登場するアメリカ潜水艦はS-33と呼ばれる旧式のS型潜水艦なのだが、実在のS-33は1922年に就役しパナマ・北大西洋の哨戒任務にあたり戦後まで活躍している。一方、ドイツ軍のU-571もまた実在だが、こちらは1944年空爆により撃沈されている。いずれも、史実とは全く関係ない架空の存在と言うことだ。映画中で使用されている潜水艦は、なんと実物大のレプリカで、マルタにあるMediterranean Film Studios (MFS)というところで2隻が製作されている。S-33に化けた方は何をモチーフにしたのか不明だが、実際のS型とはかなり異なり、上部構造はガトー級のバラオ型にも似ているような気がするがどうなのだろう。U-571に化けている潜水艦はVIIb 型をモデルにしているようだ。いずれにしても、実物大の潜水艦を使用しているだけあって迫力は十分。また、潜水艦内部の映像も、ちょっと部屋数が少ないなという印象はあるものの、しっかりと作り込まれているようで頼もしい。爆雷時や漏水等の艦内アクションも良い。爆雷に呼応した振動するカメラワークや水兵の動きをなめらかに写すスピード感も好感。これまでの数ある潜水艦名作映画の良い所を吸い取ったような感じ。ミニチュア特撮、CGにしても出来は良い方で、背景にある歴史性や史実は一切無視して、潜水艦アクションに特化して見るならば、かなり楽しめるのではないだろうか。