2004年08月21日
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【真夏の邂逅】第55日目


 8/21

原爆ドームを見る。涙が出そうになった。久々に海を見る。髪の毛を切った。
線路を横断。ものすごく晴れる。暑い。お好み焼きを食う。山口県に突入。
岩国の裁判所前というバス停で寝る。





 広島から国道2号で西へと向かうのであるが、
 たいして遠回りにもならないので原爆ドームを見てゆくことにした。


 平和記念公園は人もまばらである。
 ドームはその公園にポツンと建っている。
 この建物だけは50年前と変わらぬ姿で建っているのである。

 僕はその威容に心をうたれた。
 その場を離れ、爆撃の目標になったといわれるT字の橋の途中で、
 僕はもういちどその建物をふりかえった。
 なぜだか胸の奥が焼けるような気がした。


 今日はものすごくよい天気になった。
 そして竹原以来、久しぶりに瀬戸内海を目にした。

 この内海は太平洋とはちがい、
 ごちゃごちゃと島などが入り組んでいて、

 しかし、その入り組み方が美しいということなのであろう。

 午後になると厳島への渡り場、宮島口を通った。
 観光地の賑わいに僕も、なんとなく浮かれてくる。
 しかし金などないので厳島観光はおあずけである。
 本州側からでも十分に神社などが見える。



 友達には長いこと会えない。
 電話などをして時々、話すだけである。

 そんな毎日をくり返していると、
 だんだん言いたいことがたまってくる。
 とくに何かおもしろいことを思いついたりしたときなどは、
 ついついこれは誰々向きだな、などと考え、
 あいつならこんな突っこみを返してくるだろう
 と想像すると思わず笑ってしまう。

 人が見たらさぞかし無気味に思うだろうから、
 そのへらへらと笑った顔を見られないようにうつむきながら行く。
 はたから見るとつらくて
 下を向いてひたむきに歩いているように見えるかも知れないな、
 などと思えば、またまたおかしくなって
 クックックッと笑いがこみ上げてくる。


 一日のうちでもっとも調子よく歩くのは午前10時ごろである。
 この時間帯にはかなりハイな精神状態になっているので、
 晴れたりしていて、まわりに誰もいないような時には
 大声で歌を歌いながら歩いてゆく。
 歌はその場の気分で思いついたものをかたっぱしから歌ってゆく。

 逆に落ち込みが激しいとき(夕暮れ時で雨が降っているような場合)
 なども自分自身を鼓舞するために歌を歌う。
 そうすると孤独やら寂しさやら倦怠がほんの少しだけ癒される。


 さて今日は天気もよいので海で泳いだ。
 海水浴場ではない場所でもけっこう人が泳いでいる。
 僕もその中に混じって短パンのまま泳ぐ。
 海から上がって二時間も歩けば乾いてしまう。

 それから誰もいない海辺で髪の毛を切った。
 といっても鏡がないので、地面に落ちる影を見て、
 はさみで切るのである。
 当然、前や後ろは切れない。
 ただサイドが伸びてきたので切り落とすだけである。
 どうせ知り合いになど会いっこないのだから、
 髪の毛などどうでもいいのだが。


 夕刻になって、
 さてそろそろ広島県ともお別れが近くなってきた。
 ぜひ広島風お好み焼きをもう一度、
 食っておきたいところである。

 そうやって街道沿いを物色するうちに
 なかなかよい感じの店を見つけた。
 僕はその店の中に入っていった。

 店の作りは屋台に毛の生えたようなものである。
 しかし、えてしてこんな風に
 おしゃれじゃない店のほうがうまいものである。

 カウンターに座ると、僕は豚肉・そば入りのお好み焼きを頼んだ。
 380円である。安い。

 店は夫婦でやっているらしい。
 客は僕以外にはいない。

 「お兄ちゃん、自転車?」

 川藤(元阪神タイガース)のような顔をしたおやじさんが卵を割りながら訊いた。

 「いや、歩いてるんですよ。」

 僕がそう答えると一瞬、そばをかき回すおやじさんの手が止まった。

 「ふーん。それで、どっから歩いとるん。」
 「北海道からなんですけど。」
 「じゃ、あんた今、北海道に住んどるんか。」
 「いえね。東京に住んでるんですけど、
  いったん北海道まで電車で行ってね。そこから歩いてるんです。」
 「なるほど。」

 おやじさんはちゃっちゃっとお好み焼きを作りながら言った。

 「お好み焼きはもう食ったかね。」
 「ええ、昨日食べたんですけど。
  うまかったもんで、もう一回食べようかなと思いましてね。」

 そんなことを言っている間にお好み焼きが出来上がった。

 「箸で食うかね。」

 おやじさんは尋ねた。
 僕は仁義に反してはいかんと思い、いらないと言った。

 「へらでこうやって割って食べるんよな。」

 そう言うとおやじさんは
 鉄板の上のお好み焼きを鉄のへらで四等分した。

 「あんた、キンタイキョウは見ていかんのかね。」

 僕がお好み焼きを四苦八苦しながら食べていると
 おやじさんが唐突に言った。

 「キンタイキョウ?」

 僕が聞き返すと、
 なんだそんなんも知らんのかい、
 といってキンタイキョウの説明をしてくれた。

 なんでも江戸時代に作られた木造の橋で、
 五つの橋をつなげたような形をしているそうだ。

 有名らしい。
 僕はまったく知らなかった。
 どうやらルート上にそのキンタイキョウがあるらしいので
 明日の朝にでも見てゆくことにしよう。

 そんなことを思いつつ
 お好み焼きをほとんど食べ終えようとしたとき、
 ドヤドヤと店に入って来た一団がある。

 その一団はおじさん、おばさん連中が四、五人といったところで、
 店のおやじさんと話をしはじめた。
 聞いていると、どうやら千葉からやって来たらしい。

 そのうちとなりに座ったおばさんが
 僕の存在に気づいたらしく、話しかけてきた。

 「あれっ、ずいぶん真っ黒だね。このお兄さんは。」
 「はあ。」

 僕がそう答えると、かわりに店のおやじさんが説明をした。

 「歩いて旅しているんだって。」
 「へーっ。で、どこから。」

 テーブルのほうに座っていたおじさんが訊いた。
 また店のおやじさんが答える。

 「北海道からだってゆうんだよな。」

 僕が何も言わなくても全部、
 おやじさんが答えてくれる。
 するとテーブルに座っていたおじさんは、よしっ、と言うと

 「これ、とっときな。」

 と五千円札を取り出した。

 「いえ、そんないただけないですよ。そんな急に。」

 やはり、いきなり五千円出されたからといって、
 はいそうですか、というわけにもいかない。

 「いいから、もらっときな。」

 と言ったのは店のおやじさんであった。

 「この人が気持ちよく出すと言ってんだ。もらっときなよ。」
 「そうよ。あんたがまた誰かに親切にすれば、
  それでいいんだから。」

 となりのおばちゃんもそう言う。
 そこでいただくことになってしまった。

 すると店のおやじさん、
 感動したらしい。
 僕のお好み焼きを指さし、

 「じゃ、これもタダだ。」

 と言い始めた。
 なんだかんだ言って、
 お好み焼きを食べた上に5000円儲けてしまうことになった。


 このお好み焼き屋を出て少し行くと、
 もう山口県であった。
 山口県といえばもう本州の端っこである。
 よくまあここまで来たもんだ、
 我がことながら少しばかり感動してしまった。
 しかし、そんな呑気なことも言っていられなくなった。
 日が暮れると雲行きがあやしくなってきたのである。

 時々、ピカッと空が光るのである。
 夕立が、おそらくあるだろう。
 雨が降りだす前になんとか寝ぐらを探さなければ。

 岩国駅の賑わいを横目に国道は走っている。
 その駅を過ぎたあたりから雨が降り始めた。
 僕はリュックを下ろし、
 ポンチョを取り出さなければならなかった。
 しかし、いいかげんこのポンチョも
 ボロボロでそろそろ物の役に立たなくなってきていた。
 大活躍しているのだから仕方ない。

 今夜は寺に泊めてもらおうか、と思っていた。
 雨も降っていることだし、
 ことによると晩めしを食わせてもらえるかもしれない。

 実際、歩いているうちに、いくつか寺があった。
 しかしいざ泊めてもらうとなるとなかなか言い出しにくいものである。
 なんと言えばいいのだろう。
 今までにずいぶんと見知らぬ人々に泊めてもらったが、
 僕のほうからお願いしたことは、
 ただの一度もないのである。

 だいたい全国どこの寺でも泊めてもらえるものなのだろうか。
 いきなりにべもなく断られたらどうしよう。
 そんなことを思っているうちに
 だんだん寺に泊まるのが億劫になってきた。
 結局、今晩もバス停で寝ることになった。
 今さらたいして苦痛というわけでもないのだし。







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最終更新日  2004年08月21日 22時55分03秒
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