『季刊島田荘司ＶＯＬ・０４』・島田荘司さん | 本格ミステリと旅の写真

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2005/03/04

『季刊　島田荘司　ＶＯＬ・０４』・島田荘司さん

(6)

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(100276)

カテゴリ：読了本

◇日本学の勧め。

「最後の一球」は、
悪徳金融業者のビルの屋上が火事になる。
それは火のけの無い密室。
御手洗は、それを見抜くが・・・

悪徳金融業からの借金を苦にして自殺した父。
竹谷は母と二人の貧しい生い立ちで、幼い頃からプロ野球選手になって、お金を稼ぐ事を夢見て努力を重ねる。

甲子園にもピッチャーとして２度出場できたが、いづれも２回戦で敗退。
他校の選手に武智という凄いバッターが居た。
武智にはプロのスカウトがたくさん押し寄せて来るが、父親の中堅自動車会社に就職する。
一方、竹谷にはプロからは誘いがなく、社会人野球のある会社に就職する。

そして社会人野球で二人は優勝がかかった決勝戦で対戦する。
武智にあるオーラのような物を感じた竹谷は、憧れさえ感じ始めた。
武智はお金持ちの御曹司でスター的存在。
竹谷は母と二人の貧しく華の無い無名選手。
そして二人に友情が芽生える。

一流の武智と二流の竹谷。
竹谷の二流なりの精一杯の人生が語られている。

御手洗のいつもように温情が。。。

ミステリというより社会派小説のような感じです。

◇日本学の勧めは、
社会派ミステリを書かれる島田荘司さん。
現在はロサンゼルス在住。

鎖国のあたりから、真珠湾攻撃、現代と勉強になる事を書かれている。
石油のない中国に固執せずに、撤退していれば世界大戦は免れたのではないか。
英国のチャーチルにせがまれて参戦したがっていたルーズベルトは、真珠湾攻撃はアメリカ国民の参戦への世論を受けて好都合だった。
ルーズベルト大統領は、真珠湾攻撃の情報をすでに知っていたと理解するのが今日の定説。（これは、逢坂さんのスペイン物でも書かれてました）

現代の日本人の自殺者の増加について。
国内では、秋田県が男女ともに一位。
青森、岩手と続いている。
失業者問題からの自殺者増加なら、東京や大阪がベスト１０にも入ってないのは何故か？
世界では、リトアニア、ロシア・・・１０位が、日本。
ベラルーシ、ウクライナ、カザフスタン、ラトビア、ハンガリーと旧・ソ連が多いような気がします。
それと寒い国が多いようにも思います。
日本でも寒い地域が多いし。
暖かい地域の人は、自然に恵まれて深刻にならないのかなって気がします。

島田荘司さんは今、この日本の自殺者増加について研究されているようです。