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2021年01月27日
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テーマ: 友人と一緒(1097)
カテゴリ: カテゴリ未分類
友人との思い出話の続きです
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20210115.html


突然の電話は「久しぶり。最近全然連絡してなかったけどごめんな」という切り出しで始まり、「高岡のメシは美味しい」「連れて行ってもらった焼き鳥屋が人生で一番美味い焼き鳥屋だった」など数分思い出話をした後に、「実はな・・・」と、その事実を打ち明けられました。「年賀状が次来なかったら、オレはもう死んだと思って欲しい」。

私にとっては人生初の経験で衝撃でした。いや、普通なかなかそういう話には遭わないでしょう。友人の人生にタイムリミットが設けられてしまった。一体どう声をかけたら良いのか。「マジか」「あー」などと相づちを打つ以外に思いつきません。そして、彼の人生の終わりまでに私にできることは何なのか。

これから更に大きな活躍が期待されていたのに、とても無念ではないか。ただ電話口の本人は「もう十分やりきった。別に結婚もしていないし子供も居ない。思い残すことはない。両親より先立つことだけが心残りだが、やりたいことは全部やりきったし、案外気分はスッキリしている。悔いの無い人生だった」と達観している様子でした。

「だから治療はしない。このまま死を受け入れようと思う」と。私は何も言えませんでした。こればかりは本当に本人次第であり、他人がとやかく言うのはエゴでしかありません。究極的に病魔と闘うのは患者本人でしかなく、徹底抗戦するにしてもその辛さ、大変さを受け入れるのは本人やもっと直接的に関わる家族ですから。

例えば私が彼だったら、やはりそう言ったように思います。どうせ治る見込みが無いのであれば、痛い思いをして病床で生き長らえるよりも、自宅でやりたいことをやって死んだ方がマシだと。ただ例え今の私がそう思っていたとしても、実際にその立場に置かれた時にどう思うのか。それを「そうだな」とも「違うよ」とも言えず、ただ「そうか」とだけ返しました。

私が「一度姫路に見舞いに行くよ」と伝えると「弱った姿を見られたくないから来ないで欲しい」と。一ヶ月で体重が10kgも落ちてしまって、体力も無いのだとか。確かに見舞いは結局こちら側のワガママでしかありません。コロナも流行っていますし。そう言われると、また「そうか」としか応えられません。

一方、話しながら彼はどういう気持ちで皆にお別れの電話を入れているのだろうか?と思ったり。約2年ぶりに話をしたのは、最後に縁を繋ぐものか、縁を切るためのものなのか。

その日は結局トータルで1時間くらい話をしました。最後に「また電話を待ってるから」と伝えました。彼は「おう、また」と言って切りました。電話口では今までの彼と大差無い感じのマシンガントークでもありましたし、にわかに信じられない気持ちもありました。(つづく)





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Last updated  2021年01月27日 08時44分38秒
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