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関塚ジャパンの守備陣が、パスワークのスペインに続いて個人技のモロッコまでも完封した。1点リードの後半ロスタイム、モロッコFWラビアドとの1対1を、権田が完璧な飛び出しで防いだ。こぼれたボールはFWエルカドゥリがシュートしたが、吉田がこん身のクリア。その1分後に、8強入りを知らせる終了のホイッスルが鳴った。
前半はモロッコの猛攻に苦しんだ。ドリブルを中心とした素早い攻めに後手を踏んでいたが、ザック・ジャパンで数々の修羅場を踏んでいる吉田は冷静だった。「相手が後半に(体力が)落ちてくるのは分かっていた。前半は(ボールを持ったら)サイドチェンジをして、相手をじらすプレーを心がけました」。その読み通り、後半25分すぎから敵の足は止まった。
鋭いミドルシュートを難なく止め続けたGK権田は「違ったタイプに勝てたのは大きい」と振り返った。今大会は補佐役として吉田主将をピッチの内外でサポート。F東京下部組織時代の中学1年から5年間指導した浅野寛文GKコーチ(当時)は「ミーティングだと黙る選手が多い中、当時から自分の思っていることをしっかり言う子だった。時々熱くなることもあったけど、相手の意見をしっかり受け止める器があった」と評価する。
男女ともに8強入りしたのは日本サッカー史上初。しかし、権田は浮かれることなく「6試合のうちのひとつなんで切り替えます」と8月11日の決勝を見据えている。1位突破なら準々決勝の舞台はマンチェスターUの本拠地・オールドトラフォード。今季移籍した香川真司より先に“夢の劇場”のピッチに立ってみせる。