プロレススーパースター列伝・カールゴッチ編 | メタボの気まぐれ

梶原一騎：原作のプロレス伝記
「プロレススーパースター列伝」の第８話が
「プロレスの神様! カール・ゴッチ」であり
当時、ゴッチ編はコミックス版は発売されず
連載から15年後に文庫版ではじめて収録された
幻の「カールゴッチ編」である。

アマレスを退いた若き日のカールゴッチが
大蛇が大蛇を飲み込む
通称「蛇の穴」ビリー・ライレージムへ入門した。

プロに転向したゴッチだったが
あまりにも強すぎてしまい全ての試合は"秒殺”
対戦相手い恵まれず、プロモーターから嫌われたゴッチは
日本へ遠征し、力道山と対戦する。

ちなみにＰＷＦ会長ロード・ブレアースとの
日本での対戦シーンが描かれているが
一貫してブレアースの肩書きが「現ＢＷＡ会長」と
誤植されており、ゴッチとブレアースが現役として
同時に来日した事はない。

この「プロレスの神様」は冷静沈着なゴッチとは違い
非常に血気盛んで喧嘩っ早く

ゴッチの挑戦から逃げ回っていた為
控え室で殴打し、事件を起こしてしまい

更に酒場で数十人の用心棒相手に
一人で喧嘩に勝ってしまう。

プロレス界から干されてしまったゴッチは

数々の世界チャンピオンを育成させてきた。

愛弟子・猪木に敗れたゴッチは
「私はプロレスに勝った」と言った。

これがスーパースター列伝のゴッチだったが
実際のカールゴッチは・・・

カールゴッチ.jpg

ヨーロッパでプロレスラーに転向したゴッチは
イギリスのビリー・ライレージム
通称：スネーク・ピットで
徹底的なシューティングと倒されても
蛇のようにしつこく攻撃をかけ続けるファイトを学ぶ。

1960年にアメリカへ進出し、
カール・クラウザーを名乗り
ＮＷＡイースタンステーツ王座を獲得する。

4月に日本プロレスの第3回ワールドリーグに出場
吉村道明を相手にジャーマンスープレックスを初公開し
天下無敵の力道山とも対戦し引き分ける。

来日後、リングネームをフランク・ゴッチにあやかり
カール・ゴッチへ改める。

ドン・レオ・ジョナサンを破りオハイオ版・
ＡＷＡ世界ヘビー級王座を獲得。
1963年9月から1964年11月にかけて
ルー・テーズが保持していたＮＷＡ世界王座に
9回挑戦するが王座は獲得できず
テーズから「私をもっとも苦しめた挑戦者」と
評されながらも主要王座は獲得できず
「無冠の帝王」の異名を持つ。

また数々のトラブルも招いでおり
ＮＷＡ世界王者だったバディ・ロジャースと
控え室でトラブルを起こし警察に逮捕され
日本来日時では生意気だったグレート・アントニオへ
制裁を加えている。

1968年に日本プロレスで「ゴッチ教室」を開き
アントニオ猪木に卍固め、ジャーマンを伝授し
そのテクニックの高さから「プロレスの神様」と称される。

その後はハワイで清掃関係の企業をしていたが
1972年の新日本プロレス設立に
選手兼ブッカーとして助力した。

新日本との契約が切れた1982年に
弟子の渕正信に「新日本とは何の契約もないので
全日本が呼んでくれるのなら行ってもいい」と言い出し
ちょうど米国遠征中だった馬場も興味を示した。

このゴッチ全日本登場は「新日本の象徴であるゴッチを
全日本が引き抜いてどう使うかが非常に難しい」
という事などから幻に終わった。