メーテル | メタボの気まぐれ

松本零士が描く華麗で美しい女性

そのひとりが「銀河鉄道９９９」に登場した
謎の美女・メーテル（声：池田昌子）である。

長い睫毛に切れ長のブラウンの瞳、
腰まで伸びた金髪が特徴で憂いを帯びた表情や
寂しげな微笑みを浮かべている事が多く

膝下丈の長袖ワンピース、ケープ付きコート、
アストラハン帽子を身に纏う。

性格は落ち着いた大人といった感じだが

傲慢な者、生命を軽んじる者には怒りを表し
時には激情にかられる事がある半面

ぼやき屋の一面もあり、
鉄郎や車掌にも結構キツイ調子で
小言や文句を言うシーンがある。

物語では永遠の命に憧れ
機械の体を無料で貰えるという
終着駅の星を目指している少年
星野鉄郎を銀河超特急999号で旅へと導くが

メーテルの本心は母親で機械帝国の女王
プロメシュームの機械化惑星を強化する

青少年たちを集めるという「野望」と

メーテルの父親で反機械化世界を目指す
ドクター・バンの機械化惑星を破壊すべく
多数の同志をその中心部へ送り込むという
「希望」の行動でもあった為、

同時に背負いながら鉄郎と旅をしていた。

さて、そんなメーテルを描くのに
松本零士はモデルにした人物がいる。

それは松本零士の高校生時代の同級生や
八千草薫、加藤登紀子やの芸能人を参考に
３人の女性をミックスして
メーテルという理想の女性像を作り上げた。

しかし、松本零士がメーテルを描いた数十年後、
松本の６代前の先祖が持っていた
メーテルそっくりの写真が菩提寺より発見された。

その写真の人物とはシーボルトの孫娘で
フランス人のクォーター、楠本高子。

松本の先祖は楠本高子に恋焦がれていたが
恋愛は叶わず終わってしまう。

松本零士は「私が先祖から受け継いだ“記憶”が
スターシアやメーテルの姿を通して
高子を描かせたのかもしれません」と語っており

また松本が生まれた1938年に楠本高子が
亡くなっている事からメーテルとの
因縁めいた関係に感慨深い話となっている。