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2005.11.11

ぼくの小さな悩みに、「鬼畜の癖に市民ランナー」というのがあります。（ちなみに子供のころから同様の悩みとして「ワルのクセに成績優秀」とか「応援団のクセに少女マンガファン」とか「でかチンでテクニシャンのクセに淡白」とかいろいろありますが今日のところは割愛）。

これはどういうことかというと、鬼畜仲間にジョギングの後の爽やかな汗や“35キロの壁”の話とかをしようとしても「…ふーん、それで？」という反応しか期待できない一方、マラソン仲間と一緒のときにスカトロとか薬物の話とかしたら白い目で見られる…という宿命的なジレンマを抱えている、ということです。

たとえば、ぼくがドクトルトイモイさんに持久トレーニングの話をしようと思って「さいきん毎週末のように LSD やってるんだけどさあ…」なんて話し始めると、「チャレンジャーやなあ。日本やったら初犯でも懲役1年以上はかたいやろ…」なんて話になる一方、 YASUさんと薬物体験の話をしようとして「LSDのスゴイのはさ、…」なんて話し出したとすると、YASUさんは「そうっすよね、スタミナつけるにはやっぱりLSDが最高っすよネ！」なんて話になってしまうのである。

マラソンを趣味にしてる人は十中八九「品行方正で潔癖な良識ある市民」ですから、ぼくが熱心に粘液や薬物の話をしても全然喜こばれないのは当然ですし(笑)、クソや死体や異世界の話をして喜ぶ鬼畜仲間は軒並み酒もタバコもフリーセックスもたしなむ方々だったりするので、毎朝早起きして10キロをジョギングするような生活の話に乗ってくれないのは道理です。

…しかし、世界は広い。ガムを噛んだだけで罰金を取られたりする国がある一方で国家が中毒者に麻薬を配給する国もあるように、世界には「Sex & Drug & Rock’n Roll」な自由人と、走ることをこよなく愛す「市民ランナー」たちが交わる先進的な素晴らしいマラソン大会があるのです！

しかもこの大会、おそらく世界で最大のマラソン大会だと思われます。その参加者、なんと10万人。

Arakawa

ヨーロッパで最大のマラソンは「ベルリンマラソン」で、この大会の参加者数は(シカゴマラソンと同じ)4万人です。(基本的に出走者は全員シラフです)↓
BerlinMarathon

「Bay To Breakers」として知られるこの大会ではなんと上の倍以上の人が走るのです。↓ BayToBreakers

アメリカでいちばん“先進的”な都市サンフランシスコで毎年5月に開催されるこの大会のスゴイところは、その出走者の数だけでなく、シリアスなエリートランナーが世界記録を目指して本気で走っている(少数派)その傍らを、自由を愛する古今東西の老若男女が酒を飲んだりラリったりした状態で仮装したり全裸で走る (多数派)ところです。

BayToBreakers2

「老若男女」というのは比喩ではありません。サヤエンドウのようなインケーやしなびたヘチマのような乳を垂らした爺さん婆さんまでが全裸で走っているのです！

BayToBreakersOldWoman

まさにワタシのような「マラソン＝ポトラッチ」を提唱する人間のために用意されたマラソン大会ではありませんか。

このような大会を用意されたとなると、ワタシとしてはやはり“日本の鬼畜ランナー”の一人者としても、全裸で出走せざるを得ません。来年の5月は股間のウタマロを高速で振り回しながら、元LA駐在の“隠れ鬼畜”ランナー Mickeyさんとともに、サンフランシスコ・ベイのゴールを目指します。

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