Kabocha's Diary

Kabocha's Diary

療育施設




◇療育施設◇


【1年目・春】

入園当時のゆずきは2才3ヶ月。
療育施設の通園は、週3日の母子通園から始まった。

登園すると、連絡帳を所定のカゴに入れて、カバンとハンドタオルもそれぞれ所定の場所にかける。
言ったら出来るという段階ではないので、声をかけながらやって見せるという所から始まった。

自由時間の後、時間になるとおかたづけ。
朝の会。
その日の設定の活動。
給食。
自由時間の後帰りの会。

椅子に座っていられない。
活動のための道具などが部屋に用意されると、部屋から逃げ出す。
無理やり部屋に連れ帰るとパニック。
給食は食パンと牛乳以外は完全拒否。
トイレトレーニングも始まったけれど、あの場所で何をするのか分かっていないので入ることから拒否されて、トレーニング以前の問題。
活動の時間に散歩に出ることもあったが、顔に風が当たる感覚が苦手だったようでほとんど自分で歩こうとしない。
たまに歩けば、道路脇の側溝の蓋の穴に小石を落し始めて動かない。
無理に手を引っ張ればパニック。
公園に行っても、遊具で全く遊べない。

入園当初は後追いも全くしなくて母子分離も平気だったけれど、連休明けには少し上手に甘えるようになり、分離の時の後追いもするようになった。


【1年目・夏】

家で、本人が何にも注目していない瞬間を狙って「○○○ゆずきくん。」と呼ぶと「ハイ」と返事をするようになったので、施設での朝の会の時には、ゆずきの名前が呼ばれる少し前に席に連れ戻して態勢が整った所で声がかかるようにした。
それからしばらくして、名前を呼ばれると「ハイ。」と返事が出来るようになった。

7月、8月の活動は基本的にはプール。
前の年の外来(7・8・9月は通園の子の活動に参加)の時には洗面器に汲んだ水で遊ぶのが精一杯だったけれど、なんとかビニールプールに入れるようになり、夏の終わりには大きいプール(子どものお腹くらいの深さ)にも入れるようになった。


【1年目・秋】

9月から、週3日の登園のうち1日が通園バスによる単独登園になった。
ここから少しずつ移行して2年目には週5日登園で、その内母子登園は1日だけになる。
バスが停まる場所が多くはないので、最寄りのバス亭まで車で送って行って、帰りの時間にまた迎えに行く。
同じバス亭で乗る通園2年目の子のお母さんから色々と話しが聞ける良い機会でもあった。

現物を指さしての指示では動けるようになった(タオルを渡して、「タオルかけて」など)けれど、指さしが出来ない指示(タオルかけから離れた場所で「タオル取ってきて」など)にも従えるようになって欲しくて、一時写真カードを試してみた。
・ナフキンとおしぼりケースの写真を見せて「給食準備しましょう。」
・ハンドタオルの写真を見せて「タオルを取ってきましょう。」
写真を見て少し考えた後で自分から取りに行けるようになり、「タオル」と言えるようになった。
これをきっかけに、物に1対1対応する「音」(この時点では「言葉」ではなかったと思う)があることに気付いたようで、この後少~しずつ言葉が増え始めた。

当時の担任の先生にカード使用の相談とお願いをした時に「言葉で理解していける子だと思いますよ。」と言われたのだけれど半信半疑の私に、先生は何も言わずに付き合って下さった。
物の名前など繰り返しかける言葉は少しずつ覚え始めたので(それまでにも、いくつかの名詞は言っていたが)、結局カードの使用はそこでお終いにしてしまった。

通園バスに乗って園外活動に出かける日に、おそろいのリュックが用意してあって、各自その中に着替えとお茶を入れて背負い、「これからバスに乗って出かけます。」と通園バスの写真(拡大したもの)を見せてもらい、皆で「エイ、エイ、オー!」と掛け声をっかけてから出かけた。
すると、あら不思議。
それまでお散歩に出かけてもまともに歩いたことがなかったゆずきが、私と手をつないで元気に歩いた。
「魔法のリュックみたい!」


【1年目・冬】

単独登園にも慣れて、トイレでおしっこも少しずつ自分で出来るようになり、給食も母子登園の時には食べないものも単独の時にはすこしは味見してみたり・・・
母子登園よりも単独登園の方がおりこうさんで頑張れるようだ。


【1年目・学年末】

2月(ゆずき3才1ヶ月)、小児精神科専門の病院で診察をうけた。
事前に郵送されてきて、記入して持参した問診票に加えて、当日も生育暦等かなり時間をかけての聞き取り。
その後診察室でゆずきをおもちゃで遊ばせながら、医師が色々と言葉かけなどしながら観察。
その結果・・・
自閉だと思いますが軽いと思います。
言葉もある程度話せるようになる子だと思います。

前年4月に一緒に入園した子の中で、同じ学年の子でも3月に退園を決める子が出て来る。
「あと1年経ったら、ゆずきもあのくらいまで伸びるんだろうか・・・」


【2年目・春】

継続クラスになって、クラス入園3年目以上の子たちと混ざったはずなのだが、ゆずきのいたクラスは前年度一緒に入園した子ばかりだった。
4月の内に先生から、「ゆずきくんは、この1年で学園から出る方向で見て行きましょう。」と言われた。


【2年目・夏】

隣の校区にある市立の保育所で交流保育開始。
こちらの市の事業で、療育施設に通う子が療育の一貫として保育所で保護者同伴で集団生活を経験出来る。
原則は住んでいる地域の保育所でということだけれど、地域の保育所は規模が大きいので、そこでの交流はゆずきにとっては無理そう。
受け入れる保育所としても無理だったようで断られて、隣接校区の小規模な保育所でお世話になった。
交流の時間や回数はケースバイケースなのだが、ゆずきは週に1回9時半頃から給食の準備の前までの2時間ほど。
終わってから療育施設に登園して給食。
この保育園での経験が、次の年からの保育園での生活に向けて大きな力となった。

療育施設を退園した後の進路として私立幼稚園にするか保育所にするか迷いながら、狙いをつけた幼稚園の「おたのしみかい」に参加し、後日園長先生ともお目にかかってお話しをしてみた。


【2年目・秋】

療育手帳(B2)取得。
これより以前から数字的には申請すれば取得出来るレベルなのは分っていた。
この時期に取得したことに特に意味はない。


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