石狩市議会議員 青山ゆうこう の日記

石狩市議会議員 青山ゆうこう の日記

代表質問(H20年3月)



新政クラブを代表して当面する市政のいくつかの課題について市長のご見解を伺ってまいります。

 昨年の冬季は降雪が少なく「地球温暖化の影響か」と勝手に都合よく判断していましたが、今年は例年にまさる降雪としばれで、期待は完全に裏切られました。
 暖房用灯油の高騰で、灯油を使う我が家の融雪槽、ロードヒーティングはとうとう一度も使用することなく、ひたすら人力で雪と取り組んでまいりました。
 しかし、この降雪にもかかわらず、市民からは除雪にかかわる苦情は私の耳には入ってきません。苦情が殺到した一昨年の経験が生かされたものだと思います。
 徐排雪業者の皆さん、行政の皆さんの努力に経緯を表したいと思います。

通告の順に従って質問をしていきます。

最初に財政問題について伺います。

ここ数年、年末から年始にかけての予算編成時期になると、「財源があと○○億足りない」「予算が編成できない」といった悲痛な声がもれてきました。夕張市が財政破綻してからは「第2の夕張にならないように」という言葉が、財政を語るときの枕詞のようになっていました。基金はほとんど使い果たし、新年度予算編成はどうなるかと注目していましたが、外部から見る限りでは、今年は悲壮感もないまま編成が進んだように見えて、私たちもほっとしているところです。

提案された予算をみても、公債費は減少し、税収は北海道をはじめ主要な市が軒並み前年を下回っている中で、本市は9年ぶりに増収に転じています。さらに公共施設修繕基金に約1億円を積み戻すなど、今年度については本市の財政環境に少しは明るい兆候が見えてきたような気もいたします。

そこで、20年度予算の編成を通じて見えてきたであろう21年度以降の見通しについて伺います。

20年度予算には従来減少が続いていた普通交付税が19年度肉付け予算対比1億3千万円余り伸びていることが大きく寄与しているわけですが、このなかには地方再生対策費1億8千万円が含まれています。市の財政計画によると起債償還は20年度が34億9千万円、21年度は34億1千万円、22年度は35億3千万円となる見込みです。
この先数年はなお高い水準で起債償還が続きます。また、救世主ともいえる地方再生対策費は「等分の間」という暫定措置で交付されるものです。税源の地方配分など課題も解決していません。
また、原油価格の異常な高騰、サブプライム問題に端を発するアメリカ経済の先行き不透明などにより輸出企業を中心に日本経済もどのような影響があるのか見えてこない中で、来年度以降も好調な税収を維持できる保障はありません。

市長は執行方針でさらなる改革を強調される一方で、「各種改革への取り組みの成果」「地域改革の取り組みも徐々に成果が現れた」と述べ、行間からは今後の財政運営についての自信も読み取れるわけですが、起債償還のピークは乗り切れる見通しがついた、少なくとも先行きに明るい光が見えてきたと考えてもいいのでしょうか。お伺いします。

次に公的資金の繰上げ償還について伺います。

国は平成19年度以降3年間、5兆円規模で借り入れ金利が5%以上の政府資金について簡保資金を含め借り換えを認め、償還の際の保証金を免除するとともに、民間資金への借り換え債の発行を認めるとのことであります。財政健全化計画策定、実質公債費比率などの条件がありますが、今議会初日に提案された今年度補正予算でも1部措置されていましたので、本市もこの条件に合致するのだろうと思います。
そ子でお伺いしますが、本市には年利5%以上の政府資金借り入れ規模が企業会計を含めてどの程度あり、そのうちいくらが借り換え可能となるのでしょうか。
また、借り換えによる財政効果はどの程度をみこんでいるのでしょうか。伺います。


次に限界集落について伺います。

限界集落は65歳以上の高齢者が人口比率で住民の50%を超え、共同生活が困難になった集落のことを長野大学の大野晃教授が1991年に提唱した概念といわれています。

中山間地や離島を中心に過疎化、高齢化の進行で急速に増えておりこのようになった集落では生活道路の管理、冠婚葬祭など共同体としての昨日が急速に衰えてしまい、やがて消滅に向かうとされています。共同体として生きてゆくための限界という意味で限界集落と表現されています。
国土交通省の2006年の調査によれば全国6万2千余りの集落で12%、7千800余りの集落がすでに限界集落となっており、10年以内に消滅の可能性のある集落が422、いずれ消滅の可能性がある集落を含めると2千600あまりにのぼるということです。 

 人口面で石狩市を見てみましょう。昨年10月1日現在、全人口に占める65歳以上人口は20・2%ですが、集落別に見ると46集落のうち11集落が大野教授のいう限界集落状態になっています。
 旧石狩市が23集落のうち唯一、高岡が52%で限界集落だったのに対し、厚田区が10集落中3集落、浜益区では13人の住人のうち12人が65歳以上だった千代志別の92・3%を筆頭に、雄冬85・7%、床丹83・3%と軒並み高い割合で13集落のうち実に7集落が限界集落入りしています。残り6集落も1番高齢化率が低く、区の中心市街地といえる柏木、浜益でさえ35%前後で、全部の集落が限界集落入りすることは時間の問題という状況です。
 寒風吹きすさぶ中でお年寄りが肩を寄せ合って暮らしている状況が目に浮かびます。
 大野教授は高知県の山村の荒廃から山の保水機能低下、河川氾濫、山の栄養分が失われることによる海の漁獲高減少を指摘し、放置すれば国土の荒廃、ひいては都市住民の生活に大きな影響が及ぶことに警鐘を鳴らしたものです。

 いうまでもないことですが、都市から山村に至るまでのすべてで日本列島は成り立ってきたのです。石狩市も漁村から農村、商工業、サラリーマンといった多様な市民で成り立ち、これからも成り立っていくことになるわけですが、いわば日本の原風景、とも言うべき一角が消滅しかかっていることをどのようにお考えでしょうか。

 限界集落化は商店等の撤退、耕作地の放棄、集落の伝統行事の消滅から教育、医療、介護などのあらゆる行政サービスまで深刻な影響をもたらします。

 仕事の関係、故郷への愛着など住人の事情は様々でしょうが、住んでいる地区を離れることが出来ない人たちを、自己責任として切り捨てることは出来ないと思います。この対策についてどのようにお考えでしょうか。

 また、限界集落のうち雄冬地区について伺います。浜益中心街から約15キロ。住人7人、うち6人が65歳以上の高齢者で高齢化率は85.7%です。残る一人も60歳を越え、数年のうちに100%になるのは確実です。この地区は険しい山岳地帯と2つの長大トンネルによって浜益区のなかでも孤立し、増毛町雄冬地区に混在している状態です。簡易水道を増毛町に依存しているほかは除雪、福祉関係、ゴミ収集などほとんどの行政サービスは石狩市が担っています。漁業権をめぐる歴史的な経緯も承知していますが、住民生活を考えるとき、住民の意向を聞き、何らかの対策を考える必要があるのではないかと思いますがいかがでしょうか。
次に土地利用計画のうち樽川地区の計画について伺います。

平成13年策定の都市マスタープランでは将来市街地の取り組み方針として「消防署周辺の市街化調整区域については商業業務系の市街地としての土地利用を検討します」とあります。これは斜め防風林両側の樽川、花畔地区の調整区域を指しているかと思いますが、そのとおりでしょうか。
樽川地区ははまなす国体を機に道道石狩手稲線が拡幅され、4車線に整備されたことから住宅団地が造成され、沿道には大型商業施設を始めとする店舗、車販売会社などが次々に開店し、市内では最も商業集積が進んだゾーンとなっています。
札幌市境界から防風林までの大部分はこうして市街化が進行していますが、1部が開発から取り残されたままです。
調整区域として残された沿道を商業業務地区とする検討はどのようになされたのでしょうか。当該地区は農地であり、転用にはいくつかのハードルがあることも承知していますが、それでもなおマスタープランで開発をうたっているからには、道道沿線に商業集積を目指す意図があったと思うわけですが、検討の経緯をお示しください。

また、当該地にはわが国の代表的な流通業が札幌圏を視野にいれた大規模ショッピングモール建設を希望し、市に開発を打診していると聞いております。
商業中心核のない本市であります。市内商業の再編も含めて、真剣な検討に値すると考えますが、市長はどのようにお考えでしょうか。

次に花川東土地区画整理事業について伺います。

平成17年、財政がきわめて厳しいなかで、総額2億5000万円の支援を決め、18年度から4年間の予定で実行しています。
区画整理組合は206区画の保留地を分譲する計画で事業を開始し、金融機関への償還の1部支援を始めた18年は34区画、19年は17区画を販売したそうですが、現在67区画が未処分となっています。この事業は平成22年終了の予定と聞いていますが、残り2年間で全区画の販売を終わることが出来るのでしょうか。見通しをお聞かせください。
また、市の支援も22年で終わる予定ですが、現在の状況で今後、さらなる支援を求められることはないのでしょうか。万一、再度支援を求められた場合の考え方についても伺っておきたいと思います。

最後に農業政策について伺います。

国は昨年、外国の麦を輸入し、その差益を生産者に分け与えている制度を廃止し、品目横断的経営安定対策等を導入しました。このため、麦作の作付け面積は減り、その分の耕地面積がイモや豆類に集中したために、イモの価格が大暴落し、10キロで200円から300円という値段であり、長く農業を続けたひとでもこのような値段は覚えがないというほどでした。サラダやコロッケの材料になって  いますが商品価格は従来と変わっていません。

実際には麦価の補填制度をなくするためにつくったとしか思えない品目横断的経営安定対策が生産物価格に思わぬ影響を与えてしまった例です。北海道の面積要件は10ヘクタール以上でしたが、今回の見直しで水田・畑作経営所得安定対策に名称が変わるのに併せて経営面積要件が緩和されるなど、なにもかにもが大きく変わるわけです。

また、地域水田農業ビジョンで担い手とされる認定農業者と集落営農組織は面積が足りなくとも、市町村が認めれば加入できるようになりました。これが市町村特認といわれるものですが、石狩市の場合はどのような基準になるのでしょうか。この周知の方法と併せてお尋ねいたします。

また、一昨年は10ヘクタール以上でなければ対象にならないため、やむなく小作契約をした人たちが、今度は契約解除をするなどのトラブルが発生することが懸念されます。そのような心配がないのかどうか制度改正について伺います。

 以上で私の質問を終わりますが、再質問を留保します。




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