笑顔のある日々

笑顔のある日々

入院、転院



「入院準備があるから一旦帰って、入院するようにと言われた。お母さん(妻の母)が来てくれるから、かず(長男)は大丈夫よ。準備があるから最短で帰ってきて欲しいんだけど。」

妻の口調からは深刻な状況ではないと言う印象を受けたが、
その日は出張予定をキャンセルさせてもらって、帰宅した。
家での待ち合わせのつもりだったが、家には誰もいない。妻の携帯電話に電話しても「電波の届かない場所におられるか・・・」
車は妻が病院にいくのに使っていたので電車とバスで30分程度はなれた協同病院に向かった。

既に妻は入院し、ベッドに横になっていた。
最初は一旦帰宅して、ということだったが、直ぐ入院と言うことになってしまった。
状況を聞くと子宮口が2cmほど開いてしまっているらしい。
その時はまだ妊娠23週目。妊娠23週で早産した結果がどうなるのか、
想像もできていなかった。

この総合病院にもNICUがあったが妊娠30週以降の赤ちゃんしか対処できない
とのこと。なんとか30週まで持つことが最初の目標だと担当医(女医さんでした)から言われた。

しかし、その後も子宮口はどんどん広がり、定期的なお腹のハリがでてきていた。その定期的なお腹のハリは陣痛のようだとのこと。定期的なハリが10分間隔になってしまい、急遽夜間に病院から呼ばれました。

担当医からは「このまま生まれても、この病院では対処しません。
対処しなければ、数秒の命でしょう。24週まで持てば、30週以下でも受け入れてくれる病院があるので、24週まで待って他の病院への転院することができますが、今の状態では受け入れてくれません。今の状態で赤ちゃんが生まれるようなことになれば、その子は一生病院からでれないでしょう。
ご両親のその覚悟はありますか?もしどうしてもということであれば
受け入れてくれる病院を探します。しかし、転院は救急車で搬送しますが、どうしても振動があるので陣痛が進む可能性があります。
どうしますか?
」と言われてしまいました。(この言葉は、私たちが他にもっと可能性はないのか等、掘り下げて聞いたため、他にいいようがなかったんだと
思います。)

私「病院からでれないとしても、障がいがのこってしまうとしても、
この子は笑えるような日が来ると思いますか?」

担当医「・・・。今の週数では肺ができておらず、呼吸器をつけることになります。呼吸器は管を入れますが、痛みを伴うので麻酔をかけることになると思います。少なくとも、呼吸器はつけっぱなしになると思うので、ずっと眠り続けることになるでしょう」

この言葉を聞いて涙がでてしまいました。そして、
私「直ぐに転院はしなくて良いです。今直ぐ生まれることになっても、
処置できなくていいです。但し、この病院でできるベストをお願いします」

この決断後、奇跡的に10分間隔のハリは収まった。
この日から数日間、(本当は駄目なのですが)、個室に移ったこともあり、夜間は病院に泊り込み、ソファーで寝起きしてました。

入院から1週間後。24週になったところで転院が決定。
安定している状態を見計らって、救急車で転院。

転院先は、最初の病院から車で1時間少し(家からは車で1時間半ぐらい)の
同系列の病院でした。






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