オトキチ日記

妙香山へ

北朝鮮旅行記3日目

妙香山へ

地下鉄を出ると更に車がチェンジしてゐた。
トヨタのハイエース。3台めにしてフロントガラスは割れてゐなかつた。
運転手も交代。どうやら車と運転手はセットのやう。


地下道

<手前は地下道の降り口。道はどこでも(記念の広場とか以外は)ボロボロ>


妙香山へは北へ車で2時間ほどとのこと。
昨日は南へ2時間、今日は北へ2時間といふわけね。

途中、鍾乳洞に寄るとのことだつたが、結果的に私にとつて大変良いコースだつた。
といふのも農村を間近に見られたから。
昨日は高速道路から遠く眺めるだけだつたが、この鍾乳洞へは村を抜けてゆくので、農民の姿
をぢかに見られたのね。

例によつて、といふか、都会よりもさらに車が少ないので、車を睨む目が厳しく、写真は撮り
づらいものがあつたが、人々の表情はつぶさに見ることができました。

ひとことで言へば日本の田舎に住む人と大差はないといふのが率直な感想です。
日本のTVで所ジョージの「笑つてこらへて」といふ番組があり、その中に「ダーツの旅」と
いふ人気コーナーがある。
任意の村や町へ取材に行くのだが、最初に会つた人を「第一村人発見!」と紹介。
日本の村や町のぢいさん・ばあさん・をぢさん・をばさんたちが取材されるが、あんな感じだ
なあと思ひました。

もちろん豊かではない。建物はみな古い。
でも田畑は青々としてゐて、稲や玉蜀黍が見事に育つてゐました。
村のところどころに日本で言へば新聞スタンドのやうな小さな屋台があつて、どうやらそれが
商店のやう。日用品などを売つてゐるやうです。
子供たちは川で水遊びをしたり、釣りをしたり。
車に向つて素つ裸のフルチンで、わあーっと飛び上がる幼児もゐてほほゑましいものでした。

高速道路は例によつて大勢の人が歩いてゐた。
気温は35度。大したもんだわ。
歩いてゐる人には軍人も多かつた。
エンストしてゐて、手を振る車もたくさん、ヒッチハイクをする人も結構ゐた。
もちろんわが車は特別待遇の賓客を乗せてゐるので、かれらをクラクションで蹴散らして先へ
進みます。

バスも見かけるが、フロントガラスがひび割れてゐるバスもあつた。
ドアを開け放しにして走つてゐるバスもあり。暑いのは分るけど、高速道路だよ? と驚いて
ゐると、隣のキムさんがクスクスと笑つて「ドア、開けてゐましたね」と笑ふ。
ドアを開けてゐたことではなく、私の驚きやうが可笑しかつたみたい。


集落

<高速道路から集落を>


集落2

<同じく、集落を>


集落3

<高速道路から外れて村道へ入り>


集落4

<田畑のなかにもスローガンの看板が。文字は必ず赤ですね>


集落5

<かういふ感じの家が並ぶ>


ヤギ

<山羊を追ふ少年>


農村青年

<農村の青年。こんなふうに睨むので撮影しづらいんです>

もちろん、農村を見たといつても「見てもいい農村」といふことではありませう。
しかし逆に言へば「見せるため」でるあるならば人々の愛想のなさは異常。

これは平壌についてもいへるんですけどね、「ショーウィンドウ」都市、つまり外国人に
見せるための都市なら中身の人間も「見せるために」愛想よくさせたらいいんぢゃないか。
それが出来てゐないといふことは「見せるため」とか考えてゐないんぢやないかと思はざ
るを得ない。
行く先々のウェイトレスさん店員さんガイドさんたちの愛想が良かつただけに一般市民の
険しい顔つきが焼きついた。


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