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叢陰-murakage-









叢陰-murakage-



*



暗然且つ陰湿な思い出の


脳味噌にこびり付いた無数のカビは


樹の根を張り


腐食を促すだろう


柔らかかった我が心は


怒号と誹謗の日々に隅へ隅へと圧縮されて


小さな鉄の塊となり


偽善じみた汚い手で触れようならば


怨嗟の熱で赤く溶け出したそれが


お前を焼き殺すだろう


水溜り溺れている一匹のこの蟻を助けたら


辺りの虫達は私に味方してくれるだろうか


影形もなく消え去りたいから


肉片一つ残らず


食い尽くしてくれないか












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