ちょっと本を作っています

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出版契約書

契約前に、ぜひ参考にしてください
出版契約書 自費出版・個人出版(自主制作出版)の確認書例

一般的な商業出版の場合、出版社と著者で交わす契約書の雛形は、出版社の団体である書協(日本書籍協会)で提示しています。問題は、自費出版・個人出版(自主制作出版)の場合です。各社各様で、契約書(確認書)を交わさない場合も多いようです。このことが、本を作りたい人を食いものにする共同(協力)出版を生み出して来たように思います。

私たちJPS出版局では昨年末の事業発足から、自費出版の契約書(確認書)がどうあるべきかの検討を行ってきました。著者の権利の確保は当然のこととして、さらには受注した出版社側が納得の出来る内容の文案を考えました。まだまだ修正箇所があるかと思いますが、現在の到達点での確認書案を見て下さい。



本の製作前に著者と出版社が交わす一例です。JPS出版局の確認書案を載せました
主なチェックポイントは、1)出来上がった本の所有権が著者にあるか、2)製作内容の明細と金額が明示されているかの2点です。

出版物製作についての確認書(例)

書 名  ○○○○○○○
著者名  ○○○○
装 丁  ○判/本文○○頁
印刷部数 ○○○冊

上記著作物の編集・制作につき、○○○○(以下「甲」という)と株式会社JPS出版局(以下「乙」という)は、下記のとおり合意した。

第1条(製作委託)

甲は乙に対し上記著作物の編集・制作業務を委託し、乙はこれを受託する。

第2条(所有権・著作権・出版権)

完成した上記著作物の所有権、著作権、出版権は甲に帰属するものとする。ただし甲が乙に販売業務を委託する場合は別途確認書を取り交わすものとする。

第3条(権利侵害)

上記著作物が第三者の著作権、肖像権、意匠権等を犯した場合、あるいは名誉毀損や営業妨害等で第三者に損害を与えた場合は、甲が全ての責任を負うものとする。

第4条(製作費)

甲が乙に支払うべき上記著作物の編集・製作料一式を○○円とする。なお判型、頁数、用紙、製本形態等の仕様については別紙『見積書』に記された内容とする。

第5条(支払時期)

甲は乙に、上記著作物の編集・制作費のうち半金を2007年○月○日までに支払う。
2 残余の金額について、2007年○月末日までに甲は乙に支払う。

第6条(条件変更)

上記著作物の頁数の変更ならびに編集・制作上の変更等により編集・制作費の総額変更を余儀なくされた場合は、事前に乙は甲に改定金額の提示を行い、甲の承諾を得るものとする。

第7条(納品時期)

乙は校了時より3週間以内に上記著作物の印刷・製本を終え、納品を完了するものとする。

第8条(献本)

甲は出来上がった上記著作物のうち20冊を資料ならびに見本として乙に贈呈するものとする。

第9条(附則)

本契約に定めのない事項については甲乙協議の上、定めるものとする。

以上の確認事項を証するため、本確認書2通を作成し、甲乙各1通を保有するものとする。

平成  年  月  日

甲(制作委託者)
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○

乙(制作受託者)
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
株式会社JPS出版局


添付する見積り明細の例です。

見積り明細例.jpg



本の発売前に著者と出版社が交わす一例です。JPS出版局の確認書案を載せました

自費出版の場合、売上に伴う著者への支払は『売上金』です。『印税』と称されることにより、いつの間にか本の所有権が出版社側に移されている場合がありますので注意して下さい。その他の条件等は各社各様ですので一概に言えません。参考にJPS出版局の場合の『出版販売についての確認書(案)』と、事前にお話しする内容を『出版流通ルートにおける取扱について』としてまとめました。


出版販売についての確認書(案)

書 名  ○○○○○○○(予価:○○円)
著者名  ○○ ○○

上記著作物の出版販売につき、○○○○(以下「甲」という)と株式会社JPS出版局(以下「乙」という)は、下記のとおり合意した。

第1条(販売委託)

甲は乙に対し上記著作物の領布業務を委託し、乙はこれを受託する。

第2条(流通手続きの義務)

前条領布業務をなすにあたり、乙は上記著作物を一般書店への流通が可能なように諸手続きを行う義務を負う。

第3条(著作権・出版権・所有権)

上記著作物の著作権及び出版権並びに上記著作物の所有権は甲が所有するものとする。ただし契約期間中は発行・発売所の変更を行わない。

第4条(権利侵害)

甲は乙に上記著作物の著作権が他人の著作権その他の権利を侵害しないことを確認する。
2 上記著作物に著作権侵害などの問題を生じ、その結果乙または第三者に対して損害を与えた場合は甲はその全ての責を負う。

第5条(支払金額)

乙は甲に、実売部数に応じて上記著作物の定価の57%に相当する金額を支払う。実売部数とは、当該月の出荷数から返品数を引いた数とする。

第6条(手数料)

発売開始に際し、名義使用料・取次口座使用料・新刊配本歩戻および2年間の在庫保管料として甲は乙に金5万円を支払う。なお支払日は新刊発行後1ヶ月以内とする。
2 出版取次への入出庫料は、それぞれ1冊に付き定価の7%相当額とし、甲は乙にこれを支払う。
3 発行後2年間を経過した後は在庫管理料として毎月の在庫定価合計の0.1%の額を甲は乙に支払う。

第7条(売上報告)

乙は甲に、新刊発行後6ヶ月間は毎月の売上げ状況を翌月10日までに報告する。その後は年4回(3月、6月、9月、12月)にそれぞれ直近3か月分の売上げ状況を報告する。

第8条(支払時期)

乙は甲に、初版発行後5ヶ月目に4ヶ月目までの第5条に相当する金額を支払い、その後は第7条の報告に基づき各翌月末までに支払う。なお送金手数料は甲の負担とする。
2 新刊委託分については、発売後6ヶ月間の委託返品を控除の上、7ヶ月目の末に支払う。
3 前期売上金の当月支払い金額が1万円に満たない場合、次回支払い月に繰り越すものとする。
4 返品状況を勘案してマイナス勘定が予測される場合には乙は甲に報告の上、支払いを保留することが出来る。

第9条(契約の有効期間)

本契約の有効期間を締結より3年間とする。その後は甲並びに乙から文章による通告がない限り、1年ごとに自動延長するものとする。
本確認書に特段の定めのない事項については、甲乙協議の上、定めるものとする。

以上の確認事項を証するため、本確認書2通を作成し、甲乙各1通を保有するものとする。

平成  年  月  日
甲(販売委託者)
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○

乙(販売受託者)
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
株式会社JPS出版局


………………………………………………………………………………………………
出版流通ルートにおける取扱について

自費出版の中で市販を目的にした本を個人(自主制作)出版と呼んでいます。
取次を経由して本屋さんやネット書店で売ることを前提にした本のことです。
JPS出版局は労は惜しみませんが、必ずしも無条件にとは行きません。
出版販売についての確認書を参照の上、下記の留意点に目を通して下さい。

【読者あっての市販ルートと考えて下さい】
年間7万7千点の新刊が出版取次に持ち込まれます。
そのほとんどが著名な著者の本や大宣伝を前提にした本です。
出版取次も本屋さんも、売れそうな本へと絞り込むのは当然です。
無理に本屋さんに押し込んでも埋没し、返品になる本が多いのです。
迎合する必要はありませんが、読者ニーズに基づかない本は売れません。
出版流通ルートで売るからには、これらのことも検討して下さい。
新刊配本するかどうか。ネット書店中心の売り方も検討して下さい。
本屋さんに並べるだけで売れるほど、世の中甘くありません。

【売上計算の方法と手数料】
取次の掛率(定価の何%で取次が引き取るか)は発売元によって異なります。
出版流通ルートでは掛率・歩戻や各種費用等、それぞれ計算方式は複雑です。
単品の計算は不可能なのでJPS出版局は計算方法を単純化しています。
1) 著者への売上金支払額は、定価の57%としています。
2) 新刊発行時に2年間の管理費と事務手数料として5万円を頂いています。
3) 2年経緯後の毎月の管理費(倉庫代含む)は在庫の定価総額の0.1%です。
4) 毎月、出荷冊数・返品冊数を集計、定価の7%を手数料として頂きます。
5) 著者への納品等は、送料実費のみ請求させて頂きます。

【配本および注文出荷について】
新刊委託配本の決定および本屋さんへの出荷は先方の判断に依拠しています。
受注の働きかけや配本の希望は充分に伝えますが、部数調整等は否めません。
新刊配本は、大型店ならびに重点地区中心に配布の手配を依頼しています。
出版物により登録のみで本屋さんやネット書店の注文を待つことになります。
過度の受注は返品要因です。本屋さんへの働き掛けには節度が必要です。


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