ここが板門店
北朝鮮旅行記２日目ここが板門店
まづは写真をまとめて。
＜板門店の全景。正面は韓国側の建物。境界線には軍人が立つ。
中央の小屋みたいな建物のなかだけが境界線を越えてよい＞
＜境界線に立つ軍人さん。建物のなかから境界線を越えて韓国側
から撮影。ま、お約束のショットですね＞
＜同じく、キムさんを撮る。「歴史的な場所」だけに表情が固い。
後ろは同じく外で境界線を守る軍人さん。実は理由をつけて
キムさんの写真を撮りたかつただけともいへる＞
＜これは北側の建物。これの一番上の階に昇つて見学ができる＞
ここでの説明はすべてガイド役の軍人さんで、キムさんがそれを通訳。
はあはあと聞いてゐたが、建物の最上階で見学する段になつたら軍人
さんが私ひとりだけに熱く語りはじめた（長かつた）。
内容は車内でキムさんから聞いた内容とほぼ同一。
いかにアメリカが暴虐か、民族分断に責任ある日本がなぜそのアメリカ
に隷従してゐるのか、日本は過去の反省もせずに、なぜイラク参戦だの
靖国参拝だのと軍事国家の道を歩むのか？
ひとつひとつ通訳されるたびに深く頷いて聞く私でありましたが、黙つ
て聞いてゐるばかりでは日本男児の名折れといふ気持もむくむくと湧い
てきて、
「日本の神社に日本の首相が参拝に行つて何が悪い！
金正日呼んで来んかい！ 勝負したるわ！」
と、ほんとは言ひたかつたのですが、
私も、
板門店の北側で北朝鮮の軍人相手に喧嘩を売る
度胸はありませんでした。
それで「靖国神社参拝については反対してゐる日本人も大勢ゐます」と
答へました（魂を売つた・・・）。
見学が終り帰るときにガイドの軍人さんから手を出してきたので
握手。やつぱり力あるね。
「朝鮮統一のときにまた会ひませうと言つてゐます」とキムさん
が通訳。
李さんたちと合流して開城市内へ。
ものすごく疲れてゐるのがわかる。
「（２日目なのに）まだ緊張してゐますか？」とキムさん。
「ええ、歴史的重みのある場所ですので緊張します」と私。
しかし、これは嘘で、頭がくらくらしてゐたのだ。
それは調印をしたとか金日成が何と言つたとかいふ「歴史的重み」
とかにではもちろんなくて、かれらの信念の強固さに圧倒されて、
頭がくらくらしてゐたのである。
どうしてああまで信じ込めるんだ？
誰か突つ込むやつはゐないのか？
（しかしそんな思ひはまだ序の口であることを後に私は知ることに
なつた）
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