'波動に巻き込まれ、彼の兄は自殺してしまう。そして、私債業者たちに家まで渡る状況になり、急激に彼の恋人ギョンアとの関係が悪化する。
そして彼は決心する。
この全てを自分が背負って行こうと。愛する家族たちと恋人を守るため、自分が全て持って行こうと。
そして、キム・シンは弓矢を持って放送局に突入する騒ぎを起こし、結局殺人未遂罪で刑務所に行く事になる。刑務所でも彼はナンバン派のボスを刺激した罪で集団リンチに遭い、これに屈しないとまたリンチに遭った。
生きて行く方法を知らないキム・シンに、同じ房を使っていたマジンガーハンターアン・ギョンテは'金'がまさにこの世界を生きて行く最高の物質だという事を教えてくれる。

世の中と断絶された刑務所?彼が世の中と出会う
よく刑務所を、とても質の悪い行動をする人間たちの世界と断絶させ、認定期間が過ぎたら再び世の中に送り出す場所だと言う。
だが、キム・シンには全く反対だった。彼は刑務所で本当の世の中と出会った。
何度かの殴打やいじめの末、キム・シンの肝っ玉に傾いたナンバン派のボスボムファンは、彼を同僚として受け入れる。そして彼は、自分の恋人ギョンアが危険だと、刑務所の外にいるボムファンの人間に彼女を保護するように要請する。もう一つ頼んだ事は、自分の兄の死の内幕を知りたいと、それが何なのか知らなければと。
これにボムファンは、彼にアン・ギョンテを紹介してやる。
初めはただ馬鹿だと思っていた友人が、株式界の伝説的な人物であり、データ分析家だという事実を知り、キム・シンはアン・ギョンテを見直すようになる。
ボムファンの思った通り、アン・ギョンテはパク・ムノが持って来た最近のデータを見て、キム・シンの兄に掛かった巨大な陰謀を話す。
ボムファンとアン・ギョンテによって天上の無職だったキム・シンは、ようやく世の中を知る人間に変貌する。

金を知らなかった奴が金で世の中と勝負する
彼が収監されて3年になった日、キム・シンはついに世界の懐に帰還する。
キム・シンは、まっすぐ兄の墓を訪ねて行き、これから自分がしなければならない事があり、それが正しくない事々でも、自分はしなければならないと誓う。だから心配はやめろと言う。
自分の兄を殺し、愛するギョンアを花柳界に飛び込ませた全ての元凶である金が支配する世の中に、彼は金で宣戦布告をする。
アン・ギョンテと再会した彼は、すぐに彼の叔父パク・ムノと、アメリカから来たド・ジェミョンに会う事になる。
だが、初めに会った時は、彼らと一緒に働くとは全く考えられなかった。
まず彼は、賭博場を根こそぎかっさらい、1億5000ウォンという巨額を用意し、ギョンアを訪ねて行く。だがギョンアは3年前、自分を訪ねて来て'自分が足りないから泣き事を言って生きて、他人のせいにするだけで、恥ずかしくないのか'と言ったチェ・ドウと一緒にいた。勿論チェ・ドウはキム・シンを覚えていなかったが、キム・シンはあまりにも彼をよく覚えていた。
彼と彼がいるチェドンという言葉を自分の敵だと決心したその時、彼は'復讐'の声を上げ、続いてド・ジェミョン、パク・ムノ、そしてアン・ギョンテが一緒に声を上げた。

自分の人のために土下座をする事が自分の自尊心
チェドンを相手にした詐欺劇は見事に成功したが、それはウォーミングアップに過ぎなかった。旧時代的な発想を持っていたチェ会長を相手にするのは、血気旺盛なドリームチームにとって易しい事だったが、新資本主義の典型的なモデルでありIQ180を誇る悪魔チェ・ドウは全く違う次元の敵だった。キム・シンはチェ・ドウより先にチェドンの自分たちの持ち分を51%に引き上げようと転換社債まで受ける等、持てる手段を尽くす。
そんな努力にもかかわらず、やはりチェ・ドウはチェ・ドウだった。彼は株価操作でキム・シンの努力を一瞬で水の泡にし、キム・シンの最後の希望だった臨時株主総会ではギョンアが受けて来た転換社債の結巻で自分の持ち分を51.3%にする事に成功、最後の最後にキム・シンを倒し勝利する。
すぐ翌日には借金の山に座る事になったドリームチームの前に現れたチェ・ドウは、チェドンの株式を買ってやるが、代わりにキム・シンが'一人で土下座する事'という呆れた条件を付ける。ド・ジェミョンはキム・シンに行くなと言うが、キム・シンはドリームチームのメンバーたちのためにチェ・ドウを訪ねて行く。
自尊心もないのかと皮肉を言うチェ・ドウに彼は'自分の人のために土下座をする事が自分の自尊心を立てる事'と言い、彼の前で土下座をする。

底まで落ちたキム・シン、再起と勝利
チェ・ドウに屈辱の敗北を喫したキム・シンは、底まで落ちるような感じを受け、心的に彷徨する。そうするうちに、彼はミョンド市で暮らしている義姉が危険だという話を聞き、すぐさま駆け付ける。ミョンド市はチェ・ドウの夢の都市であるネオモナコが建設される場所で、彼の野心のために256名の人たちが路頭に迷う事になった。そこでヤン市長と出会ったキム・シンは、一人では何も出来ないという教訓を得て、再びドリームチームと再会する。
キム・シンは、このまま諦められないとミョンド市をチェ・ドウとの2番目の闘いの場に選ぶ。
彼は、必ずチェ・ドウが彼の野心のために障害物であるヤン市長を除去しようとすると予想し、その予想は的中する。ヤン市長が公金横領容疑で捕まると、キム・シンはすぐさま別の詐欺劇に入る。ヤン市長の補佐官に、彼は嘘の良心宣言をするように頼み、ドリームチームのメンバーが各自準備した事によって偽造書類を整え、この嘘のための真実の証拠まで用意した。
これによってキム・シンは、チェ・ドウを相手に会心の勝利を収める。

人は人、そして民主主義と交わる
キム・シンを見ると、まさに私達を見るような感じを受ける。ある瞬間爆発しても直ぐにおさまり、あるいは、あちらに行ったりこちらに来たり、ある種の人々は認めたくなくても認めざるを得ない人の特徴だ。
そうした人の特徴を上手く持っているキム・シンのもう一つの特徴は、まさに人を認めるという事だった。
死んだ人にも義理を守って信念を持った点は、キム・シンの最も大きな武器で、これは人々を彼の周辺に引き寄せるものであり、チェ・ドウという岩を相手に出来るようにしてくれる100万個の卵を提供した。
そしてもう一つ、キム・シンの数多くの人々の真ん中で最も特別な人は、まさにキム・シンの敵チェ・ドウの天使のような妹チェ・ウンスだった。彼女はキム・シンが刑務所にいた時、訪ねて来て彼に、あなたがこうなったのは私の父の会社のためだから謝罪すると言った。ともすれば、その面会がキム・シンの復讐心に火を灯した事かもしれない。ただ弱いだけに見え、世間知らずだったチェ・ウンスが一人で悪魔のような兄と父の間で苦労していた事を悟ったキム・シンは、自分も知らないうちに彼女と急速に近付くようになり、ある瞬間、愛という感情が生じた。
だが、彼らの愛は、実を結ぶ前にチェ・ドウの狂気によってチェ・ウンスが死に、終わってしまう。

キム・シンとチェ・ドウ、まだ終わらない
チェ・ドウは結局解離性人格障害という病名で精神病院に直行し、キム・シンはミョンド市でギョーザ工場をする。
もう無職キム・シンではなく世の中を一生懸命生きて行くキム・シンに変わった彼は、ある日、チェ・ドウから絵を一枚受ける。そこには'5000-4500=0'という異常な計算とノート、そしてダイヤモンドの指輪が描かれていた。
いつかギョンアが彼に、チェ会長の賄賂帳簿の話をした事があった。
彼はこの絵からギョンアを守って欲しいというチェ・ドウのメッセージを読み出し、ない帳簿をあるように装い、彼女を救う。
精神病院にいるチェ・ドウを訪ねて行ったキム・シンは'お前が復活する時まで私は待っている'と言い、彼が狂っていない事を疑う。
今度も彼の疑いは当たっていた。ギョンアにキスをし、彼女が見えないようにした後、チェ・ドウはキム・シンに向かって会心の笑みを作る。
チェ・ドウがついに彼を敵と認めたわけで、進行する彼らの戦争はまだ終わらない事も暗示した。
ともすれば、この二人の闘いは、永遠に終わらないかもしれない。
なぜなら、キム・シンとチェ・ドウ、この二人はこの世界の最も大きな存在である人と金を象徴し、彼らの間の戦争は、その終わりが見えない平行線を走っているのだから…


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