島流れ者 - 悪意なき本音

島流れ者 - 悪意なき本音

日本文化の輸出



私にはとても理解しがたいハズバンドのジャックの趣味の一つにアニメーション・コミックがある。子供の頃はX-Menなどのいろんなアニメヒーローの雑誌を集めていたそうだ。その熱は多少下がったものの、未だにテレビのカートゥーンネットワークやほかのチャンネルで、毎晩と言っていいほどいろんなのを見ている。中には私も好きな大人向きの笑える物もあるが、殆どが、はっきりいって下らない。特に、日本のアニメを見出したときには、耳栓をしたくなる。

日本のアニメの多くは胸と目がサッカーボールほど大きくウエストが手首ほど細く、足の長さが全体の二分の三ほどを占めた、こんな人間いないぞと言う女の子が出てくるケースが多く、しかもその子達は高校生以下のスクールガールばかり。そして声も甲高い声で大変耳障りである。だから、だから本当に彼がそういったのを見始めるとFMラジオでJazzやWould Musicなどを大きめに掛けてヘッドフォンで聞こえないようにしている。自称アーティストのジャック曰く、アニメーションは日本の文化の一部、こんなに素晴らしい物の価値が分らないばかりか恥とする私がおかしいらしい。彼がなぜアニメーションがすきなのかと言うのは、アートの一つと見てとても想像性豊かなところだそうだ。何がアートだか。

こちらに来る前はあまり気づかなかったが、テレビを見ても、雑誌を見てもあらゆる日本のメディアには小さな漫画チックなキャラクターが沢山出てくる。それと、言葉の表現の中にも擬態語や擬声語が大変多く、一面がそればかりで活字が本当に少ない。暫く日本から離れていたせいもあるが、最近はもっと酷くなってきたのではないかと思う。この現象が、日本人の言葉の語彙がだんだんメディアの影響で少なくなっている証拠だとしたら、大変残念なことだ。いろんな人のサイトをランダムで見ていると、特にそういうのが多く使われていて、まるで子供向けのサイトを見ているようで疲れる。かなり偏った考え方だと思われるかもしれないが、多くの日本人がなんだか幼稚化しているように思えてならない。

滅多に日本のテレビを見る機会がないが、極たまに、日本のドラマがチラッと移ったりすると内容が高校生以下の子供向けの物が多かったり(もちろん仕上がりは学芸会並み)その間にやっているコマーシャルも高校生くらいのスクールガールを使っている物が多い。ジャックは日本語が分らないので内容こそは分らないが、見るたびに、“ソープオペラ(お昼のメロドラマのことを英語でこう言う)のようで、ダサいね”と言っている。こういうものや、アニメーションばかりが日本の代表されるテレビ番組と思って欲しくない。私が日本にいた頃よく見ていた優れたテレビ番組や、ドキュメンタリーショウは、こちらではあまりやってないので残念だ。

ジャックが日本語を少し覚えたり、いろんな日本食にどんどんなれて、私のルーツを尊重してくれるのは有り難いが、日本のおかしな部分を日本の文化としたり、ましてや感化などされないで欲しいと願うばかりだ。


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