ラッコの映画生活

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2008.03.04
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カテゴリ: 日本映画
A SNAKE OF JUNE

ブルー系白黒 77min
(所有VHS)

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この映画は題59回モストラ・ディ・ヴェネーツィア(ヴェネツィア国際映画祭)で審査員特別大賞を受賞。審査員賞ということからもわかるように、映画通や玄人受けする作品かも知れません。DISCASの観客レビュー読んでみても「解らない or/and ついていけない」と酷評か、「最高傑作」と絶賛かの二つに別れている感じです。日本でこのような映画が理解されにくいのは、思うに「生と性」、「孤独と愛」の深い実存性に日本の大多数の人々が、少なくも表層意識的に、無関心だからなのでしょう。見る人によっては映画の質感に抵抗感を持つだろうし、ボクもある程度の安っぽさを感じないではないけれど、内容の深い良作だと思います。またボクの趣味とはしない映像が出てくるけれど、塚本監督が彼なりの感性と論理で物語を描くには必要なことなのだと思います。

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ある隠し撮影魔による脅迫で始まるゆえに、この犯罪的行為に視点の中心が行きそうだが、実はこれは物語を動かす契機であって、つまり主人公であるある夫婦を再生させるキッカケに過ぎない。この隠し撮影魔を演じているのは塚本監督自身なわけだけれど、映画の中でこの実験台モルモットとされたような主人公夫婦を動かすのは監督の演じる隠し撮影魔であり、またモルモット夫婦を登場させて映画そのものを作っているのも監督であるという関係性がある。映画の仕掛人として、自ら映画の中に入っていって作中の人物に働きかけているということだ。

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妻りん子30歳(黒沢あすか)。少し歳の離れた夫の重彦は一流企業のサラリーマン。仕事だと言って帰りは遅いが、実は喫茶店で時間を潰していることもある。重彦は清潔・潔癖症で、家に帰ると浴槽や流し台などを磨くことに専念している。動物も嫌いで、りん子が犬でも猫でも兎でも飼いたいと言うが許さない。夜は妻と共にするベッドから抜け出して一人ソファーに寝る毎日。自分の排便の臭いも嫌い、臭い消しの薬を飲んでいる。「命の電話」の相談員のボランティア(?)をしているりん子は自殺したいと言う相談者たちに「何でも良いから自分のしたいことを見つけて」と答えていた。そんな彼女だが、この生命の通っていないような夫との日々を、それでも一つの均衡の中で過ごしていた。しかし彼女の内奥で「生」は燻っている。動物を飼いたいというのもその内なる欲求の現れだろう。独り家で、スカートを超マイクロミニに切り、胸や背中の開いたセクシーな服を身に着け、そしてマスタ-ベ-ションをするのだった。

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ある日「DANNA NI HIMITSU」と書かれた一通の封書が届く。中には彼女のマスタ-ベ-ションの様子を隠し撮影した写真が入っていた。続いて携帯電話の入った封書が届き、その電話は鳴った。りん子が恐る恐る出ると、相手は彼女が命の電話で相手をした男道郎からだった。「写真とネガを返して欲しければ、本当にやりたいことをやれ」と、道郎は携帯で指示するよう行動を求めた。それはマイクロミニのスカートを下着なしではき、リモコン式のバイブレーターを買い、それを下半身に装着し、道郎がリモコンを操作する中で街中を歩き、買い物等をすることだった。脅迫されて従ったことではあったが、実はこれは内奥に閉じ込められた生を解放することであった。ここまでが「♀」と題された映画の第一部で、次の第二部「♂」では監督=隠し撮影魔の視点は夫重彦に向けられる。そして最後にもう一人の男性である隠し撮影魔を加えた短い第三部「♂♀♂」で映画は終結へと向かい、結果としてりん子と重彦は生を回復し、強く結ばれる。

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六月は梅雨の季節で東京のコンクリートジャングルは雨(水)が街を濡らす。植物を繁茂させるのも、カタツムリを活動させるのも、この水だ。生を失った都会、あるいはそこでの人間性に、「生」を取り戻させるのも雨(水)なのだ。映画は精神障害、夫婦のセックスレス、隠し撮影、ストーカー、病的清潔・潔癖症、癌、携帯電話、過保護等の母原病、生や性を抑圧する社会常識、暴力団による違法アングラ劇場、あるいはがらっと変わって監督のカメラの趣味(カメラはニコンやライカやピンホールカメラだ)等、そういう多彩な要素から成り立っているが、基本は生を失った現代の都会の人間の生を性によって解放させようという寓話だ。そのためにはりん子も重彦も自らの性を曝け出すことで一度自己破壊をする必要があったのであり、その仕掛人であるのが監督であり隠し撮影魔である塚本晋也なのだ。

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Last updated  2008.03.07 04:27:56
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