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帰って来たかえるのへや
その7)12月23日記
2006.12.23記)その7「催眠誘導を受けて考えた事...見守る事」
今アカネとの暮らしがこういう帰結になってからの思いはまた違ってしまうわけですが、
催眠誘導を受けた当時考えた事をなるべく思い出して書いてみます。
Kaeruはこれは子?育ての、保護と巣立ちの物語だと思いました。
単に保護だけしていていいベビイ時代も確かにあるが、
いずれは危険覚悟で手を離し、
見守り支援に切り替えなければならない時期が来るという事を教えていると思った。
そうしないと子供の自ら学びとる権利を奪い、力を出す機会を奪い、
その事でどれほど子供の成長を阻害して
その子のこころを歪ませるかを教えているのだと。
誘導の場面では自分はさしあたりただ手放しただけだったが、
「見守り」という言葉が出て来たのは
ずっと以前ある友人が言った言葉が印象に強かったからだ。
どういういきさつで「見守り」なんて言葉が出て来たかは忘れた。
が、自分としては他人を干渉するタイプではない、
縛り付け支配したがるタイプではない、
相手にしがみつき、離れられないタイプではないと思っていたので
その言葉を言われた時すごく意外だったのを覚えている
(が、今回の猫育児では自分は過干渉ではないにせよ、
過保護なのはあったのかなあとは今思う。)。
現に今回も保護が不要と言うか、有害とわかれば
手を離す事自体は淋しいが困難な事ではなかった。
が、今考えると自分の親もそうだったが、
わたし自身も相手に保護が必要な時はそれを頑張るが、
その後はもう自分の仕事は済んだと、
見守りの段階を経ずそのまま関心を、
関係を切ってしまうタイプのような気がする。
本当なら世間のお子さまは親に見切られる心配もせず
いざとなったら親の尻拭い支援を平気で受け取りながら
反抗期とかやって、思いきり自分の意志を発揮して
試行錯誤しつつ自分の可能性を拓いて行く筈なのだ。
後ろ足で砂掛けて関係を切って行くのは本来子供の側の権利だ。
自分の生育歴や子供のいない立場上無理もないとも思うが、
多分わたしが「見守り」という事をしてみた事がないのは本当なのだろうなあ。
しかしそれにしても子育ての極意のような「見守り」なんて事、
なんで子供も持っていないわたしがマスターするよう
諭されなきゃならんのだい、というのは
今回の誘導を受けた後でもそれが正直な感想なのだが、
さしあたって行き詰まっていたアカネへの対応については
そういう気でやってみようかという気にはさせられた。
わたし流の保護では、わたしが想像できる範囲内の能力の子なら
それなりに成長に合わせて保護を緩めて行けるだろうが、
わたしの想像を超えた才能があった場合、
それを発揮できる機会を潰してしまうだろうなあ、
自分より大きな子供はわたしのやり方では育てられないなあとか思った。
逆にハンディのある子供であったとしても
だからといってこちらがすべてその子がやるべき判断を代行してしまっていいわけではない、
その子が自分で学ぶ機会を奪ってしまっていいわけではない。
いわば神が「これでいい」とその子をこの世に送りだしたお召しを信じて、
その子自身の、世の中自体の力を信じて任せてみる事も必要...そんな事も思った。
もちろん自分が一見まるでタイプが違うアカネに思いがけないほど似ている事には気付かされた。
わたしは一見は緊張の強いタイプではないのに実はくつろげない。
眠るか動きまわるしかできない事。
何よりも愛を受け取れない事!
わたしはアカネを手放し、でも見守り続けてみようと思った。
そしてもしやわたしの背後にも、
本当は全部やってやりたいのに、それではこの子は育たないからと手を出せず
(ついでに手を出せる所すら本人に拒否されるので、本当になす術なく)、
わたしの粗暴な人生航路をおろおろ涙ぐみながら
ただ見守り続ける誰かがいるのかもしれない、とか思った。
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