それゆけ!派遣社員! ~研究所編~

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プレゼント攻撃





次の日のお昼、私は坂本さんに

シャンパンのことを話し、手紙を見せた。


「やだ…。 何これ…。」

坂本さんは不気味そうに手紙を読んだ。


「こんな時に二人共も出張だなんて…。

 タイミングが悪すぎるわよ…。

 ごめんね…。 何もできなくて…。」

坂本さんは申し訳なさそうに、私に言った。


「やっぱり二人の帰りを待つしかないですよね…。」

「そうよね…。」


母には、派遣会社に相談すると言ったが

派遣会社も、山中さんがいないことには

どうしようもないだろうと思った。


「このまま毎日、何か送られてくるんでしょうか…?」

私は、答えを期待せずに坂本さんに聞いてみた。


「磯野さんにはかわいそうだけど、そうなると思う…。 

 彼の性格というか…病気のことを考えても、

 このまま送り続けるんじゃないかと思う…。」


そして坂本さんの言ったとおり、それから毎日

一日もかかさず荷物は届けられた。


その日は、アクション映画のDVDだった。

「僕の好きなDVDです。」とのメッセージが入っていた。


次の日から3日間は、推理小説のシリーズものが

一冊づつ送られてきた。


そして4日目に届いたものは…

なんと、鑑定書付きのダイヤモンドのネックレスだった。


私はもう恐ろしくて仕方なかった…。


その日を境に、小包を開けるのが怖くて

箱のまま玄関に置いておいた。


私は、今までに味わったことのない恐怖の気持ちを抱えたまま

ただひたすら山中さんと多村リーダーが

出張から帰ってくる日の朝を待っていた。





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