ラッコの映画生活

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2008.05.15
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カテゴリ: ヨーロッパ映画
ARIEL

73min
[トータル カウリスマキ 1]
(DISCASにてレンタル)

ariel0.jpg

この映画を見ていたら、なんとなくジャック・デュトロン、カトリーヌ・ドヌーヴ主演、クロード・ルルーシュ監督1979年の名作『夢追い』を思い出した。この『夢追い』にはついては、ウォーレン・ビーティ、フェイ・ダナウェイ主演、1967年アーサー・ペンの名画『ボニー・アンド・クライド』(俺たちに明日はない)との共通性を言う人が多い。事実映画の中でのラジオニュースに「南仏のボニー・アンド・クライドとも既に呼ばれていて・・」とかななんとかルルーシュは自ら語らせている。ちなみに『ボニー・アンド・クライド』のプロデュースはウォーレン・ビーティで、最初フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールに監督依頼をしたものの実現しなかったらしい。またボニー役にはジェーン・フォンダを考えていたけれど、当時フランス在住で米国へ行くことを嫌ったフォンダに断られたということだ。

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『夢追い』と『ボニー』のいちばんの違いは『夢追い』のラストが希望的なものだということ。『夢追い』は、ボク流の解釈では、非常に広い意味での社会の不平等や不正義、そういう中で犯罪者であったデュトロンとドヌーヴが出会い、逃避行をする中で互いを理解するようになり、やがて愛し合うようになり、真っ当な人生を共に歩もうとするというものだ。フランスのル・アーヴルからカナダのケベックへ貨物船で密航する。最後はヒッチハイクで乗せてもらったトラックで希望の地であるニューヨークを目の前にする。もちろんこれからのことはわからないが、希望的なラストだ。そして固定されたそのニューヨークを望む画面のバックに主題曲が歌われる。

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さてカウリスマキの『真夜中の虹』。フィンランド北部の炭坑か何かの閉山の場面で映画は始まる。カフェで今後のことを話しているのは、共に仕事を失った主人公タイストと父(あるいは年輩の同僚)だが、父は息子に50年代末ぐらいの年式のキャディラックのオープンカーの鍵を渡すと、「これも、バカな方法ではあるけれど、一つの解決策だ」と言うとトイレに入り、そこから銃声が響く。南なら仕事はあるかと、タイストは全財産8千マルッカを銀行で引き降ろすと、壊れて幌の閉まらないキャディラックで寒い雪の中をヘルシンキへ向かう。町が近付いた辺りでタイストはハンバーガースタンドでハンバーガーを買うが、財布に大金の入っているのを見た2人のならず者に襲われてしまう。8千マルッカはすべて奪われ一文なしになったが、それでも車でヘルシンキにたどり着く。そこで港で闇の商売をする業者に雇われて日銭を稼ぎ、教会宿泊所なる安宿に寝泊まりする。

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ある日彼が駐めてあった車に戻ると、ちょうど女性係員が駐車禁止の違反キップを貼ろうとしていた。「抗議はどこにすれば良い?」と問うタイストに、女は「私が個人的に受けるわ」と答えた。そして「食事ではどう?」という女と交渉成立。タイストは夜彼女を家に送って行き、そのまま女イルメリに誘われ、明け方2人は同じベッドにいる。ここでカウリスマキは、男女が出会って深く愛し合うことになるまでの経緯を描こうとしていない。そんな波乱万丈のドキドキ、ワクワクよりも、男と女が真に愛し合った、というだけで良いんですね。そしてその愛は、そのときの役者の表情がすべてを語ってくれます。彼女の夫は別の女の元へ走り、離婚している。イルメリは駐車違反キップ係員、病院の掃除婦、精肉工場、銀行の夜警と、働き詰めで家のローンを払おうとしている。10才くらいの息子リクがいて、早番で既に母イルメリ出勤した後のほとんど無言のタイストとリクの雰囲気が良いですね。父親不在で、母も仕事であまり家にいない。そんなそんな寂しいリクの新しい父親候補への期待と不安。そして休みに3人はオープンカーで春の(初夏の?)気持ち良い風を受けながら水辺にピクニック。

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(以下ネタバレ)
背景も状況も国も違うのだけれど、社会の方に問題があって、ここでは能力もあれば意欲もある人々が仕事につけず、結果犯罪にも手を染め、そして密航して新天地を求めるという流れが『夢追い』に似ていると思ったのだ。密航するアリエルという貨物船に向かうところで映画は終わり、『夢追い』同様ここでは「虹の彼方へ」が希望の歌として流される。希望的ラストではあるが、これからどうなるかはわからないという最後も似ている。

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イルメリとの出会いから愛し合うまでの簡潔な描写について上に書いたが、カウリスマキはハリウッド映画のドンパチが嫌いだ。ミッコネンとタイストは資金調達のために銀行強盗に入るが、弾を抜いた拳銃を持って銀行に入って行き、しばらく間があって札束を持って出てくる。銀行強盗のアクション・暴力シーンを描くことが目的のアメリカ映画とは違う。キャディラックを売るとき、2万と言うタイストに「古いから」と6,500で買い叩いた中古業者は、後で7万5千マルッカで売っていた。キャディラックのキーホルダーとして付けられていた手回しオルゴールは『♪インターナショナル』だった。労働をして、真っ当に生きようとしても叶わない社会的不平等や不正義を告発しようというのがメインテーマなのだろうけれど、簡潔で抑制された演技の中、表情だけで多くを役者に語らせるカウリスマキの演出はいつも見事だ。

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Last updated  2008.05.23 01:33:54
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