第2話


彼女とは、もう随分長く出会ってないのに、なんだろう?
 手紙が添えられていた。
「HPを見て、あなたがあんまり落ち込んでそうなので、これを送ります。」
と書かれてあった。そして、
「若くして亡くなった涼子さん。どんな想いだったのか、、、家族への愛、、、
彼女にこの歌をささげたいなぁ、そして、あなたにも聴いてもらいたいなぁ。」
 と、書き添えてあった。

The Rose

Some say love, it is a river
that drowns the tender reed.
Some say love, it is a razor
that leaves your soul to bleed.
Some say love, it is a hunger,
an endless aching need.
I say love, it is a flower,
and you its only seed.

It's the heart afraid of breaking
that never learns to dance.
It's the dream afraid of waking
that never takes the chance.
It's the one who won't be taken,
who cannot seem to give,
and the soul afraid of dyin'
that never learns to live.

When the night has been too lonely
and the road has been to long,
and you think that love is only
for the lucky and the strong,
just remember in the winter
far beneath the bitter snows
lies the seed that with the sun's love
in the spring becomes the rose.


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<こんな風に訳してみました>

愛、
それは
葦をやさしく巻き込む川の流れ?

愛、
それは
魂を切り刻み込むカミソリの刃?

愛、
それは
はてしなく苦しみ続ける飢えた心?

ちがうよ!

愛は、「花」
あなたは、あなたにしか咲かせることはできない愛の種。

傷つくことを恐れる心では、
楽しく踊れない。
目覚めることを恐れる夢では、
チャンスもつかめない。

奪われるたくないと思う人には、
与えることはできないでしょう。
死を恐れる心では、
生きることの意味を学べないからです。

夜が、
あまりにもさみしい夜が続き、
道が、
あまりにも遠く険しくて、

もしもあなたが、
愛は、幸運で心の強い人のためにだけある、、、
そう思う時があれば、

思い出して下さい。

冬、
冷たい雪の下に埋まっている、
花の種を。
春になると、
太陽の愛を受け、
花を咲かせる、
バラの花のことを。

涼子のバラ

<バラの花>

 昨年の12月の暮れ、涼子からのこの花が送られてきた。
そして、手紙が添えられていた。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いつもありがとうございます。
今年の冬は、ちょっと寒すぎですね。
先生は、あいかわらずお忙しいのでしょうね。無理なされませんように。
 私の方は、医師から話がありました。
 その時は、突然くるそうです。だんだん弱ってくるというよりも、
突然 だそうです。自分でも以前よりしんどくなってきてるのは感じています。
 あと一週間、年は越せるのでしょう。でも、お料理は、きつくなってきました。
お正月、家族が食べられる分くらいは、作ってあげたいと思っています。
 よいお年をお迎え下さい。
 来年もどうぞよろしくお願いします。

PS
 今の思い、死んでから忘れられるのがとっても悲しくて、つらくて、嫌でたまりません。家族以外の方に私のことを覚えていてほしい、私がこの世からいなくなってから、子ども達に私のことを話して欲しいのです。どんなことでもいいですから。こんなこと先生にお願いするのもつらいのですが、、、
 バラの花、私のイメージを一生懸命えらびました。私のお気に入りなんです。
これは、ドライじゃなくて、特別な加工をした生花です。私がいなくなっても、私の選んだこのバラはいつまでも赤く咲いていてくれます。
 この頃、激痛が胸と背中からはさまれるように襲ってきます。先生やみんなに手を握ってもらって撮った写真を見ています。そのおかげで今生きていられるんだよ、と夫が言います。主治医には11月いっぱいと言われたけど、それからでも一ヶ月生きてるものね。
 先生、私のこと覚えていてくださいますか?
 子ども達の成長をみてやってほしいです。
 最後の最後まで、わがまま言って、、、世話のやける生徒で、、、
本当にごめんなさい。
 1年4組(ほとんど登校してないのに)が、私の思い出として、ものすごく残っているのです。先に逝ってしまう私を許して下さい。
 今でも怒ってばかりだけど、子ども達のことがやっぱり気になりますね。
 今は冬休みで子ども達といっぱい一緒にいられるのが嬉しいです。


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