峠幾三のちいさな発見・旅模様

峠幾三のちいさな発見・旅模様

2006/04/12
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 宇奈月の朝。

 昨夜は本当に寝つけなかった。

 ふと、昨日のレストランの店員の言葉を思い出す。

 近くにお店はありますか?と聞いたのだが、

 「マルケーがございます!」とさわやかに教えてくれた。

マルケー ???

 わからないという表情が伝わったのか、「サークルKがあります」と言い直してくれた。

 少し良い感じの店の丁寧な対応の中に出てきた「マルケー」が少し面白かったなぁなどと考えながら朝食。





 今日は、黒部峡谷のトロッコ列車に乗るのだ!


 小さい時にテレビで見てからずっと気になっていたトロッコ列車。

 トロッコに乗る前からワクワクしてきた。

駅

 乗車券を買って始発に乗る。パノラマ、特別、リラックス、普通客車があるのだが、もちろん普通客車。

 学生には普通がいい。

 列車はもう待っていた。

 思っていたよりも小さな客車で、窓ガラスもない。風を感じながら渓谷美を楽しめるようだ。

先頭車両


 昔、電車の窓を開けて姫路からおばあちゃんの待つ相生へ行った記憶がよみがえってきた。顔に吹きつける風のにおいが懐かしい。

 昔の電車は窓が開けれたものだったが、最近の電車は冷暖房完備が多く、なにかつまらない。




 挨拶を交わして話はじめた。

 福島の会社の会長さんらしい。

 東北の人と話すのは初めてで、少し方言がわからないことがあったが、聞きなおしながら何とか会話が進む。

 そのうち列車が走り始めた。終点の欅平まで1時間と少し。渓谷の旅の始まりである。


 谷の上を走るトロッコ。ゆっくりと変わる黒部川の眺め。




 駅はたくさんあるのだが、観光の列車が止まるのは、黒薙、鐘釣、欅平の3ヵ所。その他の駅は、維持管理に使われているようである。

 停車するどの駅で降りても温泉が楽しめる。まずは欅平まで行く予定だ。

 途中、見た万年雪。雪が融けきる前に次の雪が降るらしい。

万年雪

 おじさんと話しているうちにあっという間に終点欅平。


 おじさんは名剣温泉に入るという。

 俺は、祖母谷温泉まで歩いてみる。

 記念に一緒に写真を撮る。

福島の方と


 お礼を言って別れた。

 1人のんびり先へ行く。


 50分くらい歩いただろうか。

 温泉らしき小屋が見えてきた。

 川にも湯が湧いているらしく、少しにおう。


 温泉は帰りに鐘釣温泉で入る予定なので祖母谷温泉は見るだけ。


 川面の近くの岩に腰を下ろし昼飯。


 実は、昨日の夜に炊いた飯の残りでおにぎりを作っていた。

青空の下で食うおこげのにぎりめし


 おかずも何もいらない(というかおかずがない…)。


 米の甘さ、塩、そして景色。それだけで十分なのだ。

 ある意味、究極のにぎりめしだ。


 夜景を見ながら、最高のフランス料理とワイン…。そんなものを食わなくても食べることの喜びは味わえる。


 などと自分を励ましつつ、モグモグ。


 川をみたり、水をさわってみたり…。

 この川の上流にはあの黒部ダムがある。

 いつかまた歩いて行ってみたい。

 1人で十分に遊んだ後、欅平に向かって戻り始めた。


 再びトロッコに乗り、鐘釣で降りる。

鐘釣温泉

 さてさて、温泉に入ろう。


 鐘釣温泉は、川原に湧く露天風呂。それも無料。


 ブルーシートで作られたテントの中で服を脱ぎ、湯に浸かる。


 気分がいい。


 ゆったりした時間はあっという間に過ぎ去った…。というか、かき消されたのである。

 観光ツアーの関西の おばさん軍団 に。

 なんと、おばさんたちは、風呂のまわりで弁当を食いだしたのである。


 さらに・・・


「お兄ちゃんが入っとうわ~。一緒に写真とってもらお~」


 何や、このおばはん!見るだけやったら来んな!!!


 俺は、どこぞの記念碑ではない。


 わけのわからんおばはんと写真を撮るんなんかごめんである。しかもこっちは裸なのだ。


 おばはんがカメラを探しているスキにテントに駆け込み、服を着る。


 向こうでおばはんの声が。


 「やぁやぁ、お兄ちゃんあがってもたわ~。せっかくやったのにぃ。」

 観光マップに温泉と紹介されているところに入浴しない客を連れてくる旅行会社もどうかと思う。

 しかも、温泉まわりで昼食タイム…。


 せっかくの温泉が台無しではないか。


 かなりイライラしながら少し歩く。見上げる鉄橋が。

Scan10081.JPG


 駅にもどって列車に乗り込んだ。

 列車に乗るとイライラも消え、また景色を楽しんでいた。


車内から


 時間待ちで少しトロッコが止まったのでホームにでて探検。

 コンクリートのトンネルがあった。

Scan10085.JPG

 冬場に発電所の管理などに使う道のようだ。

 そうこうしているうちに出発。


 黒薙駅を通過。

 宇奈月温泉はここから源泉を引いているらしい。


 宇奈月駅に着いた。

 渓谷の旅も終了だ。


 時間は午後2時半。


 まだ、休みはあるだが、もう狭いプリメーラで寝たくない。

 今日中に赤穂に帰ろう!


 そう決めたらひたすら走るのみである。

 プリメーラは国道8号を西へ向かって走りだしたのだった。







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最終更新日  2006/04/12 07:58:51 PM
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