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2006.11.23
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愛するものを

なぜ人は
繰り返すのだろう。



メディア 映画
上映時間 126分
製作国 イギリス/アイルランド/ドイツ/イタリア/スペイン
公開情報 劇場公開 (シネカノン)
初公開年月 2006/11/18
ジャンル ドラマ/戦争

【解説】

社会派ケン・ローチ監督が、激動の歴史に翻弄される
2人の兄弟を軸に、独立戦争から内戦へといたる1920年代の
アイルランド近代史を描いた悲劇の物語。
2006年のカンヌ国際映画祭では最高賞のパルムドールに輝いた。
主演は「バットマン ビギンズ」「プルートで朝食を」のキリアン・マーフィ。


1920年。長きにわたりイギリスの支配を受けてきた
アイルランドでは、疲弊した人々の間に独立の気運が高まっていた。
そんな中、南部の町コークでは、医師を志していた青年デミアンが、

目指す戦いに身を投じる決心をする。

そして、イギリス軍との激しい戦いの末に、イギリスとアイルランド
両国の間で講和条約が締結された。
しかし、完全な独立からは程遠い内容に、条約への評価を巡って
アイルランド人同士の間に賛成派と反対派の対立が生まれ、
ついには内戦へと発展してしまう。
そして、デミアンも兄テディと敵味方に分かれて戦うことに
なるのだった…。

【感想】
)←こういう映画は印つけるのが難しいです


年配の男性が割合多かったし、女性も40代以上の方が多かったです。

この映画の感想は書くのがとても難しいかな・・・
でも パルムドール 賞に値する素晴らしい作品であるのはまちがいないと
思います。


行くはずでした。
友達がイギリス兵士に理不尽な殺されかたをされ、
友達が引きとめる中、それでもイギリス軍の強大な勢力の前に
何ができる?とロンドンへ行くべく駅へ向かいます。
そこで彼が目撃したのは駅員、車掌、運転手のイギリス兵士の
暴力に負けない断固たる姿を見ます。
そして、それが、彼の心を動かし、独立戦争に身を投じることに
なります。。。

医者を心ざしていたデミアンが、人の命を助ける道を
選んでいたデミアンが今度は銃を持って人を殺すという
真逆の道に入っていくのですが・・・
本当にやさしい思いやりのあるデミアンが人を殺すように
なるのは観ていてつらかったです。。。

イギリスから自由を勝ち取る為に戦い、そしてやっと
講和条約が結ばれ休戦になり、喜ぶのもつかの間、
その内容は完全な独立を認めるものではなく
イギリスの自治領としての自由であったため、
こ条約に賛成・反対で対立が起こり、 今まで一緒に戦って
きた仲間同士が、敵味方となって戦ってしまうことになります。
そしてそれはたった二人きりの兄弟である兄テディと
弟デミアンに過酷な運命をもたらします。。。


ラスト、捕らえられたデミアンに兄が仲間の居場所を
聞きだそうと説得しますが、彼は 「仲間を裏切った
友だちを処刑した自分がなんで仲間を裏切れるか?」

言うようなことを言うのですがそのシーンは切なかったです
・・・その言葉に涙が流れました号泣。。。

戦争映画を観るたびに人はどうして戦争をするんだろうと
なぜ同じ過ちを繰り返して行くのだろうと胸が痛みます

戦争映画はあまり観ない私ですが、 プルートで朝食を  のキリアンの
演技が素晴らしかったので、観てみようという気になりました。
彼を知らない人が観たら別人?と思うように外見からすべて
ちがっていました。でも繊細な演技はやはり彼ならではかな

タイトルの「麦の穂をゆらす風」はイギリス支配下での
アイルランドで、その弾圧により命を落としたもの、
戦争で逝ったものを弔う時によく歌われたと言われています

(パンフレットより抜粋)

最初のほうのシーンで17歳のミホールが英語で
自分の名前(マイケル)を言わないと言うことから
イギリス兵士に暴行されて殺されるのですが、
その時のお葬式に歌われていて、そのメロディは
切なく涙を誘いました

この作品の時代も、日本が戦争をしていた時代もそうですが、
自分が生きたいように、したいように人生を送ることが
できなかった時代に翻弄された多くの人々の思いを考えると
戦後生まれの私は、そして日本に生まれた私は幸せだと
つくづく感じました。

と同時にいまだに世界のあちこちで内紛や内戦が続いて
いることを思うと胸が痛みます

余談ですが、この映画でウィリアムブレイクの
詩が出てきます。すぐにデッドマンをジョニーを思い出しました

↓パンフレット・アイルランドの歴史、この映画の背景などが書いてあり
とても充実しています・クリックで公式サイトへ>


IMG_0001.jpg

『麦の穂をゆらす風』は、5月18日、コンペティション
部門のトップバッターとして登場した。
通常1本目の作品は、長い会期中に印象が薄れて
受賞をするのが難しい、または期待度が薄い、
などとも言われている。
しかし2時間6分後の上映後には、止むことのない
賞賛の拍手が10分間も鳴り響き、その衝撃的な内容を
観る者全ての胸に深く刻みこんだのだ。
そして、その印象は決して薄れることはなく
結局審査員全員一致による、最高賞パルムドール賞が
確定した。(パンフレットより)






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最終更新日  2006.11.23 16:04:20
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