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2022年06月18日
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2022年6月18日

報徳記を読む 現代語訳 第二集 報徳記巻の2

【七】先生辻門井二邑の里正を教諭す その10

( もと ) 拾石 ( じつこく ) 所有 ( しよいう ) せば 拾石 ( じゆつこく ) ( たみ ) となし、五 拾石 ( じゆつこく ) 所有 ( しよいう ) せば五 拾石 ( じゆつこく ) ( たみ ) となし、百 ( こく ) 所有 ( しよいう ) なれば必ず百 ( こく ) 田圃 ( でんぼ ) ( あた ) へ、 以前 ( いぜん ) ( いう ) する ( ところ ) 家財 ( かざい ) ( いた ) るまで ( ことごと ) ( これ ) ( あた ) ふべし。 ( それ ) 天下 ( てんか ) 人民 ( じんみん ) ( かく ) ( ) ( しゆ ) ( つか ) へて ( ) ( たがや ) ( ) ( をさ ) め一 ( ) 経営 ( けいえい ) す。 ( ) 主君 ( しゆくん ) 仮令 ( たとひ ) ( みち ) なしと ( いへど ) も、 ( しも ) として ( これ ) ( うら ) むべきの ( みち ) なし。 ( しか ) るに ( ゑん ) ( しん ) ( はつ ) し、 家財 ( かざい ) ( ) ちて ( きた ) るものを ( ) れ、 ( ) ( ) ( たみ ) ( ) ( とき ) は、 ( ) 地頭 ( ぢとう ) ( たい ) して 信義 ( しんぎ ) ( みち ) ( ) ( べか ) らず。 ( かつ ) 衰運 ( すゐうん ) ( くわい ) し、 ( まさ ) ( ほろ ) びんとするの 原因 ( げんいん ) ( いだ ) きて ( もつ ) ( きた ) ( もの ) は、 仮令 ( たとひ ) 如何 ( いか ) なる 多福 ( たふく ) ( あた ) ふと ( いへど ) 原因 ( げんいん ) ( ) きず。 ( ふたゝび ) 災害 ( さいがい ) ( なら ) ( いた ) り、 ( はい ) ( ぼう ) ( およ ) ぶこと 天理 ( てんり ) 自然 ( しぜん ) にして ( うたが ) ひなし。 ( ゆゑ ) ( われ ) ( かく ) ( ごと ) きものを ( ) けざるなり。 ( しか ) して 地頭 ( ぢとう ) ( うれひ ) ( うれ ) ひ、 報恩 ( ほうおん ) ( ため ) 良民 ( りやうみん ) ( みち ) ( つく ) し、一 ( ) ( ぶつ ) ( あま ) さず ( きみ ) ( ほう ) じ、一 ( しん ) ( ) るゝの ( ) なくして ( きた ) るに ( およ ) びては ( まさ ) ( ほろ ) びんとするの 因縁 ( いんえん ) ( こゝ ) ( めつ ) す。



( ゆゑ ) ( あらた ) 幸福 ( かうふく ) ( あた ) ふる ( とき ) ( かなら ) 再栄 ( さいえい ) ( うたがひ ) なし。 ( ) 主人 ( しゆじん ) ( また ) ( ) ( ごと ) 良民 ( りやうみん ) 廃棄 ( はいき ) し、 采邑 ( さいいふ ) 居住 ( きよぢゆう ) をも ( ゆる ) さゞる ( とき ) は、 ( ) ( ) ( たみ ) ( ) すと ( いへど ) ( なに ) 子細 ( しさい ) ( あら ) ん。 ( なんぢ ) ( ) ( ) 道理 ( だうり ) 了解 ( れうかい ) 断然 ( だんぜん ) 私心 ( ししん ) ( ) り、 ( ) ( みち ) ( おこな ) ふべし。 ( ) ( ) ( げん ) ( うたが ) ( おこな ) ふことあたはずして 主君 ( しゆくん ) 家財 ( かざい ) を争ひ、 ( きみ ) ( うら ) みて ( おのれ ) ( ) とし ( わざわひ ) ( まぬが ) れんことを ( はか ) らば、 数年 ( すうねん ) ( ) たずし ( かなら ) ( ほろ ) びん。 ( なんぢ ) ( ) ( これ ) 疑惑 ( ぎわく ) することなかれ と。




令和4年5月8日現在
「報徳記を読む」第二集ー報徳は精神改革であるー
全ルビ付原文、現代語訳、参考資料 (2014年11月28日発行)

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💛「報徳記」の原文(全フリガナ付き)を輪読してみませんか?

第2集、第3集は絶版ですが、第1集は手持ちが少しありますので、読書会等で「報徳記」の原文を輪読されたい読書会等がありましたら、上記の公共図書館に寄贈し蔵書となっている本(「報徳記を読む」第1集)の奥付に連絡先のメールアドレスが載っていますので、ご連絡ください

💛酪農学園創設者黒澤酉蔵先生と新井奥邃氏
福島 恒雄〈日本基督教団引退教師〉
私は酪農学園で育てられた一人として『創立者黒澤酉蔵先生の信仰と教育思想について』―特に土を愛する思想について若干話したいと思います。
酪農学園は魂に火花を散らすような深い出会い「邂逅」から生まれたと理解しています。黒澤先生は二つの大きな出会いがありました。一つは少年時代に出会った足尾鉱毒事件の田中正造翁、一つは青年時代に酪農の道を歩むようになった宇都宮仙太郎氏との出会いでした。
黒澤は十七歳のとき(旧制中学時代)田中正造の直訴事件を知り、その宿を訪ねました。『私の履歴書』には…「人生には出会いというものがあって、それがその人間の一生を支配してしまうことがよくある。私もまた青春時代に一つの偉大な人格に出会って私の一生が決まってしまった。九十二歳の今日、しきりに思い出されるのはやはりその偉大な人格のことである。その偉大な人格とは公害問題の先覚者田中正造先生である。」と書いています。
黒澤少年は田中正造の人格と言葉と行動にひかれて四年間思師として仕えます。そして足尾鉱毒の被災地を訪ねて、地元の青年を糾合し「鉱毒反対青年行動隊」を組織し激しく闘争します。当局からはリーダーとしてマークされ、前橋刑務所に投獄されます。その獄中で婦人矯風会の潮田千勢子女史から聖書が差し入れられ、生涯の支えとなりました。潮田女史も被害者救災運動をしており田中正造から尊敬された一人でした。黒澤はこの時のことを回顧し、「…監獄生活が逆に私の一生の救いをもたらしたことになる…」と書いています。十七歳の時でした。
田中正造の明治天皇への直訴は農民を救いたい一心からしたことでしたが、明治政府もマスコミも、愚かな奇人として非難しました。この渦中の中で、田中の行動は政治家としての良心から出たことで、責められるべきは苦難の中にいる農民を助けようとしない明治政府にあると激しく非難した人がいた。明治の特異なキリスト教思想家新井奥邃でした。田中正造は新井を巣鴨に訪ね、その学識の深さに驚嘆し、聖書を学ぶようになります。
黒澤も田中に連れられて四年間新井奥邃から学び、聖書の教える愛の深さについて知るのです。
黒澤は田中正造のはからいで京北中学を卒業した時、最愛の母がなくなり、「弟妹をたのむ」という遺言を受けました。人一倍母思いであったので進学をあきらめ、裸一貫で北海道に渡ります。
紹介された酪農の先駆者、宇都宮仙太郎を訪ね、「牛飼の三徳」の話を聞きます。①牛飼は役人に頭を下げなくてもよい、②牛飼は動物を相手にするので嘘をつかなくてもよい、③生産する牛乳は国民の健康を守る、と教えられ共鳴し、早速、宇都宮牧場の牧夫となって牛飼の技術や酪農を学びます。やがて独立する時、受洗の決意をし、札幌メソジスト教会で洗礼を受けます。
この札幌教会で知り合った盟友佐藤善七氏と思師宇都宮仙太郎と三人で酪農の振興、北方農業の確立をめざして北海道にデンマーク農業の導入を図るのです。やがて大凶作から立ち上がるために酪農民の手で生産から加工、販売をめざして札幌酪農組合を作り、一方でデンマーク農業の研究を進めます。後に酪農学園の建学精神となる「神を愛し、人を愛し、土を愛する」三愛精神をデンマーク再興の租と言われるグルンドヴィから学ぶのです。札幌酪連は北海道製酪販売会社となり、雪印乳業へと発展してゆきます。裸一貫で渡道し、牛一頭を借りて出発した貧しい一人の酪農家は聖書を懐にして、師や友と共に北海道一大産業をつくったのです。
黒澤は、一九三三年「酪農義塾」を創立します。寝食を共にしてその教育に情熱を傾け、やがて機農高校、三愛女子高、酪農大学と発展し、現在は六千人からの学生が学ぶ一大学園となりました。
その建学精神は「神を愛し、人を愛し、土を愛する」三愛精神においています。
神を愛し、人を愛する信仰は獄中で聖書から学んだものであり、土を愛する信仰は思師田中正造との命をかけた公害闘争から血肉となった土の哲学でした。土が亡びれば民は亡ぶと叫んだ田中の言葉は二十一世紀の世界を預言しているかのようです。





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最終更新日  2022年06月18日 06時00分12秒


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