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空想作家と専属イラストレーター&猫7匹の 愛妻家の食卓
きゅうり
あれから20年・・・僕は今、電車を乗り継ぎ、ある場所に向かっています。思い出を思い起こしながら・・・
これは僕が幼い頃の話です・・・僕の田舎の村には河童が居るというウワサの池がありました。僕が実際に見たわけではないので
「本当に居た!」
とは言い切れませんが、僕はもちろん村の人々も河童の存在を信じていました。
その証拠に池のほとりには河童様と崇められる小さな祠(ほこら)がありました。その祠に村の人々は毎日 きゅうり をお供えして手を合わせていました。
そういえば幼い僕におじいちゃんがこんな話をしてくれました・・・
〔昔、昔のことじゃ。この辺りは雨が少なく、水不足でほとほと困っていたんじゃ・・・〕
「えっ、こんな池があるのに?」
〔まぁ、話を最後まで聞きなさい。この池は元々からここにあったわけではない、河童様がお造りになったんじゃ〕
「えっ!河童が?」
〔そうじゃ、わしの祖父から聞いた話なんじゃがな・・・その昔、この辺りは長く日照りが続いた時があってな、神頼みも通じず、死者さえ出た暑い、暑い夏じゃった。わしの祖父がたまたま村にお寄りになった旅の僧侶に相談したんじゃ。すると、僧侶は不思議なことを祖父に言ったんじゃ〕
「どんなこと?」
〔・・・「ここから東へ、東へ向かった所に河童が住むその名も河童池という池がある。そこへ行って河童の好物のきゅうりを投げ込んでこう言いなさい。私の村に来てくれたならあなたをまつり、毎日新鮮なきゅうりをさしあげましょう」と、「そして、村にすぐに戻り、出来るだけ広い場所に祠を作り、きゅうりをお供えしておきなさい。そうすれば河童はこの村に住みつき水の心配もなくなるであろう」・・・とな〕
「それで?おじいちゃんのおじいちゃんはそのとおりにしたんだね」
〔そうじゃ、信じるしかなかったんじゃろう、言われたとおり三日三晩、歩き続けて河童が住むという池を見つけだして言われたとおりきゅうりを投げ入れ、また三日三晩かけて村に戻り、待っていた村人たち作ったあの祠にきゅうりをお供えして村人全員で手を合わせたんじゃ・・・すると次の朝、奇跡が起こったんじゃ〕
「雨が降ったんだね?」
〔そうじゃ、朝になって雨が降ったんじゃ。しかし、驚くのは雨だけじゃなかった・・・〕
「あっ、分かった!池ができてたんでしょ?」
〔そのとおりじゃ!じゃが、祖父はこう言っていた。「池ごと村に来た!間違いなくわしがきゅうりを投げ込んだあの池じゃ!」とな。もちろん祖父にしか分からないことじゃったが、誰もが奇跡を目の前にして信じたそうじゃ〕
と、こんな不思議な話をしてくました。僕の幼い頃の村の子供たちはその話を大人が作った昔話だと思っていたけれど、僕は信じていました。その話も河童が池にいることも・・・
僕は常々、河童に憧れ、会いたいと思っていました。そんな僕は毎日夕方、祠にきゅうりをお供えに行くおじいちゃんに付いて行きました。そして、存在を確かめるように朝早く起きては祠に行ってきゅうりが無くなっているのを確かめては喜んでいました。でも、1番の楽しみはたまに茂みの奥から聞こえるあの音・・・
ポキンッ・カリカリカリ・・・ポキンッ・カリカリカリ・・・
間違いなくおじいちゃんが手塩にかけて作った硬くてみずみずしいきゅうりを食べる音でした・・・
今でもぞくっと鳥肌が立ったのをおぼえています。
そして、電車は思い出の故郷に到着しました。
「・・・そんな・・・」
村は面影どころかまったく違うものになっていました。20年以上も経ってしまうとこれほどまで変わってしまうのかと驚きと寂しさを感じました。
「これじゃあ、どっちに向かえばいいのか分からない・・・」
そうして、しばらく途方にくれていると目の前をずいぶん腰が曲がったおばあさん通りました。
「すみません!」
おばあさんなら知っているような気がしました。
〔ん?私かい?〕
「はい、道をお尋ねしようと思いまして」
〔どこに行きたいんだね?〕
「実は20年ほど前にこの辺りに住んでいたんですが、すっかり変わってしまって・・・この辺りに池があったと思うんですが、どっちに向かえばいいかも分からなくて」
〔池?もしかして河童池のことかい?〕
「はい!特別な思い出がある場所なんです」
〔そうかい・・・とても言いにくいことじゃが、あの池はもうないんだよ。今は半分が道にもう半分が公園になっていもうてな・・・〕
そう言って、おばあさんは少し先に見える公園を指しました。
「・・・そうですか・・・残念です。でも、この変わりようじゃ仕方ないですね・・・どうもありがとうございました」
〔まぁ、そう気を落とさずに、せっかくだから公園に行ってみなさい〕
そうして、おばあさんはにこやかに去って行きました。そして、仕方なく僕は公園に足を進めました。すると・・・
「あっ!あの祠!・・・」
それは近代的な公園の片隅にひっそりと建ってくれていました。
「よく、残っていてくれましたね・・・」
僕は小さな祠の小さな屋根のほこりを払い落としながら言いました。
これが何のために作られ、ここに建っているか知っている人はもう居ないでしょう。20年という時の流れの中で人は進化を続け、水の心配どころか、ほしい物なら何でも簡単に手に入る時代になり、その代わりに人は自然と共存し、自然に頼る生活をやめてしまった・・・河童もまた他の動物と同じように僕たちの犠牲者なったのかもしれません・・・
そんなことを思いながら僕は祠を掃除し、今、僕が住んでいる町の中央卸売り場まで行って探してきたおじいちゃんの作ったにほど近い、硬くてみずみずしいきゅうりをお供えして手を合わせました。
長く、長く、長く・・・
ここで暮らしていた河童はどうしたんだろう?・・・また池ごと何処かへ引越ししたんだろうか?・・・それとも・・・とにかくきっと何処かでひっそりと暮らしているんだろうと、願いながら・・・
だけど、もうここには居ないと思い、僕は河童の祠に別れを告げて公園を出ようとしました。すると・・・
ポキンッ・カリカリカリ・・・
と、あの懐かしく心を振るわせた音が祠のほうから聞こえたような気がしました。
「まさか!」
慌てて振り向くと、今お供えしたばかりのきゅうりが跡形もなく消えていました。僕は驚くというよりも嬉しくて仕方なく、こう言って手を振りました。
「お元気で、また来ます!」
と。
変わりゆく町並み・・・変わらない思い出。新たなる喜び・・・失ってしまう悲しみ・・・そんなことを考えながら僕はまた電車を乗り継ぎ、家路に着きました・・・。
終わり。
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