PR
フリーページ
カルーア啓子さんサイド自由欄
ハリーは自室で、箱の中から写真を取り出し眺めていた。三木がハイクオリティプラと呼んだ箱に大切に保管していた写真である。その写真には、猫耳でも熊耳でもない若者の顔が写っていた。
その写真を眺め、ハリーは呟いた。
「よく似ている。古の先祖が500年後に帰ってくるという言い伝えは、本当だったんだ。」
その写真は飾ってある写真の先祖の子、未来託一の写真である。
・・・・・・・・・・・・・・
三木は、真新しいベッドに横になり、タブレットを開いて、USBメモリに記録されていた最後の文章を眺めていた。
「最後に、時空移転装置は高エネルギーで発動させれば、発動するが装置は破壊することを付け加えておく。発動のテストとして、少ないエネルギーで1人の人工的な人を過去の日本に送り込んだ事も。
熊耳と猫耳の夫婦に最初にできた子供が、不思議なことに猫耳でも熊耳でもなく、我々と同じ耳の子供であった。その子はとても優秀で勇敢であった。ちょうど、その子が成人した時、時空移転装置の発動のテストをすることになり、彼に身に起こることと理由を説明して、テストに参加することを頼んだ。冒険心に富んだ彼は、瞳を輝かせて、「あなたたちの国にいけるのですね。」と言って承諾した。
そして、1945年の満州国から引き揚げた人々の中に彼を転移させた。未来を託すと言う意味で、姓は未来と書いてみきと読み、名は託一、未来託一という日本人として転移させたことも付け加えておく。」
三木の本名は未来託也である。
(完)
最後まで、読んでいただいてありがとうございます。
途中から読み始めて、最初から読みたい方はハーメルンという小説投稿サイトに載せていますので、そちらでご覧ください。PCでもスマホでも「ハーメルン」と検索し、「時空を超えて」と小説検索すれば閲覧できます。もちろん、無料です。