全318件 (318件中 1-50件目)
ブログ『缶詰』閉鎖のお知らせ当ブログ『缶詰』は2012年6月を目処に閉鎖をさせていただきます。諸事情により閉鎖は一年後とさせて頂きますが、これ以降のブログの更新の予定はありません。これからはナノ『虹色いぶくろ』(http://nanos.jp/chaostomach/)にお引越しして、変わらずREBORN!と、他にも萌えの赴くままに活動をしていく予定としております。またこちらのブログに掲載されている作品についても、時間がある時にちょこちょこと、お引越し先に持っていくつもりであります。リンクを貼っていただいている方はお手数ですが、リンクの貼り変えをお願いいたします。長らくお世話になりました。庄次郎の拙い作品を読んで頂いて、感想まで頂けたのは嬉しかったです。本当にありがとうございました。2011年6月 カンヅメ庄次郎
2011年06月16日
コメント(0)
庄次郎です。 通販に関する業務連絡です!以下私信。↓ ☆★☆★☆★☆★☆★☆ 1月1日にご注文頂きましたHK様!! 1月5日に入金を確認しました。 明日7日中には発送を完了したいと思っています。遅くなってしまい申し訳ありません。 今回は、送料の返金の可否について連絡です。 注文確認についてこちらのミスが発覚しまして、送料はこちらの負担とさせて頂きたい旨を、1月2日にメールでお返ししましたが、送料込みの金額が入金されていました。 メールの返信がないので、送料返金の可否について確認ができません。なのでメールを頂けましたら幸いです。 それで、ご面倒をおかけしたお詫びの品といってはアレなのですが…リクエストをお受けしたいと思います。 通販で注文頂きました本に、キーワードを同封します。そのキーワードと一緒にリクエストの内容をメール(あるいはこのブログのBBSかコメント欄へ投稿)していただきましたら、リクエストに沿ったssを書かせて頂きます。 リクエスト内容について、基本がDFF・15であれば何でも書きます。(R18もOKです。) 希望のシュチュエーションやお題などをお願いします。 もし15以外のものをご希望の場合は、ブログで取り扱いのある他のCPであれば書けますのでご相談ください。他のジャンルもOKです。 ☆★☆★☆★☆★☆★☆ …以上↑、私信でした。 そしてお知らせです!! 15アンソロに参加することになりました!!ヽ(*´ェ`*)ノ 詳しくはリンクを貼ると思いますのでまたその時に…げ、原稿が…(汗) 〆切まであとひと月っス…がむばります!!(`ε´ゞ とりあえずブログと通販、ちょこちょこいじらないとなりませぬ…
2011年01月06日
コメント(2)
庄次郎です。 一ヶ月以上ぶりの更新です。 FFオンリーイベント後は魂が抜けていました。やっと戻ってこれました… 更新しなきゃと思っていた通販ページ、ちょこっといじりました。 商品紹介に11月のイベント発行の『君の瞳に×××』と、『缶詰出張版』を追加しました。 ペーパーの『缶詰出張版』については、通販ページにありますのでご参照ください。 ↑に関しまして…12月24日にご注文頂いたHK様! もしこちらのブログをご覧頂いていて、不要なペーパーがありましたらご一報頂けたら幸いです。 入金を確認するまでに何のご連絡もない場合は、今出てるペーパー4種全部を1部ずつおつけしてお送りしますのでご了承ください。m(_ _)m それからウチのアルパカがツイッターを始めました。ウチのアルパカ・シスターが、庄次郎の近況などをつぶっやいたーしてくれます。 最近の庄次郎は、もっぱらこちらに出没していますので、生存確認にはそちらを覗いてみてください。m(_ _)m アカウント名はsisterpacayo(シスターパカ代)です。 そして年内にやること…来年の内にやることを書き出してみようと思います。 庄次郎は臆病者なので誰にも見せないようにこっそりと… でも、来年12月末にふり返った時、自分がちゃんと目標に向かって頑張れたか分かるように… でもとりあえず、二次活動関連で、年明けすぐにやらなきゃ・やりたいことのみ… ・炎ツナ企画用ssを書く。 ・DFF15アンソロに参加申し込み&アンソロ用15小説を書く。 ガンバります!!(`∇´ゞ
2010年12月28日
コメント(0)
明日の朝は相方と朝マックな庄次郎です。 イベント参加のお知らせです。 あさって日曜の11月14日、新大阪センイシティで開催されるFFオンリーイベント『F~novum~WEST』に参加します。 サークルNo.は『E5』で、サークル名はいつも通り『KaKa-CAN』です。ライバツメインです。 当日の販売物は以下2種類です。↓ ・『君の瞳に×××』(新刊、予定価格400円) ・『いちごとシャンパン』(既刊、200円) ↑の他、前のイベントで発行したペーパーの余り3種に、新刊用ペーパーが置いてある予定になっています。 イベントにお越しの方は、よろしければ我がスペースまでお立ち寄り頂ければ嬉しいです。m(_ _)m イベントついでに遊ぶ予定なので、これから出発です。(`∇´ゞ
2010年11月12日
コメント(0)
※リボーン小ネタ。骸ツナで十年後。※何かのごほうびらしいです。 ゆらゆら。前に後ろに。 ゆらゆら、揺れる。 湖をイメージした。深い森に囲まれた、美しい湖だ。ボートは穏やかな湖面をかいて進む。そこへ体を横たえる。 イメージに身を任せて、意識が拡散する。瞳にかぶせた、厚さ数mmほどの目蓋のカーテンは、明るい闇を提供してくれた。 ふいに。触れる指があった。現実の感触。「…骸?」 最初はおそるおそる。左耳の後ろから指しこまれた五本の指は、髪を撫でる。ゆっくり。 髪を撫でる。すく。すとん。と、指が毛先までくると髪は元の位置へ落ちる。 その髪を、再び指が撫でる。すくい上げる。落ちる。また撫でる。繰り返し。「…骸。本当に寝ちゃったの?」 囁く声が問う。答えなかった。 髪に触れる指は止まらない。そのことに満足していた。「~♪」 ふいに。頭の上から声が聞こえた。言葉ではない。詩もない。鼻唄だ。 高すぎず低すぎず、響く。音符にするならば、五線譜の上を、あちこち往き来する音の群れだ。時々、ひび割れを混じらせる。 くすり。思わず笑った。そうしたら、右耳の下から柔らかい震えが伝わって来た。鼻唄が止む。 続いて動揺した言葉が降る。「お、起きてるんじゃんっ」「くふ。君、音痴ですね…あっ」 笑えば、頭の頂点に近い地肌が痛んだ。 ぎゅう。と、後ろ頭の房を掴まれて引っぱられたのだ。「いたい。痛いですよ、綱吉くん」 目蓋のカーテンを取り払う。ぱちり。左の瞳で流し見れば、青年は口の両端を下にしている。怒りの表情を精一杯に示す。 ただ残念なことに。もう、成人をとうに過ぎているはずなのに瞳が大きく童顔な青年が、そんな風にしても、怖くもなんともない。むしろ骸にとっては、愛らしさで笑みが零れるぐらいだ。 くつくつ。声に出さずに笑えば、房を握った手に力が入る。「あっ。痛いです、綱吉くん」「もうっ。んなこと言うんなら終わり!はいっ、もうおしまいっ!!」 耳の下の柔らかい塊が動く。つまり、青年の太ももが逃げる。 とんでもないことだ。骸は慌てて、両手を伸ばした。 綱吉は中腰のまま、固まる。「……っ」「……」「…む、骸…」「……」「ちょ…っと…ぉおっ。のけよ!?」「イヤです」 きっぱり。骸は青年の腰に抱きつき、断る。 ぐぐぐ。綱吉は両脇の肘置きに両手を突っ張り、揺り椅子から立ち上がろうとする。骸はそれを、首と両手に力を入れて、全身で全力で阻止する。「の、け、よぉ~ッ!」「酷い人ですね~。僕の不幸を願っておいて」「ひっ!?ひ、人の太ももに顏を埋めてしゃべるなぁ~ッ!」 揺り椅子の上での攻防はしばらく続いた。青年は顏を真っ赤にしていた。「もッ…しまいにゃ怒るぞ、骸!」 ついに、綱吉が本気で腰を上げようとするのが分かった。今度は骸も、本気の力を入れてすがる。「ちょ!骸、いい加減にしないと…っ」「逃げちゃ駄目です!」「……ッ」 見下ろす綱吉がたじろいだ。骸は上目遣いに懇願した。「お願いです…」 悲哀を帯びた赤と青のオッドアイと、困惑のにじむ茶の瞳がかち合う。 折れたのは綱吉だった。どさり。腰を投げるように椅子へ落とす。「あ゛~…もうっ!!」「クフフフ。わかればいいんですよ」「ひゃっ。くすぐったいからやめんかっ!!」「クハハハハ」「だから人のももの間でくふくふすんなー!?」 両の頬で堪能する太ももの柔さと躍動にはかなりの未練があった。しかしあまり続けたら本気で殴られる。それは避けたい。 元のように側頭を青年の太ももに預けるに留める。その代わり、腰を抱いた腕に、少し力を込める。「まったく…んなことして何が楽しいんだよ…」 はー。肘かけに右腕を預け、頬杖をついてのため息。 骸は柔い太ももに頬擦りをする。本当に、この青年は同性なのかと少し疑いたくなる。それぐらいに心地がよい。「いいじゃないですか。もう少し…こうしていてください…」 青年の執務室に、午後の傾きかけた光が届く。かちこち。柱時計が秒針を進める度に鳴る。それ以外は、互いの音以外のない空間と時間を味わう。「…骸」「はい。なんですか?」「こんなこと、本当に楽しいの?」 青年の声が、思いきり呆れを含んでいた。 青年は揺り椅子に座っている。骸は絨毯が敷かれた床に膝をつき、頭を青年の太ももに預ける。いわゆる、膝まくら。「楽しいですよ」 他にも楽な体勢はあるが、時間制限がある。他の人間が帰ってくるまで。だから骸はこの時間を逃がしたくなかった。「ご褒美なんでしょう?なんでも良いって言ったのは君ですよ」「こ、こんなのでいいのか?もっと別にもさぁー…」「これがいいんです。僕は」 骸は少しだけ顏を上げて、おねだりを追加してみた。「綱吉くん。さっきの唄、なんて唄ですか?」「ん?んー。なんの唄だっけ…よくCMで聞いたんだけど、タイトル知らないや」「…綱吉くん」「ん?なんだよ」「唄ってください」「んな!さ、さっきオンチだっつったのは誰だ!?」「それとこれとは別です。僕、君の声が好きなんです」 青い方の瞳で横目に見れば、青年は呆れていた。それをめいいっぱい示すように顏をしかめていた。 けれど。「…しょーがないな…ったく」 落ちたため息は長かった。けれど青年は諦めたようだった。 咳払いを何度かすると、鼻唄を始めた。先ほどと同じ、詩のない旋律だけの唄。調子っ外れで安定しない、けれどどこか安らぐ声。 やがて揺れ始める。前に後ろに。ゆらゆら、ゆらゆら。ゆっくりと。 青い黒髪に触れる指がある。撫でて。すいて。落ちて、また撫でて。 こんな時、骸はこの青年が好きだと思う。この声やこの顏や、この手触りやこの匂いを。 微睡みを取り返し、また目蓋のカーテンが落ち始める。 ふいに。先ほどの湖とは違う、別のイメージが、あぶくのように浮かぶ。 穏やかな午後の光。母親の子守唄。揺りかごの中でそれを聞く赤ん坊みたいな。 自嘲した。骸自身にそんな経験の記憶がない。そんな、穏やかな景色に縁など。 けれど。「…骸。寝ちゃった?」 一度だけ、鼻唄が止んだ。青年が囁く声でたずねるのを、融けて広がる意識の中で聞いていた。頷いた。 信じている。今、自分は愛されている、と。『Una nave o una culla』◇◆◇◆◇ 昔、部活の先輩(男性)に「男がみんな膝まくらにロマンを抱いてると思うなよ!?」と言われた、庄次郎です。 今思うと、なんでそんな会話になったのか謎ですが…変な先輩だった…とりあえず膝まくらの話で↑。 なんか今朝、テレビの禁煙特集見てて降ってきたネタ。獄くんが禁煙できたご褒美をリクエストして、揺り椅子に座った綱吉くんが獄くんの頭を膝まくらしてあげてなでなで良い子良い子ーしてあげるとかいいかも…とか思いました。 ……あれ?獄ツナは?(謎) という感じで、獄ツナネタだったはずなのに。なぜか骸ツナでできました。 ごめん獄くん…誕生月なのに無視して…今度埋め合わせするから。 ちなみに…ツナが↑で歌ってる鼻歌は想像ができなかった…イメージに近いのはC○cc。さんの『ιなやカ\な腕の祈り』なんですが…ツナくんは知らなそうだと思う。 でも、商品名は忘れたけど、赤ちゃんが夜泣きでこまったよ~って、あのCMの歌を口ずさんでても面白いかもと思った。↓「骸、分かったよ!あの曲、あのCMの曲だよ!」「き…君ね…僕は夜泣きする赤ん坊ですか!?」「みたいなもんじゃん」 まぁ、ご自由に想像ください。 最近骸ツナが好きすぎる…む、骸なんて…ス、スキじゃないんだからね!?(ツンデレ風) でも、この夏の夏コミ新刊で、本当に良い骸ツナ長編小説を読みましたんです。感動の余り涙が出たんです。 その小説の骸はめちゃくちゃ酷い人で、ツナくんを愛してるんだけど酷いことしまくって…でもツナくんが骸のその全部酷いとこもひっくるめて受け入れて愛しちゃってる。というお話。 …という感想のファンレターを送れないチキンっぷりなので、ここで呟き。呟いて終わり。
2010年09月25日
コメント(0)
※リボーン小ネタ。※ティッシュ配りする骸ツナ。「よろしくお願いしますっ。よろしくお願いしまーす!」「よろしくお願いします」「よろしく、あっ……はぁ」「はい、ありがとうございます!…綱吉くん、ため息ついてるヒマがあったら配って下さいよ。辛気くさいとますます受け取ってもらえなくなりますよ」「だって…ノルマ千個を今日中に配れとか…あの人、鬼だ」「確かに…あの男、この僕にこんな仕事させるのは許しがた、…よろしくお願いします!」「……骸さんってサギだよな」「ありがとうございまーす…は。なんですか?いきなり」「いつもは世界せーふくが~とか六道りんねが~とか…電波なこと言ってんのに…よ、よろしくお願いしますっ」「…何気に君、ヒドいこと言いますね」「それなのに…なんでオレよりティッシュ配るのが早いワケ!?なに、そのいい笑顔!!?」「ま。僕が本気出せばこんな…よろしくお願いします。え?…えぇ!お店はそこの角です。はい…えー?」「…よ、よろしく…」「カッコいいだなんてそんなー!…僕にはあなたがたの方が美しいと思いますよ?…やだなー、お世話じゃありませんよー。あなたがたみたいな美しい方に是非遊びに来て頂きたいだけですよーvv」「…お願い…しま……」「…えぇ、絶対ですよ?待ってますからvv…はい。ありがとうございましたー!!」「………」「と…こんなもんですよ。チョロいですねー…おや。綱吉くん、なんて顏してるんですか?気分でも悪いんですか」「いや…お前の本性が女の子にバレなきゃいいなって…あ!よ、よろしくお願い…っあ」「あーあ。また受け取ってもらえませんでしたねー、綱吉くん」「く…くっそー。なんでだ!?オレの方がいっぱい声かけてんのにっ…」「君がどんくさいからじゃありませんか?…あ。ありがとうございますー」「うっ!?またぁ…っ」「よろしくお願いします!…クフフ。ほらほら、僕の手はもう空ですよ。君はどうなんですかぁ~?」「ど…どーせオレはダメツナだよ!ったく…あんたはちょっと顏がいいからって…ととっ!?」「っと…あぶないですよ」「あ…ありがとう…」「気をつけなさい。落として汚したら渡せないでしょ?君、ただでさえドジなんですから。無理して何個も持たなくていいですよ」「うん……あの、」「それでなくても、どこもかしこも小さいんですから…なんですか?」「えっと…手、離してほしいなーと思って…」「…!!? べ、別に可愛いなーとか思ってませんよっ!?君が小鳥みたいに愛らしくともどんくさいドジであることには変わりありませんし!?そんなところも可愛らしいなんて六道輪廻に誓ってこれっぽっちも…す、少しぐらいなら考えたかもしれませんが…」「い、いたい痛いっ!なんかよく分かんないけどとりあえず手ぇ離せよ!?いたっ…ち、ちぎれるー!!」◇◆◇◆◇ 自転車通勤族の庄次郎です。 先日も愛車・ジェレミア(またの名をオレンジ)くんに乗って通勤していましたら、信号待ちで朝からティッシュを配られました。 1、2人ではなくわらわらと…しかも配ってるのは半袖Yシャツにネクタイのおじ様ばかり…どうやら地元の市営バスの社員さんだったみたいです。 その時、庄次郎は見ました…庄次郎にティッシュを配ってくれたおじ様が、もう1人のおじ様の手から溢れそうになっていたティッシュを持って、支えてあげていた光景を…! 本当に普通のおじ様がただったのですが…ティッシュを手から溢れさせていたおじ様なんか、若干頭頂部が寂しくなりかけだったのに…!! なんか萌えた。なんか萌えちゃったんだよ! ティッシュを溢れさせてたおじ様が可愛らしく、そのおじ様から「なにやってんだ」と苦笑しつつ支えるおじ様は妙にカッコよく見えた… おかしいな…庄次郎はオヤジ受属性に対して、腐女子センサーは限定発動だったはずなのになー… とにかく朝からごちそうさまでした。げふん。 …というのが、↑の骸ツナです。 ついでに、この骸さんとツナは以前から考えてるパラレル設定基準みたいです。 二人は一緒にメガネスーツ喫茶で働いてます。店のオーナーさんは白っくんです。お店の宣伝でティッシュを配ってるみたいです。 ちなみに、↓はリボーンではなくDFF。現代パラレル設定です。 詳しくはオフ本『いちごとシャンパン』参照です。(←何気に宣伝)◆◇◆◇◆※DFFでも小ネタ。※ティッシュ配りするライバツ。「よろしくお願いしまーす!」「…よろしく頼む」「はい、ありがとうございましたー!」「よろしく…」「ライトさん、ライトさん」「なんだ?バッツ」「そんな渡し方じゃダメだよ!みんな怖がって避けちゃうだろ?」「む…すまない。こんなことをするのは初めてでな。せっかく君の仕事を手伝うために来たのに…」「まぁ誰にだって初めてはあるよなー。でもそんな仏頂面で渡してたら誰も受け取ってくれないから…ちょっと練習しよっか?」「ふむ…ならばバッツ、指導をよろしく頼む」「はは!やっぱり固っいなー。よし…まずは渡し方な!こうやって…」「む。こうか?」「そうそう!いい感じー。やっぱり相手も急いでたりするから素早く、でも確実に受け取れるように渡さないとな!」「ふむふむ。なるほど」「次に渡す時な!短い時間だけど元気よくな…よろしくお願いしまーす!」「よ、よろしくお願いします…」「声小さいぞ。よろしくお願いしまーすっ!」「よ…よろしくお願いします」「そうそう!ライトさん、声が良いから、聞いてて相手もきっと気持ちいいって」「そう、だろうか?」「うんうん。すごく良いよ!そして…最後のポイントはこれ!」「笑顔……か?」「そう!笑顔っ」「私は…笑うのが苦手だ…」「何も無理やり笑えとは言わねえよ。でも、配る相手がこう…自分の好きな人だと思ったら自然と浮かばねえ?」「好きなひと…」「うん。どう?できそう?」「……わかった。やってみよう」「じゃ、俺が相手やってみるから渡してみて。練習!」「…よし。いくぞ!」「バトルじゃないんだから…まぁいいや。いくよー」「…よろしくお願いします!」「…!?」「…?どうだった?バッツ、私の渡し方は…」「や…やっぱりダメ!」「…は?」「その笑顔なし!つーか笑顔禁止!!」「何故だ?私の笑顔のどこがダメだったんだ?バッツ…」「だぁああっ!?ダメっつったらダメなの!!そんな笑顔、俺以外の人間に見せたらダメだっつーのッ!!」「!? バッツ…」「な、なんだよ」「君は…なんて可愛いことを言うんだ」「うっ…あ、あんたこそ恥ずかしいこと言うなーッ!!」「てか…あんたら道の真ん中で何やってんだよ」(byオニオンナイト)
2010年09月11日
コメント(0)
※リボーン二次ss。綱吉総受。※草食どうぶつ茶会。「あ。」 木の根元、ぴかぴか光る何かがあった。 ツナは脚を止め、屈んで摘まみあげた。 つやつやとしたその木の実を、陽の光に透かして眺める。どんぐりだった。「もう秋だなぁ…」 季節が回るのって早いなー、とツナは思う。 ぴこぴこと、ツナのもふもふした頭の毛から飛び出す小さな耳が、さかんに動いた。空気からも、季節の移り変わりを感じた。 拾ったどんぐりをポッケに仕舞いこんだ。これから会う相手は、どんぐりが大好物なのだ。ネコ科の生き物であるツナには、ちょっと理解ができない味覚…どんぐりって殻が固いし中身も渋いのによく食べれるよなー、と思う…であるが。 とりあえず、“彼”へのお土産にとっておく。「っと…そろそろ時間だ」 かさかさと、肉球で落ち葉を踏み、木々の間を駆けだす…そうしようとした。のだが。 その相手は、木の枝から飛び立つと、音もなく滑空したらしく…ツナがその存在に気がついたのは、背中に降り立たれた後だった。「ふぎゃーッ!?」 情けない悲鳴が森に響く。 ずざざー!突然、強い力で地面に押しつけられ、ツナはパニックを起こしかけた。「――どこへ行くつもりですか?ツナヨシくん」 冷ややかな声がかけられた。その声の主は、ツナの知っている相手だった。「ム、ムクロ!?な、なにすんだよっ!」「クフフ」 ムクロはツナの背中で羽ばたく。大きく羽ばたきをしても音がしないのは、フクロウが獲物を捕獲するための特性だ。 そんなフクロウのムクロにまんまと捕獲され、その後ろ脚で押さえつけられたツナは、じたばたと、肉球で地面をかいた。しかしビクともしない。まだ仔どものツナの力では、体格の立派な猛禽類であるムクロをはね除けることはできない。「の、退いてくれよ!」「お断りですよ」 ムクロの脚の鋭い爪が、ツナの柔らかい背中に食いこむ。皮膚を裂くほどではないが、圧迫感が増してツナは呻く。「また君は、どこへ行こうとしたのですか?」「お、お前には関係ないだろ!?」「ほぅ…言いますね」 ムクロは、くりくりと丸い両眼で、ツナを見おろす。赤と青の色違いの眼を、ツナはびくびくしながら見あげる。「確かに関係はないですが…仮にも守護者である僕の羽根を煩わせるのなら許しませんよ」「許すとか…ただ友だちに会いに行くだけだし…」「友だち?」 そうしたらムクロは、蔑むような調子で鼻を鳴らす。「ミルフィオーレとの境界近くに棲む、あの草食動物どもですか?」「そ、そんな言い方すんなよ!二人はオレの友だちだ!」 確かに。ツナがこれから会いに行くのはリスの正一、ウサギのスパナだ…ツナとは棲む場所も、種族も違う。 けれど、ひとつ前の秋、ツナがある事件に巻き込まれた時、助けてくれたのは二人だった。 以来、二人との交流が続いているのは気が合うからだ。 少なくとも、守護者と名乗りながら自分を足蹴にするムクロよりはよっぽど。「ツナヨシくん…」 ムクロが大げさなため息をついた。 羽毛の生えた翼が、ツナの顎下にかかる。「何度も言うようですが…―君はライオンなのですよ?」 首を固い羽根で撫でられると、まだ短いツナのたてがみが、ぞわぞわと逆立った「だ、だからなんだよっ?」 それを言うなら、ツナの周りは異種族ばかりだ。ゴクデラは同じネコ科と言っても豹の仔だし、ヤマモトなんか犬だ。「お前だってフクロウじゃないか!第一、なんでお前に友だちのことまで口出しされなきゃ…」「僕は良いのですよ。猛禽類だから」「…はぁ!?」「つまり君と同じ側の生き物ということだ。それと比べて…彼らはどうですか?」 ムクロは翼の片方を広げ朗々と、得意げに小難しいことを語る。「彼らは捕食される側の生き物だ…この森の食物連鎖の三角において底辺に近い場所に位置する、弱い草食動物なのですよ」 撫でる羽根が頬にかかる。「君も肉食獣であるならば…彼らの首を砕き、腹を裂いてみなさい」「…!?」「それが近い将来、この森でヒエラルキーの頂点に君臨する生き物の、覚悟というものです」「…そ…そんなの……」 ムクロの言い分は、ツナの家庭教師の言うのと同じだ。覚悟を決めろ、と。 だが…―「そんな―…できるワケないだろッ!」 ばしん!肉球にありったけの力をこめて、翼をはね除けた。「前から言ってるように、オレは友だちを食べたりなんかできないッ!ひえらるきーの頂点とかも知らないし…オレはただ…みんなでのんびり過ごせたらそれでいいんだよ!」 ツナはライオンとして生きる生き方に、なんだか尻尾がむずむずする居心地の悪さを感じている。家庭教師のカメレオンから、ご先祖さまが昔は広く深い森の支配者として君臨していたと聞いても、今ひとつピンとこない。 だが、草食動物である二人…スパナや正一と過ごす時間は、なんだか心が休まる。だからツナは、毎回このお茶会を楽しみにしていた。「とにかく…お前がなんて言ってもオレは行くかんな!」 睨みつける。 フクロウは色違いの両眼を驚いたように丸めていたが…やがて小さく笑った。「――クフ。仕方がありませんね…」「!」 ぐるん、と視界が回る。ムクロが 冷え冷えとした眼で見おろしてくる。腹ばいの姿勢から無理やり、腹をあお向けにするポーズを取らされたのだ。 今度は後ろ脚の爪で腹の柔らかい場所をなぞられると、ぞわわ!ツナは首裏を怖気が走るのを感じた。「な、何する気だっ?」「君がそんなに草食動物の気分を味わいたいのなら…味合わせてあげますよ」 にやり…開いた口の中から赤い舌が覗く。ムクロの嘴は鋭い。 ツナは、野生の本能が警鐘を鳴らすのを感じた。けれど、もがいても上に乗っかってくるフクロウをはね除けるパワーがない。「では…いただきます」 く、食われる…!?ツナは強く眼をつむった。 そんな時だ。 ちゅどーん!!「!!!???」 爆音と閃光に間を置かず、爆風が起きた。ツナは爆風に煽られふっ飛ばされた。「んにゃー!!?」 爆風にころころと、ボールのように転がされた。と思ったら、木の根元にぶつかって、なんとか停止できた。「っ…いったーっ!!…な、なにがおこって…!?」 ふいに、天地が逆さまになった視界に、影がさした。「―…ぎゃーッ!?」 伸びた悲鳴をあげるその生き物は、木の葉やら何やらと一緒に飛んできた。 ツナは避ける間もなく潰された。「ぐぇっ」 腹に衝撃がきて息が詰まった。 ふわん。と、ツナの鼻を、細かい毛がくすぐる。相手は丸いしっぽをしていた。「へくしっ!…あっ。しょ、正一くん!?」 よく見れば丸いしっぽの持ち主はリス…―正一が、ツナの上で眼を回していた。「しょ、正一くんっ!?しっかりしてっ!」「…は!?」 肩を揺さぶると、ぐるぐる回っていた眼が焦点を結んだ。ツナはほっと息をついた。「気がついた?」「ぼ、僕はいったい…」 混乱したようだが、ツナの顏を見て状況を把握したようだった。 がしり、とツナの前脚を掴む。「ツ、ツナヨシくん…早く逃げないとっ!」「い、一体なにがおこって…」「ショーチャーン♪」 のんびりと響く呼び声は、ツナにも聞き覚えがあるものだった。「げぇ!?」 正一は潰れた悲鳴をあげた。 並ぶ木々の間から飛んできた生き物は真っ白なウロコを持っている。「ビ、ビャクラン!?」「あれ?その声は…ツナヨシくん?」 視界に正一とツナを入れた白竜は、口の端を吊り上げてニッコリと笑う。「正チャンと一緒にくんずほぐれつ…ナニしてんのかなー?」 笑いかけられているのに、何故だか背中の毛が逆立つ。どうやら、野生の勘が『こいつはヤバい』というのを知らせるらしい。「正チャンってばヒドいんだよー。僕をのけ者にしてお茶会とかさー」「ぅぐっ!」「正一くん!?」 正一がお腹を抱えて丸くなる。ビャクランに会うと正一はお腹が痛くなる。昔、正一がミルフィオーレの森に住んでいた時、ビャクランが色んなイタズラをしかけた結果らしい。「しょ、正一くんっ、しっかり!」「ツ、ツナヨシくん…僕のことは置いてにげてくれ…」「置いていけるわけないだろ!さぁ立って…」「さっすがツナヨシくん♪」 正一の体を支えたところで、ぎくり、と硬直した。 いつの間にかビャクランが目の前に仁王立ちでニヤニヤしていた。「やさしいツナヨシくんはショーチャンを見捨てないし、僕のことものけ者になんかしないよねー?」 ツナは正一と身を寄せ、だらだらと汗をかく。ツナもビャクランのことが苦手だ。 しかし後ろは木の幹に遮られている…逃げ道がない!「さぁ、一緒にお茶を…」 だが、伸びてきた白竜の前脚を、一陣の風が阻んだ。「―…相変わらず、趣味の悪いオトコですね」「ム、ムクロっ!」 先ほどの爆風で飛ばされたと思われたが、戻ってきていたらしい。木の枝に止まって、きりりとビャクランを睨みつける。「君などと、ツナヨシくんがお茶をともにする訳がないでしょう?」「言ってくれるね、ムクロくん♪」 ぎらん!白竜とフクロウの爪が光る。 互いの口元には笑みがあるが、眼は獲物を捕らえた肉食獣そのものだ。この二人には因縁がある。「自分こそ、ツナヨシくんにお茶に誘われないからって僕に当たらないでくれるかなー?」「うるさいですね。今日こそ、その眼を抉り取って、この森の覇者になるなんてふざけたこと、言えなくさせてあげますよ!」「君こそ、まだ僕にいたぶられたこと覚えてるの?そこまでしつこいとツナヨシくんにも嫌われるよー?」 スゴゴゴ…対峙する二人の背後には黒雲がわき、そんな効果音がしそうな雰囲気を漂わせる。 ムクロが木から飛び立つ。ビャクランはそれを迎え撃つ。 二つの影が交わると、か!閃光が弾けた。「クハハハハ!堕ちろ堕ちろ!」「ふふっ。白拍手~♪」 ちゅどーん!どかーん!獣同士のケンカとは思えない爆撃音が響く。土が抉れ、木々が音を立てて倒れた。 ツナと正一はたてがみとしっぽの毛を爆風にあおられながら呆然としていた、が。 やがて互いの顏を合わせた。激しい火花を散らすフクロウと白竜は、二人のことを忘れているらしい。「と…とりあえず…」 リスとライオンの仔は眼と眼で通じ合った。がっちり!互いの前脚と前脚を握りしめる。「逃げよう!」「うん!」 そんな訳で二人は、落ち葉を蹴散らし駆けだした。 とにかく、スパナがお茶の準備をして待っているはずだ。「に、肉食動物の考えることって訳がわからないよッ!」「オ、オレも一応肉食だけど…あの人たちの考えてること、わかんないよね…」 二人の姿が森の奥へと消えたことに、闘う二人が気がつくのは、それからずいぶん経ってのこと…である――※ ネコ派の庄次郎です。 ネコの写真集とか欲しいっス。ハァハァvv(不審者?) でも柴犬も可愛い。子どもの頃はあの魅力が分からなかったけど、最近は可愛いなと思います。 さて…↑の草食動物はツナくん、正一くん、スパナです。 本誌のスパ正ツナフラグに燃えてパラレル…てか、子スパナがカワユすぎる!なにあのくるくるんvv しかし思い切り骸ツナってしまった…スパナ、ちゃんと出したかった…しょぼん。 リスはアリアさんのアニマルだけど、今回は正一くんをリスに。先日のサ○―ウォ―ス"で、主人公くん代理のリスが可愛かったので… ツナくんは体はライオンで肉食だけど、心は草食って感じです。 この後、炎真くんが草食動物クラブに加わると尚よし。炎真くんもライオンかな?少なくとも猫科か。 雲雀さんとかはツナくんの肉食動物面を引き出そうとよくちょっかいかけそう… あとどうでも良いけど、ビジュアルは基本はケモノのキャラ形態だけど、ある場面では獣人形態になるというご都合主義設定。だって…動物×動物でカラミって…ねぇ…?(さいあくな理由っスね!) 次書くことができたら、ちゃんとスパナと正ツナを絡ませたい!
2010年08月15日
コメント(0)
※↓リボーンssのおまけ。※かりぐらし観た!なヒバツナ。映画後、ファミレスとかファーストフード店で語っててほしい。「――結構面白かったでしょ?映画」「…まあまあだね」「ふふっ。この間はウチのチビたちと観に行ったんですけど、チビたちよりも夢中になって…」「…誰が?」「え?母さんが…」「…」「ん?なんで変な顏して…あ!また子どもみたいって思いましたっ?」「…」「ち、違いますよ!?母さんだけで行ったらチビたちの相手するのが大変だから…」「いや…そんな風には思ってないよ。安心した」「には?…安心?」「それよりさ…あの映画の小人、僕が見たのと、大分ちがうんだけど」「えー?ちがうって…そりゃ、映画の方は一応作り話だし」「そうじゃなくて。僕が見たのはもっとこう…ちょっと。紙ない?」「あ。紙はナプキンなら…どうぞ」「ありがとう…まず小人はこう…ふわふわしてて…」「………」「で、手足がこうで…」「………」「…で、こんな感じ」「……これが?」「普通はこんな感じでしょ?」「……で、でしょ、と言われましても…これは、一般的には小人と言わないよう、な…」「これが小人じゃないならなんだって言うんだい?」「いや、どう見ても……これ、手足が生えたまっくろくろ、」「小人だよ」「(ヒ、ヒバリさんのかわいいの基準って…!)」※あるいは8○1ちゃんの本体みたいなアレを、小人だと言い張る雲雀さんに、戦慄する綱吉さん…(笑)※雲雀さんの美醜感覚がおかしいとか、ツナもすすをわたるあの生き物のように愛らしく見えてるとかでは一応なく…生物としての強さや美しさ、可愛らしさに素直に惹かれるという意味で… 雲雀さんは、あのUMA大好き!vv獄寺くんも羨むぐらい、幼い頃から不思議に囲まれた幼少期を過ごしてそうじゃないか?と妄想する、庄次郎です。 屋根裏にまっくろなくろすけちゃんたちとか居ても、それが普通なナチュラル不思議ちゃんな雲雀さん…とか。 庄次郎も例のかりぐらしの~は観ました!おもしろかったです!! 映像の細部の作り込みとかストーリーの切なさとか…全体の味?が、やっぱり宮崎監督とは違うけど、良かったです。 でも…庄次郎より一緒に観に行った母の方が「おもしろかった!」と熱かった…(余談1。綱吉さんは普通の中学生男子だから、奈々さんと映画とか普通に「無理!」って言って嫌がりそうだけど、他の男と観に行ったとわかったら雲雀殿が嫉妬するので…笑)(余談2。その母が映画終わりに耳打ちしたところによると…庄次郎は気づかなかったが後ろの席に座った男性が上映中、ケータイをとったらしい…)(相手は彼女らしき女性からで、「今から会わない?」みたいな内容らしかった…その男性はすぐ電話を切ったらしい…「ごめん。今から大事な用があるから」みたいなことを返して…)(「かりぐらし~〉彼女!?」に母は戦慄していた…が。腐女子的にはわからんでもない…苦笑。) ん?かりぐらし~で脳内変換?もちろんしましたとも。(言い切るな) でもヒバツナでそのまま変換するには切なかった…ので、ssは不思議ちゃんな雲雀さんの話です。 あと、リボーンの30巻、出ましたね! 庄次郎は、この日記書いてる時点ではまだゲトできてませぬけど! …しょぼーん(-_-#) 30巻出たら、ネタバレ解禁で正ちゃんとツナくんの話をupしようと思っていたのに…キーッ!!夏の暑さがにくい…!! 今日はもうちょっと涼しくなってから、ツナくんを買いに…じゃなかった、リボーン30巻を買いに行こうかと思います。 あと、11月にある大阪のFFオンリー出ます。多分…申し込みが無事受理されたら… 今年の夏コミもまだなのに、11月の話をしたら腐女子の神様に嘲笑われると?しかし就職一年生の自分には、灼熱の夏しか残っていないのダ!(;`皿´) とりあえず、11月用のライバツ書かないと…です。自分、がんばります。
2010年08月05日
コメント(0)
※リボーン二次ss。ヒバツナ。※かりぐらし観まして…なヒバツナ。ちとネタバレ。 ふと思った。 しゅんしゅん。赤いケトルが口から湯気を吹く音が響く、ここは並盛中学の応接室。部屋の隅にはこぢんまりと、しかしコンロや流しが一通り揃っている。「ヒバリさん」 その前に立つ綱吉は、ソファーに腰かける部屋の主に問うてみた。「なんだい」 ぱらり。書類をめくる微かな音がする。雲雀は背中を向けたまま、書類から目も上げず応える。「ヒバリさんって、小人を見たことありますか?」「あるよ」「へー……え?」 がっちゃーん。派手な音が響いた。 空白の間を一拍置いて。ため息が零れた。「……君は、ここのカップを何個破壊したら気が済むのかな?」「す…すみません~…っ」 手のひらを滑り、床で無惨に砕け散ったカップ一式を前に、綱吉は頭を抱える。面目がなさすぎる。 学校の設備らしく簡素な食器棚に収まるカップやソーサたちは、そこにあるのが相応しくないほど、一見して高価そうな一品ばかりなのだ。 綱吉が応接室に入り浸るようになって粉々にした食器類はこれだけではないから、尚のこと。「あの…すぐ!すぐ片づけますからっ」「いいよ」 割れたカップに伸びかけた手が掴まれた。 書類仕事をしていたはずの雲雀が、いつの間にか綱吉の真横に移動していた。白い指がカップの残骸を摘まむ。「君に片づけ任せたら、余計にひどくなる」「あぅ…ほ、ほんとにすみません…」「その代わり、壊したカップ代分は働いてもらうから」「うっ…はい…」「ほら、新聞紙とほうきとちり取り。出してきて」「はい……」 これから、馬車馬のごとくこき使われる自分を容易に想像できて、綱吉は打ちひしがれる。 かちゃかちゃ。カップの欠片が触れあう。雲雀はてきぱきと片づけを終え、立ち上がった。「それで?」「はい…」「いきなり小人とか言い出して…どうしたの?」「……あ。」 うなだれていた綱吉は、そもそものきっかけを思い出して顏を上げる。「えっと。この間、映画観に行ったんですが…ほら、公開記念にこの間、金曜夜に同じトコの映画やってたじゃないですか」「あぁ…9時からのあれね…」 知らないのにどこか懐かしい世界、その中の名物キャラクター…小さなコマで空を飛んだりする、不思議な生き物。 綱吉の言葉で、雲雀も同じものを想像したらしい。思い出すように動く目の動きが、ひんやりと冷たい瞳が少し幼く見せた。そんな瞬間に綱吉は、心臓が何拍か早くなるのを感じる。 だが次に続いた雲雀のセリフには、さくっと刺された。「それ、アニメじゃない。そんなの観に行ったの?子どもだね」「う!?」 雲雀の表情は変わらない。きっと本人に悪気はないのだが、綱吉には地味なダメージだ。「それで?映画と小人がなんの関係あるの」 雲雀の腕が食器棚に伸びて、新しいカップを取り出す。二組。「そ…その映画の主役が…小人の…女の子、なんです」「へぇ。そうだったの」 話を続けながらも、雲雀の手は止まらない。食器棚の隣から四角い缶を取り出す。なんて読むのかも分からない、英字で描かれた銘柄。何種類か揃えてある紅茶の缶のひとつ。 中の茶葉を銀のさじで数杯、ポットの中に投入する。その様子がやけに大人らしく見えて、隣の綱吉は所在がない。「ヒバリさん…本当に小人、見たことがあるんですか…?」 雲雀はあまり冗談を言うような人間ではない。たが声にはどうしても、話の真偽を疑うような調子が混ざった。「あるよ。当たり前じゃないか」 だが雲雀は見開いて、純粋に驚きを示す。まるで、地球が丸いと知らない人間を前に、驚いた反応だ。逆に綱吉はたじろぐ。「お、俺は見たことありませんよ…」「わぉ。それは珍しいね」「めずらし…いえ。たぶん、ヒバリさんが思うほど、その…小人を見たことがある人の方が少ないんじゃないかと…」「へぇ。そう?」 しかし綱吉の指摘にも気にしたそぶりはない。他がどうであっても特にこだわりはない、雲雀にとっては自分の信じることが世の理なのだ。「雲雀さんの見た小人って…どんなでしたか?」「小さかったよ」 いやそれは小人だから分かりますが。 ツッコミを入れる前にケトルが叫んだ。かん高い音をたて、湯が沸いたことを告げた。雲雀はコンロの火を止める。 ケトルを持ち上げ、湯を茶葉のセットされたポットへ注いだ。「はい、できた」「あ!俺、運びますっ」「断る。また破損されたら困る」「う…」 涙を噛みしめながら、ソファーに腰を落とす。せいぜい綱吉にできるのは、机に散らかった書類の束を脇に避けるぐらいだ。 雲雀は綱吉が空けたスペースに銀の盆を置くと、並べたカップへポットの中身を注ぐ。 何気ない一連の動きさえ、雲雀は絵のように美しくこなす。やがて二組のカップの内、一組が綱吉の前にも置かれる。「い、いただきます…」「どうぞ」 紅茶を一口すする。「あ…」 しゅんと落ちこんでいた綱吉の目が丸くなる。 角砂糖は砂糖つぼの中で、まだ待機中だ。それでも、赤みのある紅茶の湯面からは、ふわりと花のような甘い香りがした。「…おいしい」「そうだね。君が淹れるのよりはまだ美味しいよ」「…もう…返す言葉もありません…」 再び落ちこむ綱吉の様子を、雲雀はくすりと笑う。「砂糖はいる?」「…どうせ子どもですから」「すねないで。お菓子はどう?」「いいですっ」「じゃあ…代わりに、昔ばなしをしてあげよう」 笑う雲雀の言葉に、む、と唇を曲げる。「子どもじゃな、」「小人の話」 ごくり。紅茶を飲みこむ。昔ばなし。それが、さっきの話の続きだと分かった。「5歳ぐらいの時かな?彼らの存在を僕に話して聞かせてくれたのは祖母だった」「おばあさんが?」 雲雀は頷く。「僕は祖母に育てられた。しつけに厳しい、強くて美しい人だった――」 綱吉は菓子に手を伸ばすのも忘れた。初めて聞いた話にどきどきした。雲雀が祖母に育てられた、とか。 雲雀の子どもの頃の話や家族の話…もっと聞きたい。せがみたくなるのを堪えて、綱吉はただ黙って頷き、話に聞き入った。「祖母は僕に昔ばなしをたくさんした。その中でも僕が夢中になったのは小人の話だった」「小人の…」「そう。祖母は幼い頃、小人を見たんだって。庭で、ままごとのお茶をしている時に。こんな風に、」 雲雀の指が透明な砂糖つぼに伸びる。ひぃ、ふぅ、み…机にいくつかの角砂糖が一列に、「並べていたら…その内の一個が、気がついたらなくなっていた。それを、祖母は小人が持っていったんだと言った。その翌日、僕は庭にいた…祖母の話が本当なのか確かめるために」 雲雀の視線が流れ、綱吉はその先を追った。窓から覗く空は青い。「こんな晴れた日だったかな?僕は本を読んでるふりで、彼らが現れるのを待っていた。そばに祖母の言っていた通り、紅茶と角砂糖を並べて…」 目を細め、指先は無意識なのか紅茶のカップの縁を辿る。思い出を掘り起こしつつ、雲雀は昔ばなしを語る。「けど現れなくて、僕はいつの間にか眠っていた…目が覚めると陽は傾いていた。僕は暗くなると祖母に叱られるから、片づけて家に入ろうとした…その時に」 つい。と、雲雀は角砂糖の一個を摘みあげた。「…ふと見れば、角砂糖が一個、なくなっているのに気がついた」 角砂糖の隊列から真ん中に一個分、空白ができた。雲雀はその一個を手のひらに握りしめる。「僕は目を凝らした。でも辺りは夕焼けで真っ赤で、木も草も、影みたいな姿しか見えなかった…あきらめそうになった時、視界の端で何かが動いた。僕は息を殺してそこを見つめて―…そこに小人がいた」 艶のある黒瞳が熱を帯びて輝く。「どきどきした…目に焼きついた…すごく美しい生き物だったんだよ。それは」 雲雀の手が空をかいて、近づいてきた。「…ちょうど、こんなふわふわしてたのかな?触ったら」 綱吉は、急に髪へ触れられ、どきりとした。 物語の終わりに、昔ばなしから急に現実へ引き戻された気分だった。雲雀の昔ばなしに相づちも忘れ、飲みこまれていたのだ。「さ…触ったんですか?」 雲雀は静かに、首を横に振る。「思わず手を伸ばしたけど…伸ばした途端、それはどこかに行ってしまったから」 ちゃぽん。角砂糖がひとつ、雲雀のカップに落ちて、消えた。 雲雀の手は離れていた。「それで…どうなったんですか?」「それでおしまいだよ」 雲雀は音もなく、銀のさじで紅茶をかき混ぜる。「何度か同じことをした…最後は祖母に、砂糖を無駄にするなって怒られるくらい、何度も…けど、小人はもう二度と、僕の目の前に現れなかった」 カップを傾け、紅茶を飲む。 綱吉は、少しぬるくなった紅茶の湯おもてを見つめ、思い出す。「小人は…映画の中の小人たちは、人間に見られたら引っ越さないといけない掟に、なってました…」「そうなの?」 当然、雲雀はそんなルールなど知らないから首を傾ける。けれど、どこか納得したように頷きもした。「けど…そうか。僕に見られたから、引っ越したのかな?でも僕は…」 言葉が途切れ…雲雀の表情に、綱吉は息を飲んだ。「もう一度、会いたかった」 浮かんだ仄かな微笑と同じで…つい、零れた呟きは、甘やかで苦かった。 聞いた綱吉の胸をちくりと刺す…それは痛みだった。「それって…まるで…―」 制服の胸の前を、ぎゅっと握る。なぜだか、胸がざわついた。内側のどきどきに、痛みが混じっている。「…初恋、みたいですね」 雲雀の大切な思い出を聞けて…嬉しいのに…なぜだか切ない。 小人の少女と人間の少年が心を通わせるあの映画…小人の少女のために、体の弱い少年は駆けた。 しかし、綱吉の頭の中で勝手に再生された映像はなぜだか…走っているのは少年ではなく、雲雀だった。「綱吉?」 うつ向く綱吉には見えなかったが。雲雀は首を傾げた後、微笑んだ。何かに気づいたように。 かちゃん。カップをソーサの上に戻し、「……綱吉」 呼ばれて、綱吉は顏を上げた。ちょいちょい。雲雀が、指先を動かして招いていた。「ちょっと。おいで」「…は。え?ちょ。な、なんで…」「いいから」 一言。だが、有無を言わさぬ威圧感に押され、手をさし出した。そうすれば腕を引かれた。「うわ!?」 軽い衝撃があって目をつぶった。次に目を開けると、雲雀の腕の中だった。「―…あの、ヒバリさん…」 カップを机に置いていて良かった…これ以上カップを割ったら…いや、それはともかく。「なに?」「…これ、なにがしたいんですか?」 雲雀は綱吉の頭を抱えていた。その髪を撫でて、先まですいては落とす。おかげで首がくすぐったい。「別に」 と言いつつも、密着した部分からは小さな振動が伝わる。声もなく笑っているのだ。「もう…なんなんですか!?」 怒ろうとして…顏の近さを実感した。密着した体勢は結構…というか、かなり恥ずかしかった。 赤くなった顔面から、照れた心の内はすでに見すかされていた。雲雀はついに笑い声をあげる。「わ…笑わないでください!」 綱吉だって虚勢だけは張りたい。雲雀はやっと笑い声を収めて、切れ長の瞳で綱吉を見つめる。「ねぇ。君、甘い物が結構好きだよね」「…子どもっぽくてすみません」「むくれないでよ。この紅茶、気に入ってくれた?」「…はい。好きです」「昔ばなしは?」「……もっと聞かせてください」 綱吉が渋々、素直に答えれば、にっこり笑う。ずるい、その笑顔は反則だ。 耳元に唇が寄せられる。低くて静かで、淡々と昔ばなしを語った声、だけど。「例えばね、綱吉…小人が僕の初恋だとしても…」 ひっそりとした、昔ばなしではない、囁き。心拍はメーターをふり切りそうだ。「今、僕が紅茶を入れるのも角砂糖を用意するのも…君のためだよ」 綱吉は茶の瞳を最大級に見開く。 見つめれば、雲雀はいたずらっぽい笑みを返した。「君が、好きだよ」
2010年08月05日
コメント(0)
※リボーン小ネタ。↑な変態、な骸ツナ。※とある漫画様のパロディめ。メイドな綱吉はいません。 最近、家に帰りたくない。 そんな風に思う沢田綱吉、14歳。 14歳と言えば、特に理由もなく盗んだバイクで走り出したり学校の窓ガラスを割って回ったり、挙げ句の果てに「俺は新世界の神になる!」と宣言したりする、そんな多感な年頃… であるがしかし。綱吉は中二病を患っていない、ごく普通の中学二年生の男子生徒である。(諸事情によりマフィアの後継ぎ候補…は省略) では家庭にその理由があるかと言えば、そうでもない。父親はろくに帰ってこないロクデナシだが、母親との関係は特別良くも悪くもない。厄介な居候たちの世話に追われることもあるが、そんな日常が嫌いではない。 では何ゆえなのか? 答えは簡単である――「ご主人さま、ご奉仕させていただきますvv」 最近、家に帰ればメイドがいる。「ご主人さま、どうしたんですか?顔色がよろしくないようですが…熱でもあるんじゃないですか?」 額同士をごっつんこさせてこようとするメイド…いや、否。「この変態がぁ!」 が、いる。だからである。「ご主人、さま?」 手を払われたメイドは、オッドアイを大きく見開く。「だいたいご主人さまってなんだ!?そもそもなんでメイド!?ガタイの良い男のくせにさすがに気持ち悪いんだよ!黒曜に帰れっ、このパイナップル!!」 はぁはぁ。罵倒を終えて、綱吉は乱れた息を整えようとする。 罵倒をされたメイドは、左右で色の違う瞳を見開き、立ち尽くす。が、「ご主人さま…酷いです!」 ば!と、エプロンの端を摘まんで目もとを拭う。「僕はただ…ご主人さまのことが心配だっただけなのにぃ…っ」 シックな黒のロングスカートに、フリルたっぷりの真っ白なエプロン…無駄に美形なのが幸いなのか不幸なのか… そんなメイド姿の六道骸(盗んだバイク飛び越えて世界征服以下省略…な15歳)が、綱吉の部屋のフローリングに膝をつき、よよよ…と泣く。 フリである。涙など一滴も流れていない。綱吉は知っている… 知っている…知っているのだが…「…おい。いい加減、泣き止めって…」 綱吉はそっぽを向いたまま声をかける。しかし骸は顏を上げない。「いいんです…僕なんか…ご主人さまに嫌われるようなメイド、メイド失格です…」 すすり泣く音が響く。沈黙。耐えられなくなったのは結局、綱吉だった。「の、のどがかわいたなー…骸、ちょっとお茶淹れてきてくれる!?」「はい。ただいまvv」 やっぱり嘘泣きだったんだな!?るんるんと弾む足取りで部屋を出ていくメイドに、綱吉は訳のわからない敗北感を味わい、がくりと膝をつく。「く…っ」 メイド…否、六道骸は、元々コスプレ好きの素質がある。それは現在通う中学校を、制服のデザインで決めたエピソードからも分かる。 それがどうしてメイド姿にはしったのかと言えば… マフィアの事情(というより骸とツナ的ご都合主義…とは言わない約束)により、六道骸は復讐者の牢獄から出所した。一ヶ月前のことだ。 だが出所した骸は…メイドになっていた。 牢獄で施された、何かの洗脳らしい。これには、骸の部下である少年少女たちは困惑し…「ご主人さまvv」とか言われたのが、トラウマになったらしい。 特に影武者の少女は…ついに出会えた1/1スケールのメイド姿にショックを受け、自室に立てこもる事態に陥った。 そんな事情を知った綱吉としては放っておけない訳で…(というかリボーンが、「ボスならなんとかしてやれvv」とか無責任なことを言い出した) そうした経緯でメイド・六道骸は現在、沢田家に居すわっている。リハビリという名目で。 ただし、連戦連敗中。「くそぉ~…っ」 ベッドの枕をぼふんぼふんと叩きつつ、綱吉は悔しがる。 骸に…あいつにだけは負けたくない…!「ご主人さま~、お茶をお持ちしましたぁvv」 そのために…綱吉は今日、帰宅途中に買って帰った物を思い、拳を固める。「……骸。ちょっと」 給仕を終えたメイド骸が、(「では、また何かご用がありましたらお呼びくださいvv」などとのたまいつつ深々と頭を下げ、さらにはちょんと腰を落とす仕草をするのに寒気を感じつつも)下がろうとするのを呼び止め、綱吉は手招きをする。「はい?」「ちょっとこれ」 骸に黒い紙袋を渡す。骸はきょとんと、小首を傾げる。(だから鳥肌が)「開けてみて」「はい」 中から出てきたのは黒い服だった。 にこにこ。骸は笑いながら、服を広げる。 紙袋の中身は迷彩柄のTシャツに黒っぽいタイトなジーンズ、鋲打ちの革製アクセサリーなど…「ど…どう…?」「そうですねー…」 綱吉はドキドキしつつ、ためすつがめつする骸をうかがう。「…ご主人さまには少し、サイズが大きいんではありませんか?」 「それに僕、ご主人さまにはもっと可愛い服の方が似合うと思いますvv」と、にっこり!しつつ、小首を傾げる。 可愛い…くはない。鳥肌を感じつつも、「お、俺が着るんじゃないの!」 ぐいぐいと、骸の胸元に紙袋を押しつける。「骸…これ、お前にプレゼントだから!」「え?」 わざわざ放課後に店へ行き選んできた、骸の好みであるだろう品々。 しかしメイドは押し返す。「いいえ!そんなプレゼントだなんて…受け取れません」 とろけるような笑顔で、言い放つ。「僕はご主人さまにご奉仕させていただけるだけで幸せですからvv」「やーめーてー!!!?」 幸せそうな笑顔で告げられたおぞましいセリフに両耳を塞ぐ。「ご主人さま?」「頼む…頼むからっまともな服を着て!?」「まとも、な…ふく?」 骸が笑顔のまま、たどたどしく復唱する。 なんですかそれ、おいしいんですか?という目。現在の骸の中からは「まとも」という概念が欠けているらしい。 そんな様子に、ついに綱吉の堪忍袋の緒がぶち切れた。「い、い、か、ら…脱げーッ!!!」 がっちり!骸の両肩を掴んで、メイド服を剥こうとする。 しかし、「あぁ!?そんな、ご主人さまっ…僕ら、身分が違いますぅ!」「だあぁっ!?まるで俺の方が襲ってるみたいじゃん!!」 頬を染めて抗う骸に、綱吉はさらに意地になって、メイド服を引っぱる。「……っ」 綱吉も限界だった。 骸の顔色が変わるのにも気がつかない。だから、「や…やめてくださいッ!」 悲鳴のような叫び声に、我に返った。 メイド服の袖が濡れている。そこに置いた綱吉の手のひらが湿り気を帯びている…しかしそれだけではない。 座りこむ骸の白い頬を、大粒の汗が滑り落ちる。強く掴んだ肩は、わずかに震えていた。「ご…ごめん…っ」 綱吉はメイド服の肩をそっと離した。 骸は掴まれた部分を自分で抱いて、大きく呼吸をくり返す。「そんなに、いやだとは思わなくて…」 リボーンや他の面々の分析によれば…牢獄にいる時にかけられたこの洗脳は、稀代の幻術師であるはずの骸ですら自己解除するのが困難なレベルであるらしい。 無理にメイド服を脱がせようとすれば、その方が骸にとってはストレスになると。 伝えられていた。わかっていても耐えられなくて…「ご主人さま…なんで泣いているんですか?」「え?」 見つめる骸の額は汗で濡れて光る。 綱吉の頬は、目の端から流れる温かい滴りに濡らされた。 綱吉はそれを乱暴に拭う。「お前が…自分のこと…かわいそうだって、知らないからじゃないか…」 勝手な言い分だと、綱吉は自分の言葉を省みても、それが正直な思いであった。 あのマフィアを憎んでいた骸が…その筆頭として敵視しているはずの綱吉に対して媚びるように、「ご奉仕」をする姿…それは、本来の骸にとって、望むものではないはずだ。屈辱のはずだ。 少なくとも、綱吉はそう思うから…骸の本当の望みをかなえられない自分がふがいないのだ。 ずずっと、綱吉は鼻をすする。 骸は、そっと、紙袋から飛び出した服を手にする。「これを…着れば、いいんですね…?」「…いいよ。そんな汗かいて…無理しなくていい」「いいえ…」 すっく、と骸が立ち上がった。長いスカートがひらり、と翻る。「いいえ…ッ」 脂汗をだらだらと垂らしつつも、骸は微笑む。メイドとは思えない、凄みのある笑みだ。「“君”が…ご主人さま、とかマフィア、とか…関係ないんですよ…」 ぐわし!と黒い紙袋を掴む。「ただ僕は…君に笑ってほしいんです…!」 奇声が綱吉の部屋を震わせた。「…おや。今日は大根が安いですね」 骸はかごの中に大根を入れる。 そのかごを抱えた綱吉は、しばらくぶりにメイド服を脱ぎ捨てた長身の少年を見上げる。 「あら?今日は骸くん、メイド服じゃないのねー」とは、買い物に送り出す際の奈々の言葉。 母親の順応能力の高さにはこの際、ツッコミを入れまいと、綱吉は決意する…「……でも、Tシャツ+ジーンズの上でフリフリエプロンはするんだな…」「え?なんですか、ご主人さまvv」「あ。あと外だし、口調は直んない?せめてご主人さまは…あ、ごめん!無理言わないから!!」「…す、すいませんっ…努力します…」 脂汗で微笑む骸の横に並んで、綱吉はため息をついた。 でも…とりあえずは一歩前進?※ヤマシタトモコさんの『ト"ント・クライ・カ"―ル』という漫画にツボって…変態バンザイvv※でもさすがに骸を裸族にはできなかったので…メイドで。※でも…骸がメイドって気持ち悪いなvv(ちょ)(自分で書いといて) 地元の県内にBL喫茶ができるらしいと噂を聞いた、庄次郎でした。
2010年07月29日
コメント(0)
今日メイド喫茶デビューしました、庄次郎です。 相方の水中翼船さんは、仕事の関係で残念ながら昨日の内に帰還をしてしまい、今日はももとえむさんと二人デートvvになりました。 あの某乙女の聖地には様々なお店がありますねー。本日は正統派メイドさんのいるメイド喫茶がウリのメイド喫茶に行きました。 正統派メイドさんの服装や接客に、ももとさんは終始「かわいい、かわいい」と連発。ニコニコ大満足。 そんなももとさんに言いたい…ももとさんこそ(*´ェ`*)萌えーッ!だ!!…かわいい…vv とりあえず、昨日はFFオンリーでした。参加者の皆さま、本当にお疲れ様です。m(_ _)m それにしてもびつくりしました…ライバツの意外(失礼)な需要の高さ… いやこのジャンル、このCPで本出してる人がそもそも少ないからが大きいとわかっていても… 中身をほとんど見ずに「これください」とさし出されれば、 「ほ、本当にこれでいいんですかっ?」と思わず聞き返すチキンっぷり、思わず露呈してしまいましたヨ! あまりにテンパりすぎて、当初から渡す予定だったペーパーとか忘れる始末だし! (なので、こちらのブログご覧の方で『いちごとシャンパン』買ったのに『一致後。』ってペーパーがついてなかったよーって方はご一報を…郵送かメールにてお送りさせていただきたいです。m(_ _)m) 本当に、買ってくださった方々は女神さまに見えました。なむなむ。 「ライバツ大好きですッ!」とキラキラした目で語るお嬢様に、同じようにキラキラした目で「マヂですか!?うぉおー!」と叫ぶ相棒が固い握手を交わす様子が、なんとなく嬉しかったです。 『いちごとシャンパン』が、ライバツに飢えたお嬢様方に、少しでも気に入って頂ける内容となっていたら幸いであります。 次は11月のFFオンリーに参加できるように、新刊をガンバろうかと思います。
2010年07月19日
コメント(0)
FFオンリーイベント『F~novum~2』に参加することになりました。 開催日は7月18日(日) 会場は東京ビッグサイト サークルNo.「う36」 サークル名「KaKa-CAN!」です。 まさかのオンリー!しかも東京!! さらに今回、庄次郎ひとりぽっちじゃない!!! 当日は相棒、水中翼船さんも参加しまーす。(ももとえむさんは残念ながら不参加ですが…(-_-#) さらにさらに残念なことに…新刊は間に合わなかったため、今回は既刊『いちごとシャンパン』とペーパーのみの取り扱いとなると思います。 あと、せっかく通販も始動しているし、イベント会場に来た方がペーパー見て購入を検討できるように、いちご本の見本ペーパーも新しく作りました。 小説ばかりであまり花はないかと思いますが、会場にお来しの方がいらっしゃいましたら、ぜひスペースに遊びに来て頂けたら幸いです。m(_ _)m
2010年07月13日
コメント(0)
一週間ほど前、某映画を観に行きました、庄次郎です。 じむきゃりーさんにゆあんまくれがーさん主演の。二人がゲイのカップルという設定の。 電車で三十分の大きな映画館で公開していなかったのでDVDになるまで待とうかと思っていたところ、地元の3シアターぐらいしかない小さな映画館で公開中でびつくりしましたー…灯台元暗し! 一人でふらぁ~っ、と観に行きましたが…行ったら館内も私一人でした!orz 内容はちょっと…いや結構?下ネタでしたが(苦笑)、おもしろかっ、た…… というか……観ながら、6927変換しながら観ていました…テヘ☆(←テヘ☆ってなんだ) というか…愛のために脱獄とか…骸さんじゃないか!?いやいやそうに違いない!! ……という妄想の産物が↓です。 ちなみに今週のリボーン……山本ぉおぉお………ッ!!!!! いきなりで心の準備ができてなかったよ……※リボーン二次小ネタ。6927。※流行りのつなぎのツナは好きですか?※ある映画のWパロディー。ネタバレ注意。「……最低!」 とても良い音がした。 拳を叩き込まれた衝撃で、顏が横へ流れた。 頬が痛い、とても。それはそうだ。拳を突きだした青年の正体を考えれば。 目の前で足を開いて踏んばる彼は小柄だ。顏の造形や纏う雰囲気は、女性のような柔らかさすらある。 人と争うことなどできないようにみえる見た目を裏切らず、本当に暴力や闘争には向かない性格だ。臆病な性格とも言えるが。 だが彼は――沢田綱吉はそれでも、闘う力を持っている。マフィアのドンなのだ。「…なに笑ってんだよ、骸っ!」 彼は、警戒心を剥き出しに僕を睨みつけていた。 掌で唇を覆えば、僕は自分でも気がつかない内に笑みを零していた。「いえ…変わりがないようで安心しました、綱吉くん」 今度こそにっこり、笑いかける。 安心したのは本当だった。 少し痩せたようだ。おかげでオレンジのつなぎ服はぶかぶかだ。そのアンバランスさがある意味似合ってはいたが、やはり彼はこの場所に相応しくない。 会議室のような面会室。窓に嵌まった鉄格子が青空と僕らを遮る。こんな場所には。「綱吉くん。僕は君を迎えに…」 茶髪へ触れようと腕を伸ばす。髪は元からぼさぼさで、すく必要があるわけではない。ただ僕が彼の手触りを久しぶりに感じたくなったのだ。 だが指は、触れる直前ではね除けられた。「っ…俺は、ここを出てくつもりなんかない!」「綱吉くん」 毛を逆立て、爪を立てる猫のような反応だ。無理はない。 沢田綱吉は現在、服役中なのだ。そしてそうなったのは僕のせいなのだ。 なのに彼は、ファミリーの構成員が保釈やら脱獄やらを勧めてくるのを全て拒否し、黙々と刑に服している。「綱吉くん。君がここにいる理由はない」 だから僕は来た。「君は無実だ。僕が弁護する。だから…」「そんなのいらないんだよっ」 スーツの肩を突かれる。「弁護っ?資格なんかないくせに!」「綱吉くん。話を聞いてくださ、」「うるさい!もうお前の嘘はたくさんだッ!」 傍らの机に置いた書類が舞い散る。彼の釈放に必要な書類。もちろん、全て幻覚を応用した偽造だが。 彼はそれらには目もくれず、僕のスーツの胸ぐらを掴む。「なんなんだよお前!こんなことして、俺が本当に喜ぶと思ってんのかっ?こんな…お前が!」 怒りに染まった瞳に膜が張る。涙が、みるみる浮かぶ。僕は息を飲んだ。 僕の胸ぐらを掴んだ指から力が抜ける。支えようとしたが、彼は僕の足元に膝をついた。「…し…死んだって聞かされて…」 ほんの数日前まで、僕自身も囚人だった。 脱獄は何度もしてきたが、捕まって再び牢獄にぶちこまれる度、難易度は上がる。 だから僕は、僕自身を殺すことにした。正確には、そう見せかけた。「ふざけるなよ…お前…想像もしなかったのか?」 今回の脱獄は何としても成功させたかった。彼を一刻も早く、この牢獄から釈放させなければならないと思ったから。 理由を告げようとして、口を閉じた。どうしても言い訳にしかならない。 何より、俯く彼の声は震えていた。「お、お前が…嘘でも死んだって聞かされて…クロームが…犬さんや千種さんたちも…苦しめるって…想像もしなかったか?」「綱吉くん」「俺も…俺だって…俺がどんな気持ちでいたかなんてッ……なんでお前はいつもそうなんだよ!?」 思わず指を伸ばす前に、彼は僕を睨み上げた。叫ぶ。「このバカ!アホ!変態!最低だ!帰れっ、このパイナップル!チョコ好きの変態ッ!この……ッ」 最後は言葉の端が途切れた。彼は膝を抱え、肩を喘がせる。 彼は思いつく限りの罵倒の言葉を並べたてたようだ。まるでフルマラソンを全力で完走したように息を乱す。 僕は静かに、彼の前に膝をついた。そして待った。「……なんでだよ」 彼はやがて呼吸を取り戻し、呟いた。僕は黙っていた。「なんで、悪口言われて、いつもみたいに嫌みで反撃しないんだ?」「綱吉くん」「なんで…さっきの、避けなかった?」 僕は右頬に触れた。殴られた頬は熱を持って痛む。確かに、避けることはできた。 しかしそれを僕はしたくなかった。「綱吉くん…君が許してくれないのは当然、だと思います…僕は嘘を重ねすぎた」 これしか生き方を知らない。それでも、僕らが幸せになれるのならそれでかまわないと思っていた。 だが、彼は違うと言った。「君が以前に言ったように…僕は空っぽで、何者でもないのかもしれない…」 目の前の彼が顏を上げる。瞳に傷ついたような色を宿す。彼は痛みを知っている。「けど、これだけ言わせてください」 触れることはできない。だから言葉を告げる。「君が好きだ。君を愛している」 彼は瞳を見開く。 唇が迷うように開閉する。目の表面には悲しみと一緒に、不信が現れる。「…それ、どうしたら信じられる?」「……ないです。証になるものは何も」 情けない。稀代の幻術師であるこの僕が…現世の他の物であれば、いくらでも創りだすことができると自負するこの僕が。 この愛の証明もできない。情けないことだ。「でも…」 だが。彼が信じても信じなくても。 もう何でも良い。分かったのだ。「この気持ちにだけ、嘘はないんです」 この、現世の何ものでも証明できない思いをくれた君に。 ただただ、この言葉を伝えたくて、君の元に来た。今はそう思えた。「君を愛している…綱吉くん」 沈黙が下りた。「……ズルいよ、お前」 鼻をすする音が響いた。 顏を上げた彼の、目の端に涙の粒が光る。僕はそれを指ですくい取った。濡れた肌に触れたが、今度は払いのけられなかった。 彼の指も伸びてきた。僕の頬へ、熱をなぞるように指を滑らせる。「…痛かったよな」 彼は自分が痛みを感じているかのように顏を歪めていた。何度も彼に、そんな顏をさせてきた自覚がある。僕も痛い。 だから抱き寄せた。抗う力はなかった。 彼が僕の肩に顏を埋めて呻く。「俺は…お前がいれば、それで良かったんだ……」「綱吉くん……」 僕は抱く腕の力を強くした。僕も今、彼と同じ思いだと、伝えたかった。 このぬくもりだけが欲しかった。ずっと。
2010年06月14日
コメント(0)
※リボーン二次ss。骸ツナ。 ※目覚まし時計のニュース番組で、1日の骸ツナエネルギーをもらっています。 『6月の怪奇現象』 ある夕方。風呂場へ続く脱衣場にて、 「…げ。なにこのパンツ」 見たことのないパンツを前にして、綱吉は眉をしかめた。 「もー…母さーん!変な柄のパンツ出すなよ!」 「あら失礼ね!お母さんのセンスに文句つけるのー?」 「いくらなんでもこれはヒドイってばッ!」 「ま!つッくんってば、一人前の口きいちゃって……あらら?」 息子に呼ばれ、おたま片手に登場した母親の奈々もまた、綱吉が広げたパンツを見て首を傾げた。 「そのパンツ、知らないわ。お母さんが買ったやつじゃないわよー」 「え?うそ…」 「いくら母さんでも、年頃の息子にこんな柄のパンツ、チョイスしないわよ~」 「え?えぇ?じゃ…じゃあ、いったい誰が…」 「さぁ…誰かしら?」 親子は、前部分のど真ん中にクマのキャラクターが描かれたトランクスを前に、途方に暮れた。 ……と。この「クマ柄パンツすり替え事件」に端を発して…最近、沢田綱吉の周りでは怪奇現象が続いている。 弁当の中身がチョコ菓子にすり替えられていたり、部屋に置いた覚えもない置物がすえてあったり…他にもこまごまと、綱吉の周りでは身に覚えのない怪現象が起こっていた。 いつもなら真っ先に、家庭教師リボーンの気まぐれと考えるが、リボーンの仕業ではなかった。 では一体誰が…なんのために?そうこうする内にも怪奇現象は続いたが、実質的被害がなかったし、どこに被害を訴えれば良いのか、綱吉には分からなかった。 そんなある朝である。 「おはようございます、沢田綱吉」 玄関を出てすぐ、少年が門柱に寄りかかって待ち伏せをしていた。 少年は読んでいた本を懐にしまい、綱吉の前に立ち塞がる。 「今日は…僕が1日、君のそばにいてあげましょう。ありがたく思いなさい」 びしり!と指を突きつけての宣言。 実質的な被害がありそうな怪現象……というか…怪人が、やって来た。 怪人は、オッドアイに整った容姿で、一応は美形に分類はされる。が、変な髪型で変な笑い方の、変な人、だ。 その名は六道骸。一応知り合いだが、襲撃者と標的という、ちょっとした緊張関係にある。油断のできない相手だ。 「そ、ソーデスか…」 あいまいに笑って、とりあえず相づちを打ち、 「じゃ…オレ、学校があるから…これで、」 ぴ、と右手を上げる。骸の脇を通り抜け、玄関を出て学校へ。さりげなく、実にさりげなーく… 「人が話ししている最中に立ち去ろうとするのは、マナー違反ではありませんか?」 …全然、さりげなくならなかった。 がっしり、手首が捕まった。 「ぎゃあぁあッ!?」 「とりあえず…一緒に来てもらいましょう」 「…なんでだよ!?」 もちろん、ワケもわからず連れ去られることなんてできない。引きずる力に、めいいっぱい抵抗する。だが、相手はびくともしない。 「ワケを話している時間は、残念ながらないのです。災いを回避したいと願うならば…僕と一緒に来てもらいましょう!」 「お、お前がすでに災いだぁッ!いやだぁ~!~ッ…は、はなせよ!?」 「ダメです。さぁ…」 オッドアイが間近に迫る。 手首が痛い。手加減のない力で掴まれている。情けないと分かっていても、目が潤んだ。 「い、いたいよ…っはなして…」 その時。それを目にした骸が、何故か、ひるんだのが分かった。締めつける指の力が弱まったのだ。 チャンスだった。綱吉は指をふりほどく。と同時に走り出す。 「! 待ちなさい!」 骸が再び捕まえようとするが、それはなんとか避けられた。 玄関前から、公道へ飛びだし、走り始める。 「待ちなさいって言ってるでしょうが!」 「ま…待てって言われて待つヤツがいるかぁッ!?」 とにかく走る。走る。 それでも気になるから、ちらり、と後ろをふり返れば、 「…止まりなさい!止まらないと契約しますよ!?」 追ってくる骸。手にはいつの間にか、三ツ又の槍。顏は鬼のようで…… 「…け…契約されるってんならなおさら止まれるワケないだろおがぁ~ッ!」 綱吉は必死でスピードアップを図った。だが相手も必死で追ってくる。 「ちょ…止まらないとって言ってるでしょうが!人の話をよく聞きなさいと…」 「いやだー!契約されたくない~!!」 「だから…君、朝寝坊するから知らないでしょう!?」 …ここで朝寝坊と契約がどーゆう関係があるんだ?わずかにそう思うが、綱吉はパニックしたまま、骸を撒くために角を曲がろうとした。 そこでクラクション。激しいその音に、ようやく気がつく。 「……あ。」 硬直してしまった。鋼鉄の塊が迫る、目の前で。 綱吉は目を閉じるしかできない。固く。 胴を、何かがぶつかる衝撃がさらう。もうダメかも…綱吉は思った。 ところが、 「……ッだから…止まれと言ったのに…」 低い、うめき声が耳元にかかった。 綱吉は、体が痛くないことに気がつく。おそるおそる、固く閉じた瞼を、ゆっくり持ち上げた。 赤と青のオッドアイと、視線がぶつかる。 「大丈夫ですか?」 「……ぎゃあぁあッ!?」 「ぎゃあぎゃあ騒がないでください」 無理な注文だ。ついさっきまで、死ぬ気で追いかけっこをしていた相手が、信じられないぐらい間近にいる。 いきなり骸の手のひらが、綱吉の胸をなでた。綱吉は「ぎゃ!?」と悲鳴をあげる。 「な、なにすんだよ!?」 「ケガは…ありませんか?」 「え…」 綱吉は自分の体を庇うように抱きしめていたが、骸の言葉に気がつく。 「だ、大丈夫…かすり傷だけ…」 「本当に?」 綱吉は、こくり、と頷く。 そこで骸は、小さくため息をついた。 まるで安堵したかのようなタイミング。だが綱吉は、すぐに、そんなはずがないと内心で打ち消した。 ただ、次に骸が呟いた言葉は頭に届いた。 「やはり…今日は僕自身が来て正解でしたね。最下位のてんびん座…ラッキーポイントは『年上のカッコいい同性』」 「……ん?」 最下位?ラッキーポイント?年上の…カッコいい?なんのことかわからない単語が並ぶ。 混乱する内に、骸は制服のほこりを払って立ち上がる。 「さて…沢田綱吉。立てますか?」 さりげなく手をさし出される。 綱吉はその手を借りるべきか、戸惑う。さっきまで鬼の顏で追いかけてきた少年…でも…助けられた?その事態についていけないが、 「あ、ありがと…うぎゃあぁあッ!?」 「うるさいですよ、君」 骸はうるさそうに片目を閉じる。 だがさすがに綱吉も、その真ん中分けにした額がぱっくり割れて、流れた血で真っ赤になってるから、叫ばずにはいられない。 「骸っ、血!血が出てるぞッ!?」 「全く、君という人間は…人の話を聞かないにもほどがありますよ。今日の朝、すでに警告されていたというのに…」 「お前こそたまには俺の話聞けよ!?」 そこでようやく骸は、瞼の上にかかった己の血に気がつく。 「あぁ…さっき、君を突飛ばした時に…」 「ああっ。な、なんか、押さえないと…」 うつ向けば、血の雫がコンクリートに数滴、垂れ落ちるぐらいの量がある。綱吉はカバンの中身を漁る。 だが骸は、信じられないことに、その血を制服の袖で拭う。無造作な動作に綱吉はさらに驚く。 「ちょ…そんな乱暴に…ちゃんと手当てしないと…」 「必要ありませんね」 「……はぁッ?」 あっさりとした物言いに、綱吉はあっけに取られる。 骸はゆらりと立ち上がる。 「君が無事ならそれで良い、」 そう言い切って、にっこりと笑う相手に、綱吉は呆然とするが、 「…ッい、良いワケないだろッ!?」 「!」 間髪入れず、怒鳴っていた。 「自分がケガしてんのに、それがどうでもいいとか言うなッ!」 綱吉が、顏を赤くして怒鳴るのに、今度は骸が目を見開く。 「何故…君が怒るんですか?」 「あ…当たり前だろ!お前が、自分こそケガしてんのに人のことばっかり言うからッ!」 骸はなおも、不思議そうに綱吉の顏を覗きこむ。 「…なぜ…君が痛いような顏をするんですか?」 じんわり、目頭が熱くなってるのは自覚していた。それが恥ずかしいから、綱吉はわずかに顏を逸らした。 だが逃げようとしても、オッドアイは追いかけてくる。 「お…お前がケガしたのは…俺のせいだから…だよ」 もう恥ずかしいから、無遠慮なオッドアイを睨みつける。 「俺も痛いのはヤだけど…お前がケガするのも、俺はイヤなんだよ…!」 骸が息を飲んだように沈黙する。 やっと視線を外れた。綱吉はカバンの中から母親に持たされたハンカチを発掘する。それで、骸の額を押さえた。 「と…とにかく!ちゃんと治療しないと…肩貸すか?骸」 綱吉は立ち上がって、今度は自分が、骸に手をさし伸べる。 ふいに、骸が前のめりになった。 「骸ッ…!?」 骸の肩を支えようとした。が、その鼻は相手の肩口に埋まった。 「ぶっ!ちょ…なにすんだよ!」 「つまり……こういうことですね?」 支えようとした人間に、逆に力強く抱きしめられて、綱吉は相手の顏を、腕の中で見上げることになる。 「僕の痛みは君の痛み…僕が不幸せだと、君も不幸せ…そして…僕が幸せなら君も幸せ!」 「い…意味がわかんないんですけどー!?」 「分からなくていいですよ、綱吉くんは」 相手はクフクフ、嬉しそうに笑う。どくどくと、血を垂れ流したまま。 「ならば…ラッキーポイントなどに頼らず、僕自身が、君に襲いかかる不運を撃退すればいいんですね!」 「な、なんのことだよさっきから…ラッキーポイントってナニ!?てか…笑ってないで病院行こうってばー!」 怪人はクフクフ笑うばかりで、全然離してくれそうにない。 骸は叫ぶ。 「君の星を支配するのは僕だ!」 …やっぱり意味が分からない。怪現象である。 後に綱吉は、クローム髑髏から怪現象の真相を聞き出すに至った。 「……星占い?」 眼帯の少女は申し訳なさそうに頷く。 「骸さま…朝のニュース番組で星占いにハマっちゃって…」 「それが…パンツやチョコとどういう関係が…」 「ボスの運気を変えるためよ。暗躍していたの」 「あ、暗躍って…でも、それならクマ柄パンツもチョコ弁当も、部屋の変なパイナップルの置物も…」 「みんな、骸さまの指示で私たちがやったの…ごめんなさい、ボス」 「べ、別にクロームが謝らなくてもいいんだよ!悪いのは指示した骸なんだし…」 といった次第で、綱吉は、今回の怪奇現象の犯人を知る。 犯人はわかって、事件は解決したかに見えた。 「でもあいつ…俺の運気を悪く変えるためとかで、なんて地味な嫌がらせを…」 「……違うよ、ボス。逆だよ」 「?」 だが、動機と目的は、未だに知らない…当の本人は。未だ。
2010年06月06日
コメント(1)
※リボーン小ネタ。 ※相棒からネタをふられたので。 「オレのことを最高にイカした一流の殺し屋リボーン様と呼ぶヤツもいるかもしれねぇ…ふ。よく知ってるな、そこはほめてやろう…だが、オレはリボーンじゃない」 「オレはこいつ――超一流のダメダメのダメツナこと、沢田綱吉のケータイだ」 「こいつが笑ってる時も泣いている時も、一緒にいるのはこのオレ様だ。もちろん…今日のパンツの柄も知ってるが……教えてやんねーゾvv」 「…おっと。ダメツナのくせに、学校帰りにゲーセンへ寄り道する気か?そんな悪いことしてっと、お仕置が……ほらな(にやり)」 “♪RING DING DONG~ 電話だゾ~とっとと出なきゃド頭撃ちぬくゾ~?♪” 「…こわッ!?なんだよこの着メロっ?……って。もしかしなくてもリボーンだよなー…はぁ~…ったく!」 “♪RING DING DONG~…Pi 「…もしもしリボーン?ちょっと、やめろよな!変な着メロ設定するとか……え?い、今…?」 「べ、別に?学校の帰りだけど…よ、寄り道なんかしてないってば!ちゃんと約束通りまっすぐ帰るから…ちょッ…電話越しに銃を向けるなよ!?ひぃいーッ!?」 ※相棒より「ところで、リアル携帯擬人化だとツナの携帯はだれでしょうね」とふられたので… あと「いや、他のみんなはSa-27を各自好きにアレンジしてるんでしょうが」に対しては、大いに同意をしたい庄次郎です。 ツナくんの隣にいつも一緒にいるのはリボーン先生なので、携帯擬人化はリボーン先生で。 多分、ツナくんに携帯を買い与えるのはリボーン先生だと思うし。 リアルリボーン先生は赤ん坊だけど、ツナくんの携帯のビジュアルは大人リボーン先生だと、なお良し。 ちなみに、相棒のブログに掲載されていたDFFライバツで携帯擬人化の話は、すでに撤去されてしまっているので読めません。残念… ついでに今週のリボーンについて。感想… こ ろ さ れ る !! ……かと思いました。(表紙を見て) 購入して帰宅するまで、平常心を保つのが、非ッ常ーに!難しかったです… あと内容も…九代目が素敵すぎる…そしてツナくんが変わらずカッコかわいい…!(ツナ狂い) 継承式編、これからの展開にも期待したいけど…うーん。どう転ぶのかなぁ…?
2010年05月31日
コメント(0)
でも にげられない!……そんな毎日の庄次郎です。 毎日毎日、ラスボスと闘ってる勇者Aのつもりでふんばってます。いやそんなつもりだったらガンバれる気がするのです。 ゲーム脳ってヤツですかね?vv(´ω`) それはともかく…まず業務連絡。 四月にDFFで15本を出しましたが、その流れで7月18日のFFオンリーイベントへサークル参加を申し込みました。直参です。 それで、7月までにまた新刊が出るかは現在検討中なのですが、相方の翼船さんともども、ガンバりたいと思います。(`∇´ゞ 次に↓のss補足。 あ。書き忘れたけど本誌読んでない人的にはネタバレです。 ネタバレ的にも一つ…今週の紅葉さんが、意外とツナくんと絡ませたくなる感じの人でした。 もう…「結局美しいお母様」が、ツナくんに告白してるかのように聞こえる腐女子脳…了平兄さんが絡んで「対決だ!(沢田綱吉をかけて!!)」って、←( )内を勝手に妄想できる展開でした…ゴチです!! ちなみに相方には炎真くんは総受けと言われたが……間違ってるゾ!!(黒い仮面の人の声でお願いします) 万里の長城踏破する歩数譲って、炎真くんが受だとしても!庄次郎の中では綱吉くんを総受の殿堂入りにさせているので、だいじょうぶい(^_^)v(死語) 〉空月さんへ 粛清の彼女が萌えないのに、また書いてなんかごめん。m(_ _)m でも庄次郎的には、BLカプに関わらない限りでは、アーデルハイト嬢は結構好きだ。闘う女性としてタイプなのだと思います。 この後は、朝になって獄寺くんに発見されて大騒ぎになると思います。 あと庄次郎的に、炎真くんとVSでツナサンドさせたいのが、実はバジルくん。 十年後編で実は一番活躍したのに、帰った時は別々で、その後ぱったり姿を見せないバジルくんが少しフビン…きっと継承式では、家光パパンと一緒に並盛町に来て、影からこっそりツナくんを見てる感じになると思うのですよ! だってバジルくん、双子のようにツナくんと体型同じできっとツナくん大好きなのに…きっとツナくんの隣にいる、ツナくんに少し似た炎真くんを見て、複雑な気分になると思うんだ…「このモヤモヤした気持ちはいったい…?」って、自分の気持ちがわからないって妄想ができてモエー(*´ェ`*)!! …ごほん。失礼しました。 あ。6月9日には骸ツナ書きたい!(空月さんごめん…骸雲骸じゃなくて…(^_^;)苦笑)
2010年05月15日
コメント(1)
※リボーン二次ss。※ある方に触発されて炎ツナに挑戦。プラスナッツ。「ありがとう、エンマくん」 炎真は首を傾ける。「…何が?」 最初、何に対して感謝されたのか、分からなかった。 床にぺたんとあぐらをかいた綱吉は、頭を掻いて言う。申し訳ないというテンションだ。「何って…いやー、片づけ、手伝ってもらっちゃって…悪いなーと思って」 言いながら、拾い忘れていたゴミを見つけたようで、ゴミ箱に入れる。 炎真も床へあぐらをかく。そばにいたナッツがその膝へ座りこむのには、少し笑う。「別に…紅葉が迷惑かけたし…」 綱吉のファミリーである了平と、炎真のファミリーである紅葉。二人の勉強対決の果てに、何故か爆発した室内は、壁紙に焦げ痕を少し残しつつも、ようやく片づけが終わったところだった。 ふと、炎真の方こそ、まだ言っていないことがあると気づく。「ありがとう…」「え?」「Tシャツ」「あぁ…サイズ、同じくらいで良かったよ」 と、炎真の「27」と数字がプリントされている半袖Tシャツを見る。 今、炎真が着ているのは昼間来た時に着ていた制服ではない。 夕方、掃除に終わりが見えてきた頃、出てきたゴミ袋を抱えて1階へ降りようとして炎真は転んだ。それで頭から制服までゴミまみれになった炎真を見た綱吉の母は、風呂をすすめた。 そうして風呂から上がると、何故だか夕飯だけでなく、綱吉の家に泊まる手はずになっていた。「ウチの母さんが強引でごめん…迷惑じゃなかった?」 炎真は首を振る。ファミリーの待つアパートに帰っても、何もない。何より、綱吉の母の作るご飯はおいしかった。 それに、綱吉は先ほどから炎真の都合を気にしてくれるが、炎真こそ引けめを感じる。「そっちこそ…僕がいて迷惑じゃない?」「え?」 綱吉は大きな目を、さらに大きく丸くする。 無意識に、膝上のナッツの毛並みを撫でながら、炎真はうつむく。「…僕まで泊めてくれるなんて…迷惑じゃない?」 継承式典までの綱吉の警護を、炎真のファミリーはメンバーが沢田家に一日一人宿泊するという形で受諾した。だから、今日の担当になった紅葉と、牛柄の子どもにねだられたらうじはともかくとして。炎真は泊まる予定などなかったのだ。 だが、炎真の引けめを、綱吉は軽やかに否定する。「あぁ…それは全然だいじょうぶ!ウチの母さん、にぎやかなのが大好きなんだ」 そう、にっこり笑う。その顏は、話に出た母親にとても似ていることを、炎真は発見する。「リボーンが来てからはお客がたくさん来るのには慣れてるし、それに…」「それに?」 綱吉は伏し目がちになる。告げる声はトーンが落ちた。「それに…その、オレが…エンマくんと話がしたかったし…」 ちらり、と炎真は綱吉を見る。誘われた時から、何となく、予感はあった。 綱吉は、切り出すタイミングを図りかねるように、足の形をあぐらから正座へと変える。そうすると、炎真へ膝を寄せる形になる。 そしてようやく決意がついたのか、口を開いた。「エンマくん…あの、」「ツッくん!」 が。その時、ドアが開いた。自分の背後で勢いよく開いたドアに、綱吉は正座のまま飛び上がる。「わ!ノ、ノックもせずに入るなよ、母さん!」「はいはい。でもツッくん、お友だちが来て嬉しいのは分かるけど、おしゃべりばっかりしてないで早くお風呂に入りなさい!あ。エンマくんはゆっくりしててね~」「わかってるってば!」 綱吉の反論にも「はいはい」とだけ流し、母親は去る。 乱暴に扉を閉める綱吉の頬はほんのり赤い。「その呼び方やめろって言ってるのに…ったく…ごめん!ええっと…」 迷うようにドアと炎真を見比べる。炎真は首を振る。「いいよ。先にお風呂、入ってきなよ」「う…うん…」 それでも後ろ髪を引かれるように、綱吉は立つ。「じゃ…じゃあ、また後で、ね」 小さく手を振って、パタン、とドアは閉じた。「…静かだね」 もう外は暗い。夕方ごろまで張り合っていた紅葉と了平も、居候だという子どもたちも、今は気配を感じないぐらい大人しい。 ナッツは、返事をするようにのどをゴロゴロ鳴らす。それが面白くて、炎真の掻き撫でる指にも熱が入る。 コツン。「………」 その指が、外からの小さな音に止まる。 炎真は、わずかな微笑を消して立ち上がると、窓を開けた。夜風にカーテンが揺れる。その影から、「炎真」 と、名前を呼ぶ声。窓の外――普通の来訪者ならば現れないような場所に、人が立っていた。 夜の闇に溶けるような黒髪と黒い制服の、長身の女。炎真には顔馴染みである。「アーデルハイト…」「守備はどうだ?」「別に…」 視線を下向かせる。綱吉の守護者と紅葉とが起こした昼間の騒ぎ…はノーカウントだ。 すると、間髪入れずに襟首を掴まれた。「炎真。別に、と答えるのはやめなさい。いつも言っているでしょう?」 掴まれたTシャツの襟が首を絞める。苦しくて、炎真は顏を歪める。「…な、何もなかったよ…どうせ、見てたんでしょ?」「あぁ。紅葉は後で粛清です。しかし、それとこれとは違う」 強く射抜くような眼光で、アーデルハイトは炎真を覗く。まるで、うつむいて逃げることは許さない、とでも言うように。「私は、お前からちゃんと話を聞きたいのです。今回のことは、我々ファミリーにとっても失敗できないのです…わかっていますね?」「…わかってるよ」「ならば…」 さらに何か言おうとするアーデルハイトを待つ。しかし言葉は続かない。注がれていた視線が、炎真の脇に逸れた。「……がるる!」「…なんです。その生き物は」 アーデルハイトは怪訝そうに、眉を歪める。「ナッツ」 アーデルハイトの来訪に、後ろへ隠れたはずの、綱吉の飼い猫である。「がぅがぅ!」 小さな変わった猫は、アーデルハイトに向かって吠える。まるで番犬のような反応だが、この猫が他人に向かって威嚇する姿を、炎真は見たことがない。 ふいに、炎真は、隣に寄り添うように立つナッツから、小さな震えを感じた。 よく見れば、たてがみの中に埋まる小さな耳は、怯えたように寝ている。後ろ足も逃げ腰だ。「が…がぅがぅ!」 それでも、両足でふんばり、アーデルハイトに向かってナッツは吠える。 “こいつ、臆病だから。初対面の人間になつくの、珍しいんだよ。” ふいに炎真は、綱吉がそう言っていたことを思い出す。「…大丈夫だよ、ナッツ」 ふわり、少し笑って、ナッツに呼びかける。「アーデルハイトは僕をいじめてるんじゃない。大切な話をしているんだ」 炎真は、アーデルハイトが目をみはるのには気づかなかった。その瞳にわずかな痛みが走るが、それもすぐに消えた。 しぶしぶといった感じで、ナッツは吠えるのを止める。それでも心配なのか、炎真の横をぐるぐると回る。「…とにかく、炎真」 アーデルハイトは本題を思い出し、顏をしかめる。もう時間はない。あの十代目の家庭教師――最強の赤ん坊が部屋に戻る気配を感じた。「…忘れないように。我々の使命を」 それだけ言うと、アーデルハイトは炎真を突き放した。 そのせいで、炎真は着地した先の床で、頭を数回バウンドさせるはめになった。慌てて上半身を起き上がらせるが、外にアーデルハイトの気配はもうない。「…っ…いたた…」 今の拍子で打った頭が痛い。ぐったりとして、ベッドに頭の左横を預ける。「がるる…」 すぐにナッツが近寄ってくる。うるうると潤む目で「だいじょうぶ?」と問うように見上げられるから、炎真は無理にでも笑ってみせる。「だいじょうぶだよ…心配してくれてありがとう」 それでも気が済まないのか、ナッツは頬を舐める。そこの傷は治っていたが、傷を癒そうとするように、何度も。「ふはっ…くすぐったいよ、ナッツ」 たてがみに腕を伸ばして撫でる。ナッツは気持ち良さそうに、目を細めてのどを鳴らす。「…大丈夫だよ、僕は」 細やかな息づかいを繰り返す、温かい生き物。その温もりに寄り添われると、まぶたが重くなる。 ぼんやりとした頭で考えるのは、ナッツの飼い主のことだった。炎真に似ている、けれど違う、彼。 彼は飼い猫を、臆病だと言った。けれど、怯えながらもナッツは、アーデルハイトの前に立ちふさがった。 それが…嬉しいのは何故なんだろう?「…ペットは飼い主に似るって…本当かな?」 呟きは胸にしみる。胸の内には、これから自分が果たすことへの後ろめたさと、もう一つの感情が同居する。 それを知らないだろうにナッツは、がぅ!と、同意するように吠えた。 もしそうだったら…少し嬉しいのは、なぜなんだろう?「―…エンマくん…あれ?」 頭をタオルでふきながら部屋に戻った。綱吉は、すぐに炎真がベッドにもたれるように目を閉じているのを発見する。「がぅ!」 そのそばに座っていたナッツが、しっぽをはたはたと振って、綱吉の足元に飛びかかる。「ナッツ!お前、なんか吠えてただろ?ダメだぞ。近所迷惑になるんだから…」「がぅがぅ!」「なに怒ってんだよ。少し静かに…へくし!」 寒気がしたので見れば、カーテンが揺れていた。「窓、開いてるし…」 とりあえず、足にまとわりつくナッツを避けるように窓辺へ近づき、鍵を閉める。「おーい。こんなトコで寝てたら風邪ひくよー」 それから、炎真のかたわらに膝をつき、その肩を揺さぶる。「ん…」 しかし炎真は呻くだけで、起きる気配がない。「うーん…相談したかったのになー…」 話があるのに先に寝られたのはちょっとショックだった。 だが、炎真の疲れたような寝顔を見れば、無理やり起こすには忍びないものがあった。「…ま。明日でいっか」 綱吉は気楽に決意する。なんて言ったって連休なのだ。 それからしばらく考えた後、炎真の肩を抱えた。体格は同じくらいだから、一人でもなんとかいける気がしたのだ。 だが、少し前と比べて鍛えられたといっても、死ぬ気でない普段の綱吉は、やっぱり鈍くさかった。「うわっ!…あたっ!?」 すぐに、まくれたラグに足を取られた。ぐらり、と体が横に傾く。「ぅぐ…た、たすけて…」 ベッドに着地はできたが、炎真の体が上に乗って、身動きが取れない。 すぐにナッツが反応した。ぴょん!と飛びはねる…が、しかし。「…って。ナッツ、上に乗るなよ!」「がぅ!」 二人の体の間にできたすき間を埋めるように、いそいそと腰を落とす。「こらっ。遊びじゃないんだってば!」 綱吉は怒ってみるが、ナッツはそれを全く無視する。 あくびをし、ゆるやかにしっぽまで振る。すっかり落ちついてしまった様子に、綱吉は呆れる。「こ、こいつ…エンマくんにすっかりなついて…ったくもう…」 飼い主としては、やや微妙な心境だ。それでも、湯上がりの肌には心地のよい温もりではあった。 ふぅ、とため息を吐いた。体の半分以上を綱吉の上に乗せたまま、うつ伏せになった少年に呼びかける。「エンマくん…エンマくん?」 やっぱり起きない様子に、こちらも無理に起こしたり体を動かしたりするのをあきらめる。 代わりに、絆創膏の貼ってある頬を撫でる。おそるおそる、触れた。温かい。 この転校生にまつわる今週の出来事が、頭を過る。初めて見た日の暗い瞳。見る度に増える傷。小さな声で告げられる、あきらめたような言葉。 “――僕なんか…いいの?”「僕なんかとか…そんな風に言わなくていいのになー」 少し前の綱吉自身なら、口にしそうなセリフ。けれど、今の綱吉は眉をしかめるのだった。 どうして今は、こんなに痛むように響くのか? 彼は綱吉と違う、けれど似ている。 だからなのかな、胸の内側で呟く。今の綱吉には、願うように思うことが、ある。 ふぁ、とあくびをもらした。同じタイミングでナッツがあくびをしたのには笑う。 それから炎真の、疲れたような寝顔に笑いかける。「…おやすみ、エンマくん」 どうか。 優しい世界を。
2010年05月15日
コメント(0)
※リボーン二次ss。ヒバツナ。※テーマが「バイオレンスなヒバツナ」…だったけど…※とあるヒバツナ絵師さまのイラストイメージ。※雲雀さん、誕生日おめでとうございます。『優しい人。』 青空が痛い。 太陽はどこだろう。仰向けのまま目で探すけれど、空の青さだけで十分眩しかった。 慌てて、刺されるように痛んだ眼球を目蓋で隠した。 目を閉じた沢田綱吉は、ため息混じりに呟いた。「…優しいですね」 目の痛みが和らいだから、ゆっくりと開いた。その視界の端で、ふいに、黒い何かを捕らえた。 身動ぎしたが、傷だらけの体は満足に動かなくて、避けられなかった。 そうして革靴の底が、脱力して横たわる綱吉の胸に乗った。 その足運び、一連の動きは、優雅でさえあった。「…誰が優しいって?」 綱吉は呻く。彼は片足で綱吉を踏んで跨いで、覗きこむように見下ろして立つ。 綱吉の視界は眩しさに霞む。彼の顏はその、ずいぶん上にあるのだが、黒い瞳が濡れたように輝くのだけは見えた。 彼は、雲雀恭弥は嘲笑う。「こんなことされてるのに、まだそんなこと、言えるの?」 あ。間違えた。 今何時ですか?と尋ねたかったのに。綱吉は少しだけ、後悔をする。 そもそも、太陽を探したのだって、こんなことが始まってどれぐらい経ったのかと思ったからだ。 実は太陽が傾くぐらいの時間が経ったんじゃないか。綱吉の体感ではもう、それぐらい何時間も痛めつけられていた。 実際はそうではない、と知っているけれど。耳は、学校のチャイムや机と椅子の奏でる音、生徒たちの声を拾った覚えがない。 だから、午後の最初の授業はまだ終わっていない。「…随分、まだ余裕があるみたいだね、君。考える時間があるなら、もう少し、遊んでもらおうかな?」 ……ま。今は時間なんて気にしている場合じゃないんですがね。 雲雀恭弥が、非常に物騒な笑みを浮かべているのが、ぼんやりと分かる。 あぁ、本当におっかない。ヒバリさんは本当に怖い人だ。 綱吉はそのことを再確認して、もう全てが終わるまで、抵抗せず、貝のように口を閉じていようと思った。「……ヒバリさんは、優しいです、よ」 そうして決意したことを、綱吉の唇が即座に裏切った。「だって…女の子に、本気…出せなかったじゃ、ないですか」 痛みに耐えて笑っていた。 唇が、勝手に相手を嘲笑うみたいな、皮肉な笑みを形づくる。「女の子に興味ない、て…そんなこと言ってた、のに…なめてかかって…けっきょく、ちょっと本気、引き出されて…ふふ」 自分が信じられない。頭を裏切って、唇は言葉を生み出す。 雲雀が笑みを引っこめたのが分かった。 ふわり。と、胸の上に乗った足が軽くなる。けれど、靴のカカトは地面を踏まないで、また下りる。 今度は腹の真ん中へ。そしてさっきよりも、だいぶ力が込もっていた。「っがは…!」「つまんないこと言わないで」 少し軽くなると、首を横に倒して何度も咳こむ。 綱吉は苦しむが、同時に安堵もしていた。あぁ。雲雀さんに連れ去られたのが昼休憩開始直後で良かった、と。 昼ごはん、食べた後じゃなくて良かった、と。胃液の酸っぱさをちょっと喉に感じつつ、笑う。「…なんで、笑ってるの?」 雲雀が、ちょっと気味悪そうに言う。 問われた綱吉自身、そうして笑える自分が、また信じられない。「っ…あ、れ…?女子に本気出したの、あの人、が、初めてでしたか?」 しゃべるけど。少し、しゃべるのが辛い。さっき、顏を殴られて、唇の端と口の中を切った。 痛いな、と綱吉は痛いくせに、のんきに考えてしまう。 殴られた肌、蹴られた肉や骨。当然痛い。けれど、それらの痛みは、包帯や絆創膏をかぶせたら、少しは忘れられる。 しかし、口の中の傷はそうできない。 傷が癒えるまで、物を咀嚼し、飲み下す度、そこにある傷を意識させられるからだ。 嫌だなぁ、とうんざりする。そんなことが分かる経験を、積んできた自分に。「女子に興味ないとか言って…ヒバリさんでも、女の子は守るべきもの、て常識…持ってたん、ですね」 それなのに、綱吉の唇は、言葉を紡ぐことを止めない。 また腹を蹴られた。口の中が酸っぱい。でも笑う。「あぁ…でもあの人、ちょっと、ヒバリさんに似て、ますよ、ね」 突然の集団転校生。その中で、リーダー格らしい、背の高い女子。 他者を威圧する言動とか、醸し出される雰囲気とか。何より、「粛清」と「風紀」と、冠する名が違うだけで、やっていることはそっくり同じ。 要するに、彼女は性別こそ違うが、まるで逆さまの鏡に映った像のように、雲雀に似ているのだ。綱吉は思う。 ちりちりと、胸の奥に何か、苦い何かが、走る。 綱吉は、その正体を知らない。ただ、枯れた野原を走る小さな炎みたいな何かが、走る度に胸が痛い。 痛いから、体のあらゆる痛みを放って、綱吉はしゃべり続けていた。「もしかしたら…あの人みたいな人なら、ヒバリさんの隣に立つのがふさわし、」「ねぇ、君」 そこで初めて、雲雀は綱吉の前にしゃがみこんだ。 雲雀はネクタイまで掴み、綱吉の頭を引いて、上げた。視線が合う位置まで。 綱吉は、本日初めて、雲雀と視線を合わせたと気づく。 雲雀は綱吉を間近で見つめ、目を細める。綱吉は、あぁ、やっぱりヒバリさんはきれいな顏してる、と、やはりのんきに考える。「そのつまんないセリフを、遺言にしてあげてもいいんだよ?君」 そうして、きれいな顏の歯を剥き出して笑う。 綱吉は思わず笑ってしまう。「…ほら。優しい」 反論がくるなんて予測をしていなかったのか、雲雀は意外そうに目の縁を丸くしていた。 綱吉は、丸い目に確信する。 この人は…まだ子どもだ。子どものように残酷。でも実は、とても優しい。 笑顔は威嚇。ヒト、よりも動物に近い。 威嚇することで、力の及ばない弱き者が、自分に近づかないように遠ざける。 ふいに、思い出す人が、いた。「…十年後の、あなたも…優しかったですね…」 つい最近、十年後の雲雀に出会った。十歳分、年を得た彼は、とても厳しい人だった。 修行の度に打ちのめされたし、殺されかけた。 そんな痛みの意味が、彼の与えた傷が癒えた最近になって、ほんの少しだけ分かった。…気がする。 あまり頭の回らない自分だから、ずいぶんと時間がかかったし、それが正解かどうかなんて分からない、けれど。 自分なりの正解をつけてみると、彼の与えた痛みは、家庭教師の赤ん坊が与えてくる痛みと、同じ意味を持つのではないかと思う。 簡単に答えを与える、代わりに。痛みと共に、自分で考える力と、闘う力を。 十年後の彼と、今、目の前にいる彼は、確かに繋がっている。それが、ふいに感じられて、懐かしくなった。「ヒバリさん、は、やっぱり」 優しい、と繰り返しかけた唇は。 言葉の出口は、塞がれた。「……ッ」 シャツの襟首を絞められる。呼吸が、息が苦しくなる。苦しくて目を閉じた。 苦しくて目を閉じた綱吉は、痛みを与える彼が、同じように苦しそうで、そして悔しそうに顏を歪めたのを見なかった。 そう。綱吉は知らなかった。自分がなぜ、彼に痛めつけられているのか。何が、彼を苛立たせたのか。 それは雲雀自身も、知らないことだ。まだ。 次に綱吉が目を開いた時は、ぎらぎらと光る黒い瞳が、まつ毛が触れそうな近くにあった。「…殺したい」 彼の唾液と一緒に塗りこめられた殺意は、口の中の傷にしみた。 綱吉は、やっぱり抵抗なんか、しなきゃ良かった、と思う。 でも、同時に思うことは。 興味ない、と。弱い生き物として最初から切り捨てられるよりも、今は、 与えられるのが痛みでもかまわないから、雲雀の視界にいたかった。※バイオレンスなヒバツナに憧れて…ツナ→雲雀と見せかけて、ツナ→←雲雀のヒバツナ…のつもりが…ん?※腕っぷしの強い女子が雲雀さんの前に登場して、無自覚に危機感を覚えるツナ…だったはずが…なんか若干ツナがマゾっぽく…ごめん、ツナ……※ちなみに↑の後づけで、十年後の自分にこじ開けられたらしい(笑)ツナに、実は無意識にイラっとしてるヒバリ…ってカンジになりました。…あれれ~?
2010年05月05日
コメント(1)
だってとっても眠いんだ…そんな庄次郎です。 昨夜は卒業祝い、兼就職祝い、兼姉・ましろの誕生日祝いがあって、家族で食事に行きましたが、途中でとっても眠くて、たまらなくなりました。 あと、アゴが異様に疲れた…手作りピザの生地はとてもモチモチで、上のチーズがめちゃくちゃとろりで嬉しかったけど。 そのくせ今朝は、やっと休日だから寝てていいのに、以前みたいに昼前まで眠れませんでした。仕事が始まって早起きのクセがついたせいでしょうか? そんな今日この頃……春なのにあり得ないぐらい寒い中、パソ子ちゃんの前に2、3時間ぐらい座って凍え死にそうになりつつも… ようやく、通販の登録ができました…! 通販用HPのアドレスはこちら↓。 http://www.chalema.com/book/kandume/ 携帯版はこちら↓から。 http://www.chalema.com/book/kandume/mb/ トップページとフリーページのオフラインのトコにリンクは貼ってありますが、携帯でブログを見ると、それらのページが見れないので…一応、携帯からアクセスの方はこちらからお願いします。 現在は3月末発行の『いちごとシャンパン』と、2年前発行の『ムクロのごとく!』のみ取り扱いとなっています。 これからはもっと自由に、たくさん書いて、同人誌もいっぱい出したいです。 とりあえずは、7月のFFオンリーに出るならいちご本の補完話が書きたい…あとずっと放置しているメガネ喫茶本を完成させたい…でも職場の仕事覚えないといけないめんどくさいこともあるけどまぁ気長にやってくかと思う……けど桜庭一樹さんのゴシックが何とか3まで読めたから続きもざくざく読みたいけど平日は時間がなくて……あとリボアニのDVDもたまってるから観たいリボアニといえばプリツナが熱いと騒いでいた某所の尊敬する骸ツナ文字書きさんの骸ツナ家族もの本は4月末に届くらしいからそれも楽しみであって……… …………うん。なんだかんだ言いつつ、満喫したい。そんな4月。
2010年04月17日
コメント(0)
朝、小鳥が巣を作って飛び立ったかのような頭で目覚めた、庄次郎です。 ドライヤーで乾かさなかったのが敗因のようです。ロマンチックもなにもありませんねハイ。 広島コミケ参加後の庄次郎ですが、新社会人として、世間の荒波の入り口に立ちました。小さな失敗はありますが、これから激しく揉まれてくる予定です。 この1週間は若干の暇を見つけては、職場近くの図書館へ通い、本を借りては読み漁ってました。 大学入学と同時に地理的な問題で疎遠となっていた場所でしたが、自主原稿期間がちょうど終わったのもあってタガが外れました。 月曜日から数え、7冊読み終わりました。やっとマルドゥックスクランブルの3冊も読み終わった…! あと、リボーンのビジュアルブックも、今日やっと購入しましたvv(リボコロとは略称したくない乙女ごころ…)(リボーン×コロネ(自粛) 感想……死にたくなければカバーをめくってはいけません!! もう…ツナくんの笑顔は天使の微笑みという名の凶器ですか…!? 嫌だ…まだ、リボーンの行く末を…新展開を見届けるという使命を果たすまでは…!!ぐはぁっ…がくり。(吐血) げふげふん…(血をふきふき)…あぁ。もちろん、中身には大満足です。初回封入特典のシールや週刊少年コクヨウにも!(笑)。 妄撮みたいな装丁(ってオイ)も凝ってて、いい感じです。これで本家妄撮みたいに、カバー下が下着だったら文句な、(おおアリだ) ちなみに庄次郎は、ディノさんやヒバリさんは、服の下はノー下着と信じて疑ってな、(頼むから自粛してくれ) リボーンに関しては本誌と合わせ、庄次郎、まだ卒業できません! で。先日のイベントで初売りとなったDFF本の通販のこと…通販は、まだ準備できていません。(汗) いや送る分は友だちで練習したので何とかなりそうですが、問題は発注承りの部分で…以前のやり方はあまりスマートではないので変えたいのですが…。 自分がよく自家通販も利用させてもらっているサイト様を参照に、フリー素材を拝借しようとしましたが…皆さま、どうやってあの呪文のような言語を操っていらっしゃるのでしょうか…?(滝汗) 誰か、このブログで通販をこっそりひっそり行う方法か、htmlという呪文やらの読み方と書き方を教えてください。m(_ _)m それと…以前の日記で『いちごとシャンパン』を300円だとお知らせしていましたが…これ以降は200円で販売することにします。 理由はイベント後、自分の計算間違いに気づき、その分安くなるためです。 本当にミスだらけです。申し訳ない…でも、これはむしろ、イベント当日に1冊も売れなかったのは幸運なのでしょうか? とりあえず、現在はいちご本を売るために、FFオンリーイベントへの参加検討中。新社会人の予定は未定ですが… 何にしても、今年も社会人である以前にいち腐女子として(それはどうなの)、リボーンとツナ受を愛し続けると誓います!(誓わんでいいって)
2010年04月03日
コメント(0)
マンションの看板が倒れてるのを見て思った、庄次郎です。 昨日の強風、結構すごかったんで倒れたらしい…あれ、ちょっと重いぞー 製本のために自転車ででかけましたが、そんな光景を見た後に向かい風へ逆らいながら、あの歌が庄次郎の頭を駆け巡ったのでした… そんな感じですが、わたし、なんとかまだ生きてます。受験戦争(?)にも原稿地獄にも殺されず、なんとか生き残りました。 いよいよ明日(12時回っているので今日ですが)はイベントですが、直前の最終連絡です。 新刊の『いちごとシャンパン』は44ページで、価格は300円で販売したいと思います。 ホッチキス止めの本ですが、かなりの自信作です。 ですが…本文の一部に不備が見つかりまして…(汗) 誤字脱字はないようですが、本文の一部が若干読みにくくなっています。 全て製本後に判明したので、差し替えができず、そのままとなっています。 そのため、価格の300円は値引き価格でコレです。 イベント会場にてご購入を検討されている方には、不備について口頭で説明をさせて頂きます。 また、通販する際には不備該当部分を掲載しようと思います。 一応現在ある在庫がなくなっても再販の希望があれば不備を直した修正版を作りたいとは思いますが…マイナーはわかっているので需要がわかりません。(汗) 自分の編集の不備でこのような迷惑をかけて申し訳ない… (特に翼船さん…せっかく原稿を任せてくれたのに…) とりあえずご購入を検討されている方は、何とぞご了承の上、購入の有無を決定してください。m(_ _)m あとの販売物は、以前の記事でお知らせした通りの内容です。 無料配布のフリーペーパーは2種類、どちらも『缶詰出張版』の名義です。(一種類はいちご本の庄次郎パート・その後の話、もう一種類は36で玉ティナの話です。) ご購入者には全員につけるつもりなので、いらない人はお申し出ください。 本はできただけなのであとは売るだけ…でも直したいところが次々出てくる苦悩! でも、とりあえずいちご本の原稿は終わったので、たくさん寝て、たくさん本を読んで、たくさんリボーンを書きたい(?)と思います。 …イベントが終わったら、月曜日から白衣の天使レベル1・レッスン1の研修ですが。 ………がむばるよー。p(´⌒`q)
2010年03月26日
コメント(0)
身悶えてます、庄次郎です。 スペースNo.が決まったのでお知らせします。 ・参加イベント&日時:3月28日 広島コミケ151(会場:広島産業会館 東展示場) ・スペースNo.&サークル名:M12「KaKa‐CAN!(カカキャン!)」 当日の売り子は庄次郎1人です。相方翼船さんは参加ができませんですハイ。 空月さんやお姉さまもいらっしゃるというお話なのですが、ちょっと寂しい… 持ち込み予定物は、現在決まっているだけで以下の通り… ・『いちごとシャンパン』(値段・ページ数未定、A5) →新刊。DFFライバツで水中翼船さんとの合同試。R-18。 ・『ムクロのごとく!』(¥500、40ページ、B5) →ムクツナ+ヒバツナの既刊合同誌。10冊ぐらい持ち込みます。 ・『つぼみの彼ら』(¥100、16ページ、A5) →ミルフィツナで学園パロ既刊個人誌。こちらは2冊ぐらいです。 ・『楽風呂ミックス!』(¥1,000、210ページ、A5) →オリジナルBL小説のアンソロジー。以前参加させて頂いた企画で、手元にある在庫の残りを持ち込みます。 ・『ファイナルファンタジ‐7シリーズアンソロジー』(¥800、106ページ、A5) →唯一、委託の商品です。15本で表紙イラストを担当して頂きました、Kさん(仮)の参加されたFF7のアンソロジーです。 『ムクロのごとく!』と委託商品以外、内容は全て小説です。 新刊の『いちごとシャンパン』通称・15本は、まだ原稿中…先月末までリボーン新刊も出したいワvvと余裕ぶってた自分を殴りたい… それから15本は、一応R-18指定になりましたので…ご購入の際は年齢の確認をお求めすることがあるやもしれません。 なので求められました方は年齢の確認できるものを提示しつつ、「18歳以上ですがなにか?」と、堂々と胸を張って、庄次郎を鼻で笑って下さいませ。 あとあと、随分前に出した山ツナ本在庫がありましたので…あまりに恥ずかしい出来なので、もはや無料で無理やり配っても良いのではないかと… 山ツナ本とザンデレラの本(こちらは在庫残り1なので非売品)について、「缶詰ブログ見たよー」って方にはお出しします。そんな奇特な方はいらっしゃらないでしょうが、お気軽にお申し出下さい。 イベント以降の販売については現在未定。ですが、サーバー借りて通販を開始することを検討しています。 では、原稿をがんばります…!(`△´;ゞ
2010年03月15日
コメント(0)
元・アルバイト書店員になりました、庄次郎です。 最近、ふいに思い出したこと… 以前、バイト先のお姉さま(銀魂アンソロありがとうございました)に、「タチがネコに×××(←詳しくは忘れたけど、結構直接的な言葉だった気が…)してるのがウケる。アハハー」的なことを、バイト中に言われ、撃沈させられたこと…orz。(笑) その後、バイト中なこともあって「もうちょっとやんわりした言い方してください!」と、その場に居合わせた空月さんと一緒に考えてました。自分は「えんぴつと消しゴムの関係が…」と、比喩表現のなんやかんやまで持ち出し、説得してた気がしましす…。(爆) 結局「ツッコミとツッコミ入れられる方」で決着が…ついたような、ついていないような…… お姉さま、また今度会ったらその決着についてもお話したいです。(笑) そんな、なんやかんやも、いい思い出になるのでしょうね。今年1月末、大学のほぼ4年間通い続けた書店のアルバイトを辞めました。 上↑の状況からも分かるように(…)すごく居心地の良いアルバイト先でした…… 多分、3の法則(3日、3ヶ月、3年と、3のつく周期で壁にぶち当たって仕事を辞めたくなるという噂のアレ)で仕事辞めたら、即出戻りをかまそうと画策しています(おい)。 辞めて2月からは、ラスボス退治のためのレベル上げに集中してました。心配していた仕事場もなんとかもらえそうです。 結果は3月に出る予定なので、このまま及第点をもらえたら、4月からは見習いではなく、本物の白衣の天使・レベル1です。 そんなこんなで、何やら忙しいのですが、やっぱり自分は腐女子なので……冬眠中も地面の下ではごそごそと、春を待っていました。 そしてついに、庄次郎にも春がきました! 今度、3月28日の広島コミケ151で本を出すことにしました。 おそらく書類に不備などなければ、1スペース取れてサークル参加できるかと思います。 オフラインのイベント参加は一昨年ぶり?1年ぐらいブランクありますねー。 あと今回は、リボーンではなくDFFで1×5をメインに申し込みました。 相棒・翼船さんがちょろ~んと漏らした一言に、庄次郎が反応した結果です。とゆうか、刷り込まれました。(笑) 詳しい経過は相棒のブログにもありますので、閲覧してくださいませ。 そして…多分、R18?で…出します……(爆) なんてこった…リボーンでもまだツナ君にあんなことやそんなことはさせたことないのに…!(笑) あ。今回のメインはDFFで1×5の合同誌ですが、リボーンジャンルも、もちろん出します。 既刊で在庫の余ってる『ムクロのごとく!』は、確実に10冊前後持っていきます。上↑の合同誌がなんとか出せれば、ツナ受で個人誌も… (ちょこっと私信 → ブレガラド様!以前申し込み頂いた『ムクロの~』含めた2冊分は、↑10冊とは別に取り置きをさせて頂いてます。なので、そちらのお時間のある時にご一報ください。入金が確認できたら発送をさせて頂きます。) 他は、1×5合同誌でイラストを書いてくれる友人の参加したFF7のアンソロと、庄次郎がオリジナルBLを寄稿させて頂いた楽風呂も持っていけたら。 とりあえず、2月終わりから3月頭まで、旅に出ます。 卒業旅行に大阪と、その前後で2日ほど京都に…かなり遊び倒す予定です。 よく考えたらあんまり時間や余裕がないけど…ファイト、自分!ですね。
2010年02月25日
コメント(3)
本誌の流れも各所の骸髑祭りも無視して骸ツナってます…庄次郎です。 下↓はリボーン小ネタ…だったつもりなのに異様に長くなりました。 本当にすいませんすいませんすいません!m(_ _)m でも最近、ひたすら骸ツナばかり読んでいたせいか…骸さんはツナくんのものでツナくんは骸さんのものと考えるぐらいヤバい思考回路で… 本誌の展開に「骸さんの浮気ものッ!」と心をかき乱される始末…いかんいかん。骸髑信者さまに闇討ちされる… ちなみに書き始めは「これにツッコミ入れたいがために41号を買ったといっても過言ではない!」…と思った直後。遅筆すぎる… またしばらく学業に専念したいのでブログを留守にします。 その前に、先日発掘したこのネタを…どうせ合併号明けの展開で覆されるのは分かってるからやっちまいます! ギャグなのかシリアスなのかテイストがよく分からなくなりました。※コミックス派の方にはネタバレです。 沢田綱吉には何が起きたのか分からなかった。 死ぬかもしれない――ほんの少し前の、家庭教師からの言葉が、胸をかすめた。 確かに今、綱吉は死ぬかもしれないと思っていた。白い光に眩んだ目の裏に、今まで出会ったたくさんの人の顏が浮かんだ。 白蘭の奥の手である最後の真・六弔花――ゴーストは、とんでもない化け物だった。匣兵器と融合した他の六弔花たちは見た目も強さも化け物のようだったが、ゴーストは彼らとは別格であった。 何しろ綱吉の仲間だけでなく、味方であるはずの彼らのリングと匣兵器からも無差別に、相手が倒れるまで際限なく、死ぬ気の炎を吸収していたからだ。 炎を放って闘う綱吉にとっては、最も分の悪い相手でもあった。それでもハイパー状態に変化して飛び立ったのは… 仲間を誰1人傷つけたくない…死なせない!――そういう、綱吉の覚悟だった。 綱吉は、少しでもゴーストを仲間たちと自分たちが守るべき少女・ユニから引き離すため、飛び回った。 しかし、最大出力のXバーナーでも相手はびくともしなかった。超直感をもってしても倒す方法を見破れなかった。ゴーストの行進は止まらず、綱吉はその能力によってじわじわと炎を消耗していった。「…とどめだね♪」 遠くで、白蘭の歌うような声を聞いた、気がした。同時に、黄の炎が目の前に迫った。 小さな残り火のようになった死ぬ気の炎では、ゴーストの攻撃を防ぐ術はない――。それでも、とっさに顏を庇うように腕を前で交差させていた。 まぶたの裏に仲間たちの顏がいくつも現れる。そうか…これが走馬灯ってやつか――綱吉はどこかのん気にそう思った。疲労で思考が停止していた。 友だちに家族、居候たち…過去に闘った相手で、今はこの戦場で共に闘ってくれている人たちもいる。 ――君のような男は、簡単に死にますよ。 初めてその言葉でなじった時よりも柔らかい表情を浮かべていた彼…この未来へ飛ばされる少し前だった…― その彼の顏を思い浮かべた時、綱吉の空っぽになったように感じた胸を、激しい思いが衝きあげた。 まだ死にたくない――彼にもう一度…それまではまだ――死にたくないッ!! 強く思う。けれど容赦なく波に飲まれるような衝撃がきた。綱吉は炎に包まれた自分の体をイメージした。 だが、しばらく待っても、痛みは何も訪れなかった。 何が起きた?閃光に目をやられ、強く閉じたまぶたを、恐る恐る持ち上げた。 はらり、と。目の前で、長く伸びた、深く青い黒髪が落ちてきた。「―…なんとか、間に合ったようですね…!」 男の顏は逆光になっていて見えにくかった。 しかしそのシルエット――特に頭頂部は、一度見たら忘れられない、特徴的な輪郭をしていた。 綱吉の知る彼の名を呼ぶ。声がかすれた。「むく、ろ…?」 その男――六道骸は、両腕を綱吉の体の両側について体を起こす。「…怪我はありませんか?沢田綱吉」 問いに、小さく頷いた。自分の目が信じられなくて、何度も瞬きを繰り返した。 仲間からの通信と、それから超直感が告げる感覚で、参戦を知ってはいたが。「ほ…本当、に骸、なのか…?」 信じられない、という表情の綱吉に、骸は返事の代わりのように微笑んで、手をさし伸べた。 その仕草がきざったらしい! そう内心ではツッコミを入れながらも、綱吉は腰が抜けていた。結局、骸の手を取ることになる。「むくろ…骸…!」 本当は問わなくても分かっていた。背筋を独特の悪寒が駆け昇っている。超直感は、目の前の青年が間違いなく六道骸であると告げていた。 感極まった。そのまま、体を前に放り出すように骸へと抱きついた。「おっと…」 骸は胸に飛び込んできた体を、軽々と受け止めた。広くて厚い胸だった。「生身の身体で会うのは十年ぶりですね…沢田綱吉」 十年…その言葉にこもった時間の重さに、綱吉は胸が潰れるような気がした。 色々なことがあった。伝えたいことが、たくさんある。クロームがどれだけ頑張ったか…千種や犬たちが、どれだけ骸を探していたか… そして綱吉自身が骸を…―― 言葉に詰まる。髪を撫でてすいて、伝わる手の温かさは、確かに今、ここに存在していた。それを感じて、綱吉は耐えられなくなった。「骸…!」「おやおや…」 大人になった骸は、少年に引き寄せられるがままになりつつ、笑った。「十年前の君はそんなに積極的でしたか…?」「むくろ……」 綱吉は骸を見つめる。骸も綱吉を見つめる。見つめ合う2人の顏が近づく。 吐息と唇が触れあうぐらいになった――その時。 がっしり。「……骸…おまえ…」 綱吉は深刻な顏で骸の顏の両側を掴んでいた。「…牢獄の中にいたにしては肌がピチピチじゃないか…?」 骸はタコのように唇を尖らせていたが、目を点にしていた。 骸の頭をがっつりと、両手で挟んだ綱吉は構うどころではなかった。「幻術でカバーしてるんじゃ…ない…!あ!なにこれッ?」 垂れるしっぽのような髪束まで引っ掴んで、綱吉はますます驚愕する。「毛先まで天使の輪っか!?い…一体どこでこんな肌つや髪つやを…」「久しぶりの再会なのに…本当に、君は変わりませんね」 骸はしみじみと呟いた。呆れられた調子に綱吉はっと我に返る。「ち、違う!他に言いたいことがあったけどお前があんまりにもツッコミどころ満載な感じで現れるから!」「そういうところが変わらないんですよ。中身も…外見もね」「!?」 それは将来のオレがツッコミ気質も治っていない上に外見もあまり変化しないという意味なのか!? と、綱吉は問い返したかったが。「ああ!でも唇がカサカサじゃないですか!」「ぎゃっ!?」 今度は骸のターンだった。綱吉は両頬を革の手袋をはめた両手で掴まれる。骸は嘆く。「今はお肌はぷりぷりですけど…綱吉くん。若いからって無理しちゃダメなんですよ?ケアとかしてますか?」「よ、余計なお世話だっつーの!はなせー!」 頭を振る抵抗も意に介さず、頬を撫でてこね回す。「いっそ君も一緒に巡りますか?エステツアー」「巡らないよっ!んなの巡ってるヒマあったらリハビリに行くか援護に来いよっバカ――――ッ!!!」「あ。請求書はボンゴレファミリーに回しますね!」「回すなーッ!」 と。そんなやり取りをしている2人に、「師匠ぉー。ボンゴレと乳繰り合うのも夫婦漫才に励むのも後にしてくださーい」 間延びした声がかかる。綱吉は顏を赤くする。「ち、チチクリあってなんかないし夫婦漫才もしてなーい!!」 そこで綱吉はハッと気がつく。前に人が立っている。 声をかけてきた、やけに大きなカエルのかぶり物をした人は知らないが――あとの2人には見覚えがあった。「ミーたち、干からびまーす。ヘルプミーですー、ししょー」「てか…あぁ!?千種さんと犬さん、もうすでに干からびかけてるっ!?」「おやおや。これは大変だ」「てっ!お前は笑ってないで闘えよ!?」 骸は心外だ、とでもいうように肩をすくめる。「君をかばうので精一杯だったんですよ?」「う!?」 そこで綱吉は気がつく。綱吉とかばった骸がゴーストの攻撃を浴びていなかったのは、骸の部下たちが前に立って踏んばっていたからのようだった。 綱吉が骸にツッコミを入れている場合ではなかった。ここは戦場だ。「オ、オレのせい…?」「そうですよ!君が簡単にあきらめるから…それで、君のために僕の部下までわざわざ体を張ったのに…それを君は!」「わ、悪かった!オレが悪かったよ!」「だったらとっととハイパーになって闘いなさい!」「わっ!?」 耳の横で風が唸る。 かすめただけだが、骸は三ツ又の槍を構えていた。綱吉は後ずさる。「い、いつの間に…や、槍向けんなよ!?」「分かっているでしょう?あの全裸男とマシュマロ男をぶっ倒してなさい!ちんたらしてるとその体、代わりに僕が、存分に使い倒してさし上げますよ!?」 骸の口元に悪どい笑みが咲く。綱吉は、やはり骸は骸なのかと思うが。 骸はちらりと、部下の向こうに立つ人物を見る。裸の真・六弔花はまだ行進を続けている。「今現在…君にしか、あれは倒せません」 プレッシャーに綱吉が黙ると、骸は本当に愉快そうに、声をあげて笑う。「クハハハハ!さあ!お優しい君は君の仲間だけでなく、僕の可愛い部下たちも見捨てられないでしょう!?」「うぅ!?は、反論つーか…今はそれどころじゃないのがムカつく…~ッ!」「もちろん。君にだけ闘わせるつもりはありませんよ」 骸はくすりと笑いつつ指を伸ばした。指にはボンゴレリングを含め、リングが3つ。反対の手には藍色の、ボンゴレの紋章が入った匣。「僕とリング、それにボンゴレ匣がある…君をサポートするのに、これほど力強い相手がいますか?」「そ、そりゃ心強いけど…」「…あぁ。あとついでに君の仲間たちね」「ついで扱いすんな!」 向こうでは、未だに爆発音や閃光がしている。姿は見えないが、無事でいると願う。 願うから、まだ闘える。今、背中を押してくれる人がいる。「わ、分かったよ…でも…」「でも…なんです?」 骸が横に立つと、時の流れを感じた。ずいぶん、背の高さが開いていた。「お、お前!十年経ってもまだ狙ってんのか!?オレの体を!」 綱吉は警戒して身を縮めた。しかし。 骸が笑った。綱吉はその笑顔を目撃して目をみはった。不敵な笑みではなかった。「…僕に、この時代の君を。十年前の僕に、君を……返してほしい。それだけですよ」 少し悲しげで、愛しいものでも見つめるまなざし。それが注がれていた。 綱吉はこれだけは確信するに至る。この十年で、何か…色々とあったらしい。それだけは分かった。 だから今はひとつだけ。「…骸」「なんですか?」「オレ…お前に言いたいことがあるんだ…その、お前にとっての十年前ぐらいから…」 外れかけたミトンの手袋をはめ直す。「だから…終わった後、即トンズラとか……すんなよ」 目を少し開いてから、骸は頷いた。それから臨戦体勢を取る。 綱吉も頷き返す。耳が少し赤いが気づく人間は今はいないのが幸いだ。 敵を睨みつける。さらに向こうで笑っているのは悪魔のような最後の敵だ。「それを言うまでは…死んでも死にきれねぇ!」 綱吉は再びハイパー状態となった。 飛び立つ綱吉の背中に向けて、骸は叫んだ。 なぜだか、語尾にハートがたくさんついてきそうなトーンだった。「式場はもう予約してありますからねーっ!!」「なんの!?」※骸さん(1/1スケール)の肌ツヤが思いの外良かったことについて… →→→ 復讐者の弱みを握って毎日パックとか高級化粧水とかで頑張ってケアに励んだ結果だったんじゃないか…※「さぁ!幼い綱吉くんに負けないように肌をキレイにしなくてはッ!」とか、張りきったに違いない…※という妄想が止まらない…十年たって全身藻とか水草だらけになってないか心配した、ファンの乙女心を返せッ!(笑)
2010年01月10日
コメント(1)
あずき味のアレな炭酸飲料にチャレンジしました。庄次郎です。 以前、しそ味にチャレンジしてからもう二度とチャレンジ精神は起こすまいと決心したのに、またしょうこりもなくやってしまいました。 感想…。 ……うん…アレな炭酸飲料でした。(苦笑) 後味があずきでしたね。 ちなみにしそ味はご飯の味だと思いました。ひと口でお腹いっぱい。(笑) 下↓はずいぶん前に書きかけて放置していた古キョンを、とりあえず書き上げました。ありきたりな内容ですが。 古泉くんとキョンくん…公式アンソロ、出ましたね…( ̄∀ ̄) 腐女子としては若干、物足りない内容でした。(おい) ちょっと試し読みして良かったら購入を検討していたのですが… 物足りなくて、その本は、同じアルバイトの男性が取り置きしていた他のハルヒ関連新刊の中に混入しておきました。 ちょっとしたイタズラ心です。(^_^)ニコリ。(やめろー!(>Σ<)※ハルヒ二次ss。長門とキョンくんと古泉くん。※ある日の部室。 飽きたな…「おやおや…僕に飽きたとおっしゃるんですか?」 あーそーだ。お前のニヤケ面も、一方的に真っ黒くろすけな盤面もすでに見飽きた。「僕は飽きてませんよ?まだまだこれからじゃないですか!」 お前がそのつもりでも俺がつまらん!お前、手応えがねえんだよ。 全く…いつもの如く、ハルヒは「団長は平団員なんかと比べて忙しいのよ!」とワケの分からん用事でおらんし、かと言って癒しの天使・朝比奈さんも不在のこの部屋で… 何が悲しくて男とさし向かいでオセロをせにゃならんのかねー。「おやおや…手厳しいですねー」 おい長門!「……何?」 なんか面白い本は持ってないか?テキトーになんか…お前のオススメでいい!「……なら。これを。これがオススメ」 ん?お前読んでる途中じゃないのか?いいのか?「いい…読んで」 そりゃどうも…なになに…っこ、これはっ…!「どうかしたんですか?」 こ、古泉っ!見ろ…!「どれどれ…タイトルは『マグロの瞳に恋してる』…?」 長門が…!あの長門が恋愛小説を読んでる…!「ずいぶんファンシーな表紙ですねー…ライトノベルですか?」「そのひとつに分類される」 長門……やっぱりお前も女子だったんだな~…!「キョンくん、なんだか感動してませんか?」 だってあの長門がだなぁ~…なんかよく分からんが…あ。目から汗が… …で?で?どんな話なんだ?「あ。裏にあらすじが書いてありますよ」 お?どれどれ……『並盛高校に通うイジメられっ子の綱吉は、近所の不良に恐喝されかけたところを、隣町の黒曜高最強の不良・六道骸に助けられる。六道から助けた見返りとしてパシり役を命じられるが、一緒にいる内に六道の、不器用な優しさに気がつき、惹かれていく。しかし…――BL界期待の新星・Mが送る、すれ違いピュアフルラブコメvv』 ………は?「…おや?長門さん」「…何?」「この、さし絵の恋人同士ですが…僕の見立て違いでなければ、お二人とも男性に見えるんですが?」「あなたの目の錯覚ではない」 ………え? はぁああぁぁっ!? なな…なんで男同士なんだ!?「ボーイズラブ。略称はBL。類義語として耽美、ジュネ等の名称があるが似て非なるもの。それぞれの定義は曖昧。BLは男性同士の恋愛を取り扱った書籍、マンガ、ゲーム等を総称してそう呼ぶ。その起源は、」 もういい長門!もう聞きたくないぃぃっ!「そう…」 な、長門! こ、こんなものを読むんじゃありませんッ!「どうして?」 どうしてって…お、お前は一応健全な一女子高生であってだな! そういうものは健全な女子が読むにはふさわしくないと俺は思うからであって… …って、そんな純粋無垢な瞳で俺を見つめるなッ!「しかしこの本を貸すと、涼宮ハルヒは強い関心を持った」 貸すなーッ!! てか…えっ?ちょ、長門、貸しちまったのかっ…?よりにもよってハルヒなんぞに!?「そう。BLを好むなら、彼女は不健全な女子と定義される?」「そういえば、BLを好む女子のことを、婦女子もじって腐った女子、腐女子と言うそうですねー」 古泉。お前はなんでそんなこと知ってやがる!? てか、長門! そんなもん貸して、毒されたハルヒが、男同士の恋愛を見たいとか本気で願い出したらどうするつもりだっ!?「問題ない。それはそれでユニーク」 おいっ! 男子生徒同士のカップルが、校内で手を繋いだり弁当の食べさせ合いっこしたり、男同士がいちゃこく光景が一般的になる世界なんぞ、俺は見たくないぞッ!?「ふふ!確かに、世界がそんな風になったら、僕たちがいちゃついても問題ないかもしれませんねー」 お前は黙ってろ古泉っ!「そう。あなたと古泉一樹にとっては、好都合なのでは?」 ……え? な、なに言ってんのかなー長門…「…なぜなら、あなたと古泉一樹は世間一般的に恋人同士と定義される間柄だと、私は推測しているから」 !!?「おや…。バレていたのですか?」「知っていた。あなたたちの関係が変化したのは2か月と27日前のことだと、私は把握している」 に、2か月も前って… おま…そりゃ、最初から……っ!うわぁあああぁ!!?「男性同士が恋愛関係に陥った場合、不利益を被る社会的状況があると考え、二人は隠していると判断。だから私は黙っていた。しかし、今日は涼宮ハルヒと朝比奈みくるが不在。だから問題ない」 なくないつーの!「大丈夫。私はあなたの味方」 味方であっても知られたくないプライベートとかがあってだ、な…だぁあぁああぁっ!「例え男性同士でも、恋愛は二人でするもの。二人が交際をするのに当たって、必要なのではないかと思った」「おー。すごいさし絵ですねー…なるほど…」 お前はまじまじと見るなー!そして読むなーッ!「性的な内容について、人間の男性体に関する身体構造や機能等を無視した記述はあるものの、男性同士の恋愛に関する一定の知識を得られると思う。だからオススメ。読んで」 無理です!!!「『六道は綱吉のおとがいに指をかけて言った。“君は僕の愛しい、おもちゃ…なのですから”……』」 黙れ古泉ッ! 変な音読をするなーッ!!!※長門がBL本を読んでるのに動揺するキョンくんと、そんなキョンくんを「妹を心配する兄のようだ…」と思って感心する、どっかズレてる古泉くん。※オマケ。その頃のハルヒと朝比奈さん。「す…涼宮さぁ~んっ!トーンってこれでいいんですかぁ~?」「そうそうそれよ!このバラがビラビラ~vvのと、キラキラァ~vvのと、ポワポワ~の!探してたのよー!やっぱりちょっと遠征してきて正解だったわねー!」「す、涼宮さん…本当に、キョンくんと古泉くんの…その、本を出すんですかぁ~…?」「私はいつだってマジよ!次のイベントで古泉×キョンの本を出して売って売って売りまくって、S0S団の予算に組み込むのよー!大丈夫!キュンキュンで燃えまくりなネタはすでにあたしの頭の中にあるから!みくるちゃんはあたしの指示に従ってトーン剥がしたり背景書いたりするだけでいいのよ~!」「で…でもぉ~…、お二人への了解もなしに、そんなことしていいんですかぁ~?」「団長のあたしがいいって言ってるんだから全然問題ないに決まってるでしょ!?あんまりダダこねると同時にみくるちゃんの、(バキューンバキューン☆)(←大人の事情で伏せ字だよ☆)…な本も出すわよ…?」「あッ、そ、それだけはッ!?や、やめてくださぁいぃ~ッ!わ、分かりましたぁ~!!反対しないから」「分かったらよろしい!今度はそっちのGペンとホワイトも取って」「は…はぁいぃ~…」「やっぱり時代はBLよね~!女性向けジャンルは強いし!…あ。そっちの本ちょうだい!」「ふ…ふぁ~いぃ~…」「イベント当日まで時間がないからねー…寝る間もないと思いなさい!ゆきは絶対即戦力にするわよ~!イベント当日は本人たちによる実演販売とか写真撮影とかすれば…いいわね!萌えと収益の一挙両得!まさに二兎追う者は二兎も三兎も撃ち落とすに決まってるのよッ!!」「あうぅ~…(ご…ごめんなさいキョンくん!涼宮さんを止められない私を許してぇ~!)」「さぁさ!そっちの人形みたいのも取って!一番おっきいヤツよ!」「ふぁあいぃ~…!」「ふふふふ…腐った女子相手に古泉くん×キョン本をじゃんっじゃん!売りつけるわよッ!」※こんなハルヒ希望。
2010年01月02日
コメント(1)
今年の春は就職…、なはずです。庄次郎です。 学生は今年で終わりなので、お年玉も今年で卒業です。というか、したいです。 お年玉はもらって嬉しいです。収入の微々たる学生にとっては貴重な収入源ではあります。 でも自分は、ずっと自分の食いぶちを自分で養えるようになりたかったので。 だから今年から、お年玉なんかもらわなくても大丈夫な、ちゃんと勤められる人になりたいと思います。 来年は自分がお年玉をあげられるぐらいになりたいです。希望は。 …なんだかんだでレベル上げが上手くいきませんが…(>_<)汗 冬休み入ってからのこと。 ご飯食べに行ったり、友だちの家へお泊まりに行ったり、つくね作ったり、バイト行ったり、ゴロゴロしたり(←)…… …で。レベルが上がりません。(自業自得!) でも、良いことがありました。数年ぶりに年賀状を書きました。 はい!庄次郎はもらっても年賀状のお返しをしない不誠実な人間です。すみません!!m(_ _)m 今年の干支の虎は好きです。 でもアルパカはもっと好きです。(某引っ越し会社CM風。) という訳で、虎マフラーのアルパカを、手書きで量産しました。 アルパカがマイブームすぎます。すぎてすみません。m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m でも今年は、アンナ様のお宅のお年賀企画のおかげで、友だちにも年賀状を出す勇気がわきました。 アンナ様の企画がなければ、ずっと悪筆を理由に年賀状を出せないままだったと思います。 アンナ様に感謝を…ありがとうございました!! 最後に下↓は、アンナ様の年賀状におつけしたsssです。お持ち帰りはアンナ様のみとなります。 今年はオフにちょこちょこ出没したいと考えています。 今年も『缶詰』は細々と不定期に更新してゆく予定となっております。 こんな自分と『缶詰』を、今年もよろしくお願いします。※リボーン二次sss。ロンツナ。※お正月のオマケ。クリスマス…の続きのような?『お正月のロンツナ in おコタ』あけましておめでとうございまーす「ロンシャン…」「んー…なーにー?サワダちゃん」「ちょっと…そこ。移動してよ」「えー?」押すなよっ!絶対に押すなよ!?「足、ジャマ!オレがいっぱいのばせないじゃんか!」「僕ちん、足が長いからしかないのー」しょーゆこと「ちょっと向こうにずれるだけでいいんだってば!」「今、オケツに根っこが生えてるからム~リ~」「引っこ抜け!てか、オケツゆーなッ!」見れば~?お前はし○ちゃんか!「もちょっと待ってよー。もうすぐマチ。アキの出番だからー」「そこだけ録画すればいいじゃん!?」「分かってないなーサワダちゃん!かくし芸はナマで見るからおもしろいんだよ?」「もぉ…」あはははっ「………」「………」イエスフォーリンラヴ!!「…ロ…ロンシャン」「なぁに?サワダちゃん」「ちょっと…変なトコ触んないでよ…んッ」「まぁまぁまぁ。よっこいしょ、と」「あッ!ちょ…っ」ごめんねごめんねー!「ん…か、かくし芸見るんじゃなかったのかよ!?」「どうせ録画してるしー。問題ナッシング!」では次は皆様お待ちかねのあの方に…「さっきと言ってること違、んむー!?」「さわらひゃんのふひびるっへ(サワダちゃんの唇って)、」あまいあまーい!「ふ…ん…むー…!…ロ、ロンシャン…いいかげんにぃ…ッ」「今オレも、オレのジョニーも、かわいいサワダちゃんのためにおっきおっきしたい気分なのー」シモネタじゃねーか!「いい加減にしろーッ!!」どうもありがとうございましたー!!今年もよろしくお願いしまーす※満天屋日暮アンナ様に捧げました。
2010年01月01日
コメント(0)
※リボーン二次ss。CP→ロンツナ。※クリスマスの話続き。勝手に捧げます。「うわっ!?」 強く腕を引かれた。「!?」 庭木へ倒れこみ、誰かが覆い被さってくる。その一瞬の後。 相手の腹を肘で打つ。「ぐぇっ!」 反撃に襲撃者は怯んだ。その隙に体勢を入れかえ、相手の腹へ馬乗りになった。 家庭教師に仕込まれた条件反射だった。さらに懐のナイフを引き抜きにかける。 けれど、「サ…サワダちゃんサワダちゃんっ!」 ぴたり、とナイフを止めた。襲撃者の言葉は故郷の言語だった。陽気で軽やかな、歌うような節つけの声は。 彼しか呼ばない、ツナの名を呼ぶ。「オレオレ!」 やっと暗闇に目が慣れてきた。 耳や目もとで鈍く光るピアス。今は闇に沈んでいるピンクの頭。今日はツナと同じように正装をしている。 内藤ロンシャンの満面の笑顔が、間近にあるのが見えた。「ッ……ロンシャン!」「メリクリックリ!」 ピースサインを作る。その指でナイフを逸らす。「シゲキ的なおでむかえ、サンキュサンキュ」「! そ、そだよお前!ロンシャン!あ、危ないだろ!?」 抜き身のナイフを懐に戻した。「おま、なんでここに!?」 トマゾファミリーも今日、別の場所でクリスマスパーティーが行われている予定だった。一月前のデートで、それをお互い確認しあった。 ロンシャンはウィンクをして舌先をちょっぴり出す。ツナたちの故郷である日本の、某有名菓子メーカーのキャラクターの女の子みたいな表情で。「ちょっち抜けてきちった。テへvv」「テへ…じゃないっつーの!」「ぎゃ!」 お茶目ぶるロンシャンのスーツの胸をどついた。 ツナは焦っていた。今日は本当にマズい。 宴会場には過保護な守護者は全員揃っているし、怖い怖い暗殺部隊も、何より家庭教師もいる。 ロンシャンは痛そうな顏をして、どつかれた胸をなでる。「いちち!サワダちゃ~ん…会えて嬉しいのは分かるけどぉ、」「違うわ!」 ぴ!と宴会場の反対を指さす。敷地の反対は外とこちら側を区切る高い塀がある。「帰れ!」「えー?」「死にたいのかっ?見つかったら殺されるぞ!?」「ありゃりゃ」 だがロンシャンはニヤニヤと笑う。ゆるゆると、長い指がツナの腰へと登る。「死にたくはないなー。死ぬんならサワダちゃんのなかで、ぶっ!?」「下ネタ止めろ!」 顏にネコパンチを食らわすように平手を押しつけた。顏が暗闇の中で分かるぐらいに火照る。 抵抗はない。けれど、逆にロンシャンの体に引き寄せられた。「ちょ…」 ロンシャンの上に馬乗りになったままだ。抱きしめられると、ぴったりと体が引っつく。「な、なにすんだよ!?見つかったら…」 唇の上に人差し指が一本、立つ。 「しー」と、子どもをあやすように、もう一度。 真正面から。いつもの満面の笑顔と、少しだけ違う。愛しげに指の背で唇を撫でられる。切ない笑い方だった。「…だってガマンできなかったんだもん」 ツナのふわふわとした髪に尖った鼻の先を埋めた。犬みたいな仕草だ。「サワダちゃん…すっごい、会いたかった…」 小さなキスが髪の生え際に落ちる。「…!」 胸がきゅ…と縮まる気がした。反則技だ、そう思う。惚れた弱みにつけこまれている。 分かっていても…結果は、ツナもロンシャン首筋に腕を伸ばしていた。「オ…オレも…」 シャツの胸に顏を埋めた。「会いたかった…」 しばらく、ただ抱きあっていた。「でも…早く戻らないと…怒られる」「んー。もうちっとだけ。もちっとだけ、こうさせて…」「お前…」 ため息がもれた。「この間…マジでヤバかっただろ?」 スーツの上からロンシャンの脇腹をなでる。内部抗争はトマゾの十八番だが、そこに銃弾がかすめたのはツナのせいだった。 ツナとロンシャンの仲を知っているのは、ボンゴレファミリーの中ではリボーンだけだ。リボーンは九代目にも内密に、このことを処理したいみたいだ。「いいじゃん。恋は障害が多いほど燃えるっしょ?」 ロンシャンはいつもみたいに笑い飛ばす。けれど、ツナには冗談じゃすまない。眉を八の字に下げる。「ヤだよ…オレ、お前が死んじゃうの…」「サワダちゃん…」 こんなことを言っても困らせるだけだと、分かっている。 まずはトマゾファミリーが、ボンゴレの同盟に加われるようにしなければいけない。まだツナにはその力が足りない。だから、ファミリーの中で信頼を得て…けれどリボーンにバレれば必ず妨害されるから内密に……「………」「………」「……ロンシャン」「なんだい?サワダちゃん」「この手はなにかな…?」「いやだってーおいしそうなお尻が目の前にあるからつい…っあいた!」 罰としてぎゅっ、と手の甲をつねった。ロンシャンは笑いながらあっさり手を放した。「んだよ!人がマジメにもっとちゃんと会える方法考えてっ、」「サワダちゃんサワダちゃん」「んのに!って…え?」 すんなりとした指が、す、と上を指す。「上。うえ。見て見て」 密着した人肌は暖かいから、体を離すのは惜しい。だから頭だけを上に向かせた。「あ……」 星が落っこちてくる。そんな気がした。 闇の空に、光の粒をいくつも縫いつけたように、ぶら下げたように。音もなく静かに、星はあった。 さっきまで考えていたことが、頭からすっぽり抜け落ちた。ロンシャンの腕枕で、しばし見とれる。ぽつりとした呟きは、自然と唇から落ちた。「…きれいだね」「うん。きれい」「イルミネーションが消えたせい?さっきは見えなかったのに…」「あ。」「え?な、なに?」「そーいや、ここ来る途中でなんか引っかけちゃってさー。そしたらなんかここら辺の電飾、みんな消えちったんだけど」「って、お前が犯人か!?」「てへvv」「だからその顏やめろつーの!」 再びネコパンチ。ロンシャンはくすぐったいように笑う。声には出さず。「知ってる?サワダちゃん」 耳元でひそひそと、ないしょ話の声で囁く。ツナは、吹き込まれる吐息の暖かさがくすぐったくて、首をすくめた。「クリスマスってさ、イタリアじゃ、家族と過ごすモンなんだってさ」「そうなの?」 日本とは逆だ。日本では、恋人と過ごすのはクリスマスだ。 どこかでそう考えていたから、今日、一緒にいられないことを寂しく感じていたのだ。「そっか…そうだよね。ここは、日本とは違うんだ…」 家族。そのことを考える。 わずらわしく感じる時もある。さっきみたいに色々な人へ挨拶をしなければならない時とかは。 けれどツナは家族を愛していた。仲間たちを。 これは…今、ロンシャンと会っていることは、裏切り行為なのかもしれない。家族に対する。 家庭教師の、冷たい瞳が思い浮かぶ。今なら、まだ…… 深い縁まで行きかけた思考に、キスが届いた。 目をみはる。ロンシャンはに、と唇をつり上げる。その笑顔をまぶしく感じる。「…でも、正月は恋人同士で過ごすモンなんだよ」 恋人。その響きが甘く、胸のどこかをノックする。 ロンシャンの長い指がツナの指に絡む。恋人同士の繋ぎ方だった。「コタツとみかん、用意してるから」 泣きそうな気がした。例え、これが家族を、仲間を裏切る行為であっても。 この手を放せない。まだ。「クリスマスが終わったら、一緒に寝正月しよーね。サワダちゃん」「…うん」 目が合う。互いの目に、互いを映して。 自然と、真正面から唇を重ね合わせた。 そのキスが終わる頃。ロンシャンは、腰に指を這わせ、くつくつと笑った。「脱がせるの、今からちょー楽しみ!」「って、今脱がせないでよ!?」 そうしてしばらく。ツナはロンシャンが帰るのを見送ってから会場に戻った。 獄寺が真っ先に飛んできた。ツナは、殺し屋の視線が背中に刺さるのを感じたけれど、全力で無視した。「ああ!こんなに冷たくなって…十代目?髪に葉っぱが…」 するとボスは、夜風に当たってリンゴのように赤くなった鼻頭と頬を、さらに赤くしつつも、こう答えたという。「ほ…星を捕まえに行ってたの!」※皆様、良いお年を。
2009年12月30日
コメント(1)
※リボーン二次ss。CP→??ツナ。※クリスマスの話前半。勝手に捧げます。『STAR』 真冬の夕空が、明るい紫からそして深い藍へと移り変わるのを見つめていた。 その前は燃える赤から淡いピンク色だった。少しだけ、切なくなった。思い出したから。「…――今年もまた、困難の年じゃった」 老紳士が語り始めた声で我に返った。 宴の支度が整った豪勢な広間の中央。青年――沢田綱吉は、車椅子に乗った老紳士のかたわらに立っていた。「今年も多くの困難があったが、それらを乗りこえられたのは皆の助けのおかげじゃ」 老紳士の声は穏やかだが朗々と響く。広間の人々は沈黙し、熱心に老紳士を見つめていた。 それから、かたわらの綱吉を。自分にも集まる視線に、綱吉は内心、誰かの背中に隠れたかった。「ささやかではあるが、これはほんのお礼だ。存分に楽しんでくれたまえ…。では、来年も皆が健勝であることを祈ろう…乾杯!」 老紳士がグラスを掲げると、他の者たちもそれにならった。もちろん綱吉も。 そうしたドンボンゴレ九代目の挨拶から、ボンゴレ式クリスマスパーティーは始まった。「おめでとうございます、ボンゴレ」 パーティー開始早々、九代目の周りに、招待した同盟ファミリーのボスたちが集まった。綱吉も一緒に囲まれた。「お元気そうで何よりです」「いやいや。やはり年には勝てないの」「そんな!まだまだお若いではないですか!」 そんなやり取りが交わされる中、綱吉はちらちらと自分に向けられる視線に気がついていた。 品定めをされていると分かっている。今回のクリスマスパーティーは綱吉のお披露目の意味も含んでいた。招待客は同盟ファミリーのボス級ばかりだった。「…君たちにも紹介をしよう。ワシの後継者じゃ」「…はじめまして」 枯れ木のような九代目の手に促され、ついにイタリア語であいさつをした。 彼らからは握手を求められる。「十代目。活躍は聞いています。大変立派に務めていらっしゃるそうで…」「そんなことは…まだまだ未熟者です。それもこれも皆さんの助けがあってのものです」「またまた謙遜を!優秀な後継者に恵まれて、ボンゴレは安泰ですな」「そうなるように努力したいと思います」 陽気な人たちばかりだった。それでも、綱吉は逃げたい気持ちでいっぱいだった。 それは、背中に感じるかすかな殺気のせいもあった。姿は見えないが、いざという時の九代目の護衛のために控えている、ボンゴレ独立暗殺部隊から漂ってきてるものだ。きっと。 それでも、逃げたい気持ちは表に出さず、ボンゴレ十代目として、次々と話しかけてくる客に控えめな笑みをふりまいた。「十代目!!」 客たちの挨拶が終わって人垣に隙間ができた頃、二人の青年が綱吉のそばに近寄ってきた。綱吉の右腕と親友だった。「よ!ツナ、お疲れー」「おいコラ野球バカ!ちゃんと十代目を敬いやがれ!」 笑ってねぎらう親友を、右腕の青年は険しい顏で小突くが、綱吉に対しては満面の笑みを向ける。「十代目!始まってから何も食べてないっスよね?腹へってませんかっ?オレが何かお取りしてきましょうか!?」「あ。うん…」 ちらり、と綱吉がうかがうと、九代目はゆっくりと頷き、「行ってきなさい」と目で合図をした。綱吉は微笑む。「…じゃあ、行ってきます」 九代目の元を離れると、馴染みの連中と合流する。「あっちのカキのクリームパスタが激ウマっスよ!」「ホント?うわー。うまそう!」「お待ち下さい!今、毒見を…」「い、いらないよ毒味なんか!それよりオレ、お腹ぺこぺこだよー」「あ、ツナー。そっちの寿司はオレが握ったんだぜ」「マジで!?すっげぇ!職人さんが作ったみたいだー!」「へへっ。オヤジみたく上手くねーけどなー。でも自信作なのなー」「山本…キサマ…っ!」 爽やかに笑う山本に、獄寺は嫉妬の炎を燃やす。あまりにもお馴染みな光景に、綱吉は吹き出して笑った。 ボンゴレ十代目である沢田綱吉ではなく――、ただの沢田綱吉として、ツナとしての笑顔で。 ツナが皿の料理を取って食べ始めた頃、大きなボードが出現した。その前で緑のカメレオンを肩に乗せた黒いスーツの少年が声を張る。小さな死神だ。「おーし。そんじゃ、ボンゴレ式ビンゴゲーム始めっぞー。勝ったヤツは金塊貰えるからなー」「お!珍しく気前がいいな、リボーン」「あー。ちなみに最後までビンゴできなかったヤツは残念賞として、プレゼントされたコンクリ重石にして真冬の地中海に飛び込めよー」「なんだその格差は!?」 ツナの代わりに招待がツッコミを入れてくれた。招待客らは冗談だと思ったのか、どっと笑い声が上がる。ツナはあいつは本気だ!と、冷や汗をかく。 と、普段は馴れ合わない連中も、ビンゴの景品にひかれたのか、どこからかわいて出る。「クローム、見ていなさい。汚いマフィアどもから汚い金をむしり取って、奴らの鼻をあかせてやりますよ」「骸さま、頑張って」「哲。絶対一番にビンゴするよ。財団の予算だ」「へい」 と、それぞれの部下とそんなやり取りをしていた骸と雲雀は、目が合うと空中で火花を散らす。「…あの二人ってたまに仲良くするとかできないのかな…」「仲良くさせたいならテメェが体をはれ。ボスらしく」「げぇ!?り、リボーン!?い、いくらなんでもクリスマスに死ぬ気弾は…ちょ…やめぇっ!」 銃声はクラッカーの音に紛れた。 客たちもファミリーの人間も、料理を食べて、酒を飲んで、浮かれて騒ぐ。 藍色だった空は紺に。ビロードのような闇色を纏い、夜は更けてゆく。 そんな騒がしさの中、ツナも食べて飲んで、仲間と笑い合い、時に彼らの行動にはらはらしながら過ごしていた。それでも、未だに慣れないイタリア語ではなく故郷の言葉で話せる。それだけでも嬉しかった。 しかし、時々、外へ視線が流れた。 淡くピンクに光るシャンパンを見る度。獄寺の耳に光るピアスを見る度。誰かの明るい笑い声を聞く度。 そこから思い出す度、少しだけ息を止める。そして、外を見つめた。 空の色が時間に合わせて変化する様が分かる。それぐらいには頻繁に。 だが、それはほんのわずかな間で、そんな細かい動きを、誰も見ていないと思っていた。「……なに見てやがる」 だから、外を見ていた時、急に声をかけられてドキリとした。 ふり返るとヒットマンが白い目を向けていた。慌てて首を横に振る。「な、なんでもないよ!ほ、ほらっ外!イルミネーションがキレイだろ?」 フォークの先で指す庭では、イルミネーションが瞬く。 しかしリボーンは、シャンパングラスに口をつけたまま、上目遣いで睨んでくる。疑惑のまなざし。ツナは背中に汗をかく。「お前、」「あー。ちょっと酔っちゃったかなー!?」「十代目?外に出られるのでしたらご一緒に…」「夜風に当たってくるだけ!」 庭園に続くテラスの扉を開けたボスに、すかさず右腕は同行しようとする。それを皿を押しつけることで止めた。「お一人は危ないっス!それに寒いですからジャケットを、」「大丈夫だってば!」 追ってくる声はガラスで遮った。 宴のざわめきは遠のき、外は静かだった。その代わり、とても寒かった。「寒ッ!」 肩をすくめる。獄寺の言う通り、ジャケットぐらい必要だったかもしれない。指先に息を吹きかける。 それでも足を進めるのは一人になりたかったからだ。 空が暗くなりだした頃に点灯したイルミネーションは、庭の木々に絡んでいて、その輪郭を浮かばせる。その真ん中に立てば、小さな星が渦巻く宇宙にでも浮かんでいるようで、キレイだった。 しかし。空を見上げたら夜空は遠かった。イルミネーションの光は空を遠くに押しやっていた。 星も何も見えない空に手を伸ばしても届かない。「…なんか」 切なかった。家族は待っているのに。 その時、庭木のイルミネーションから光が消えた。「あ、れ?停電?」 しかし、遠くの宴の灯りは見えた。ツリーの緑に赤や金のモールと電飾が美しい。庭の奥まで来てしまったのだ。「…帰ろっと」 獄寺の心配する顏が思い浮かぶ。宴へ戻るために踵を返した。 その時だった。強く掴む指があった。※後半に続く。
2009年12月30日
コメント(0)
東京レポートをしようと思う…庄次郎です。 連休中に東京旅行してきました。 本日は、そのレポート(今さらながら)です。 今さらだし、特別なことは何もありませんのであしからず… あと、楽しいことだけじゃなくて、ちょっと…いやかなり、愚痴っぽいネガティブな内容も含まれています…今回。 不快になるといけないので、そういう方はUターンを! 東京での踏んだり蹴ったり。 いち。人ごみ。 雲雀さんが群れるな咬み殺すと言う気持ちと、骸さんが世界大戦を望む気持ちが、一瞬分かりかけた。(分かるな) に。乗り換えが大変だったこと。 メトロ二日間乗り放題きっぷを使ったら、乗り換えが異様に大変でした。目的地までの道のり、ほとんどJR基準だったので分かりにくかった! 旅行2日目の歩数は、アズマ氏所有の○。ケモン万歩計によれば2万越え…歩幅を50cmで計算したら10kmは歩いた計算に…… さん。某同人誌専門店で買い取りで散々待たされたこと。 あれは本当にぶちギレました…査定するだけで1時間以上?待たせるって何様?みたいな。 ちなみに待ちすぎて疲れた庄次郎の顏を、アズマさんは「人殺してきたみたいな顏してますよ!?」と表現しました。 結局別のお店に持ち込んだら、全部ではないけど買い取ってもらえました。その査定時間はわずか5分ほど。 なんだったんだあの待ち時間…… よん。メガネスーツカフェに行けなかったこと。 これも、さん。↑のせい。諦めてカフェに向かったら、カフェ→バータイムの移行時間で空いていませんでした。 他にも行きたい場所で予定を立てていたのに……いや私があそこまで粘らなければ間に合ったかもしれないから、半分以上は自分のせいですが…… でも、多分2日目の同人誌専門的のせいで、最終3日目は疲れはてて、帰る頃には屍でした。2人とも。 アズマさんには本当に申し訳ないことをしました。m(_ _)m 東京で食べたもの。 シシカバブーサンド(甘口)。 クレープ(高そうなハムとサラダ)(←あまり知性のなさそうな説明だ)。 だし茶漬け(マグロ漬け)(「ツナ…!」と叫んだらアズマさんに白い目で見られた←)。 東京で観察してて思ったこと。 眼鏡の女性が少なかったです。電車の中とか、街中歩いてても。 庄次郎は未だに眼鏡っ子なのですが、姉よりコンタクトを使えと脅迫を受けています。(笑) でも、男性は逆に眼鏡の人が意外と多かった…オシャレ眼鏡? 東京旅行の嬉しい楽しい。 いち。初日の演劇。 これは別のレポートにしたいと思いますが、面白かった! に。アフレコ体験。 東京アニメセンターで。エ○、、ァ24話をやってきました。 庄次郎はイシダアキラ氏の演じた役を…(笑) 外の人から見えたり自分の姿をカメラで撮されるのはなんの羞恥プレイかと、若干恥ずかしかったですが…楽しかった!それ以上に難しかったけど。 アキラ氏とか杉田さんとか、勝手に身近な人に感じてるけど、本当は凄い人なんだな!と思いました。(笑) 版権の関係?で、CDやDVD媒体で体験した内容は残ってないですが(まぁ本番を思い切りミスしたので幸いなような残念なような…)貴重な体験でした。 あと、指導して下さったスタッフさんの人生というか…なにやら深い話まで聞いてしまいました。大人の苦悩… でも、庄次郎たちはその方のおかげで楽しい時間を過ごせたので、そのことに感謝を伝えたかったです。うまく伝わってないかもしれないけど… さん。同人誌が買えた。 予約してたのを含め、専門店でも数冊。通販でももう売ってない2、3年前のものをゲットできて嬉しかったですvv 東京旅行のおみや。 家族と親戚には無難に、プリンとかケーキのような菓子類を…。 バイト先にはウケ狙いで、アキバ萌え系パッケージのイチゴチョコもちを… したら、社員さん(女性)の、パッケージ見て一言目が「かわいい!」だったのにビビりました…! 大学の友人たちにはモ○ハンのサブレをあげました。(いや指摘されるまで気がつかなかったんですが…単純に可愛いキャラクターものだとばかり…) 結構好評でした。約1名には箱のお持ち帰りを希望されるほどには…(笑) あと…思わず購入したのが、写メのアルパカ。 ネジついてます。足動きます。顏が特にラブリーvv でも実はアルパカ、昔軽犯罪の刑罰で使用されてたのが、ツバが臭すぎてロバに変えられたという歴史があるとか…(アズマ氏情報)。 ふむ…今度は実物に会いに行くのもいいかも…。 なんだかんだ言いつつ、東京旅行は楽しかったです。またその内リベンジしたいです。
2009年11月26日
コメント(1)
色々あるよね、と思うことがあります。庄次郎です。 例えば今日。来週末に武道館では、剣道の七段から八段への昇段試験(式?)があるという話を聞いたのもあったり。 竹刀を使った昇段試験(?)の他に、真剣を使った演舞も行われるそうです。一歩間違えたら大惨事!でもそれができるのが達人! 教えてくれた大学の友人は剣道経験者で、しきりに見に行きたいと言っていました。 実は体育会系な彼女の話は、純粋培養の文化系である私には、「へ~」「ほー!」と言いながら聞いてしまう、珍しいものばかりです。 それから、髪を切りに美容院へ行った時も。××カ月(←覚えていない。それぐらい)ぶりに。(笑) 美容師さんには美容師さんなりの技術とか理論とかがあって、それに則って切ってゆくのですよね。勉強をしてない素人にとっては、髪なんて一思いにばっつり斬ってしまえばいい!と、ついつい考えてしまいます。(こら) しかし、その手際や働く人の手は見ているだけでも面白かったりします。 そんな、普段の自分では知り得ない世界を垣間見るために、人は旅に出るのかもしれませんね… そんなわけで。明日からの連休、旅行に行きます。二泊三日。 後輩のアズマさんに誘われました。演劇を見るついでに東京観光してきます。 ちなみに午前中は、ラスボス対策の模試です。(おい) しかしこれも、自分の知らない世界を勉強するため……少しでもいい経験になるような旅行にしたいと思います!(`∇´ゞ ちなみに…… 予定では、メガネスーツカフェやらアニメーションセンターやらに行ってきまーす。(おいおーい)(思いきりなじみのある世界じゃねーかこの腐女子がっ!) 私はこの日のために、web通販で同人誌を店頭受け取りできるように注文しました。(爆)(オワレ)
2009年11月20日
コメント(0)
原稿をしようかと思います。 おひさしぶりです庄次郎です。 ジッシューという名の試練は終わり、コクシという名のラスボスを倒すのにガンガンレベル上げに専念せねばならない今日この頃です。 そりゃ試練は終わってもまだ序章に過ぎないし?ラスボスは控えてるし?春以降の予定は真っ白だし? もう二次元の海に溺れて、ボス・リボーン先生・ツナくんの誕生日祝いをするヒマなどないッ!クハハハハッ!! orz…(←自分で言ってて落ち込む) もう無邪気(に猫耳つけてイベント会場を走り回れていた怖いもの知らず)だった、あの頃には戻れない…… はずが! はずでしたが。 春ぐらいに本出すことになりました。 はい!…ふざけてんのかテメェって?いえいえ! 庄次郎はラスボス手前にして急にミニゲームに精を出しまくるタイプの人間なのです! しかし、まだ予定ですが真剣です。計画は、大学の友人まで巻き込んで水面下で着々と進行中… できれば、ハルコミ辺りに持ち込むか、どこかの心優しい天使様に委託したいと思っています。 (だから、友だちになってくれる大天使様も募集中。) ちなみに、出すのはリボーン本ではありません。究極幻想異説の1×5本です。 翼船さんとの合同誌です。ヤッフー! なので、優先順位はいちご本です。 でも、ラスボス対戦後も庄次郎のHPとMPときりょく・たいりょく・ふじょしの愛のちからに若干の余裕があれば、リボーン個人誌も出したい所存… まぁ、そのために、ラスボス向けてのレベル上げのかたわら、モグネ○トとかここほれチ○コボ!とかのミニゲーム感覚で、原稿します。 あと、このブログの内容も、二次ssだけでなく、日常的なことを色々とupできるようになりたいと思います○
2009年11月19日
コメント(0)
※リボーン小ネタ。※がんばる獄寺くん。「な……」 獄寺隼人は瞳は大きく見開いていた。普段はきれいなその緑の瞳は、しかし、白目の部分が血走っていた。 四分の三イタリア人の血が混じる彼の肌は白い。やや暗い照明の中ではその白さはなお際だっていた。だから、こめかみでひくつく青筋もしっかりはっきりとしていた。「な…な……ッ!!」 安っぽい蛍光ピンクやイエローが踊り、ピュコーンとかバキューンとかぴろぴろりんという電子音が、これでもかという大音量で鳴り響く。 ここは並盛商店街の外れにあるゲームセンター。 獄寺は青筋を立てた拳で、アクリルのショーケースにひびを割る勢いですがりついた。「なんでないんだよ………ッ!!!」 そこには、在るべきモノがなくなっていた。 時間は小一時間ほど遡る…… 放課後。かったるい学校の終わった後。 獄寺は敬愛するボス、十代目こと沢田さんのお供として、この街外れのややひなびたゲームセンターにやってきた。「い…いいのかな?学校帰りにこんなとこ…」 キョロキョロと、頼りなさげに周りを見回す様子に、自分がしっかりお守りせねば!という決意を新たにする。「久しぶりだなー。お!このゲームまだあったのなー!」 ちなみに野球バカ山本は、獄寺にとっては勝手についてきたオマケ、という認識に過ぎなかった。 ノーテンキな山本と違い、獄寺にはボスで十代目・沢田さんをお守りする、という使命があった。 そのために、常に周囲に気を配り、ガンをつけてくる人間にはガンをつけ返していた。「ご、獄寺くんっ。あんまり周りの人を威嚇しちゃ…って、獄寺くん?」 しかし! 不覚にも獄寺は、ゲームセンター内の、ある一角に目を奪われてしまっていた。「なに見てるの?…UFOキャッチャー?」 そう…獄寺が視線を奪われた先にいたのは、UFOキャッチャーのケースの真ん中に鎮座していた“それ”だった。 つぶらな黒い瞳…複数な美しい模様…その優美に丸みを帯びたフォルム…! このゲームセンターなどという空間で“それ”に出会えるなど、獄寺は思いもよらず、興奮をした。「へー…そ、そうなんだー」 “それ”がいかにすばらしいかを熱く、熱く語る獄寺を、沢田は呆れたような目で見た。 それに気がついて、獄寺は我に返った。「す、すみません!俺は今、十代目をお守りする立場にありながら、こんなものに心奪われるなんて……!!」「いや別に気にしなくていいよ!」 しかしそんな自分に優しい言葉をかけてくれる沢田さんに、獄寺は瞳を潤ませ、感動した。 それだけではない。「それに…うん、まぁ…分かるよ。かわいいしね」 沢田さんの笑顔の方が1000倍…いや1億倍は素敵っス……!! 獄寺はその笑顔のまばゆさに目を潰されそうになりながら、心の内で絶叫していた。 しかし。その一言で、獄寺の優先順位は変動した。 十代目は“これ”をお求めなのだ! だって「かわいい」って言ってたし! ならそれを手に入れることは、十代目の右腕である俺の役割……!!! 獄寺は“それ”の獲得のために走りだした。 その為に、「え?おい獄寺、どこに行くんだよ?」「うっせぇ!俺には俺にしかできない重大なお役目があるんだよ!」 ゲームセンターで遊ぶのを楽しみにしていた沢田さんには申し訳ないが、ゲームの対戦相手、兼、護衛は山本のアホに任せることにした。 俺の手にかかれば! まっていやがれッ!!―――― だが…… 開始15分後。獄寺は苦戦を強いられていた。 お…おかしい……! 獄寺の頭の中では幾通りものシュミレーションが行われていた。 クレーンの掴む力、“それ”の重さ、位置、角度……現に、そのシュミレーションを元にして“それ”の周りにある邪魔な小物は排除できた。 だが“それ”は落ちてこない。 崩した小銭はすぐに尽きた。獄寺は何度も両替に行くのを惜しみ、有り金すべてを小銭に換金した。 しかし“それ”は落ちてこない。 20分経ち、30分経ち、40分、45分……… イライライライラ。と、獄寺がイラつくほどにクレーンの精度は落ちていく。 獄寺の左右には小物が積まれ、山を成した。周りには人垣ができる。 “それ”は落ちてこない。 しかし、“それ”はわずかずつだが、出口の穴に近づき、移動を始めた。 人垣からは「そこだっニーチャン!」「がんばれ兄貴ィイーッ!」という、声援まで聞こえる。 獄寺は内心の高揚と焦りを、深呼吸をすることで抑えた。脳内で再生した通りの道筋を繰り返した。 “それ”はやっと、出口にかかる位置まできた。 だが獄寺は、そこで大きなミスに気がついた! 有り金が底を尽きていた……!! ポケットを探ったが、見つかったのはライターに大量のダイナマイトばかり…小銭の一枚も出てこなかった。 痛恨のミスだった…ここまで来たのに……! 獄寺は唇を噛みしめ、金を下ろしに銀行へ駆けた!走って、走って、走り続けた! すべては……十代目のために…ッ!!!! ――そして今に至る… すべてが遅かった… 獄寺が戻ってきた時には、“それ”はすでに、他の人間に落とされた後だった…… 獄寺はついに、地面にがっくりとヒザをついた。 俺は、俺は間に合わなかった……!! 十代目…っ申し訳ありません……ッ 獄寺は悔し涙でそこらの地面を濡らした。その時だった。「だ…だから!お金は持ってないんですってばッ!」 獄寺は、はっと顏を上げた。ゲームセンターの奥に目をやる。 すると、そこには男たち数人に囲まれている沢田さんがいた!「金なんかいらねーんだよ!」「そいつは兄貴のモンだ!」「おとなしくここに置いていきなッ!」「そ、そんなこと言われても…!」 男たちはどれも人相も柄も悪い。背の高い男たちに囲まれ、沢田さんは青ざめ、怯えていた。 獄寺は自分の愚かさを呪った。怒りで、体中が熱くたぎった。 自分が…自分がUFOキャッチャーなどに夢中になっているから、ボスを危険な目に遭わせるなんて……!!「何してやがんだテメェらぁあっ!?」「あ、兄貴…へぶぅ!?」 身近な一人をぶん殴り、沢田さんを背中にかばう。「すみません十代目!俺が…俺が近くにいながらこんなことになるなんて!「ご、獄寺くん!?」「ちょっと待ってくださ…」「テメェら…沢田さんに手を出しやがって…全員まとめてっ、地獄に叩き落としてやらぁッ!!」 獄寺は、沢田さんに手を出した不届き者たちをにらみつけ、武器のダイナマイトに着火した。 すると、沢田さんが腕に抱きついた。「だ…ダメだよっ、獄寺くんッ!」「止めないでください十代目ッ!」「ダイナマイトはダメッて、いっつも言ってんだろぉおっ!!?」 例え菩薩様のように優しく慈悲深い沢田さんの頼みでも、獄寺は無礼者たちを許す気はなかった。「獄寺!」 だが、沢田さんがすがりついた左腕の反対側、右腕を捕まれた。捕まえたのは山本だった。「離しやがれ、山本!」「獄寺!派手にやりすぎだ!もうすぐヒバリが来る!」「げ!?」 沢田さんが青ざめた顏を引きつらせ、獄寺の腕を抱えた。反対側の腕を山本が抱く。「に、にげないと…!」「おぅ!」 獄寺は抵抗した。まだ、沢田さんに無礼を働いた男たちに制裁を加える任務があったからだ。「山本ッ、はーなーせーぇえぇぇッ!!」 俺を… 俺をッFBIに引きずられる宇宙人みたいに連行すんじゃねぇえぇっ!!「本当に…どうしたの?獄寺くん」 ゲームセンターからの逃走後。 獄寺たちは河原の土手の上を歩き、家路についていた。「申し訳ありません、十代目!」「いや!だから謝る必要はないって…だから道の真ん中で土下座はやめてってば!?」 沢田さんの優しい許しの言葉を聞いても、獄寺の心は沈んだままだった。「そーだぜ?なんとか、ヒバリや風紀委員に鉢合わせもしなかったんだしよ。終わり良ければすべてよし、ってな!」「テメェは黙ってろ!野球バカ!」 外はすっかり夜だった。月が出ていた。「俺は…肝心な時に、十代目をお守りすることができませんでした…」「獄寺くん…」 姿勢を正したまま、獄寺は反省を続ける。自分が恥ずかしかった。穴があったら入りたいくらいに。「俺は……」 その時、獄寺の目の前に白い何かがつき出された。 驚いて顏を上げた獄寺の目に、月夜の下でも淡く輝くような、大好きな笑顔があった。「…元気だしてよ!」 獄寺は笑顔に目を奪われていたが、沢田さんのさし出した白いものを見た。 それは大きな白いビニール袋で、よく見たら先ほどのゲームセンターの店名が入っていた。「な、なんスか?」「見たら分かるよ」 沢田さんの、わくわくしているような、いたずらっぽい笑顔は少しだけ珍しく、獄寺はドキドキとした。 そして袋の中身を見た獄寺は、息を飲んだ。「これは……ッ!!」 “それ”は、UFOキャッチャーで、獄寺が有り金すべてはたいても手に入れられなかったもの………「ツチノコのぬいぐるみって、珍しいのなー」「だよねー。しかもデカッ!」 沢田さんは一抱えもあるぬいぐるみを持って笑った。 獄寺は驚くばかりだった。「こ…これをどうして……」「ん?や。獄寺くんがいつまで経っても戻らないから店先まで見に行ったらさー。この子が目に入って」 沢田さんがツチノコの頭をなでる。 獄寺には、その手になでられたツチノコが、うっとりしているようにも見えた。「そうしたら、店に来た時は落とせなさそうな位置にいたこの子が、落としやすそうな場所に移動してたからさ」 それから照れたように、沢田さんは笑い声を上げた。「俺さ!UFOキャッチャーで景品落とせたの、初めてだったの!」 興奮した口調に、獄寺は沢田さんの嬉しさを感じ、不思議な気持ちになった。 いつの間にか、自分ができなかったこと、失態に沈んでいた心が、そわそわと浮いていた。 そうか……そいつを俺が落とせなかったのは、最後に十代目がキャッチするための…… 今だけなら獄寺は、神様のいたずらを信じても良い心地になっていた。「…良かったですね、十代目!」 獄寺は、ありったけの笑顔を沢田さんに向けた。 これが…十代目の幸せが、俺にとっての幸せだ…―――「これ…獄寺くんにあげる」「………え?」 さし出されたぬいぐるみと、まばゆい笑顔の沢田さんを、獄寺は信じられない気持ちで見比べた。 受け取らない獄寺に、沢田さんは不安そうに慌てる。「いらない?こんなデカイぬいぐるみ」「そ、そうじゃなくて…で、でもこれ、十代目が欲しくて取ったんじゃ…」「え?だって」 沢田さんは、不思議そうに目を丸くする。「だって…これ、獄寺くんが見てたから」 そして、ふんわりと笑った。「だから欲しいのかな、って。だから……はい!」 獄寺は、しばらく呆然とした。 それは…つまり…十代目は、俺と同じことを考えて……「良かったな、獄寺!お前、会いたい日本の珍獣ベスト8なんだっけ?」「え!?そ、そうだったの?」「そうそう!あとなんだっけ?雪男?ナマハゲ?」「いや!どっちも珍獣じゃないから!」 やり取りの間で、獄寺はツチノコのぬいぐるみを受け取った。 巨大なぬいぐるみには、沢田さんの抱いた体温が移っているようだった。 そして獄寺の胸にも、それと同じくらい温かいものが、満ちて、あふれてゆくようだった。「でも今日はバタバタしたから、今度はちゃんと獄寺くんも…って、獄寺くん!?」「泣いてんのか?」 バカ!これは男泣きだ野球バカッ! 顏中を真っ赤にして、目には涙までためて、でも嬉しくて、獄寺は笑い出した。「十代目ッ!」「な、なに?」 胸にあふれる思いはあるが、今はただ一言、伝えたい。「ッ………ありがとうございます!!」※獄寺くん、お誕生日おめでとう!リボキャラ誕ss書いたの久しぶり!※最近UFOキャッチャーにハマって武者修行に出たい、庄次郎でした!
2009年09月09日
コメント(1)
※リボーン小ネタ。※懸賞。ある意味、パンドラの箱。「そういえば…ツッくん」 台所にいた沢田家の母・奈々が、「ツッくんあての荷物が届いてたわよー」 と、思い出したようにそう告げた。「…荷物?」 そう告げられた沢田家の1人息子・綱吉はというと、奈々が晩ごはんを調理するかたわらで、冷蔵庫をのぞきこんでいたところだった。「あ、こら!手は洗ったの?」 学校から帰ってすぐ、制服を着たままの息子に、奈々はネギを刻んでいた包丁を向けながらとがめた。「洗ったってば!ランボじゃあるまいし…てか包丁危ない!」 綱吉は奈々の言葉にしかめ面をしつつも、冷蔵庫の中からジュースを取り出した。「荷物って、本当にオレあて?」「そうよー。何か頼んだ?」「えぇ?いや全然…」 あいにく、丸っきり心当たりがないので、綱吉は首を傾げる。すると奈々が、パッと顔を輝かせた。「じゃあっ何かの懸賞が当たったとか!」「んな…応募した覚えもないのに届くワケないだろ?」 母の能天気な発言に呆れつつ、ジュースを口にする。そんな綱吉は、自分の無気力な性格を、誰よりも一番理解している。 例えば新型のゲーム機とか最新のゲームソフトとか…雑誌の懸賞でそんな商品が並んでいれば、いーなー欲しいなー、と思うぐらいのことはある。 けれど、わざわざ何枚もハガキを買ってきてまで懸賞に応募するようなガッツは、綱吉にはないのだ。「分からないわよー」 しかし奈々は目をキラキラとさせる。「あーゆう懸賞の商品って、応募したのも忘れた頃に届くもんだし!」「うーん…そ、そっかなぁ?」「かーさんだって、南の島豪華客船旅行あてたでしょ?」「いや!あれはゼッタイ違うから!」 あの旅行は、実は懸賞ではなく、生徒のパワーアップを目論む家庭教師の陰謀だった。おかげで、南の島ならぬマフィア夢の島へ自らのこのこ出向いた綱吉は散々な目に遭った。 そんな前例を思い出すと油断できない。「…で?その荷物ってどこ?」「居間よー。すごくおっきくて重いからって、宅配の人がわざわざ居間に運んでくれたのよー」「え?そんなおっきいのっ?」 ますます何が届いたのか警戒を深めつつも、綱吉は居間を覗いた。奈々は笑う。「ふふ…そんな大きいんだから、もしかしたら家電製品とか!?」「…母さん、これ…、」 母親の頬はバラ色だったが、それと反対に息子の顏は暗かった。「この荷物届けに来たのって…語尾にびょん、とかつける金髪の人と、ニット帽でおかっぱメガネの人じゃなかった……?」「…あら?よく分かったわね!」 奈々は目をぱちくりさせる。 綱吉はその言葉にガックリと肩を落とす。やっぱり! 「ワレモノ。落とすな、危険!」というシールの貼られた箱の表面。送り状の送り主の住所は、『黒曜ヘルシーランド』だった。「ずいぶん若い子たちだったけど、パイナップル宅配便って聞いたことないわねー」 のんきな奈々は、鍋に味噌を溶かしたお玉片手に考えこむ。綱吉は汗をぬぐった。「あ、危なかった…」「それ、開けないの?」 奈々は箱を開けない息子をいぶかしがった。「う、うん。いらない…てか、開けちゃいけないつーか…」「? そう?」 今も後も、永遠に開けないと決意した。とりあえず着替えようと、綱吉は階段の一段目に足をかけるが、「あ!今開けないなら片付けちゃいなさい!」「ん…後でやる」「ツッくん?」「後でやるってば!…ねぇ母さん!リサイクルごみの日って明日だっけ?」「リサイクルごみはあさってよ!そうじゃなくって…さっき、ランボ君が荷物の周りぐるぐるしてたわよ?」「え…あぁ!?」 振り返ると、白と黒のぶち模様のしっぽが見えた。いつの間に出てきたのか、牛柄の服を来た子どもが、居間の箱の周りをごそごそしている。「コラっランボ!」 慌て捕まえようとする。しかしランボはすばしっこい。すんでのところで首根っこを捕まえ損なった綱吉は、顔面から畳をスライディングした。「イデッ!」「ガハハハ!ツナのノロマめぇ!」 ランボは封印をしていたガムテープをビリビリと、それは素早く解いた。哀れなガムテープの残骸は、床にとぐろを巻いて落ちた。「オレっちのもんはランボさんのものでー、ツナのもんはオレっちのもんだもんねー!」「あっ!ランボッ、それは…それだけは開けちゃ…ダメェーッ!」 しかし綱吉の制止はむなしく響き、ついに箱は開かれた…―― ドロロ~ン☆ なんだかふざけた効果音とともに、おとぎ話に出てくる玉手箱のように、箱からモッコモコと煙が噴出した。「グピャッ!?」「ランボー!?」 ランボの悲鳴が聞こえた。何か大きなものに潰されたような声だ。 奈々も、異変に気がつき台所から顏を出す。「ツッくん、この煙なに?やだ…ドライアイス?箱の中身、生ものだったの?」「いやっある意味ナマモノだけどっ!あとドライアイスじゃこんな煙出な、」 ツッコミを続ける間に、ゾゾゾ!とした悪寒が、綱吉の背筋を走った。「ま、まさか……ッ」 “アレ”から届いたなら、きっとロクな物ではないと分かったが…まさか、まさか!?「おめでとうございます…」 響く少年の声は麗しい… 白い煙の向こうのシルエットは背が高く、人の形をしていたが、頭頂部は何か見覚えのある南国果実に酷似していた。「この度は第6927回黒曜ヘルシーランドの懸賞にご応募いただき、誠にありがとうございます…」 だから懸賞なんかに応募した覚えなんてないから!と首をぶんぶんと振る。 畳にへたりこんで動けない綱吉の前で、煙が徐々に晴れてくる。シルエットは、「一等を当てられました沢田綱吉様に、この僕、」 とズビシ!とモデル立ちでポーズ…ちなみにランボは右足の下だ…で、シャウトした。「六道骸をお送りいたします!」 やっぱりー!!? 綱吉はすぐに叫んだ。「へ、返品!」「不可です!」 すぐに叫び返した骸は、綱吉のそばにずんずんと寄ってくる。綱吉は後退った。「ク、クーリングオフ期間ぐらいあるだろ!?」「懸賞にんなもんある訳ないでしょう?」 クフフフなぞと笑いながら、両手の指を組んで首を傾ける。「可愛がって下さいねvv」「するかーッ!!」 綱吉は骸が抱きつこうとするのを、額を押さえて阻止する。「い・い・か・ら!素直に僕を受け取りなさい!」「拒否するーッ!」「ほらッ!僕がほしいでしょう!?」「ほしくないからッ!はーなーせーッ!!」 頬をすり寄せてくる骸の顏を、腕を限界まで突っぱることで遠くへやりつつ、綱吉は声の限り叫んだ。 ちなみに、ランボは衝撃で気絶したまま。家庭教師及びその他沢田家の居候たちは、まだ帰ってきていない。「まぁまぁ…ツッくん、大変よ!」 奈々だけは、頬に指を添え、少し困ったように言った。「今日、六道くんの分の晩ご飯とお布団、用意してないわ」※オマケ。 箱詰め六道骸が届いたその夜のことだ。「その…さ、骸…さっきから気になってたんだけど…」 骸は腰に片手を当てながら、「クッハー!お風呂あがりの牛乳はサイコーですねー!」とか、叫んでいた。「はい?なんですか?」「…どうでもいいけど口の周り、牛乳ついてるぞ?」「おっといけない…」 骸は白い牛乳ヒゲをタオルでふく。「クフ!危うく六道骸のイメージがダウンするところでしたね!」「すでにお前に対するオレの評価はどん底だよ!?」 綱吉は今までのことを思い出し――「はいあーんvv」で夕食を食べさせようとしたり、「裸のつき合いって…大切ですよね?」とか言ってナチュラルに一緒に浴室へ入ろうとしたりする骸を、死ぬ気で拒否するのは大変だった…――と遠い目をする。「ところで気になることってなんですか?」「いや…」 骸がお泊まりセットとか持ってきてるのも、すごく気になる。気になるけれど、何かそれは質問したら負けそうだ。何に負けるのか分からないけれど。「ええと…そのTシャツ、どこで売ってるの?」「これですか?」 骸は自分の着ているシャツを摘まむ。 今、骸が着ているのは黒いジャージとシャツ。ちなみに箱の中に詰まっていた時は、お馴染みの黒曜中指定の制服だった。 ズボンには「黒曜中」と刺しゅうしてある。だがTシャツは指定の物ではないようだった。 骸が白いシャツを着てるのもかなり違和感があったが、問題はそのTシャツにプリントされている文字だ。「クフフ…気がつきましたか?さすが、ブラッド・オブ・ボンゴレ、」「は、関係ないからっ?」 何しろ、骸が着ているTシャツには「クフフのフー」と書かれていた。 達筆なんだか下手なんだか、よく分からないが、毛筆っぽい字だった。骸は気がついてもらえて嬉しいらしい。「お気に入りなんですよ」「き、気に入ってるんだ…」「限定生産なんですよ。ウチの」「しかも手作り!?」「えぇ。ウチの子たちが僕のために作ってくれたんですよー」「へ、へぇー…」 Tシャツを手作りするという発想が綱吉にはなかった。だから、まじまじと骸(の、Tシャツ)を見つめる。 ふと気がつくと、骸が見つめていた。ちゃっかり、ベッドに腰かける綱吉の隣に座っている。「…なんだよ」「いえ。実はですね…」 ぽっ。と、骸が頬をほのかに染めた。嫌な予感がした。 距離を取ろうと尻で後ずさる。しかし遠ざかる分だけ、骸はじりじりとにじり寄ってくる。「近いちかい!」「まぁそう遠慮せずに…これ。実はツナくんの分も用意してるんですよvv」 骸はどこからか、同じようなTシャツをべろん、と取り出していた。 Tシャツのプリントは「6927」だった。 …数字の意味は分からないが、なんだかイヤだ。「いらん!」「まぁそう言わずに…僕とペアですよ?」「なおさらいらんわ!…って、脱がそうとするなぁ!?」 パジャマに手をかけられ、腹をさらそうとするのを、綱吉は必死で阻止しようとする。「ちょっ!や、やめ…あ…ッ」「い・い・か・ら!君は僕のあやつり人形になればいいんですよ!」 のし掛かるように綱吉のパジャマを剥ぎ取ろうとする骸は、心なしか、鼻息が荒い。「い……いい加減にしろーッ!!!」 やがて綱吉の部屋からドッタンバッタン!という激しい音が聞こえだした。 しかし母・奈々は、「男の子はにぎやかでいいわねー」 と、おっとりと呟いただけだったという……。※※※ 水曜日です。 最近、よく応募した懸賞が当たる、庄次郎です。 写真はこの一年、懸賞でゲットした品々です。特にTシャツはびっくりしました。本当に忘れた頃に来たから! そんな嬉しさでネタ出ししました。懸賞で骸本体が当たったら…喜ぶ人、たくさんいるんだろうか?(笑) ん?庄次郎はどうかって?庄次郎はツナが当たったら悶死します。(真顔) 骸?骸なんか…骸なんか……ッ! 敵に寝返って再登場してツナと再戦してツナにあんなことやこんなことした挙げ句味方に戻ってくるつー大方の予想を裏切る場面であっさり登場する…KYな骸なんか…好きじゃないんだからねッ!?(なんだそのツンデレ風味) ツナにあんなことやこんなことは本当に期待してたのに…ショボン。(←オイ) あと…ユニ嬢の「おじさま」は最強すぎる…そして白蘭さん、幼女に迫る変態…それじゃグロのことゲス呼ばわりできないんじゃ…?(笑)
2009年09月02日
コメント(2)
※という、お返しリボーンss。※空月さんへ!リクエストのお返しに!※後半戦。骸雲と見せかけて…?『えびたい、とチョコレートオレンジ』「君こそ…やけに雲雀にこだわるじゃないですか?」 ずいっ、と身を乗りだし、のぞきこむ。臆病な茶の瞳の奥にある、脳の中身さえ読み取ろうとする熱心さでもって。その赤と青に戸惑ったように、綱吉は目をそらす。「そりゃ、だって…学校の先パイだし…てか、放っておけないだろっ?」 知っている。例えば、後ろの席のおしゃべりに花を咲かせる女子高生たち、コーヒーのおかわりを注ぐために客の間を回遊するウェイトレス。きっと、見ず知らずの他人も見捨てられない。沢田綱吉が、そういう善良な人間だと、骸はすでに知っている。 だが知っていても、気に入らないのは変わらない。ましてや、相手が雲雀恭弥なら。「死ぬ気弾がなければ、普段は小動物のように弱っちい君が?あの肉食獣のように凶暴な雲雀くんを?」「わ、悪いかよ!?」「クハ!こんな可愛い後輩を持って…雲雀くんは羨ましいですね!」「ちょ…お前、顔近いぞ!」「恥ずかしがらなくていいでしょう?僕と君の仲だ」「なんの仲だよ!?」 骸はくすくすと笑いながら、背中を椅子の背もたれに戻す。ようやく顔が離れたのに安心したのか、綱吉はため息をついた。「いや…ヒバリさんも心配だけど…むしろ、お前が…心配つーか…」「…僕が?」 ぽつり。と、綱吉がこぼれるように呟いた。その一言に骸は反応した。 綱吉はゆるゆると頷く。「…うん…まだ世界征服、企んでるのかな?とか…思って」 ここ数日一緒にいて、互いにずっと避けていた話題のような気がする。 なぜなら、骸は自分たちを食い物にしたマフィアを恨んでいる。そして綱吉はマフィアのボスになる予定だ。 ふいに、今二人が向かい合わせで座ることは奇跡だと、骸は思えた。「お前がマフィアを恨んでるのは…分かってるんだ」「なら分かるでしょう?世界征服は僕の望み…」「でも…そんなことしても誰も幸せになれないよ!お前の仲間だって…!」 茶の瞳がオッドアイを真っ直ぐに射る。臆病なくせに、時々どきりとするぐらい、彼の瞳は強い輝きを示す。骸はその瞳に惹かれる。「それにお前の今の幸せも全て放り出してそんなことするなんて…絶対にダメだ!」 毎度毎度、耳が腐り落ちそうな甘いことを言う。そう思いつつ、それを羨ましく思う自分もいることを、骸はすでに自覚していた。「今のお前が幸せになるためなら、オレにできることならなんでも…」 そこで少し考え、「いやほら契約して体貸すのは無理だからなっ?」と、慌ててつけ足す。「えっと…だから、それ以外なら!なんでも協力するから!」 最後のつけ足しは実に彼らしい。骸は小さく、くすり、と笑った。「う…オ、オレ、なんかおかしいこと言ったっ?」「いいえ…でも綱吉くん、本当になんでも…協力してくれるんですか?」 綱吉が力強く頷く。指が、骸の指先に触れた。骸は鼓動が大きくなるのを感じた。「お、お前はどう思ってるか知らないけどさぁ!俺にとって骸は…大切な仲間だと思ってる、から」 彼は温かで柔らかいから。相手は自分より年下の少年なのに、まるで母親のような包容力を感じた。 思わず、その胸に甘えたくなるような。「酷いヤツだけど…でも、お前には幸せになってほしいんだ…骸」「綱吉くん…」 鼓動が騒いでうるさい。言葉がのどの辺りでつまった感覚がして、大きくのどを上下させた。「綱吉くん…」「だから、覚えててほしい…」 二人は見つめあう。骸は全身全霊で、彼の言葉に耳を澄ました。「はい…」「オレは……お前の恋敵じゃないよ」「………はい?」 時が止まった。 オッドアイの瞳が点になった。そう見えるほど、美男子と評される骸にはふさわしくない、呆けた表情だった。 そんな骸に構わず綱吉は話を続ける。「だ、だからな…その…お、お前がヒバリさんにその…アタックをかけるなら止めないし、場合によっては協力もするしって…」「ちょ…ちょっと待って下さい!」 ここに至ってようやく、骸の呪縛が解けた。右手を上げて制止をする。話が見えない。「一体あなたは…なんの話をしてるんですか?」「なにって…」 綱吉は、ぱちくりと、大きな目を瞬かせた。「だっておまえ…好き、なんだろ?」「僕が?誰を?」「だ、だから…っ」 綱吉は赤らんだ目元を、手の甲で拭いながら告げる。なぜだか、綱吉にとっては恥ずかしいことらしい。最初はひそひそとした小さな声だったのが、焦れて、ついに荒げた声になった。「だからっ…骸さんが!ヒバリさんのこと!…好きなんでしょ!?」 ……ごっとん! 鈍い、大きな音が店内に響いた。 店内の従業員や客の幾人かは二人の席を見た。向かい合う席の綱吉は、びくり!と肩をはねさせた。「骸さんーッ!?しっかりしてー!!」 綱吉が肩を揺さぶるが、骸はテーブルに額をぶつけた格好のまま、顔を上げない。上げられない。 綱吉はおろおろと、両手をさ迷わせつつも言葉を重ねる。「あぁ…そんなショック受けるぐらい無自覚…いやでも現実を受け止めるべきだよ骸さん!」「つ…つまり…」 机の端に手をついて、骸は気力をふり絞り、自分の額と机を引き剥がしにかかった。このまま倒れたままでいたい気もしたが、なんとか顔を上げた。「僕が…今まで、彼のことを気にかけてきたのは全て…彼に恋心を抱くが故だったと…?」 しばしの沈黙の後、綱吉は言い放った。「それ以外に……何があるんだよ?」 …骸が雲雀を好き…… ――なんてこと、あるワケがない! 骸自身は、胸の内で即座に否定できた。 理由がある。その理由は今、骸の向かいに座っている。「ええっと…レンアイって当事者二人の問題だし、コイジを邪魔するヤツは馬にけり殺されろ?だっけ?」 超直感はどうした、と思う的はずれな発言。今は忌々しいが、それすらこの少年がマフィアの後継者であるということを忘れさせてくれる。丸ごとひっくるめて、骸は彼が愛しい。 …―このファミレスに張り込んだ当初の目的は、確かに雲雀恭弥だった。 だが綱吉の邪魔が入った。骸にとっても予想外だったのは、綱吉と過ごす時間が楽しかったことだった。いつの間にか、雲雀の行動をストーキング…なんて当初の目的は、どうでもよくなるほどに。 だが彼は…沢田綱吉は、全く的はずれな方向に勘違いしている。勘違いしたまま、勝手に話を進める。「と、とにかく!オレは部外者で邪魔者だから迷惑つーか…オレを巻き込まないでほしい…てか…」 綱吉がカバンを胸に抱えた。骸は、彼が逃げる、と分かった。「それじゃ!オレはこれで…」「待って下さい」「ひぃいっ!?」 がしっ!綱吉の手首を掴んだ。 綱吉の前に壁のように立ち、退路を塞ぐ。「む、骸さん。だからオレは…」「分かりました…」 綱吉は、また怯えた目で見上げていたが、骸の言葉でパッと顔を輝かせる。「骸さんっ、やっと自覚したんだな!?」「ええ…」 さりげなく、綱吉の肩に両手を置く。「やっと自覚しましたよ…」 骸は自覚した。沢田綱吉という人間の鈍感さを。そして、今のままでは永遠に自分の恋心は気づいてもらえないことも。 勘違いさせたまま、逃がしたくなかった。 こんな男に恋する雲雀恭弥も、不憫だと思う。骸は、恋敵に心から同情した。 ただ、同情はしても容赦はしない。「だから、」「む、骸さ…だからっ顔が近ッ、」「方法を変えますよ」 綱吉と食事を一緒にするのは楽しかった。からかえば大げさな反応やツッコミが返ってくる。まだ少し高い、少女めいた声が耳に心地よい。 だが今は黙っていて欲しかった。ので、骸は綱吉を黙らせた。 己の唇で。彼の唇を塞いで。 女子高生のかん高い悲鳴。周囲の雑音が酷くなった。 骸は綱吉の瞳を見つめていたから、騒然とする店内の様子は見えなかった。綱吉は、茶の目をこぼれ落ちそうなぐらい大きく見開いている。 口が、あまりにもあんぐりと開いていた。ちょっといたずら心が疼いて、舌先を、ちょっとだけ先まで潜りこませた。「…かわいい」 呟いた。相手の唇の上で。青ざめている頬を、指の背でくすぐる。 ふいに、日本には海老で鯛を釣る、ということわざがあることを思い出す。 意味は、小さな労力で大きな利益を得ること。改めて、彼の言っていた言葉の意味を理解し、骸は笑った。「クフフ…初めから、君が鯛ですよ…ツナ」 ただ、鯛のついでに海老も釣れたら、嬉しい。 骸は、青ざめた果てに灰のように白くなった綱吉から視線を外し、黒い影に笑ってみせた。 黒い影――風紀委員長の腕章をつけた雲雀恭弥は、ざわつく客の中、ただ1人、真っ直ぐに骸を睨みつけていた。 骸が、店の入り口近くに雲雀が立っているのに気がついたのは、キスの直後だった。おそらくキスの最初から終わりまで、ほとんど見ていた。それは、視線だけで相手を殺しそうな凶相で分かった。 綱吉は、その視線を見て本当に殺された気分になって怯えるだろう。 だが、雲雀がそんな目をする意味は、きっと分からないに違いない。そんな数秒後の綱吉と、恋敵雲雀恭弥を想像すると、骸は笑いが止まらなかった。「知ってますか?」 骸は見せつけるために、唇を舐めた。綱吉の背中を抱いたまま。 そう。これは、宣戦布告だ。「チョコレートとオレンジって、合うんですよ」※「骸雲と見せかけて…?」というより、「骸→雲だと勘違いしてるニブチン綱吉の話」になりました…※6月に間に合わなかった…えーん。※余談ですが、ファミレスとかコンビニとか、場所のシチュエーションとして好きです。
2009年07月01日
コメント(2)
※という、お返しリボーンss。※空月さんへ!リクエストのお返しに!※骸雲と見せかけて…?『えびたい、とチョコレートオレンジ』「ハンバーグ…」 沢田綱吉が呟いた。 ちょうどその時、ウェイトレスがチョコレートケーキを運んできた。「お待たせしましたー」と、向かいの席に腕を伸ばしたので、六道骸は左手を上げた。「あ。ケーキ頼んだの、僕です」 彼女は2、3秒停止した後、「し、失礼しました」と営業用の笑顔を取り戻し、改めて骸のコーヒーカップの隣にケーキの乗った皿を置いた。「お前なぁ…もうちょっと考えて注文しろよ」 店員が小走りに去った後で、綱吉が妙に声を潜めて告げてきた。骸はフォークを持った手を止め、首を傾げた。「なぜ?妥当なオーダーでしょうが」「どこが!?」 小さな机を挟んだ向こうで、綱吉が目を剥く。そういえば、と骸は思い出す。以前一緒に来た時も、チョコサンデーDXというパフェを注文したら難色をしめされた。「つい最近までお勤めご苦労様な、この不憫な僕の楽しみを奪う気ですか?」「牢獄暮らしはお前のせいだろ!?」 六道骸がヴィンディチェの牢獄から出たのが3ヶ月前。 脱獄ではなく正式な出所がかなったのは、綱吉の尽力によるものと、骸も知っている。 だが、骸は己の至福の一時を邪魔する者を好まない。そもそも恩人だからといって人を敬う性質の人間ではないが。「なんです?自分の前にケーキ置かれたから気に入らないんですか?」 骸はテーブルの上にずいずい、と上半身を乗りだす。綱吉に合わせたつもりだったが、相手は臆したように、近づいた分だけ退いた。「いや、そうじゃなくて…お前、その顔でチョコって…」「チョコレートの似合いそうな甘ったるーい顔してるあなたはどうなんですか?」「童顔で悪かったなッ!」 綱吉は歯噛みする表情で骸を睨みつけた。骸は勝ち誇るように鼻で笑い、切り崩したケーキの塊を口にする。ほろ苦い甘さが口に広がった。「それより、ハンバーグがどうかしたんですか?」 骸は尋ねた。ケーキひとつで嬉しそうにオッドアイの目元を緩める骸を呆れたように見つめていた綱吉は、数回まばたきをしてから、「あぁ!」 と、思い出し、メニューを指さした。「そうだよハンバーグ。ヒバリさん、ハンバーグが好きなんだよ」「へぇー」 綱吉が指さしたページは、鉄板に乗ったハンバーグやステーキの写真が並ぶ。子どもが好んで注文しそうなメニューだ。「ふむ…彼は意外と可愛らしい食べ物が好みなんですねー」「あ、ははは…」 綱吉は乾いた笑いをもらした。「ところで…さ。このヒバリさんの個人情報…ハンバーグが好きとか、なんて…何に使う気?」 骸はにやり、と笑って、質問を質問で返す。「何に使うと思いますか?」「えぇ?えーと…」 綱吉が考える。「た、例えば…罠の中にハンバーグを置いて、雲雀さんがかかるのを待つ…とか?」 骸は少し前、日本のマンガで見た場面を思い出す。 籠の下にエサを置き、エモノが寄ってきたらつっかえ棒を引く。すると入り口となったわずかな隙間は塞がってしまう。とても原始的な罠だ。 その罠を、雲雀に置き換えて想像した……「…ブハッ!クハハハハ…ッ!それ、楽しそうですねッ…クハハハハーッ!」 骸は爆笑した。机に突っ伏し、頭の房が震えるほどに。綱吉が慌てた。「わ、笑うなよ!」「でも君、雲雀を罠にって…クハハハハッ!」 ちょうど、テーブルのそばを女子高生のグループが通りかかった。互いにひそひそと耳打ちしながら、2人の席をふり返った。「ちょ…恥ずかしいからそんな笑うなってぇッ!!」 綱吉は耳を赤く、頬を青ざめさせた複雑な表情で骸を見る。「む、骸さん!オレが言ったってヒバリさんにはっ…」「クフッ…はいはい。言いませんよー。それにしても雲雀とハンバーグ…クハッ!」 骸は笑いで乱れた呼吸を整えようとしながら、余韻でまだ笑う。「クッハー!…まぁ彼を捕まえる罠はおいおい検討するとして…綱吉くんもケーキ、食べますか?」 おいしいですよ、と骸は、ケーキのおすそわけを乗せたフォークの先を綱吉に向ける。 だが綱吉は、メニューに目を落としたまま黙っていた。「…綱吉君?」 骸は上目づかいに、沈黙した綱吉をのぞき込んだ。「追加ですか?ここは僕のオゴリですから遠慮せず好きな物を頼んでいいんですよ?」「そ、そうじゃなくって…む…骸さん…さ」 骸は、綱吉は何か言いたいことがあるようだと察した。しかし簡単に言えない… そうして膝の上でもみ手をしている態度は、恥じらう乙女みたいだと、骸は思う。それを指摘する前に、ようやく綱吉が口を開いた。「ヒバリさんを狙うの…もうやめろ、よ」「おや…」 骸はフォークを皿に置く。それから、足の長さを強調するように、優雅な動作で足を組み換えた。「何故ですか?僕が雲雀の契約に手間取っている間は、君が契約されるリスクが下がるでしょう?」「だからって悪事を見過ごせるか!」 綱吉がテーブルを叩く。すると、綱吉のそばに置かれたグラスの中身が揺れた。「ああ、そんなに興奮しないで!」「だ、誰がそんな風にさせてると…っ」「ちなみに君もうかつなんですよ?僕にこーんな情報をもらすんだから」「……っ」 綱吉は唇を噛み、半分上げかけた腰をシートに落とした。 並盛中学の風紀委員長・雲雀恭弥には謎と共に噂も多い。月に一度、このファミレスに現れる…そんな噂を綱吉が聞いた。それを、守護者が集まった会の後、うっかり骸にもらした。 では待ち伏せますか…と、骸は思った。次の日には並盛商店街近くのビル2階にあるファミレスの、今と同じ席に骸が座っているのを、綱吉は発見した。今日で3日目。 今は、雲雀を待ち伏せる骸を、綱吉が見張っている。「とにかく!い、一応だけど、オレがボスだから…骸さんが悪事を働いてないか見る義務があるんだよ」「おやおや…」 綱吉が骸を睨んだ。その姿が、怯えながらも威嚇をする小動物に似ていると思い、骸は笑う。 思わず、心にないことまで戯れに呟いてしまう。「クフフ…さっきのウェイトレスさんと契約しましょうか?それとも今の女子高生?」 骸は、クスクスと笑いながら、手にしたフォークをくるくる回してみせた。その手元を綱吉が、緊張した目で見つめる。「ねぇ綱吉くん?どっちの方が、雲雀と契約を結びやすいと思います?」「…それ、どっちでも、やったら本気で怒るからな」 綱吉は、相変わらず毛を逆立てる猫科の生き物のようだ。だがその発言は本心からだと骸にも分かった。「…冗談です」 なだめすかすように、にっこりと笑う。「クフフフ…君と一緒にいる僕を見て、彼はどんな反応をするでしょうねぇ…?」「…群れるな、って、かみコロされる…」 自分で言いながら綱吉は、深いため息をつく。 おそらく自分が制裁される場面でも想像したのだろう、肩を震わせる。「だからカミコロされる前に店出ましょうよ、骸さん!」「…果たして、本当にそうでしょうか…?」 綱吉の予測は雲雀恭弥の行動原理と合っていた。「現に…」 だが骸は知っていた。雲雀が綱吉を見る目を…。「現に…なに?」 だが綱吉の目は、本当に不思議そうに骸を見返すだけだ。「…現に、君は、雲雀のパーソナルデータに詳しいじゃないですか」 綱吉は雲雀の視線を自覚していない。それは、骸にとっては好都合だったから、話を逸らして手帳を開く。 手帳には、綱吉から(無理やり)聞き出した雲雀のパーソナルデータがある。と言っても、得られた情報量自体は少ないが。「5月5日生まれのおうし座…この情報がどれくらい貴重か分かりますか?」 頬杖をついて、ひらひらと、手帳を振る。「あの雲雀くん相手に…相当親しいと聞き出せない情報だと思いますが?」「んな大げさな…そーゆうの調べるの趣味な子がいるだけだよっ!」 綱吉は勢いよく、ぶんぶんと、首を横に振る。「ハルって、ほら…ウチによく来る女の子が、いるでしょ?」「あぁ…」 三浦ハル…知っている。綱吉にストレートな愛情を示す割には相手にされていなかった女子だと、骸は記憶していた。「それだって血液型まで分かんなかった、し…オ、オレなんかエビにもならないつーか…」「エビ?」 骸は首を傾げた。沢田綱吉がツナという愛称で呼ばれてるのは知っていたが。「ツナはマグロだからエビじゃないでしょう?」「何の話だよっ…と、とにかく!別にオレが特別ヒバリさんに気に入られてるワケじゃないんだってば!」「さて…それならどうしましょうか?困りましたねぇ!」 演技がかった仕草で両手を広げる。「本当に困りました!やはり、彼が現れるまで待つしかありませんね!…すみませーん」 骸は悠々と、コーヒーのおかわりを頼む。 徐々に綱吉は、視線をテーブルに落とす。「…なんでそこまでヒバリさんにこだわるんだよ」 綱吉の声のトーンに、おや、と思う。※忘れていた…ので、とりあえず前半だけ……※後半は…いつになるかなぁ……(遠い目)
2009年06月10日
コメント(3)
※リボーン以外。※水中翼船さんへ!DFFライバツ。 闇の中にノックの音が響いた。「…オレ…バッツだよ…」 ライトは沈黙を保ったまま、自室の扉を開いた。 夜になっていた。部屋の中まですっかり暗くなっていたが、ライトは明かりも着けないで部屋に籠っていた。 外から明かりと共に、バッツが入ってくる。「ライトさん…入っていいか?」 扉を閉めると、再び闇が戻る。扉の内側にバッツも残った。 ライトは何か言おうとしたが、その前に、胸に人の熱が飛び込んできた。「ごめん…」 暗闇の中で、ライトは目を見開く。バッツがライトの言おうとした言葉を先に口にしたからだ。「ティナやクラウドたちから聞いたんだ…オレを探しに出ようとしたんだろ?」 胸の熱はその輪郭を押しつけて、弱々しい声で告げる。「あんたがそんな、無理してオレを探そうとするなんて…辛い思いをさせるなんて…思ってなかった…なのにオレ…っ」 胸の上が、少し濡れるのを感じる。「本当に…ごめん…」 ライトは長く、息を吐き出した。そうした後でようやく、バッツの肩に手を置くことができた。「違うんだ、バッツ」「え?」「私は…君に手を上げた自分が許せない」 そう、と、バッツの頬をなぞる。 ライトは恐れたが、バッツは逃げなかった。自分が殴りつけた頬の熱は、まだそこにあった。「君が行方不明だと知って、1人でも探しに向かおうとした…愚かだ」「でもそれはオレが…」「君相手だと自分を抑えきれない…そんな自分が、本当に嫌になる…」 バッツの顔を両手ですくい上げて告白する。電気を着けない部屋の中のわずかな光で、バッツの瞳に小さな星を見つける。「いっそ閉じこめて、君を外に出したくないと思うなんて…」 暗い部屋でずっと考えていた。 暗く甘い欲望を自覚する度、自分の名に恥じる行為だと、自問自答を繰り返した。 だが次の瞬間、ぎゅう、と胸元に顔を埋めたバッツに強く抱きしめられた。「オレ…こんなこと言うと変態みたいだけど…」 薄闇の輪郭だけでも、バッツが顔を上げて、にっこりと笑ったのが分かる。「嬉しいよ。あんたにそんな風に思ってもらえて」 その笑顔に、言葉に、溺れて、息ができなくなりそうだった。「君は…怖くないのか?こんな風に思う私が」 バッツは、今度は声を上げて笑った。口元はやや生意気げに、にやり、と形作られた。「オレは風だぜ?そう簡単に捕まると思ってもらっちゃ困るよ」 それから今度は、ライトの胸に顔を埋め、そっと、優しく囁く声量で告げる。「だから大丈夫…簡単に捕まってなんかやらない」 ライトはついに笑った。そしてバッツの背中に腕を回し、抱きしめ返した。 風には、やはり敵わないと思うのだ。「仲直り、できた?」 翌日の早朝。 仕事前、いつものように湯呑みを脇に新聞をめくるライトの前に、玉ねぎ少年が現れた。「…すまない。迷惑をかけた」「全くだよ!あの後、ティナは泣き出すし、その他はあわあわするだけで役に立たないしで大変だったんだからね!」 少年は背後に暗黒のオーラを漂わせて仁王立ちしている。これは詫びに貴重なアイテムでも貢がないと許してくれそうにない。「ティナには後で謝っておこう」「そうしてよ!…で?本当に仲直りできたの?」「大丈夫だ」 ライトは指先で、湯呑みにできたヒビをなぞる。 接着剤でつけた。真っ二つに割れた湯呑みも、元通りではないが直った。「むしろ、今問題なのは…」「ライトさんライトさん!」 その時、バッツが息をせき切って食堂に飛び込んできた。 バッツはライトの前に、数冊の雑誌を広げて示す。「次の夏休み、密林の中のオーパーツ探索ツアーと深海の底の古代遺跡、どっちに行きたい!?」 昨夜。仲直りをしてすぐに、「てか今度はライトさんも一緒に冒険すればいいんじゃね!?」と、バッツは目をキラキラさせた。「てか、なんで今まで思いつかなかったの!?って感じだよなー!」 「名案を思いついたオレ、天才!」と自分を褒めちぎっているバッツと、静かにこめかみを揉みこむライトを見比べ、玉ねぎ少年は冷ややかな眼差しをする。「…アレ、いいの?なんか、ただ待つより大変そうだけど…」「まぁ…なぁ……」 こればかりはライトも反論が出来ず、言葉尻を茶で濁すことしかできない。「だが…まぁ、なんとかなるだろう」 ライトは、もう恐れないと決意した。「なぁ!ライトさんはどこに行きたいんだよ!?」 すぐに、返事がないのに焦れたバッツが顔を寄せてくる。頬がふくらんでいる表情は子どものようだ。 光の戦士は苦笑しながら、自らも恋人の右耳に唇を寄せ、囁く。「君の行きたい場所へ」 なぜなら、風がいつも彼と共にあるならば、恐れるものは何もないからだ。※普通にBL書く感覚で書きました…結構楽しかった!※腹では結構黒いこと考えつつもそれを抑えようとする騎士道精神の塊なライトさんと、そんなライトさんを受け止める懐を持ちつつもさらに上回る勢いで振り回すバッツ…というイメージ。※あとライトさんは盆栽とか茶とか枯れた趣味を持ってそうなイメージ(←勝手)。 金曜日です。 最近働いた悪事は、某コンビニで売られていたヱヴア缶コーヒーの、自分から見てカ○ル君缶を左側に、シン○君缶を右側に置いたこと…な、庄次郎です。 ほ、ほんの出来心だったんですぅ~…は、離せぇえ~…っ!!(引っ立てられていく犯人風) ヱヴア再映画、第2弾もそろそろですね…2弾の何が不満って…… な ん で 新キャラが女の子なの!!?? いや新キャラ自体はいい意味でも悪い意味でも現代風な、ツインで?眼鏡っ子?だけど!だ け ど ! 新キャラ男の子じゃないと×シ○ジ君でBLカプれないじゃないか!? カヲシンが不満じゃないけどなんか腐女子として新たなカプも開発したいという乙女ゴコロ…ゲフンゲフン! 止めよう…ここでこれ以上腐発言をかましていたら後ろから撃たれても文句言えない…(パーン) …今回もリボーン以外です。 久しぶりに翼船さんとメールして、送信フォルダに放置中のライバツを思い出しました。書きかけでも…と言われて出す訳にもいかないので、慌てて書き上げました。 翼船さん! ぶたちゃんインフルの影響でそちらの学校は休校して大変災難ですが…身体には気をつけて生き残りましょう!!(`∇´ゞ そんで…遅くなったけど、今週のふっ…かつ? ポイントは3つ! ・先週のざっぷん →買い逃して慟哭した…! →ら、友だちに「なんで買ってないの!?」と言われた…… ・「はじめまして綱吉君」 → あのページだけで、今まで白ツナ!白ツナ!と萌え叫んでいたのが報われた気分になった自分は、心の底から腐女子だと思った… ・「ひっばーりチャ~ン♪」 →誰か…!この変態を咬み殺してくれ…! ・「こうやって手を合わせて…」 → あのコマだけで、今まで白ツナ!白ツナ!と萌え叫んでたのが以下略。 → 要約すると庄次郎はやっぱり腐女子、ということ。 …今週もツナは凛々しくてカッコよくて可愛かった…vv
2009年05月22日
コメント(0)
※リボーン以外。※水中翼船さんへ!DFFライバツ。 世界を変えてきた人間の中には、冒険者という人種がいた。 人間は冒険の繰り返しで、多くの土地に散らばってきた。ある冒険者は広大な未開の大地を発見した。また別の冒険者は世界を一回する回路を発見し、出発した港へ再び戻ってきた。 だが歴史に名を残した冒険者は稀だ。そのほとんどは、その名を歴史に残すことなく、己の運命を風にまかせて駈けていった。 だから歴史は、あまり多くを語らない… 冒険者たちが冒険を達するまでに、多くの同じ目的を抱く者たちが、志半ばに散ったこと。冒険者たちの末路。 冒険者たちの帰りを待っていた者たちの想いを…――『風のままに』“…本日の××地方の天気は晴れ…風が強く吹くでしょう……”「…ライトさん?」 コスモス荘の食堂にて、ライトは新聞を広げていた。 朝、新聞を読むのはライトの習慣だ。その横にはいつも、湯気の立つ湯呑みが置いてある。 顔を上げると、制服姿の少女が学校指定の鞄を下げて立っていた。「あぁ、ティナ…おはよう」「おはようございます」「今から学校か?」「はい」「休みはしっかり休めたか?」 コスモス荘の住人たちは、普段は普通の社会人や学生として日常に溶け込んでいるが、実は各々の特殊技能を活用し、世界征服を企む悪の組織・カオス軍団と日々戦っている、正義の組織の一員だ――こう言えば聞こえはいいが、実際は休日も滅多に休みが取れないハードな仕事なのだ。 だが、最近はカオス軍団の目立った暗躍もなかったため、住人たちはコスモス荘の家主であり組織の発起人・コスモスから、数日の休暇をもらった。「はい!昨日はタマちゃんとみんなで、ピクニックに行きました。見たことのない花がいっぱい咲いていました」 とってもキレイだった!そう言う少女の笑顔こそ、つぼむ花が開くような華があった。あの、他の人間に「タマちゃん」と呼ばれたなら絶対零度のブリザードを吹かせそうな、妙に老成した少年に「守りたい」と決意するに至る…それだけ、彼女の笑顔は魅力的だった。 普段は仏頂面のライトでさえ、ティナの頭の頭を撫でながら微笑んだ。「そうか、よかったな」「あ…すみません。ライトさんだけ残して私たちばっかり休んでしまって…」 ティナが気づかう。 ちなみに今回の休暇で、他の住人たちが諸手を挙げて休日を謳歌する中、ライトだけ自発的にコスモス荘に止まったのだ。「私が好きでやっていることだ。その分、今日は休ませてもらうつもりだ、気にするな」「はい…」「今度は…私も一緒に行こう」「…っはい!」 ライトの返事に少女は、またこぼれるように笑顔を見せた。 それからティナは誰かを探すように、キョロキョロと食堂を見回す。「ところで…あの、バッツさんは一緒じゃないんですか?」「どうしてだ?」「ピクニック、バッツさんも誘おうと思ったんですけど連絡がつかなくて…だからてっきりライトさんと一緒なんだって、みんな言ってました」 …ライトは密かに、ピクニックに行った男たちは順番にシメようと決意した。いくら二人が仲間内で公認の恋人同士とは言え、変な邪推はいらなかった。「バッツさん、どこに行ったんでしょうか?」 ティナが首を傾げる。少女の純粋な疑問に、ライトは苦笑混じりで答えた。「バッツは…1人で出かけた。ガガゼトだ」 バッツは正義の組織の一員である前に、冒険者だった。 カオス軍団と戦う合間にも、こつこつとバイト代を貯めては、その身ひとつで未開の地へと飛び出して行く。 今回だってそうだ。バッツは休暇の初日の早朝、ライトの部屋から巨大な荷物を背に負って旅立ってしまった。『お土産、楽しみにしててくれよな!』 見送ったライトにはキスひとつ。一度手を振るだけでふり返りもしなかった。(土産は…別にいらない) 今ライトが使用している『飛べないチョコボはただのチョコボだ』と謎の言葉が書かれた巨大な湯呑みも、バッツが旅をした先で買って帰った土産だ。この湯呑みのような実用的なものなら良いが、毎回バッツのお土産置き場に、ライトは頭を悩ませていた。(土産よりも…私は……) 物思いに沈みかけたライトは、ティナの視線に気がつき、顔を引き締めた。「なんだ?ティナ」「あの…勘違いだったらごめんなさい。ライトさん…寂しい、ですか?」 少女からの思わぬ指摘に、ライトは目を丸く見開く。 やがて苦く笑った。少女の指摘は一部当たっていたから、茶をすすることでごまかす。「…休暇も明日で終わりだからな…そうしたらきっと、バッツも帰って、」“……緊急ニュース…本日未明、ガガゼト山北壁の登山道で雪崩れが起こりました。” 言いかけたライトの手が止まった。食堂のテレビはつけっ放しになっていたが、そこから聞き覚えのある地名が流れた。「ガガゼト…って、さっき…」 ティナがわずかな恐れを込めて呟く。ライトは嫌な胸騒ぎを感じながら、リモコンでテレビの音量を上げた。“…この雪崩れで登山中のフリーター、バッツ・クラウザーさん(21)1名が行方不明になっており、警察は雪崩れに巻き込まれた可能性があるため、捜索を開始しています。バッツ・クラウザーさんはガガゼト山登山者名簿に名前が残っており、…” 湯呑みが、床に滑り落ちた。“…また下山した形跡がなく、警察は現地で捜索隊を編成し捜索中でしたが、天候の悪化のため現在捜索を中止し…”「行方不明!?」 夕方。食堂にコスモス荘の住人たちが集った。「バッツが…」 それぞれが帰宅したままの姿で、皆同じ様に険しい顔で話し込む。「警察の捜索隊は?」「天気が怪しいから打ちきられた。暗くなってからだと二次災害の起こる可能性があるしな…」「それよりカオスの奴らに襲われた可能性は…」 ティナが祈るように指を組む。その背中を、安心させようと玉ねぎ少年が撫でる。「だ…大丈夫だよ、な?」 ティーダが青い顔で、それでも引きつった笑い顔で尋ねる。だが誰も確たる答えを与えられず、食堂はしん、と静かになった。「私が行こう」 その時、凛とした声が響いた。「ライトさん!」「その格好は…」 しばらく前から姿が見えなかった。ライトは、雪山に行くためのウェアを全身に着込み、背中には重そうなナップザックを負う。常は肩の辺りで流すふわふわの銀髪も、毛糸の帽子に押し込んでいる。 手袋をはめ、決然とした表情で宣言する。「私がガガゼトに行き、バッツを救出する」「い、今からっスか!?」「今から行っても明日の朝だ。それに天気が回復するかどうか…」「関係ない。警察の捜索など待っていられるか」 言い捨てて食堂から出ていこうとする。その後を住人たちが追った。「だ、駄目っスよ、ライトさん!」「コスモスからは待機命令が出てるだろ!?」「捜索に行くならまず誰が行くか決めないと…」 言い募る仲間たちだが、彼らを見るライトの目はすでに決意していた。「皆が止めても私は行く」「…いつも冷静なアンタらしくないな」 すると、それまで黙っていたスコールが前に出る。「なんと言ってもらっても構わない。だが私は彼の救出に行く」「頭に血が昇ったアンタを行かせられないな。もしそれでも行くなら、」 スコールが自らのエモノを取り出し構える。「力づくでも止める」 ハッとし、一人一人が武器を取る。「そうだ!あんたを行かせられない!」「アイツみたいにあんたまで行方不明になったら…」「誰が行方不明なんだ?」「だからバッツが…」 混乱し、騒ぎ出す仲間たちに、誰かが疑問を差し挟んだ。それは、「バッツ!?」 そこにいたのはバッツ・クラウザー…行方不明になっているはずの、当の本人だった。「よ!みんな、こんなとこに集まってなにしてんのー?ケンカかぁー?オレも混ぜろー!」 バッツは自分の武器を取り出した。だが、驚きのあまり武器を持ったまま石化した仲間たちに、いぶかしげにしまう。「……ん?なんだよこのお葬式みたいな雰囲気は!いったい、」「バッツ~ーッ!」「おわぁっ!?」 真っ先にジタンとティーダが、その首ったまに抱きついた。「ほ、本当にバッツなのか?」「オレだよ!」「ユ、ユーレイ?足、透けてないっスか!?」「勝手にユーレイにするな!」 べたべたと、頬や額に触り、頭の先から爪の先まで遠慮なく眺め、ようやく納得できたらしい。二人は安堵の吐息を吐いてバッツを抱きしめる。「ぶ…無事でよかったっス~!」「いだだ!く、くるし…って、だからなんだよー!」「心配かけさせやがってー!」 石化が解けて仲間たちもその周りを取り囲む。「無事で何よりだ」「クラウドまで…一体ぜんたい、みんなどうしたんだよ?」「それはこっちのセリフだ!バッツ、どうしてここにいる?テレビでは登山中に行方不明になったと…」「マジ!?うぉ!オレの顔がテレビ出てる!?」 テレビに映る自分の写真に歓声を上げる。「それで…何があったんだ?」「いやそれがさー聞いてくれよー!偶然、ガガゼトのまる秘の湯を見つけたのはいいんだけどよー、なんでか雪で正規の登山ルートが潰れてて…で。しょうがないから別のルートで下山した」 カラカラと笑う。仲間たちはその元気の良さに、思わず脱力する。「見ろよこの肌!温泉で肌つっるつる!」「怪我はないのか?」「まぁ擦り傷ぐらい…」「バッツ!」 鋭い声に、場が少しだけ静かになる。 ライトはバッツに近寄るでもなく、仲間の中で一番離れた場所にいた。近づいてくるライトに、バッツの顔が輝いた。「あ!ライトさん、ただいま…」 帰りのあいさつは鈍い音に遮られた。 その音にティナは肩を震わせた。 バッツの顔が横に流れ、身体が一、二歩傾いだ。ライトの右手が上がっている。「ライト!?」 ライトが、バッツを殴ったことが分かると、周囲が再びざわめいた。 殴られ、一瞬虚をつかれた表情をしていたバッツだが、頬を押さえ、ライトを睨みつける。「な…なにすんだよ!?」「君は自分が何をしたか分かっているのか?」 バッツは言葉を詰まらせた後、肩をすくませる。「その…悪かった、よ」 テレビでは、まだ行方不明になった若者の話題が続いている。バツが悪そうに唇を尖らせる。「でも、冒険には危険がつきものなんだって!分かるだろ?」「だが限度があるだろう。君の行動にどれだけの多くの人間が振り回されたと思っている?」 場は、しんと成り行きを見守る。テレビの音だけが流れる。「だから…その…心配かけて悪かったって言ってるじゃんか!」「そんな誠意のない言い方でか?」 他の人間は聞いたことすらない、ライトの冷たいトーンに、身をすくめた。 それはバッツも同じだったが、我慢ができないように、ついに顔を真っ赤にして叫んだ。「ライトさんには関係ないッ!」 その次に、ライトは再び腕を上げていた。 少女の短い悲鳴が上がる。「やめろライト!」「バッツ…ッ!」 バッツは目を閉じた。だが、先ほど感じたような痛みは訪れなかった。 恐る恐る目を開けば、ライトは自分で、ふり上げた拳をゆっくりと下ろしていた。「ライト…さん…?」「……すまない」 ライトはうつむき、顔を逸らした。「君も疲れているだろう…ゆっくり休むといい」 バッツが呼び止める間もなく、ライトは仲間たちをかき分け、食堂から出ていった。
2009年05月22日
コメント(0)
※リボーン以外。※ハガネの小ネタ。ロイエド。「鋼の」「………」「おい、鋼の。聞いてるのか?」「………」「返事をしたまえ。鋼の?」「………」「…おい……おチビさ」「誰が顕微鏡じゃないと見えないほどの豆つぶチビじゃいボケェッ!!?」「やっと返事をしたな?」「っ……」「何をそんなにへそを曲げているんだね?鋼の」「う…うっせぇ!オレに構うなっ!」「用があって部屋に入ったクセに、黙んまりを決め込んでれば、構ってくれと言っているようなものじゃないかね?」「んなことっ…ちょ…髪に触んじゃねぇよッ!」「君の髪を触るのが好きなんだよ」「…!」「日に透かすときらきらするだろう?君の髪は。だから、思わず触りたくなる」「…っ…~っ……ッ!」「鋼の?」「……へ、へん!オレぁ騙されねぇぞッ!んなこと他でも言ってやがるクセにッ!」「そんなことはない。君だけだよ…鋼の」「……鋼って…」「おい…?」「鋼、ハガネ、はがねってなぁ~…ッオレの名前はエドワード・エルリックだッ!」「…は?そんなこと、知ってるとも…」「あーあーッ知ってるだろうさ!」「ちょっと…落ち着きたまえよ、君。何をそんなに怒ってるんだね?」「…名前で呼ぶクセに………」「……は?」「アルは…アルフォンスのことは…名前で呼ぶくせに……」……ぷ。「ッ~…笑うなぁあッ!」「いやいや失敬!…鋼のは、そんなことを気にしてたのかい?」「そんなこと…だぁ…っ?」「それに、さっきの『他でも言ってる?』って?ははっ。妬いてるのかね?」「や…やいてなんかねぇ!ッもういいっ!馬鹿にしやがって……ッ」「していない。ただ…―」ちゅ。「可愛いと思っただけさ…エドワードは」「ッ………ッ!!!」「君が望むならいくらでも呼ぶよ……エド、」ばっちーん!「痛っ…~なにをするんだ、君」「~……ッバカ大佐ッ!無能ッ!!ヘンタイィイッ!!」ばったーん!『どっかで野垂れ死んじまぇええ~ッ……――ッ!!』「…酷いなぁ、全く…」…はぁ。「…君だって…私のことを名前では呼ばないだろうが……」※ちなみにちゅーは三つ編みに…髪にちゅーするシュチュエーション、大好きです。※※※※※ 月曜日です。 にちようごじの新・鋼アニメの鋼兄に毎週もだもだしています、庄次郎です。 久しぶりの更新…なのにいきなり別ジャンル!?いいんだ!同人にハマったきっかけは鋼だから!(ちなみにリボーンは獄ツナをまず知って本誌を読んだ←サイテイ!) 鋼、前のアニメ同時はよく、翼船さんとひたすら同人ネタを練ってましたねー懐かしい!(でも鋼でCPモノは実は初書き)(ちなみに好きなCPはエド受特に弟) しばらく書いてなかったので指ならし。 オフライフでは4月に、庄次郎は無事白衣の天使見習い・Lev.3からLev.4にレベルアップできました。 今年度最初の試練中、1回、病魔に破れ1週間ほど休みましたが、見事復活してみせたぜイェイ。 復活といえば!久しぶりのふっっっッかあぁあぁあつッッ!!(興奮しすぎ) ポイントは3つ! ・おおっと!顔がすべっちゃったぁ♪ → 白蘭さんは間違いなく変態だ。(真顔) ・「白蘭!」 → ツナ…なんて凛々しくて可愛いくてカッコ良くてキラッキラできゅるんきゅるんで(力の限り意味不明の美辞麗句は略)麗しいんだ…!(親バカ心←親じゃない) ・仔ライオンちゃん。 → 即、瓜っ仔とごろいちゃしてるのを飼い主たちとセットで妄想できた! ・暴行拉致監禁フラグ → 「山本くんが受なのは構わない!私の腐女子的ストライクゾーンでは山本くんが受でも構わないんだ…!だがしかし…ッ私はツナを愛し過ぎている…ッ!!」という苦悩を、血の涙を流しつつ叫んだ… → 山本生還おめでとう!(泣…!) …あれれ~?4つ?
2009年05月11日
コメント(2)
※リボーン小ネタ。※野球と、数年後の鮫とまぐろと燕。「知ってる?オレ先輩。お前は後輩」「えーと…つまりベル先輩は何が言いたいんですかー?」「頭ワリいな。そのカエル頭に詰まってんのは藁くずか?」「詰まってんのはミーの頭ですよー。先輩こそ前髪の下で目ん玉腐り落ちてんじゃないですかー?」「つーまーりー。ここは先輩であり王子でもあるオレに、大人しく譲るのが筋ってもんだろー?」「アホな先パイとアホな王子を敬う気持ちはミーにはこれっぽっちもありませーん」「アホ言うな。解剖すっぞ?カエル」「カエルじゃないでーす。こればっかりはベル先輩だから譲れないんでーす」「はいはいはーい!ケンカしないのー、なぁんて口の悪い子たちかしらん!」「カマはすっこんでろ」「触んないで下さーいオカマホルモンが移りますー」「ンまぁ!お母さんに向かってナンテこと言うの!?どこで教育間違えたのかしら…お母さん、悲しい!」「てか、男はお母さんになれないっていつ気づくんですかー?」「いーから!今からこのカエルを解剖して…」「う゛ぅ゛お゛ぉ゛い゛っ!」 がつん!ごいん!ばこん!「いったぁい!お母さんに手を挙げるなんてヒドいわ…DV反対よッ!」「気色の悪ぃ演技してんじゃねぇっ!」 がつん!「いやぁんッvv」「喜んでますよ?スク先輩ー」「てて…っ王子殴りやがって…ただで済むと思ってんの?」「いいから…テレビの前でギャーギャー騒ぐんなら、こっからとっとと出ていけぇ゛ッ!」「スク先輩こそー。いっつもはテレビなんか見ないクセにー」「そーだそーだ、テメェが引っ込め!今日は『恐怖!笑うゾンビ軍団 VS 戦慄!殺人鬼オールスターズ』があるんだよ!」「あ。ミーもー。それ見たかったんですー」「同じ番組みたいんなら反対すんなタコ」 ポコン!「ぎゃっ」「だいたい、こんなつまんねースポーツ中継なんか見てられ、」 ガス!ゴス!「…っ……ッ!」「誰が…勝手にチャンネル変えていいつったぁ!?」「いって~…だからイチイチ殴らないでくださいー」「黙って観戦しやがれぇ゛っ!今、ヤツがマウンドに入るとこなんだよぉ゛…っ!」「何、んな熱心にスポーツ中継なんか…あ?」「…あらら~ん?あれ、アッチの雨の守護者じゃなぁい?」「へーそうなんですかー?」「そうだぁ゛…ヤツはファミリーの幹部でありながら野球選手としても活躍してやがる…」「てか、なんでファミリーのヤツが野球してんの?」「あ。ミー知ってます。こーゆう副業を持つのって、日本語で二足のわらじってゆーんですよねー」「そういえば…燕ちゃん、この大会で優勝できたらどっかのチームに引き抜かれるかもしれないんだったわねぇ?」「へー。それってスゴいの?」「ファミリー新聞に載ってたわよん」「あ゛ぁ…この試合、山本のチームが勝ちやがったら奴ら、優勝しやがる…」「あらん!あんた、だからそんな熱心にあの燕ちゃんを応援してんのぉ?妬けちゃうわッvv」「応援なんかしてねぇよ!誰がすっかんなことッ!」「え?違うの?」「いーかカスども…よく聞きやがれぇ゛!絶対に…絶対に山本のチームが優勝できないように、相手チームを応援しやがれぇっ!!」「……はぁ!?」「なんでまたそんな面倒くさいことを?」「メジャーだかんだか知らねぇけどなぁッ!あいつはオレが見込んだ剣士だぁ!」「てか…マジに優勝させたくないんならヤツらのチーム、全滅させたら早くね?」「よねー?」「スク先輩は変なトコでブシドーなんですねー」「それがなんだぁ?テメェが守るべきボスもほっぽって、たかが玉遊びに熱中しやがってぇ゛っ!」「てか野球って何が楽しいの?」「いいじゃない!タマを投げるでしょ?タマを打って走って投げてキャッチしてまた投げる!点と点の取り合い…まさに恋の駆け引きと一緒…!」「うーわー。気持ちワルいおじさんがカラダくねらせてますー」「オカマが言うとタマが別の意味に聞こえんだけど…」「あぁん!興奮してきちゃったぁんvv」「ヤツの剣を、あんな子どもの遊びで終わらせるなんざ、このオレが許さねぇ!」「あ」「…って。う゛ぅ゛お゛ぉ゛い゛ッ!人の話を聞けぇ!」「聞いてるよ」「…げ。」「ところで…たかが玉遊びとか子どもの遊びがどうしたって?」 ドカ!バキィ!ガス!ドゴン!「ちょっとツナちゃーん。それぐらいで止めたげてー。それ、一応ウチの切り込み隊長さんだからー」「うん!手加減は、してる、よ!」「ぐはぁ゛あ゛ッ!?」「いいぞーもっとやれー」「シシシ!もっと変形させろ!」「うぉおぃ!?テメ、何しに来やが…ぐぼぉっ!?」 ゲシゲシ!ガスッ。「ザンザスに見てもらう書類を持ってきたついでに、ちょっと…スクアーロを、殴り、に、ね!」「ツナちゃーん。紅茶の砂糖は何杯ー?」「三杯よろしく!」「甘過ぎだろうがぁ゛ッ!三枚におろすぞぉゴラァ…グバアッ!?」「ヤれるもんならヤってみろ馬鹿サメ!」「んだとぉ!?だいたいいきなり人の背後に立って襲いかかるたぁどういう了見だぁっ!?」「お前がどうゆう了見、だ!」 ガッツン!「テ、テメェ…卑怯だぞぉ゛…っ」「スクアーロ、また山本に変なDVD送ったでしょ!?」「へ、変なDVDじゃねぇッ!オレの剣帝への道をつぶさに記録した、貴重かつ偉大なだなぁ゛…」「げぇ!スクアーロ、んなもん送ったの?マジ引くー…」「今山本はとっても大変な時期なの!余計なもん送って集中力途切れたらどう責任取る気だよ!あぁん?」「あらツナちゃんったら、ウチのボスみたいよぉ?」「テメェ…テメェは!はあいつが玉遊びに集中してていいっつーのかぁ!?」「いいよ!むしろその方が嬉しいし!」「あ゛ぁ゛ッ!?」「むしろ夢を叶えるためにマフィア業なんか止めてほしいぐらいなんだよ!」「ばっ…テメェはそれでもマフィアのボスか!?ボスならちったぁ自分の身の安全をだなぁっ」「うっさい!」 ポカン!「ぐふぅ!?」「リボーンはマフィアの仕事をこなしてたら、他は野球でもなんでもしてていいなんて言う…けどオレは!野球やってきた山本をずっと見てきたんだ…だから…」「あいつが強くなればその分テメェの守りが厚くなんだろぉがぁ!?」「オレの守りなんてそんなことどうでもいいんだよ!」「ぐ……っそんなことどうでもいいだとぉ…?テメェはテメェ1人の身体じゃねぇんだ!そこんところをもっと自覚しろぉ!」「スクアーロ……」「テ、テメェは!仮にもウチのボスを一度は倒した男だぁ!そんな男が…オ、オレの目の届かねぇ場所で死んだら困るんだよ゛ぉ゛…ッ!」「スクアーロ…じゃあ、もし……」「あ゛ぁん゛!?もしなんだぁ!?」「オレが…お前に勝てたら文句言わないんだな…?」「……は?」「よし分かった!」「ちょ…ちょっと待て。分かったじゃねぇ!なんでそうなる!?」「オレが山本に守ってもらう必要ないぐらい強けりゃ何も言うことないだろ?さぁ来い!」「コイじゃねぇ!んなことできるかぁッ!!」「男なら覚悟を決めろ!」「テ、テメェは…だから…オレはお前を傷つけたくねぇつってんだろぉがよ゛ぉ゛お゛っッ!」「…毎回毎回、よく同じ議題でケンカするわねー」「てかさぁ、あの決闘マニアのスクアーロが、あのチビには抵抗もせずフルボッコにされてやんの!マジウケるしー!」「自覚がないからね~…スクアーロも可哀想に…素直にツナちゃんが心配だって認めれば楽なのにねぇ!」「いやー楽じゃないと思いますけど?ボスいるしーツナちゃんは鈍ちんだしー」「お前はツナちゃんゆーな、ボケカエル」「カエルゆーな、バカ王子」「………」「………」「ま、待てって!話せば分かるッ!」「訳分かんないこと言ってないで…スクアーロ、覚悟ぉっ!!」 …ボッカーン!!!※スク山…と見せかけてスク→ツナ。(で出てないけどツナ←山)※スク→山へのラブDVDを、スクツナ的に解釈したらこうなる…ハズ…※何気にフランは初書き…DVなツナを前々から書きたかった。(でもツナ右側は譲れない)※タイトルは白血球の英語。略してWBC。ネタ降りたのはサムライ優勝の日。※めちゃくちゃ今さらだけどおめでとうございました。※ちなみに画像は優勝したその日、あるコーヒー店に寄ったらセールで半額だったイチゴ味のカフェラテとベーグルサンド。美味しかったvv 火曜日です。 最近、正チャン並にお腹がごろごろぎゅるる鳴る、庄次郎でした。 新学期です。なんやかんやはなんやかんやで4年生…なんやかんやでがんばります。 余談。 ・t0 L0veるのDVD付き初回限定版。背表紙はおにゃのこver.のリト君… →を見て、おにゃのこ綱吉を妄想。(ツナ…早くホルホルの実の能力でにょた化せぬか…(←バカ) ・再アニメ化。 →ハガネ兄弟は愛だと再認識。(←?)
2009年04月07日
コメント(0)
※珍しくリボーン以外。※Dグレ。ラビアレ?@4月1日「アッレーン♪」「はひ?なんれふは、らひ?(はい?なんですか、ラビ?)」「口ん中いっぱいにしたまんま喋んな、モヤシ」「もやひやありまへん、はかんは(もやしじゃありません、バ神田)」「…んだと?」「こほはっふん(このぱっつん)」「はいはいケンカしないのー!ユウはソバ食い終わったんなら退散するさー!」「オレに触るな!」「もーアレンったらーvvほっぺたにおべんとついてるぞ?」「すひはふぇん(すいません)…で?なんの用ですか?ラビ」「アレン…相変わらず冷たいさ!オレ、長期任務から久しぶりに帰ってきたってのにさ!」「そうでしたっけ?」「そうさ!さぁ、久しぶりの再会に熱い抱擁を!」「あーお疲れ様です。肉まん、食べます?」「おーあんがと…じゃなくって!」「ふぁい?(はい?)」「もう食ってるし!そうじゃなくってさ?アレン。今日はオレからプレゼントがあります!」「ごっくん…プレゼント…?」「はい、これ」「…これが?」「…んだぁ?そのしなびた塊は…」「ふふふ…アレン、みたらし団子のなる木って知ってるか?」「…はぁあ?」「えーっと…ラビ、みたらし団子は木になるものじゃありませんよ?さすがに僕でも知ってます」「チッチッチ!アレン、それは違うのさ…」「え?」「みたらし団子とは!古来、極東の島国の一部にしか自生しない、幻の木・みたらし樹の実を模して作られたものなのさ!」「んなバカな…オレは聞いたことないぜ!」「あーおバカなユウは知らないくても無理ないんさ!」「んだと!?このバカうさぎ!」「実は、みたらし樹については、国の成り立ちを示した国最古の古文書に記述があるだけ…そこにはその実の柔らかさと弾力…滴る蜜の甘さは、食した人間を天にも昇る気分にさせると記されていた…」「ご、ごっくん…っ」「その数行の記述を元に多くの一流菓子職人が、数百年の時をかけてみたらし団子を作りまくった…だが完全に再現はできなかった…」「今でも十分おいしいのに!?」「あぁ…だから最近までは、みたらし樹は伝説やおとぎ話だと思われてたんさ…だがオレは諦めなかった!風の噂を頼りに、海を越え山に分け入り…虎と格闘しパンダに襲われ…」「ラビ…なんでそこまで!」「全てはアレン…可愛いお前のためさ…」「ラ、ラビ…」「だぁあ!ウゼェ!んで見つかったのか?見つかんなかったのか?結論言いやがれ!」「せっかちさんのユウは黙って!そう…オレは何年もかかってついに…ッ!」「ついに…みたらし団子の木を見つけたんですか!?」「あぁ!」「それから…どうしたんですか!?」「証拠写真があるんだぜ?…ほら!」「おぉお…ラビの後ろにっ…い、一面にみたらし団子が……!!」「な?スゴいだろ!?」「バカうさぎが…このエセ紳士がそんなヨタ話に引っかかる訳が…」「ラビ…こんなにたくさんみたらし団子が自生してるのに…おみやげはないんですか……!?」「信じやがった!?」「返答次第では神ノ道化で斬りかかりますよ…?」「大丈夫さアレン!実よりもいいもんがあるんさ!」「そんなのが?萎びた塊にしか見えな…はっ!まさか……」「そう…春になったらたわわにみたらし団子の実がなる、みたらし樹の希少な種さ!」「これが…これを植えたら一面のみたらし団子の実が…!」「これ…アレンにやるさ…」「本当に!?」「あぁ…全ては可愛いアレンのため…!」「ありがとうございます、ラビ!」「愛してる?」「愛してます!ラビ、大好き!!ありがとうっ」「じゃあオレに熱いチッスを、」「じゃ、さっそく鉢植えと土とじょうろ、どっかでもらってきます!」「あっ…アレ、」「あっ、ジェリーさん、ごちそうさまでしたぁーッ!じゃ、ラビ。また今度ー!」「……あ、相変わらず冷たいさ…」「…で?」「ん?なに?」「ありゃ一体全体なんの種だ?」「あれ?ユウは信じないんさ?」「んな話信じるかっ!」「―…おーい!ラビ!」「おぅ、ジョニー!」「どうだった?首尾は。アレン、信じた?」「ばっちりさ!協力感謝!」「協力だと…?」「うん。写真の合成」「ってことは…やっぱり嘘なんじゃねぇか!」「今日だけは嘘ついても許されるの!」「ラビから発案があってさ!面白そうだったからつい…でも、まさかアレンが信じるなんてなー…」「さすが食いしん坊…」「後でバレたらマジでぶっ殺されるぞ?バカうさぎ」「アレンも英国紳士なら、きっと広い心で許してくれるさ!」「いやアイツは英国紳士じゃないし…多分アレの食い物の恨みは末代まで祟ると思…って。おいコラ聞きやがれバカうさぎ」「『愛してます!ラビ、大好き!!ありがとうっ』」「これ(アレンの録音ボイス)があれば…1人ぼっちの朝昼晩も寂しくないさー!」※四月馬鹿。※元ネタは4月1日にスパゲッティのパスタが木になるつー嘘を報じ、それをけっこーな人が信じたつー英の話から。※アレン君は他の嘘には騙されなくても、食い気の話だけは騙されると信じている。※この後、嘘がバレたラビが3ヵ月くらいアレン君と口きいてもらえなくなったり、今度は神田が蕎麦のなる木を探しに行ったり。 水曜日です。 シマッタ!4月1日なのに嘘をつき損ねた…!庄次郎でした。 ちょっとショックだ…えっと…今からでも嘘、間に合わないかな…(アセアセ) えっと… 水曜発売のクセに日曜日って名前の雑誌のあるマンガで、男の子主人公が変態男にブッチュー!てされてたヨ! ……ごめんなさい。 何がごめんなさいって、とらうまいすた…今、メチャクチャシリアスな展開なのに… あ。これは本当の話ですよー。 あの方向性の変態、リボーンにも出てこないかな? ええっと… 今週のじゃぷーんで、綱吉が正一くんとチューしたよ!(なぜ正チャン?)(←庄次郎の希望)
2009年04月01日
コメント(0)
※リボーン二次小ネタ。実験的。※メル友なムクツナ。X/X(Mon) 19:39from : ムクロ件名 : Re.本文 : この間はメールをありがとうございます。月がとても綺麗に撮れていますね。X/X(Mon) 19:42from : ツナ件名 : Re.本文 : この間満月がきれいだったから、ムクロさんに見せたくて写メったんだ。前にムクロさん日本の月をちゃんと見たことないって言ってたでしょ?オレ的の腕じゃうまく撮れなかったんだけど…喜んでもらえて良かった!ところで今度の学校にはもう慣れた?X/X(Mon) 19:46from : ムクロ件名 : Re.本文 : 日本は月も花も美しいです。僕は初めてこの国に来た時感動しました。日本の学校にも大分慣れました。今日も先輩たちがとても優しくてくれました。ケンとチクサも慣れない土地で最初はぐったりしていましたが、今ではすっかり元気です。ツナくんはどうですか?あの厳しい家庭教師の先生とはうまくやっていますか?(笑)X/X(Mon) 19:52from : ツナ件名 : Re.本文 : ケンとチクサ、大丈夫?今年の夏は特に暑かったし、犬にはちょっと厳しかったんじゃないかな?先生のことは言わないで!(笑)昨日もメチャクチャしごかれたんだよー。問題を一問間違える度に殴られたり蹴られたり…相変わらずスパルタなんだから!X/X(Mon) 19:54from : ムクロ件名 : Re.本文 : 日本の家庭教師ってそこまで厳しいんですか!?ツナくん、怪我などしていませんか?そんな厳しい先生なら、お母さんに言って辞めさせたらどうですか?X/X(Mon) 20:05from : ツナ件名 : Re.本文 : 日本の家庭教師つーか…ウチの先生が特別変なだけだよ。怪我してないよ。ムクロさん、心配してくれてありがとう!>そんな厳しい先生なら、お母さんに言って辞めさせたらどうですか?それができたら苦労しないって!母さんは一応先生の見方だし…それに、なんだかんだ言っても先生が来てから友だちは増えたし、好きな子とも話せるようになったし、オレは「ふぅー…いい湯だったぜ」「リボーン。もう風呂から上がったのかよ」「おぅ…ツナ、テメェもとっとと入ってこい。メールなんかしてねぇで」「分かってるよ。今友だちにメール返してるんだから!えーっと…」「友だちって獄寺か?山本か?まさか…京子じゃねぇよな?」「ばっ…ち、違うよ!いーからあっち行けよ!」「はん!お前みたいなヘタレが女とメールできるなんぞ思ってねぇよ」「だから違うっての!た、確かに大切な友だちだけど…」「ふん…風呂から上がったら特訓の続きすんぞ」「げぇ!?」オレは先生に感謝してるよ。ちょびっとだけね(笑)ウワサをすれば先生だ。お風呂入ったらまた勉強だって…やんなっちゃうよ!じゃあまたメールするね!おやすみなさい-END-X/X(Mon) 20:15from : ムクロ件名 : Re.本文 : おやすみなさい、ツナくん。僕もまたメールします。PS.さっきのメール、「見方」ではなく「味方」ではないですか(笑)-END-「…骸しゃーん。またケータイつついてるんれすか~?」「今日はこれで終わりです」「まぐろとまだメールしてるんれすか~?最近まぐろとメールしすぎれすよー!」「おやおや…ツナくんにばかり構うからすねてるんですか?犬」「ち、違うびょん!あいつ、オレと柿ピんこと犬猫らと思ってるんでしょ?ムカつくだけだびょん!」「それは彼が勝手に勘違いして、僕が訂正してないからですが?」「そこ!訂正しましょーよ!」「………」「おや…?千種もかまってほしいんですか?」「いえ…ただ…意外で」「意外?何がですか?」「ケータイを拾われたらすぐ彼と契約するよう動くと思ったのですが…当初より彼にこだわりがあるように見えます」「…彼は僕の玩具ですよ。君たちと同じに…それに何か不服でも?」「いえ…忘れて下さい、骸様。それより…この男たちはどうしましょうか?」「あぁ…先輩たちはそこら辺に転がしておきなさい。はぁ…僕もそろそろお風呂に入りたいです」「げぇ!オレ、風呂嫌いれす!」「犬、入れよ。汗かいたし、お前臭い」「臭くないってーの!」「ダメですよー。今日はさすがにシャワーぐらい浴びなきゃ…血の匂いが酷い」※※※X/X(Tue) 17:48from : ツナ件名 : Re.本文 : >PS.さっきのメール、「見方」ではなく「味方」ではないですか(笑)ぎゃっ!この間のメール、字を間違えてた!?は、恥ずかしい…!日本人として恥ずかし過ぎる…穴に入りたい!X/X(Tue) 17:58from : ムクロ件名 : Re.本文 : 恥ずかしがることありませんよ。僕は家庭の事情であちこち巡ってきましたから慣れてるだけです。X/X(Tue) 18:01from : ツナ件名 : Re.本文 : 今じゃムクロさんの方が日本語上手なんだもんなー…オレにも、ムクロさんみたいな頭の良さがちょこっとでもあればいいのになぁ…X/X(Tue) 18:08from : ムクロ件名 : Re.本文 : 君は学校の成績なんか悪くても気にしなくていいんですよ。君は素敵な人です。X/X(Tue) 18:10from : ツナ件名 : Re.本文 : う…嬉しいけど…嬉しくない!(笑)X/X(Tue) 18:13from : ムクロ件名 : Re.本文 : まぁ僕は頭がいいですが、やはり家庭の事情には逆らえません。今度、また引っ越すことになりました。X/X(Tue) 18:11from : ツナ件名 : Re.本文 : >まぁ僕は頭がいいですがちょっとはエンリョしようよ!(笑)って本当に?次はどこへ引っ越すの?X/X(Tue) 18:13from : ムクロ件名 : Re.本文 : 今の町も大分慣れてきたから寂しい限りですよ。次はXX区にある黒曜町へ引っ越すことになりました。X/X(Tue) 18:15from : ツナ件名 : Re.本文 : ちょっと待って、本当に!?黒曜町ってXXの?X/X(Tue) 18:17from : ムクロ件名 : Re.本文 : そうですね。黒曜町のこと、ご存知なんですか?X/X(Tue) 18:20from : 件名 : Re.本文 : 知ってるも何も黒曜はオレの町のとなりだよ!あ。オレは黒曜のとなりの並盛町に住んでるんだけど…すごい!こんな偶然あるんだ!!X/X(Tue) 18:22from : ムクロ件名 : Re.本文 : 本当に?奇跡のような偶然ですね!X/X(Tue) 18:28from : ツナ件名 : Re.本文 : すごくびっくりした~。でも黒曜中って実は不良の巣窟ってウワサがあるんだよ?ムクロさん大丈夫かな?育ち良さそうだから心配だよ!X/X(Tue) 18:30from : ムクロ件名 : Re.本文 : 大丈夫ですよ(笑)実は今日、黒曜中学へ下見に行きました。あそこの制服が気に入りました。君の学校こそ!風紀委員って優等生の集団のはずでしょ?なのに不良が取りしきってるなんて…変じゃないですか?X/X(Tue) 18:35from : ツナ件名 : Re.本文 : 黒曜の制服って学ランみたいなヤツだっけ?ちなみにウチはブレザーだよ。風紀委員長のヒバリさんは確かに怖いけど、とっても強くってカッコいいんだ!ヒバリさんがいるから色々守られてるんだよ。良かったら今度、オレが町を案内しようか?X/X(Tue) 18:43from : ムクロ件名 : Re.本文 : 案内してくれますか?忙しいんじゃないですか?X/X(Tue) 18:45from : ツナ件名 : Re.本文 : 案内というか…それもあるけど、オレがムクロさんに会いたいんだ。ムクロさんがいて相談に乗ってくれたからこの一年、オレ頑張れたと思う。だから直接会って、お礼を言いたいです。…ダメかな?X/X(Tue) 18:59from : ムクロ件名 : Re.本文 : ダメじゃありませんよ。僕だって会いたいです。君と直接会って、話がしたい。でも怖いです。X/X(Tue) 19:00from : ツナ件名 : Re.本文 : どうして?何が怖いんですか?X/X(Tue) 19:08from : ムクロ件名 : Re.本文 : 君と会うのが怖いです。本当の僕を見て…君が失望しないか…怖いです。X/X(Tue) 19:09from : ツナ件名 : Re.本文 : それはオレのセリフだし!(笑)大丈夫だよ。むしろオレの方が、本当は全然ダメなヤツだから…ムクロさんをがっかりさせないか心配だよX/X(Tue) 19:11from : ムクロ件名 : Re.本文 : 君に会って僕が失望するなんてあり得ません!断言します。X/X(Tue) 19:15from : ツナ件名 : Re.本文 : ありがとう!照れるけど嬉しい。でもムクロさんと同じぐらい、オレも失望しない自信があるよ。だから会いましょう。会いたいです。X/X(Tue) 18:17from : 件名 : Re.本文 : ありがとうございます。とても嬉しいです。会いに行きます。必ず。その前に、ツナくんの本名を聞いてもいいですか?まだ聞いてないので…X/X(Tue) 18:20from : 件名 : Re.本文 : あ!そういえば不思議ですねー。こうやって一年以上メール交換してるのに、お互いの本名を知らないって(笑)オレの本当の名前は、※※※「……沢田綱吉くん?」「もしかして…ムクロ、さん?」「はい。僕が骸です」「び…びっくりした!なんかスゲェ目立つ人が近づいてくるから…びっくりしたー」「改めてはじめまして、六道骸です」「あ、どうも…はじめまして。沢田綱吉です」「……」「……」「なんだか…変な感じだな」「そうですね…」「えっと…変わった名前だね?」「そうですか?」「そう。それと…目。それ、カラコンですか?」「…いいえ。これ、自前なんですよ」「うそ!本当に?」「本当ですよ」「そっかぁー…不思議。きれいな色ですね」「…そう思いますか?」「うん」「本当に?」「うそ言ってどうするんですか!」「いえ…変わってると言われたことはありますが…そう言われたのは初めてです」「そうなんだ?オレは好きだな…うん。好きだ」「ありがとうございます。ツナくんは…僕の思った通りの人ですね」「本当に?」「はい…僕は好きです」「は…て、照れるからやめて下さいって!」「クフフ…とりあえず、どこかに入ってゆっくりしませんか?綱吉くん」「うん!行こう」※2人とも、普通の中学生…と見せかけ、ボス候補と逃亡者。※骸さんとツナがメル友になったのは、ツナがリボーンに会う前。※骸さんはその少し前に脱獄。犬と千種率いて血まみれの逃亡生活中、ケータイを強奪。持ち主はワンクリック詐欺のため使ってた。※そこで真似をして「遊び」思いつく。※骸は帰国子女のフリし「日本語教えてください」と無作為にメール → お人好し、まんまと釣れる → 近づいて契約。※だが釣れたのはツナ。骸、当初の目的外れ、ツナに惹かれる。友情築く。※骸とツナは互いの立場を知らないまま友情を結んだらどうなるのかな…と、ここかららぶに発展させられるのか?と悩みながら書きました。 ケータイメールでよく使う顔文字は↑(タイトル参考)の、庄次郎でした。(ちなみに骸とツナは顔文字を使うかでも悩みました…バイトの人に聞いたら、男の人もやっぱケースバイケースとのこと) それから、いつもコメントレスとかしなくてごめんなさい(汗)。今さらですが、レスはその内に! ちなみにこの小ネタ思いついたのは私書箱に怪しいメールが2通ほど届いたからなんですが… 明らかに怪しいメールぽかったんで、ほいほいメール返してたら、完熟四十路セレブとか熟れ熟れ小悪魔な新妻とかからのメールでフォルダがいっぱいになってたと思います!(まぁ新妻ツナとか小悪魔ツナからのメールは大歓迎ですが!) ツナはワンクリ詐欺…うん。引っかかりそうだな!と思いつつ…
2009年03月22日
コメント(0)
※という名のリボーン小ネタ。※こんな真相↓ならいいな…(希望)※コミック派の方にはネタバレ! ボンゴレファミリー十代目ボス・沢田綱吉――ことツナが、並盛高校を卒業した春のこと。「ツナ!」 大学入学の準備と平行し、ひっそりマフィアのボス課題(やりたくない…けどやらないと家庭教師に殺られる!)をしていたツナの元に、突然兄貴分のディーノが訪ねてきた。「久しぶりー」「お、お久しぶりです…」 両頬に音を立ててキス。と、熱烈な抱擁。 久しぶりに会ったマフィアの兄貴分は、最初の出会いから数年経た今も変わらず格好良く、むしろその美貌に男性らしい色気まで加わっている。だから、イタリア式の過剰な親愛表現はちょっと赤面ものだった。「き、今日はどうされたんですか?」「ん?あぁそうそう!」 ディーノはツナの手を握ったまま、ニコニコ笑っていた。「今日はプレゼントがあって来たんだ」「プレゼント?」 首をちょこんと傾げたツナの手に握らされたのは、カギだった。平べったく、プレゼントらしいリボンまでかかっている。「?これ、なんのカギですか?」「うん。ちょい、こっちこっち」「?」 腕を引かれるまま家の外へ出たツナが見たのは、「こ、これは…!」 それは、日本の一般家庭の前に停まるにはまるで不似合いなバイク(と、そのそばに控えるディーノの部下・渋い中年男のロマーリオ)だった。 やけにゴツくて真っ赤な車体に記されたロゴは、マシンに疎いツナですら知っている某有名メーカーのもので。「かっちょいいだろー?ちょっとしたヴィンテージ物なんだぜ」 同じメーカーから出ているスポーツカーを乗り回すキャバッローネファミリーボス・跳ね馬のディーノは、嬉しそうにバイクのシートをばしばしと叩いた。「た、確かにカッコいいですけどっ…これ、って…まさか…」 嫌な予感がした。「オレから愛しの弟分へ、高校卒業祝いと大学入学祝いだ!」「やっぱりオレにですか!?」 予想通りの返答にツナはドン引きした。「も、もらえないですよ!こんな高価なものッ!」「遠慮すんなって!ツナは可愛いなー」「そ、そうじゃなくって…」 ハハハと笑い、ディーノはツナの頭をかき混ぜるが、笑い事ではない。 贈り物を貰うのは嬉しい。ツナだって男だから、カッコいいものに憧れる気持ちだってあるし、最近、誰かに「そろそろバイクの免許でも取ろうかな…」とか、漏らした覚えもある。 だが庶民的感覚を持つツナの神経は、こんな高額な贈り物を平気で貰えるほど図太くなかった。 そんな弟分のひきつった顔に気づかないディーノは、ニコニコ顔のまま勧める。「まぁ試しに乗ってみろよ」「えぇ!?いや、だからオレはっ…」「ほらほら!」 有無を言わさず両脇を兄貴分に抱えら、バイクのシートに座らされた。「どうだ?ツナ、乗り心地は?」 兄貴分はきらきらした笑顔を向けてくる。 しかしツナは、申し訳ない事実を告げなければならなかった。「あ…足が…」「足?」「じ…地面に、届きません……」 その後、ディーノはえらく落ち込んで、そのまま帰った。有名メーカーのバイクは置いたままだ。 落ち込みたいのはツナの方なのに… それから、乗れないバイクが自分の自転車(中学生の時から愛用)と一緒に家のガレージに並んでいる様を見る度、ツナは苦笑するしか出来なかった。 だが、話はそれだけでは終わらなかった… むしろ、これは序章に過ぎなかった…― それから1週間後。「ちょっと」 建造中のボンゴレ日本支部地下アジトの下見に行ったツナは、呼び止められた。「ヒ、ヒバリさん!」 呼び止めたのは、一足先に並高を卒業した先輩だった。「やぁ。元気かい?」 以前は学ランを肩に羽織っていたが、スタンダードなスーツも、細身な身体によく似合った。 今は何をしているのか…噂では並中風紀委員を母体にした組織を起こしたらしいが、その実態はマフィアのボス候補のツナですら謎だった。 ただ、これから起こることのためにはどうしても雲雀の協力が必要だったし、今のところツナと雲雀の利害は一致していた。「ど、どうしたんですか?今日は…」 だがこの日、雲雀と会う予定ではなかったから、ツナは困惑した。 雲雀は、いつも涼しげな目元をわずかに細め、ツナを見下ろした。「うん。これ、君に」 雲雀が差し出したものを何気なく見て、ツナは固まった。 カギだった。握りの部分には、これまた見たことのあるロゴ。「そ、そのカギは…」 雲雀はにやり、と笑う。何故か、ツナの驚愕した表情をプラスの意味で取ったらしい。「君が免許を取ろうとしてるって赤ん坊から聞いてね。ちょうど僕が小学生の時乗ってたのが倉庫でほこり被ってたから、よかったらあげるよ…草壁」 雲雀が指を鳴らすと、元風紀委員副委員長・草壁が、黒いクラシカルな形態の二輪車…つまりバイクを押してきたから、綱吉の顔がさらに凍りついた。「その…ヒ、ヒバリさん。贈り物を頂けるのは、ありがたいんですが…正直…」 小学生の時ですか!などのツッコミさえ忘れ、ツナは雲雀とカギとバイクから距離を取ろうと、じりじり下がった。「…なに?」 ギラリ、と雲雀の黒目が煌めいた。「あの跳ね馬からの贈り物は受け取れて…僕からの贈り物は受け取れないっての……?」 雲雀の背後に紫の怪しげな炎が見える…のは、全然目の錯覚などではない。雲雀の指には特徴的なデザインの指輪がはまっている。ツナは慌てて頭を下げた。「めめめめっそうもありませんッ!ありがたく頂きます!」「…そう?」 その一言で雲雀は、取り出したトンファーを再び匣にしまった。「ならいい…最初から素直に受け取りなよ」 そう言いながら、ぎゅーっとツナの手のひらにカギを押しつけた。「僕の愛車と同じシリーズのなんだけど、女子でも乗れるぐらい軽い調整がしてあって…まぁ、君は小さいし足も短いからちょうどいいだろ?」「あ…あははは、は…」 上機嫌で解説をする雲雀の声もろくに耳に入らない。ツナはこっそり、涙を飲んだ。 そして赤い車体の隣に黒い車体が加わった。 それから1ヶ月間… どこからか噂を聞きつけた守護者たちが、次々とツナの元を訪ね、競うようにバイクをプレゼントしてきた。 獄寺が「オレがもっともっとカッコいいの贈りますから!」と持ってきたバイクには、派手な髑髏のカラーリングがしてあった。 「オレが図案のデザインからカラーリングまでしました!」とか言い出した時には涙が出た…重すぎる。 「オレも負けらんねぇな!」と例の如く妙な負けず嫌いを発揮した山本までやって来た。 「知り合いのオヤジに頼んで安く譲って貰ったのなー」との言葉通り、マンガみたいに小さくて可愛いデザインに、中古らしい使い古した車体だった。さすがに山本は…と安心し、ツナはバイクを受け取った。 しかし、後から実はとんでもないヴィンテージものだと判明し、マニア間での価格を聞いてひっくり返った。「き、君のためじゃないんですよ!要らなくなったから処分するのもお金かかるし…君にあげるだけです!まぁそれでもあのトリ男や跳ね馬のより乗り心地はいいでしょうが!?」 とか言いながら、骸がバイクの新車を持ってきた頃には、何も言えなくなっていた。 それから、何故か自転車も貰った。ベースは某ドラマで主演俳優が乗り回していた有名メーカーの自転車なのに、ハンドルの端についたボタンを押すとミサイルが飛び出すという、余計な改造がしてあった。 心底要らなかったが、送り主のランボが「や、やっぱりオレからのは受け取れないんですね…ガ、ガ・マ・ン…ッ~!」とか泣き出すから、受け取らざるを得なかった。 しかし、それらはまだ可愛い方だった。 極めつけはある休日…久しぶりに綱吉が1人、居間で寝転がってテレビを見ていた時。 休日の昼間なのに、やけに外が騒がしかった。 まるで暴走族が傍若無人に街中を走り回っているような騒音は、徐々に沢田家に近づいてきた。その辺りで、ツナは嫌な予感に駆られて立ち上がった。「…ッ!?」 そして、ついに爆音が窓を突き破った。 それまでツナがいた場所に、欠片となった窓ガラスが降り注ぎ、それを黒い塊たちが踏み潰した。「な……ッ!?」 突っ込んできたのは、獣の唸り声のような低振動を立て、獣の瞳のように爛々とランプを輝かせたバイク。 跨がるのは特殊暗殺部隊・ヴァリアーの隊員たち…かつてリングを巡り争った幹部が勢ぞろいだ。 もちろん、幹部連中を率い、列の先頭でバイクに跨がるのは、「ザ、ザンザス…ッ」 ヴァリアーのボス・ザンザスの、殺人光線でも放ってるんじゃないかと思える目つきの悪さには今さら怯まない。が、多勢に無勢…「沢田綱吉…!」 殺られる…!ツナの背中を冷たい汗が伝った。「………」 ザンザスが腕を振り上げた。その場の緊張がピークに達する。 ザンザスの投げた物が、コトンと小さな音を立て、机の上に落下した。 それは、ツヤツヤしたリボンのかかったカギだった。「………は?」 幹部たちも、次々とカギを置く。「ちょ、なに、これ…ま…まさか……?」 ザンザスを見上げるが、目が合うと逸らされた。「施しだ…受けとれ、ドカスがっ!」 あまりの衝撃に、ツナは硬直した。「いや~んvvボスから愛されてるわねvv」「ししし…まぁ、精々乗りこなしてみれば~?」「ぅ゛お゛ぃ゛!……まぁ…頑張れや?」 その頭を、オカマや自称王子や鮫がぽんぽんと撫で、ザンザスの後に続いて出ていったが、見送るしか出来なかった… ヴァリアーは去った…7つのカギと、7台のバイクを置いたまま……徒歩で。 ついでに家の庭と居間もしばらく使えなくなった。それは後で請求できたからよかったが、ツナはこのことを夢にまで見た。 バイクが飛び込んできた瞬間ではない。 ザンザスの、頬や耳から首筋にかけてのラインがやけに赤かったように見えた…それは夜のせいだ、目の錯覚だ!と…思いたい。「もうイヤだッ!」「綱吉くん…」 それからも守護者や仲間たちからの、バイクプレゼント攻撃は止まず、かといって誰1人返品も受けつけない。ツナは泣き寝入りするしか出来なかった。 打倒ミルフィオーレのための計画立案をしていた密会の最中、そんな愚痴を思わずこぼしたツナの背中を、入江正一は慰めた。「これ…役に立つか分からないけど…」 そ…と、正一が差し出したのは車の免許の試験問題集だった。 これが一番嬉しかった。おかげで無事、二輪車免許の学科試験をパスした。(ちなみに実技の指導は家庭教師の担当だったが…相変わらずスパルタで大変な目に遭った…)(そして免許を取ったその日にリボーンから、「祝いだゾ。受け取れ」と、またバイクを貰った…これは確実に嫌がらせだと断言できる。) 結果、ツナは建造中だったボンゴレアジトに急遽バイクのコレクションルームを作るよう、設計責任者のジャンニーニに指示した。 全てのバイクたち(揃いも揃って無駄に名車ばかり!)を納めるには、日本の一般家庭である沢田家のガレージは狭すぎたのだ。 だがその頃のツナはまだ知らない… それらのバイクが、十年前の自分が戦うための力となるとは……。※地下アジトやら正一くんやらはまだ納得できる…けどバイクは…「いったい10年の間にツッくんの身に何が起きたのッ!?」という感じだった…※ので、妄想。きっとみんな、競ってツッくんに貢ぐヨ!※余談だけどバイクとか車雑誌ってキレイなお姉さんがセクシーな格好して乗ってる表紙が多い。※しゃらんら~♪とカッコ良く綺麗に、プリテーかつセクシーに成長した綱吉がバイクに跨がる…それはそれでもえるけど…!
2009年03月12日
コメント(1)
※バカなタイトルとは無関係。リボーン小ネタ。※ある意味実話の5927。 アパートの古びた階段は鉄錆びていて、獄寺が登る度に軋む。 築数十年のアパートは、薄い扉と汚れた壁は強度も防音も最低。歪んで開きにくい郵便受けの中は、いつも勧誘のチラシでいっぱい。 アパートと住人から漂うのは、衰退と荒廃の気配ばかり。 しかしこのアパートと部屋を見た主は、「ここがいい」と言った。だから、獄寺隼人にとって、それが絶対なのだ。「ただいま帰りました!」 靴を脱いでいると、奥の部屋で立ち上がる気配。続いて戸を引く音。「おかえりなさい。獄寺くん」 沢田綱吉が、ふわりと、つぼむ花が開く瞬間のように笑う。愛しい人。「あ…っ」「十代目ッ!」 と、主が小さくつまづきかける。獄寺は慌てて駆け寄り、薄い肩を抱き止めた。「大丈夫っスかッ十代目!」「うん…あ、ありがとう…獄寺くん」 畳の上に座らせる。「寝てないとダメじゃないスか!」「でも今日は少し体調もいいし…それに、良い天気だったから布団干しちゃった」 綱吉が目を向ける部屋の、ささくれた畳の上に、傾いた陽光が射す。「ダメだった…?」 イタズラをした子どものような目で言われると、獄寺は弱い。「そんなことありません!でも、外はまだ寒いですから…もう少し温かくなったら出かけましょう」「弁当でも持って?」 頷くと、綱吉は柔らかく微笑んだ。「そうだね…それより、今日はどうだった?」「はい!いい食材が手に入りましたよー!」 牛乳に卵はタイムセールの品。ネギに、じゃがいもやトマト、にんじんは八百屋で。近くの魚屋では、旬の魚を安く手に入れた。 買い物袋の中から次々出てくる戦利品に、綱吉が目を見開く。「こんなにたくさん…重かったでしょ?」「まったく!」 事実、苦にならないのだ。家で待っていてくれる人がいると思うと、ついあれもこれもと買いすぎてしまう。「八百屋でクソオヤジがおまけしてくれたんっス!今、リンゴを剥きますね!」「じゃあウサギ型にして?」「了解っス!」 おねだりに、獄寺は張りきる。小さな果物ナイフでへたを落とし、皮に切れ込みを入れる。「獄寺くんは本当に器用だねー」「お褒めにあずかり光栄っス!」 すぐに、跳ねるうさぎリンゴが2、3匹完成する。「はい。どうぞ」「ん」 獄寺は、綱吉の口元へウサギを運ぶ。綱吉が、雛鳥のように口を開けて咀嚼する。 昔は恥ずかしがるばかりだった主だが、最近は素直に甘えてくれる。獄寺には、それが嬉しい。「うまいっスか?」「ん…おいしい!すっごい甘いよ」「そりゃそうっスよ!オレが選んだんスから!」「さっき、八百屋のおじさんがオマケしてくれたって言ってなかった?」 他愛のないやり取りで笑い合う。 だが、綱吉が急に咳き込み、会話が途切れる。「十代目ッ!」「だ、っだいじょ、ぶ…ッげほげほ!」「大丈夫じゃないでしょう!」 獄寺は綱吉の背中をなでた。触れた体がほんのりと熱い。最近は熱がずっと下がらないままで、獄寺は顔をくもらせた。「やっぱり熱が…横になった方がいいっス!今布団敷きますから!」「ご、ごめん…げほっ」 干したばかりの布団からは温かい匂いがした。布団を敷き、そこへ綱吉を横たわらせる。 綱吉は枕に頬をすり寄せ、上目遣いで見上げてくる。「ごめんね…獄寺くん…」「それは言わない約束です、十代目」 優しく微笑み、布団をかけ直す。「さ、待ってて下さい。腕によりをかけて精のつく夕飯、作りますよー!」 台所に向かう。準備を始める。 ふいに、ガタガタと窓枠や窓ガラスが振動した。すぐ裏手を通る路線を、電車が通過する度、アパートは軋む。「十代目、電車うるさくないすか?」 電車が遠ざかる気配と逆に、後ろに人の立つ気配がした。「…大丈夫」 返事は真後ろからあった。それから、腹に腕が回る。「十代目?寝てないと…それに今、包丁使ってるから危な、」「獄寺くん……ボンゴレをよろしくね」 野菜を刻む音が止んだ。しん、と音がなくなった。「止めて下さい…っ」 手を止めて、獄寺はうつ向く。「それだけはっ…その命令だけは聞けません…聞きたくありませんッ!」 他の命令なら、なんでも遂行する。 現に今、ボンゴレを裏切って、獄寺はここにいる。 今の綱吉が…あの名医ですら治せない、不治の病に伏した主が望んだ――「ここで死ぬのは嫌だ」と。「オレは沢田さんのいないボンゴレなんて…っ」「隼人くん」 頬に、綱吉の手が触れる。痩せた、温かい手。 綱吉の声は静かだった。けれど、獄寺にはそれだけでも十分。だから。「お願いです…それだけは勘弁して下さい…っ」 この十年。共に過ごした年月、彼を動かしてきた声。 けれど今。獄寺はその声に抗うため、歯を食い縛る。「でも…こんなこと頼めるのは君しか…右腕の君しか、いないんだ」 小さな熱。細い両腕。背中から獄寺を抱きしめる主は、獄寺が抗っていることを、知っている。 狡い人。でも、愛しい人。「頼むよ…泣かないで。隼人くん」 緑の目から大粒の涙がこぼれ、台所の排水口に流れた。※※※「じゅうぅうだぁいめぇえぇぇっのぉお…っだめにぃい…!!」「―…す、すごいね…獄寺くん、鬼気迫ってるって言うか…」「ハハハ!確かに獄寺、怖いのなー!」 涙と鼻水を盛大に流し歌う獄寺の姿に、歌本を見ながら選曲をしていた綱吉はちょっと引いた。山本はのんきに笑うばかりだ。「それにしても…歌流れる時の映像って、変なの多いね…」「なのなー。あ!次、オレなー」 ちなみに、並盛町内某所のカラオケボックスでは今日、貸し切りだった。何故か特訓と称したカラオケ大会が催されていた。※ごっくの妄想でしたというオチ…※でもごっくのキャラソンでこんな↑映像が流れたのは実話。※小ネタおまけ。※Wパロ注意。「…聞いてくれてサンキューな!」「ち…山本のくせに…っ」「えーっと…次は?誰だよ、この曲入れたの」「オレだぞ」「なんだ。リボーンかよ」「あぁん?オレが歌うのじゃ不満だってのか?」「いだだ!マイク突き刺すな!…だってさー。どんなにリボーンがなんでもできてもお前、赤ん坊じゃん?」「!!」「声ばっかりはどうしようもないし…」「……くふふ」「…リ、リボーン!?」「ふ…そんなに言うならオレの本気を見せつけてやるゾ…それまでは眠れないと思え」「なんか聞いたことあるセリフ…ご、ごめんなさいっ。謝るから!やっぱなんかすごい寒気とかイヤな予感とかするから止めっ…」「いっくわよー!」 Bomb☆「『抱きしめてー!銀河の果てまでー!!』…これならどうだ?」「ででで……っ」「おー。小僧、いきなりでかくなったなー」「大人版リボーンさん!渋いっスッ!」「チャオっス」「「ちゃおース!」」「その声でチャオっスって言っちゃうのかよ!?え、音声と映像でお伝え出来なくて非常に残念ですっ!」「惚れてもいいんだぞ?ツナ」「いやいや惚れないし!」「可愛げがないな…」「お前こそ、その姿可愛げのカケラもねーよ!」「先生に向かってその態度…なってないな。これは…仕置きが必要か?」「ちょ、なんでレオンをムチに変形させんの?なんでオレに向けんの!?」「いいから黙って…俺の歌を聞けー!」 ぴしーん!!「ギャーッ!!たーすーけーてー!!」 ボンゴレファミリーで貸し切り中の並盛町内某カラオケボックスに、綱吉の悲鳴が響いた…※キラッ☆と、くだくだで終わる。※あのドS声であんなセリフ言ったらスゲェ破壊力だろうなという妄想。※※※ 月曜日です。 この日曜、柚さんのお誘いでリボコン行きました!庄次郎です。 ↑ネタは、小ネタと言いつつ、また長い話になってしまった… 以前カラオケに行った時、去年のごっくのキャラソンで、本当に↑みたいな映像が流れたことがあったんです…リボコン行く前から温めてたネタですが、なんかタイミング良い?のでup。 ついでに。以下、リボコンレポートです。 リボコン2009in横浜、すごく楽しかったです! まずグッズ販売の列にびっくり…結構朝早くだったにも関わらず、すでに数十m並んでいました… 自分は結局コンサートグッズは買わなかったのですが、ペンライトが品切れする度、悲鳴があがってました…(7色中、オレンジがいっちゃん先になくなった…さすが!) お客さんは女性…特に中高生がほとんどで、コンサート前後、最中も、テンションの高さに、20ぴー歳の自分は圧倒されっぱなし… コンサートの内容自体は新曲中心で、みんな十年後未来編に合わせてちょっとシリアス?シックな曲調のが多かった…(発売前のムックの新曲は、また「クフフ☆」な方向性だと思ってたので特にびっくり…ヒバリさんも…) トークとパフォーマンスも、とにかく面白くて楽しかった! ルッス役の湯澤さんがルッス姐風衣装だったり、ハル役のさんが北のデンジャラス歌うのに屋形船のコスプレしたり(いつ壊れるかハラハラしました…)、子どもランボ役竹内さんとイーピン役チャン・リーメイさんのパジャマが可愛かったり、リボーン役ニーコさんのリボーンのコスプレあったり…ファンへのサービスが満載! 終わりのリボーン音頭の時は、3階席だったのに山本役井上さんと獄寺役市瀬さんが来ました!(市瀬さんをすごく近くでガン見できて、離れた席で見てた柚さん含む、獄大好きっ子さんたちにうらやましがられました(笑) 王子が歌うと黄色い歓声が上がる上がる…ルッスおかんのリボーンブルースの「リボーンvv」の合いの手…ビアンキ並に色っぽかった(笑)(でももう少し笹川兄と絡んで欲しかった!) そしてスクアーロ役…高橋さんの「う゛ぉ゛お゛ぃ゛ッ!!」が、めちゃくちゃ効いてて、シビれました!(しっかり山本にも絡んでたしネ!) さらに、XANXUS役池田さんがいないのをカバーして、3人でボスのキャラソン歌ったり…タイトルにもついてたけど、とにかくヴァリアーが大活躍! 最後、リボーン役ニーコさんとツナ役國分さんが、手をつないで退場した辺りで、(リボツナ好きとしては)もうメロメロでした(爆)。 クフフが生で聞けなかったり、ドクロちゃんがいなかったのは残念でしたが…でも、楽しかったvv 以上!庄次郎のリボコンレポートでした! お知らせ!↓ 3月いっぱいまで、通販再開します。詳しくはトップページ「通販について」からどうぞ。
2009年03月02日
コメント(1)
※な、リボーン小ネタ。※今週中までは許される?正ツナ&花゜ツナ。※あ!コミックス派の方にはネタばれです! 今は基地の大半が失われた、元・メローネ基地内、入江正一の研究所…… そこで、元ミルフィオーレファミリー幹部・入江正一と、黄のおしゃぶりのアルコバレーノ・リボーンが、真剣な顔で話しこんでいた。「…じゃあ、僕は作業に戻ります」 話し合いが終わり、正一は工具を手に立ち上がる。「また何かあったら連絡して下さい、リボーンさん」「了解だゾ」 決戦を10日後に控えた今、一時も無駄にはできない…まずは現時代のボンゴレファミリー守護者と関係者を現世に留めるこの装置を保護することが、今の正一にとっての最優先事項なのだ。「あぁ…そうだ、入江」 ふいに思い出したかのように、リボーンから呼び止められた。「今、ツナがそっちに向かってるからな」「綱吉くんが?」 正一はどきりとした。沢田綱吉が来る! 14歳の沢田綱吉は、幼く未熟だ。だが、この時代の彼の片鱗をのぞかせる。 現に白蘭の野望を阻止するためとはいえ、結果として彼と仲間たちを傷つけた正一を、最終的には許した。その懐の深さに正一は、彼に協力してきて正解だったのだと、ここ数ヶ月の苦労が報われた気がしたのだ。 入江は、「よろしくお願いします」と言った、綱吉の笑顔を思い出す。忘れられない。「わ、わざわざ来なくても、こっちの作業が終わったら行くのに…」「お前らに差し入れがあるんだとよ」「さ、」 じゃーな、と、そこで通信は途絶え、赤ん坊のホログラムはかき消えた。 だが正一は動かなかった。「つ、綱吉くんが…僕に…差し入れ…っ」 正一はTシャツの胸を押さえる。 「差し入れ」……その響きに顔は赤く染まり、胸の高鳴りが止まない…―「入江さん!」「綱吉くん」 作業中のBGMを流していたヘッドホンを外した。 息を弾ませながら、綱吉はにっこり!満面の笑みを浮かべ、ランチボックスを差し出す。「お疲れ様です!あの…これ!差し入れです!」「あ…ありがとう!綱吉くん」 ランチボックスを受け取る正一も笑う。綱吉の笑顔だけで、不眠不休の疲れも吹き飛ぶ心地がする。「時間もちょうどいいし、早速いただくよ!」 ランチボックスを開くと、中から出てきたのはサンドイッチ。具はハムや玉子に、レタス。ポテトサラダとプチトマトも添えられていた。「うまく挟めなくて…ちょっと形が崩れたんですけど…」 正一の向かいに座り、しょんぼりとする綱吉。だが、正一の口元からは笑みがこぼれた。 エプロン姿でキッチンに立ち、不器用な手つきでパンにバターを塗る…そんな綱吉の姿が目に浮かぶ。「全然そんなことないよ、綱吉くん」 ためらいなく、正一は一口目を口にした。綱吉が息を止めて見守る。「…おいしい!」「ほ、本当ですか!?」「うん!それに、こんなまともなご飯食べるの、久しぶりだ!」 心からの賛辞に、真っ赤になった顔は林檎のようだと思う。「て、照れるから止めて下さい…あ!お茶つぎますね!」「あ!いいよ、それぐらい僕が…」 同時に手が伸びた。互いの指先は水筒の上で触れ合った。「あ……」 弾かれるように互いの手を離す。まるで熱いものに触れた反射だ。 綱吉が、わずかに視線を逸らしたまま、早口で告げる。「そのっ…コーヒーは、あんまり胃によくないっていうから…紅茶にしてみたんです…」 恥ずかしいのか、うつむきがちに水筒のフタに注いだお茶を差し出す姿…そして小さな気づかい… きゅん!と、正一の胸が高鳴った。「本当に嬉しい…感謝している、綱吉くん」「そんな…大したことじゃないですって…」「僕にとっては、本当に大したことなんだ」 正一は、そ…と、綱吉の両手を握りしめた。華奢な手だ。 綱吉も、潤んだ瞳で正一を見上げる。「本当にありがとう…綱吉くん…」「入江さん…」 見つめ合う2人の間をピンクの空気が漂う…――※以上、入江正一さんの脳内妄想終了。「差し入れ…」 フリーズする正一。 しかし呆けていたのは正一だけではなかった。 昨日から正一と協力して作業をしていた、元ミルフィオーレファミリー・スパナもまた、同じホログラム通信を見ていた。「ボンゴレが…?」 14歳のボンゴレ十代目は、幼く未熟だ。だが、この時代の彼の片鱗をのぞかせる。 現に、スパナ自慢のキングモスカを相打ちとはいえ倒した。モスカを倒した技を完成させるため、結果としてミルフィオーレを裏切ることとなったが、スパナ自身は後悔していない。その技はスパナを魅了して止まないのだ。 スパナは、「お前に完璧なXバーナーを見せてやる…」と言った、綱吉の凛々しい顔を思い出す。忘れられない。 そのボンゴレが来る!「ボンゴレが…ウチに…差し入れを…っ」 スパナはツナギの胸を押さえる。 「差し入れ」……その響きに顔は赤く染まり、胸の高鳴りが止まない…―「スパナ!」「ボンゴレ…」 スパナは、作業のためつけていたゴーグルを外した。 息を弾ませながら、綱吉はにっこり!満面の笑みを浮かべ、弁当箱を差し出す。「お疲れ様!差し入れ、持ってきたよ!」「ありがとう…」 弁当箱を受け取ったスパナも笑う。綱吉の笑顔だけで、不眠不休の疲れも吹き飛ぶ心地がする。「ちょうど腹が減っていたんだ。休憩にしよう」 笹の葉の弁当箱を開けると、中から出てきたのはおにぎり。それに少しのたくあんと、だし巻き玉子。「おにぎり、不恰好になっちゃった…ごめんね?」 スパナに緑茶を注ぎながら、しょんぼりとする綱吉。だがスパナの口元からは笑みがこぼれる。 かっぽう着姿で台所に立ち、危なっかしい手つきでおにぎりを握る…そんな、綱吉の姿が目に浮ぶ。「大丈夫だ。あんたが一生懸命作ったんだろ?」 スパナはためらいなく、一口目を口にする。綱吉が息を止めて見守る。「ん…うまい!」「本当に!?」「あぁ。塩加減が絶妙だ…」 心からの賛辞に、真っ赤になった顔は林檎のようだと思う。「よかった!玉子もみんなに教わりながら焼いたんだ!食べて食べて!」「ん」 夢中でほお張ったら、急に綱吉が笑い出した。「?どうした?」「スパナ、米つぶついてる」「え?ここか?」「違うよ。反対だってば」 綱吉が手を伸ばし、スパナの唇の端に触れた。「はい、取れた!」 その米つぶを、綱吉は口へ。 スパナは目を見開いた。最初はその意味が分からないのか、ぽかんとしていた綱吉の顔も、みるみる真っ赤になった。「あ…っご、ごめん!つい、チビたちにやってるみたいに…っ」 改めて自分のしたことに気がついたように、わたわたと意味もなく手を振り回す、小動物のような仕草…それに家庭的な仕草… きゅん!と、スパナの胸が高鳴った。「ボンゴレは奥さんみたいだな…」「も…、もう!ふざけないでよー」「ウチはふざけてない…真剣に綱吉を、奥さんにしたいと思う」 スパナは、そ…と綱吉の両手を握る。華奢な手だ。 綱吉も、潤んだ瞳でスパナを見上げる。「ボンゴレ…いや。綱吉……」「スパナ……」 見つめ合う2人の間をピンクの空気が漂う…――※以上、スパナ氏の脳内妄想終了。「……さ、さー作業再開しよっか!?」「……そ、そうだな!?」 解凍は2人同時だった。 しかし再開した2人の動きはロボットのようにぎこちなく、その後もそわそわと時計ばかり気にしていた。 それから正午を回って少し……。「ご…ごめんなさい!」 綱吉は研究所に到着早々、謝罪をした。「な…」「何があったんだ?ボンゴレ」 元ミルフィオーレの2人は呆気に取られるが、「申し訳ないでござる!全ては拙者の責任でござる!」 綱吉の隣で一緒に土下座をする少年・バジルが、全ての事情を説明してくれる。「あまりの空腹に、沢田殿が持っていらっしゃいましたおにぎりを全て平らげてしまい…まさかお二方への差し入れとは存じ上げず…ファミリーに助太刀するため、遠くイタリアから来たにも関わらず…誠に申し訳ござらぬっ!ここは死んでお詫びを…っ!」「わー!早まっちゃダメだよバジルくんッ!」 ブーメラン状の武器を腹に構えたバジルに抱きつき、綱吉が制止する。ここで大人2人も止めない訳にはいかない。「そ…そうだよ!僕たちは気にしないから!」「そうだ!ハラキリは勘弁してくれ!」 とは言ったものの… 思い描いた差し入れが水の泡となり、大人2人はしみじみ、「現実は甘くないな…」と、遠い目をした。「安心なさい。飢えた子羊たちよ」 その時。 ゴーグルを装着した美女が、重箱を担ぎ、腰に手を当てて登場した。「差し入れなら、私が腕によりをかけて作ってあげたわ…」「え?本当に?」「ちょ…まさかビアンキ…?」 綱吉が恐怖の顔をしているのに気がつかず、2人は期待の眼差しで見つめた。 美女――毒サソリ・ビアンキが、重箱のふたを解放する。 重箱の中からはサンドイッチにおにぎり、だし巻き玉子、ポテトサラダにプチトマト、たこさんウィンナーと…―そこには、二人が思い描いた、家庭的な弁当があった。 ……ただし、虫が這い、怪しい紫の煙が盛大に上がっていなければ……。「ちょっ…待てっビアンキ!それ食ったら2人とも死んじゃうだろ!?」「だから?」 綱吉が青くなるが、美女は平然としている。「ウ、ウチ、やっぱり飴でお腹いっぱい…」「あいたたた…っ僕、急にお腹が痛く…」 しかし美女にがっちり肩を捕まれた。逃げられない! 美女はゴーグルの奥の瞳をかっ!と見開いた。「私の大切な弟だけじゃない…可愛い妹分たちまで巻き込んだ罪、重いわよ…さぁ!かっ食らいなさい!」 青ざめる憐れな子羊2人を、綱吉がかばう。「だ、駄目だよ!入江さんとスパナはこれから必要な人たちなんだから!」「ツナ、あなたも同罪よ」「…って、なんでオレまで!?」「この時代のあなたが呼び出したんでしょ?それにボスなら、責任取りなさい」「ひぃっ!?ふ、2人とも逃げてーっ!」 こうして綱吉ともども、2人は逃げ回るハメになり、作業を再開するのは数時間後となる… ちなみにこの場には綱吉以外にも守護者たちもいた。成りゆきを見守っていた守護者たちは、元敵を「入江コンチクショウ」「スパナうらやましいぜアンチクショウ」と、快く思っていないながらも、ビアンキの差し入れ攻撃には少し同情をした。。「リボーンさん!作戦、成功したみたいです!」「でかしたゾ、フゥ太…一時はバジルが現れるからどうなるかと思ったが…」「だねー。あんなにたくさん下剤入れてたのに…さすがバジルさん、パパンが鍛えただけあるね!」「ヨヨヨ…フゥ太殿もリボーン殿も、鬼ですなぁ!」「ライバルは早めに潰しとかないとね!」にこー!「あぁ全くだ…ツナを狙う男がこれ以上増えたら、やりにくくて仕方ねぇ」にやり。 冷や汗をかく武器チューナーを横目に、星の王子であった青年と呪いを受けた赤ん坊は、ぐっ、と親指を立て合った。※フゥ太の「差し入れ」発言…※あの笑顔の下にはきっと、こんな意図があるに違いない…!
2009年02月27日
コメント(1)
金曜日です。 日本アカデミー賞の授賞式見ながら……… ふと、「春抱きと冬蝉を実写映画化しないかな…」とか思った、庄次郎です。 ※春抱きは10巻以上出てるBL大長編であります!詳しくはあまぞんや楽天市場等でお買い求め下さい。(お前は出版社の回し者か!) 多分翼船さんは映画好きだから絶対観てるだろうなと思いつつ、そんなこと考える自分って……orz いやでも岩城さんと加藤くんを演じきれる俳優さんなんて日本にいないよなやっぱり! ちなみに庄次郎はパコと魔法の絵本しか見たことがなかったので、パコを応援してました。 パコはめっちゃ映像キレイで好きなお話!パコがすっごい可愛い女の子なんだよvv あと授賞式、女優さんたちが本当にキレイ!特に吉永小百合さん!きゅんきゅんしたよ…! それより、今日はブレガラド様から頂いたおバトンを消化したいと思いますです。 00:終わったら,必ず誰かにバトンタッチして下さい。 01:バトンを回す6人は? →水中翼船さんと柚さん…あれ?2人? 02:お名前は? →カンヅメの庄次郎です。 03:おいくつですか? →にゃんにゃん歳です。(←) 04:ご職業は? →書店アルバイト兼業中の見習い白衣の天使レベル3です。 05:好きなことは? →寝ること。 本を読むこと。(※漫画同人誌含ム。) 妄想すること。(※妄想主成分→ツナ) 06:好きな異性のタイプは? →異性?難しい… 庄次郎は確かに自他共認めるショタコンだ…(実際に手を出したら犯罪です) とは言え、無精ひげの似合うお兄さんとかロマグレなおじ様とかも好きなのだ! 好き、ね…いや異性に期待するより自分が人間として自立しなきゃなので…相手も自立してることを求めるし、それを互いに尊重し合える人がいいなーと思う。 実際につき合うならV6のいのはらさんみたいなタイプの人がいいな、と思った最近。 07:特技は? →漢字は漢検2級くらいまでなら読めます。 08:資格は何か持ってますか? →大昔に取った珠算1級と漢検2級だけです。 09:悩みは何かありますか? →悩んでます…大変ッ!悩んでるんです…… 本当は骸ツナやヒバツナも書きたいし、正ツナとか白ツナも書きたいんです!!(ヲイ) 10:好きな食べ物と,嫌いな食べ物は? →雑食のクセに肉食です。あと揚げ物に炭酸が大好き… 嫌いな食べ物…確かに虫とかは無理だ! あとは食感が結構重要?「ねちょお」とか「べちゃあ」とした食感の食べ物が苦手です…「ぷるん」とか「かりかり」が好き。 11:好きな人はいますか? →沢田綱吉です。 ……ジョーダンです。愛してます!(←コラ) え。リアルで?そりゃ友だちにバイトの先輩にこっこさんに…たくさんいるよ。数えきれないよ。 12:あなたが愛する人に一言 →あなたに会えて本当に良かったです。 あなたに出会えたことで自分の人生は、とても豊かになっています。それは言葉で言い表せないぐらい大切なものです。 こんな自分が愛してしまってごめんなさい。でも愛させてくれてありがとう。 ……真面目に答えたぞ!/// 13:回す6人の紹介を簡単にお願いします ・水中翼船さん。高校の頃からの相棒です! ・高遠柚さん。翼船さん通して知り合いました。カップリングこそ違いますが同志です。
2009年02月20日
コメント(1)
火曜日です。 Mrブシドーとか名乗ってる勘違いした外国人なハムの人が気になる、同じおとめ座の庄次郎です。 ちょっとふざけすぎてごめんなさい…元ハムさん現ブシドーさん大好きだ!! あぁあ…でも最近いつ誰が死ぬか分からない恐いで2、3話観逃してる…! 00の2ndシーズンは、二代目ロックオン(フェルトの唇を返せバカーッ!!)とハアレルヤの甲斐性のなさと、リボンズの卑怯な手口にイライラしつつ、どのヒロインが一番先にお亡くなりになったりしないかドキドキしつつ、しかし一方で刹那×沙慈くんが見たい腐女子としてはヤキモキしつつ、ティエリア様の女装イベントに目を剥きつつ、毎週楽しみにしてますvv そしてタイトルの通り↓。いや刮目して見なくていいですからねっ? 『自分徹底解剖バトン』 【送り主の名前】 相棒水中翼船さんより。 【self】 名前>カンヅメ庄次郎です。 性別>頭の中にオヤジ下宿中の腐女子です。 年齢>今年で成人を2年過ぎます。 精神年齢>↑でも未だに中高生くらいです。 誕生日>沢田綱吉くんの自称右腕くんの一週間後。現・宮崎県知事と同じらしい…(2009年2月現在) 血液型>気がついたら周りが本当にB型ばかりだった、生粋のB型。 あだ名>家族から「がっちゃん」など。あとは名前にちゃんづけ? 出身>県庁所在地生まれ赤レンガの街育ち。で肉じゃが発祥地としても名乗り挙げてます。 職業>書店アルバイト兼業の大学生、白衣の天使(見習い)level3。 動物占い>黒ひょー。 身長>160ぐらい。 体重>知らない…前に体重計に乗ったのはいつ…。 性格>あの綱吉至上主義の自称右腕を想像して頂けたら、だいたい合っている…かも。 趣味>読書。特に同人sh(← 特技>漢字は漢検2級レベルくらいなら多分読めます。 服装>いっつもジーパン。 髪型>今は肩ぐらい? 将来の夢>素敵でダンディーなロマグレ貴腐人になること(←?) 【like】 食べ物>唐揚げスパゲッティハンバーガーフライドチキンポテト!成人病予備軍… 飲み物>コーラなど炭酸飲料、フルーツフレーバーの紙パック紅茶。 色>青。最近、ダークだったりビビッドな赤も好き。 言葉>四字熟語は「一蓮托生」。 教科>国語だった。 国>イタリアとか気になるが、やっぱり日本が好き? 季節>どれも好きだけど夏がわくわく。 花>梅、桜、彼岸花、椿。 数字>27とか7とか3とか…意図?あるに決まってるだろッ! 本(作家名可)>あ、挙げていいのか…今一番好きなのは、ある骸ツナ小説書きさん…好きだ! ゲーム>カ―ヒ”ィ、すばせか、KHシリーズにFFシリーズ7以降。現在DFFプレー中。 場所>海。あとすき間で空が見える場所、風の通り道。 動物>にゃー! 実在人物>大学の友人。 キャラクター>最近気になるのはリサとカ”スハ゜―ル。ずっと好きは綱吉(←)。 音楽ジャンル>邦楽ばっかり。特に好きはないけど歌詞にひかれるタイプ。 歌詞の一部>む、難し…ふたつだけ。こっこさん『どしゃ降り夜空』と『Heaven's hell』より↓(うろ覚え…) “雲はいつか流れ巡り 花は今日も芽吹くだろう あなただけこの目に欲しい 星も皆殺し どしゃ降りの夢” “立ち入るな 風の吹く丘 虹にかけた無理な乞い あの空にひしめく罪を 鳴らせ 落とせ 穴だらけ” こっこさんが一番好き…リボーン妄想ができるのがいっぱい(苦笑)。 楽器>サックスとかカッコいい。 【cellphone】 機種>いんふぉーばー2。 デコの有無>ない。 メアドの意味>こっこさんの歌タイトルから。 電話着信音>設定はしてるけど常にマナーモード。 待ち受け>各所でゲトしたリボのキリリクやらフリーやらのイラストを、人に見られないように慌ててホ゜ン・テ”・ラィオンに変えてますが何か? 好きな機能>メールとメモ。目覚ましにもお世話になってます。 よく行くサイト>か…快適な本屋さん…orz 【use-color】 財布>アナスイの緑いやつ。 ペンケース>ずっとシースルー。 バッグ>茶、黒、ベージュ。 携帯>赤!錦鯉! PSP>姉のだが…ピンク。 DS>クリムゾンレッド!名前はボス! パソコン>普通。 音楽プレイヤー>黒。 ファイル>ずっと使ってるのは不透明なヤツ。 バインダー>こだわらない。 手帳>今年は白に銀(日記兼用)。あと某背中にチャックのあるクマ手帳を補足使用。 【貼ってね】貴方の体の一部(手とか足とか。決して嫌らしい意味ではry> ↑耳たぶー。 耳って指紋や声紋みたいに、みんな違うんですってね。 【徹底解剖させたい人】 スルー可ですよー。 ・ブレガラド様! と、友だち少ない…orz 久しぶりの日記がこんな内容でいいのか……
2009年02月17日
コメント(1)
※珍しくリボーン以外。※デシデアFF。雲くんストーリーモードプレイ後に。※私にはこう見えました…(笑)「私を追ってくるがいい…」 言うなり、セフィロスは銀髪を翻して背中を向けた。「くそ…っ」 クラウドは舌打ちをした。 また俺は仲間を守れないのか…!悔しさに唇を噛み、俯いた。 しばらくそうした後、ふと顔を挙げたクラウドは、そこにいたものを見て、しばらくフリーズした。「………なんで消えてない」 元英雄は見た!風に…柱の影から、元英雄が顔を出していた。 明らかに大きな身体を隠しきれていないし、無駄に長ったらしい銀髪もはみ出している。 てっきりいつもの通り、うっすらと半透明になりながら消えていると思ったのだが。何しろここは世界の欠片だかなんだかが集まった不思議空間。 消え失せてなかった元英雄は、もそもそと柱の影から出てきた。今さらポーズをとってもカッコ良くもなんともない!「…何故追いかけてこない?クラウドよ」 元の世界では元英雄の男…この言い方面倒くさいな!…は、何故だか、とてもふて腐れた顔をしていた。「てかっいい年した男が頬を膨らませるな!キモっ!」「キモいいうな!お兄ちゃん、泣いちゃうぞ!?」「それキャラクターちょっと違うぞ!」 なんで折れないんだその日本刀モドキと常々心中でツッコんでいた剣を無駄にブンブン振り回し、元英雄は駄々をこねる。「普通!お前の愛する人間が『ダーリン、捕まえてごらんなさ~いvv』と叫んで走り出したら、『待てよ、マイハニー(キラーン☆)』とか答えながら追いかけるのがセオリーだろうが!?」「待て!帝王声でセオリーとかダーリンハニーとか言うのも聞き捨てならないが…そもそもなんで俺がお前を愛している前提なんだ!?」 そこでやっとクラウドは気がついた。 廃墟のようだった空間が、いつの間にか夕日に赤く染まったビーチに変化していた。何故!? BGMは≠ンク゛タ゛ム/ヽーツ(諸事情によりギャル文字風)。まさにムード満点。「ククククク…」 と。突然、元英雄が笑い声を挙げだした。クラウド は 恐怖した!「なんだ!」「そうか…分かったぞ」「だから何が!?」 バサッ!とマントを翻し、セフィロスが迫ってくる。クラウドは一歩下がる。「お前は女装が好きだからな…たまには私に追いかけてもらいたかったのだろう…?」「なんでそう自分の都合のいいように解釈するんだ!?」「クク…フ。その格好で言っても説得力はないぞ?」「は…」 自分の姿を見下ろしたクラウドは絶句した。何だか足元がすーすーすると思ったら!「い、いつの間にかフォームチェンジ~ver.FFクラウディア~してるー!?」「ククク…似合っているぞ」「げぇ!?」 ショックを受けている内に間合いを詰められていた。頬を撫で回されてゾワゾワと鳥肌!「やはり、私の可愛い人形だな…お前は」「『私の可愛い』とか言うな!お前はどこのサンバを歌うパイナップルだ!?」「心配するな。私がお前を導いてやる…純粋で美しい世界に、な」「だからやーめーろー!俺はっ闘う理由が欲しいだけで…!やめ…っ」 叫びながらクラウドは駆け出した。クソ!スカートは走りにくい! その背中を容赦なく元英雄…否!もう逆ストーカーでいいじゃないか!…が追う。「フリニオール!セシル!ティーダァア!みんな…った、助けてぇーっ!」「ククク…思い出にすがるだけのお前に救いはない…ハニー」「だからやめろって…ぎゃーっ!!」 混沌の神と調和の神が延々と飽きもせず闘い続ける、なんちゃって不思議空間に、クラウドの悲鳴が響いた… 結局、どんな世界にいようとも、セフィロスはクラウドを愛していたという話である。※※※ 木曜日です。 新年明けましておめでとうございます。 除夜の鐘では煩悩を吹き飛ばせなかった、庄次郎です。 なんかね…神聖お笑いコンビ「パンチとロンゲ」さんのパンチの方も、煩悩108以上あるってたけども… 除夜の鐘聞きながらネットで同人誌通販サイト見てて、ふいに実感。 あ。あのゲーム↑は、まだあんまプレーできてないので…試練の合間合間で地道にやります。 7も好きですが、やっぱり思い入れの深さは9。(このシリーズで一番最初にやったタイトル)(ちなみに7はせふぃくらとかざっくらとか好きだけど、9はジタン単体で好き。) 本当は9と7と10しかやったことない(8はちょこっと)です。けど、このタイトルやってたら他もやりたくなりますねー。ティナかわいいvv まぁそんな感じで…煩悩まで吹き飛ばせはしないですが…去年をふり返り、今年の抱負を語るぐらい許されるかと。 まず去年の恥。イベント会場で猫耳つけて走り回ったこと。 恥はもうたっ…くさん!数えきれないほどあれど。その格好のままイベント会場各所で「頑張って下さい!」と言って回ったことは、思い出す度、所構わず悶絶してます。 去年嬉しかったこと。色んな場所に旅行に行けたこと。 イベントで大阪行ったこと然り。夏休みは山口や博多、京都まで。 夏と冬の祭典には行けなかったけど、6月のイベントでサークル参加できたのはいい経験になりました。 最近の趣味は、「27」を見かけたら即激写することDEATH(キラッ☆←なんか色々混ざってるぞ そんで今年の抱負。『温故知新』。 意味は「古き良き萌えを温め、新しい萌えを知る」デス。(激しく間違ってる!) はい嘘です。半分本気だけど…今年もやっぱり生き残るのを目標に、頑張りたいと思います。 あとオリジナルが書きたい…リボーンも相変わらず書きたいネタがたくさんあるけど。 今年は、正月期間中にあと一個upしたいのがあるんですが、それ以外は多分、2月半ばぐらいまで戻ってきません。 むしろ、1月に居たら「ここで何をしてるんだ貴様ァアッ!」と罵ってやって下さい。心の中で。(真っ向から罵られたら流石に落ち込む) …そういえば自分の知る範囲内だけでも、年末の祭典に行かれたあの方この方と、次々風邪の餌食に…(年末年始ダウンされてるみなさま!身体暖かくしてゆっくりお休み下さい!水分補給も忘れずに!) ではみな皆様。本年もよろしくお願いします。m(_ _)m
2008年12月31日
コメント(1)
月曜日です。 めりくり!(←遅い)&はぴにゅいや(←早い)!庄次郎です。 クリスマスss、今日upしました! え?なになに?クリスマスは4日ぐらい過ぎてるって?ツッコんだそこの人、挙手!はい!(_ _)/ 本当に…自分はいっぺんトナカイさんに蹴り殺されるべきですね…! いや今年は「いえっさの誕生日!いえっさのバースデー☆(大興奮)」と気合い入れてたのですが…バイトが…バイトなのに社員さん並みに働くハメに…。 しかし27日の高校部活女子部員オンリー飲み会にて、相棒翼船さんに「クリスマスにupできなかったもんをupするのは負けた気分…」とこぼしたら、「upしない方が負けだ!」て励まされ、頑張りました! 遅れたこと、笑うなら笑うがいい!わしゃあ、とりあえず満足なんじゃーい! あ…でも、内容的には遅れて正解?出来途中のssを読んだ翼船さんの感想が「ヤンデレ?」ですたから。 うーん…ヤンデレ、とは少し違う…つもりなんですが。 書いてる途中は少し方向性が違ってました。しかし展開を迷っている内にクリスマスが過ぎ、落ち込んで友だちん家に愚痴りに行ったのですが。 その帰り、自転車を漕いでると落っこちてきたんですよ。ふいに。空から飛行石のペンダントをぶら下げた女の子が落っこちてくるみたいに。 「サンタコスプレで檻に入ってる、困った顔の綱吉」が…。 まさに天使でした…!(うっとり) ちなみに脳内は、自分が一方的にファンをしているリボ絵描きさんの方のイラストイメージです。 しかし支離滅裂…も少し、世のリボサイト様のように、まともな白ツナが書けたらいいのに…(しょぼん…) 来年はまとも白ツナ・正ツナ・スパツナが書けることを目的に!てか正ツナ、見たい…(←正ツナに飢えてます…。 スパツナ・正ツナは倦怠期の夫婦のイメージ?それか定年後の熟年夫婦… 深夜のコンビニでばったり会う綱吉と正一くんとか…書きたい…てか見たいよー…(←正ツナに飢えてます。 あ!あと2月は、無性にシャマツナが書きたくなる… それから。来年に持ち越しと言えば。 12月にひっそり開始した通販、ひっそり終了しております。 ホームやらサーチ様は時間が出来た時に編集してゆくので…とりあえずお知らせ。 次は2月から3月にかけて再開できるよう頑張ります。 さてさて。 某逆ピラミッド型の建物で開催されてるイベントに参加されてる方々!あと1日頑張って! イベント行ってない方々も油断めされるな!ここは常に戦場だ!(誰だよお前) ではでは皆様。 少し早いですがよいお年を!
2008年12月29日
コメント(0)
※リボーン二次ss、クリスマスのはなし。※全くクリスマスを祝っていない9927でお送りします。 クリスマス。神様の子どもが生まれた聖なる日に。 白蘭くんはサンタさんを捕獲しました。『愚者のおくりもの』「♪」 それはそれは、立派なもみの木でした。 幹はがっしりと太く、葉は青々と張りがあります。まるで、ついさっきまで林に生えていたものを切り倒したばかりのように見えます。 そして、脚立に登り鼻唄混じりで、もみの木に飾りつけをする白い青年が1人。 彼の名前は白蘭くんと言います。すでにいい大人なのですが、ある意味では子どもよりも子どもらしい、ある野望を胸に抱いています。「♪」 白蘭くんはクリスマスソングをハミングしながら、ひとつ、またひとつ、と。段ボール箱の中からオーナメントを取りだし、吊るしてゆきます。 例えば、メタリックカラーのボール。とぐろを巻く金に銀のモール。杖の形をした棒キャンディーに人型ジンジャークッキー。 ツリーの天辺へ飾る銀の星は一番最後に取ってあります。「手伝おうか?」 ふいに、ツリーの根本で声が挙がりました。 白蘭くんが見下ろせば、そこには小さな人影が。 小さな人影は、真っ赤な服にブーツ、帽子。所々白い毛皮。 白くて長いひげや丸いお腹はありませんが、彼はサンタさんでした。少年のようなサンタさんです。 サンタさんは琥珀の瞳で、白蘭くんの指や手の動きを、ずうっと追いかけていました。 白蘭くんはにっこりと笑いました。「綱吉くんは座ってて!」「でも…悪いよ」「いいの!綱吉くんはお客さまなんだから!座ってて!」 白蘭くんはサンタさんをお招きして、クリスマスパーティーの準備に夢中です。 そんな子どもみたいにはしゃぐ白蘭くんを見上げ、サンタさんは可愛らしい唇に似合わない、小さなため息をもらしました。「綱吉くん?」 白蘭くんは手を止めました。とん、と高い脚立から落ちてサンタさんの前に華麗に着地!「つまんないの?ゲームでもする?」「違うんだ。ゲームはいらないよ」 サンタさんはこめかみを揉みながら、ゆるゆると首を振ります。 ところで、サンタさんの小さな身体は、リボンやカラフルな包装紙に包まれたプレゼントの山の真ん中のソファーで、大量のクッションに埋まっています。 ふかふかのソファーには文句はありません。細やかな刺繍の入ったビロードのクッションも、滑らかな手触りで、やっぱりふかふかで、気持ちが良いのです。 強いて言えば、右足がソファーの足部分に、足枷で繋がれていなければ、もっと快適なのですが。 さらに言えば、檻の中でなければ、より自由なのですが。「…あのね、白蘭」「うん!なあに?」「頼みがあるんだ」 白蘭くんは嬉しそうに、にっこり!満面の笑みでサンタさんへ両手を広げます。「綱吉くんの頼みならなんでも聞いてあげる!」「じゃあ…ここから、俺を出して」「それはダメー」 笑顔のまま、今度は両手を、ばってん!「そこから出たら綱吉くん、逃げちゃうでしょ?ダメだよーここにいないと!」 サンタさんはとてもとても、悲そう感の漂う顔をしました。「お願いだよ、白蘭…今日は、クリスマスなんだ」 檻を両手で握り、うるうると潤む涙目で、白蘭くんを見上げます。何とも憐れで、可愛くて、白蘭くんはゾクゾクしました。 白蘭くんは大人です。しかし、意地悪なことにかけては世界のどの子どもにも負けません。「みんなに、クリスマスプレゼントを配らないといけないんだ。でも、ここに閉じこめられていたら、みんなにプレゼントを配れない。今日中に配らないと俺、トナカイさんに蹴り殺されちゃうよ!」 ちなみに、サンタさんはサンタさんですが、それは副業。この琥珀の瞳を持つサンタさんの本業は、マフィアのボスさんなのです。 いつもはマフィアのボスさんをしているこのサンタさんですが、12月に入るとサンタさんに変身、家族みんなにプレゼントを配るのが掟、なのだそうです。「可哀想な綱吉くん!」 檻の外から手を伸ばし、白蘭くんはサンタさんの背中を、ぎゅう!と抱きしめます。「大丈夫だよ!そうなる前に僕が守ってあげるからね!」「そういう問題じゃないって…ちょ、抱きつかないで。く、くるし…っ」「それにね!サンタさんがいなくっても死なないよ、人間は」 目尻をぬぐう仕草までしてから、白蘭くんは高らかに断言します。「むしろ、サンタさんなんかいない方が25日になったら臨時サンタさんになる世のお父さんお母さんの苦労が減ると思うんだ!うんうん!」「でも、」 サンタさんが反論のため開きかけた唇は、塞がれました。「綱吉くん」 琥珀の彼の唇を塞いだのはお菓子のマシュマロ。マシュマロをふにふにし、白蘭くんは笑っています。 けれど、心の底から笑っているようにサンタさんには見えないから、怖いように感じました。「マシュマロはいかが?」「…いらないよ」「じゃあ新作のゲームソフトは?」「それもいらない」「コンビニのちょっと高いお菓子は?」「いらない」「マンガの新刊は?」「いらない」「初恋の女の子は?」「…何が聞きたいの?」 少し怒った声を挙げれば、白蘭くんはけたたましく笑い声を挙げました。 白蘭くんは、サンタさんの帽子から零れた髪をひと房、捕まえ、指に絡め取り、「だったら、サンタさんにお尋ねします」 口づけました。「君の欲しいものはなに?」 琥珀の瞳が、何かを推し測ろうとするようにすがめられました。「…白蘭は?」「ズルいね。質問を質問で返すなんて!でも教えてアゲル」 そっと、サンタさんの耳たぶへ、唇を寄せ、囁きます。「あのね…僕、サンタさんが欲しいの!琥珀色の目をしたサンタさん」「…どうして?」 少し間がありました。「だってそのサンタさんは、世界一可哀想なんだもん」「かわいそう?」 サンタさんは首を傾けます。その言葉の意味が分からないのかもしれません。だから白蘭くんが教えてあげるのです。「ワガママな家族の…子どものお願いを、みーんな叶えてあげるサンタさん」「でも。いつまで?」「いつまでそうやって、誰かの願いばかり叶えてあげるの?」「自分を犠牲にして!」 白蘭くんは歌います。歌うように言います。「サンタさんだって、お願いがあるでしょう?」 耳の近くへ、口を押しつけ、囁き続けます。「僕なら君の願いを叶えられる…君のサンタになれる…ううん!僕にしかできない!」 きらきらした子どもの瞳です。「僕ならできるよ!」 お月さま?白亜の宮殿?黄金?聖杯?グングニルの槍?「何でも!君が望むままに!!」 掌を。ワルツに誘うように、サンタさんへさし出します。「だから。さぁ!僕の手をとって!僕を選んで!綱吉くん」 しかしサンタさんは掌を見てるだけでした。 そしてため息を吐きした。まるで幼い外見と釣り合わない、年老いた人のようなそれ、です。「小さな頃ね…俺はサンタを信じていたよ。楽しみにしてた…」 サンタさんは小さく笑います。「朝起きたら、ロボットのおもちゃが入っていた時は嬉しかったな…父さんが用意したって、後で分かった時は悲しかったけど」 白蘭くんの知らない過去を思い出して。「チビたちや…友だちが、ウチに来るようになってからはますますにぎやかで…クリスマスもますます楽しくなった」 つい、と。サンタさんの腕が、白蘭くんに伸びました。 サンタさんの手の、柔らかさと滑らかさとあたたかさに、白蘭くんは震えました。「だから俺はクリスマス好きだよ?誰かを喜ばせたいと思うのは、いけないこと?」 サンタさんは白蘭くんの白い髪を撫でます。「好きだよ、白蘭」 白蘭くんは気がつきました。サンタさんの手は、小さな子どもを慈しむような手つきです。「でも…ごめんね。俺はあげられないよ」 手が離れます。「どうしても?」「ごめん…」 サンタさんが目を逸らすから、琥珀が見えなくなります。 サンタさんは白蘭くんのものにならないと、きっぱり言ったのです。白蘭くんは暗い穴へと落ちていく気分になりました。 しかし、すぐに気を取り直します。「…問題ないよ!君は、僕を選ぶ。最後はそれしかないんだから!」 ステップ、そしてターン。クリスマスの準備はまだまだ!「見ていて!君の欲しいものを、僕が必ず見つけてあげる!」 ひしと抱きしめます。あぁ!やっぱり可哀想なサンタさん!そして愛しいサンタさん。「だから、しばらくはそこに…」「そいつぁ、叶わねぇな」 あ。 と、言う間はありませんでした。 崩れるのは本当に、一瞬だったのです。 気がつくと、白蘭くんの身体は、ぽーん、と宙に投げ出されました。 次に顔を上げた時、ツリーが燃えていました。 金銀宝石のオーナメントも、ジンジャークッキーもキャンディーも、全部。赤い炎に飲み込まれていました。 その炎の中から、人影が現れました。 大きな鉄の兵器を肩に担いで、小さな人影は、迷いのない足取りでサンタさんの元へ。「――迎えに来たぜ、サンタクロース」「リボーン…早かったね」「テメェは遅刻だ、ツナ」 抱き上げます。 黒い帽子に緑色のカメレオンを引き連れたトナカイさんは、恭しくサンタさんの前に膝をつきました。 サンタさんの足枷はリボンでも解けるように外れます。トナカイさんは魔法使いのような死神さんでもあります。「ったく…手間かけさせやがって」「ごめんって!まだケーキ残ってるかな?」「さぁな。帰るぞ」 冷たい風が入ってきます。居心地のよい、閉じた空間はもうありません。 サンタさんはトナカイさんと共に、夜へと飛び立つのです。次の子どもの元へ。「ま、って…綱吉、くん…」 白蘭くんはずるずると、這い、サンタさんを追いかけました。 血がぼたぼたと落ちて、白い部屋の名残を汚します。しかし白蘭くんはかまいません。狂おしい気持ちでいっぱいでした。「綱吉くん…サンタさんに、なんか…ならないで…」「何言ってやがんだ、テメェ」 トナカイさんの白蘭くんを見下ろす目といったら、それは素晴らしく冷たいものでした。「ツナ。構うな。行くぞ」「僕なら…サンタさんから君を解放させてあげられる…」「黙れ。テメェ、頭おかしいぞ」「僕なら!君の、サンタに」「黙れって言ってんだろ」 終いには重い鉄ぽうが唸りながら、黒く光りました。狙いは白蘭くんの心臓。「ダメだよ、リボーン」 しかし、トナカイさんの引き金にかかった指は止められました。止めたのはサンタさんです。 サンタさんは、トナカイさんの手を持ち上げ、その指へキスを贈ります。「今日はクリスマスだよ?トナカイさんはトナカイさんらしく…ね?」 トナカイさんは舌打ちをしました。 銃を納めたトナカイさんに代わり、サンタさんが前に出て、這いつくばる白蘭くんの前へ膝をつきます。「今日はありがとう、白蘭」 白蘭くんは悲しくなりました。「子ども扱いなんて嫌だよ…僕は…」「まだ子どもだよ、君は」 頭を撫でられるなんて嫌です。プレゼントや笑顔で誤魔化されるのは、もっと嫌です。「いつか、クリスマスパーティーに来ればいい…君も。みんなと」「君に願いを叶えてもらう1人に?やだよ…やだ!」 白蘭くんは意地悪で、ワガママな、子どもみたいな大人です。けれど、たったひとつ。どうしても、サンタさんが欲しかったのです。「行かないで…」 白蘭くんの頬を、雪が溶けて、伝います。それを見たサンタさんの顔がくもるのも、本当は見たくないのです。「ありがとう、白蘭…」 額に口づけます。「でも、俺は大丈夫だよ…だから、」 このサンタさんはいつも、泣きそうな顔で笑います。「メリークリスマス…幸せが、君と共にありますように」※トナカイさんに蹴り殺されるべき自分も許して頂ける気がする夜…でもない…
2008年12月25日
コメント(0)
※今日は「胃にいい日(12月11日)」です。な正と白+ツナの小ネタ。※ヒト型目覚まし時計の番組で言っていたので…少し下品注意…「あの目覚まし時計、欲しいなーと思って!」「はぁ…」「今、スパくんに頼んで作ってもらってるんだー」「はぁ…まぁ肖像権に引っかからない程度に頑張って…じゃなくて!あの、すみません白蘭さん」「んー?」「何しに来たんですか?」「あ。そうそう!これ見て!」「…明日眼鏡屋に行かないと。僕、眼鏡歪んでるみたいで、壁一面にヨーグルトが詰まってるみたいに見えるんですが…」「ん?明日眼鏡屋さんに行く必要はないんじゃないかなー?これ、積ませたの僕だし」「今度はなんの嫌がらせですか!?」「人聞きの悪いこと言わないでよー。このヨーグルトは、いつも頑張ってる正チャンに差し入れ!知ってる?ヨーグルトには胃粘膜を保護する作用があるんだよ?」「それも目覚まし時計の受け売りですか…?」「あとあとね!えと…そう、乳酸菌とかLとかワタリとか、ケフアとか!」「ケ○ィア…ですか?あとLはあってもワタリはないと思いますよ」「体にいいならなんでもいいじゃない!とにかく体にいいものもいーっぱい入ってて、いっつも胃が痛い正チャンにはぴったりじゃない?ど?嬉しい?」「と、言うか…毎朝あの目覚まし時計のニュース番組を見た後二度寝せず遅刻しないで生徒会の仕事を全てこなして結果的に僕の所に回ってくる仕事が減れば、僕の胃の痛みも少しは軽減するんじゃないかという発想は出来なかったんですか?こんな壁一面にヨーグルト一年分積む前に!」「嬉しくないの?喜んでくれないの?おっかしーなー」「返してきなさい!」「うーん。困ったなー。ただ返すのも芸がないし…」「芸とか必要ありません!」 コンコン。「失礼しまーす」「あ。沢田…どうしたの?」「あ…ごめんね?話し中?」「いいよ。何?」「あー。正チャン、ヒドいー」「すみません白蘭さん…入江、ちょっと宿題で分かんないとこがあって…」「あ!綱吉くん気をつけて!足元に僕がおやつで食べたバナナの皮が、」「え…ぎゃあぁあー!?」 がらがらがら。 べちょぐちょべちゃ。「綱吉くんッ!」「さ、沢田アッ!?そ、そんな…」「な…なんてミラクル!さすが天性のドジっ子!綱吉くんにしか、バナナの皮で滑って転んで壁一面のヨーグルトの山に頭から突っ込んでヨーグルトひっかぶるなんてこと、できないね!感動した…っ!!」「んな感動してる場合じゃないでしょ!?」「そうだよ正チャン!ケータイ!とデジカメ!早くこれを待ち受けにして、メモリーに刻まないと…っ」「すんな!じゃなくて早く助けないと沢田が窒息します!沢田ーっ、今助けるからなッ!」「らふけ、へ…」「えー?もったいなくないー?舐めたりすくったりすれば?」「こんな量食べ切れるか!」「だってー。どろっとしててー、とろーっとしててー、さらに白い液体状のものが綱吉くんの顔に…」「止めて白蘭さん!まだ僕子どもです!その言葉の意味とか知りたくないですッ!」「ヨーグルトって……最高だね!」「本当に確信犯じゃないんですか!?だから助けろってば!」「ぐはぁ……」※下世話な話で本当にすみませんすみませんすみません…※何気なくミルフィ×ツナ学園パラレルなオフコピ本『つぼみ~』の世界観……(宣伝) 木曜日です。 「マグロの解体ショー」とかにいち早く反応できます!庄次郎です。 TP(ツナポイント。ツナを見れないと低下するゾ☆)の低下してる今なら特に! てか朝のニュース番組見て真っ先に「マグロ」に反応し、「胃にいい日」で正チャン思い出す辺り…芯から腐ってやがるゼ! 今日で実質試練終了…あとは明日の発表会と、月曜日にレポート書いて提出するのみ…が…キツい……う。胃が… ちょっと息抜きに、今日帰りに思いついたネタ投下…本当に下世話でごめんなさいごめんなさいごめんなさい… うん…とりあえず、来週の火曜日辺りから年末にかけて。期間限定通、ちょびっと販再開できるように…ガンバる自分!
2008年12月11日
コメント(1)
全318件 (318件中 1-50件目)