♪~人生楽ばかり~♪

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手締め(手打ち)



全国的に知られているのが江戸型のリズムの速い
「『イオーッ』、シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン」の3・3・3・1の調子。
これを1回やるのが「一本締め」、3回繰り返すのを「三本締め」という。
最近よくやる「関東一本締め」などといって「よー、ポン」は、「一丁締め(いっちょうじめ)」と呼び、正式な場で「一丁締め」をやると白い目で見られる。

手締めの前の掛け声「ヨォーッ」だが「祝おう!」の江戸弁で「イオーッ!」が正解。

「3・3・3・1」とやるのは、「3が3つで九」でそれでは苦(九)しくなるから(駄洒落)、それに一つ点を入れて九に点で漢字の「丸」を表し、「すべて丸くおさまりまして、みなさんご苦労さんでした」という意味になる。

もともと江戸時代中期に江戸町火消しから発祥したとされ、当時から江戸時代後期までは「二本締め」だったらしい、それは神社に参拝するときの二拍三拝が変形したものといわれている。
それが、おめでたい事は多いほうがいいとして三本締めになり、通常二本で終わるところに二本目と三本目の間に「もう一本!」等の掛け声が入るようになり一本追加した。

手締めの意味でもう一つ、最初のシャシャシャンの3回が主たる者の為(祭なら神仏、結婚式なら新郎新婦、等)次の3回がスタッフの為(祭りなら氏子、結婚式なら親戚、等)そして最後の3回が来賓の方々(祭りなら見物人、結婚式なら友人や会社関係者、等)。

そして手締めするのは采配をふってとどこおりなく行事を終了させた責任者が、協力者へのお礼をこめてやることで、『本日無事終わりました』と、感謝の意をこめてやるのが本来の姿で、来賓がしゃしゃり出るものではない。
パーティーなどでは来賓が指名されたりするが、「受けたら責任者に対して失礼に当たる」と辞退するのが『粋』というものだ。

では、「一丁締め」だが正式な場で「一丁締め」をやると白い目で見られると前に記したその意味だが、もとの発祥は場が盛り上がらない、つまらない時に「ここらで一丁締めてお開きにしよう、ハイ皆さん『よおー、ポン』はい終わり・・・」てな具合で使われだしたらしい。

「関東一本締め」とは何か、これはもともと北東京の一部と南埼玉の一部でお祭りのときに「一丁締め」をする所がある、それを「関東一丁締め」と言っていたのがいつの間にか「関東一本締め」になってしまったとか、正式には「関東一丁締め」で「関東一本締め」は間違いである。

では、なぜこれほど「一本締め」と「一丁締め」が間違われてしまったのか、それはやはりTVからである。
スポーツニュースでプロ野球のキャンプの打ち上げの時に選手が円陣に立ち『よおー、ポン』とやっているのを見たことがあると思う。
その時に殆どが「○○選手会長の先導で『一本締め』が・・・」と言っている無知なレポーターのおかげで間違いが広まったと考えられる。

TVとは恐ろしい物でこれが正解と思いこんでしまっている人が多い。

余談だが、結構大きなパーティでの出来事で著名なご老体の方が出てきて「三本締め」をすることになった。
その人は来賓なので手締めをするのもおかしなことだが、もっとおかしかったのが、
「では、お手を拝借、よーっ」と掛け声をかけてから行った手打ちのリズムは・・・
パンパンパン、パンパンパン、パンパンパンパンパンパンパン!
そう三三七拍子である、オイオイだれを応援してるんだ。
しかし、だれもそれを注意できず苦笑いしながらそれに習って三三七拍子を3回続けて行ったのである。
まったく締まらない終わり方をしたもんだ。
当の本人はご満悦だったが・・・。

手締めの意味はその使う場所、事柄、地方などによって違いがある。
ニュースなどで有名な東京証券取引所の大納会、大発会の三本締め、また大相撲では千秋楽の最後に手打ち式が行われ、酉の市に行くと一本締めが聞えてく
この他、市場の初荷、初取引、歌舞伎や落語界の襲名披露などの場で手締めが行われる。

節目節目で威勢よく手締めをする、全員で一斉に手を打つ、この心地よい響き、後の清々しさ、日本人の心意気です。


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