「ランチメニューについて」 ~掲示板のお返事~
柿の樹のランチを気に入ってくださりありがとうございます。 きっと皆様が
疑問に感じているであろう質問なのでお答えするのに良い機会をいただきました。
なぜ柿の樹の1580円のランチのメインの素材は若鶏ばかりなのだろう?
そんな疑問をお持ちのお客様はたくさんいらっしゃるだろうと思います。
ホームページのご挨拶でも触れた通り私は日常的な価格なのに帰る時には
どこか贅沢感が残るようなランチスタイルにこだわりました。
その結果が今の柿の樹のランチスタイルです。
おかげさまで学生さんからご年輩の方まで幅の広いお客様に可愛がっていただいております。
私の中で少し高いけど日常的にご利用していただける価格が今の価格設定です。
中にはもっと高くしてもお客様は来てくださるのに勿体無い、などの
アドバイスをしてくださるお客様もいらっしゃるのですが私はそうは思いません。
例えば2000円のランチにしてしまったら
柿の樹はお客様の日常の食事からは離れてしまうでしょう。
勿論若鶏ばかりというご批判があることは十分に承知していますし
最初から予想できることではありました。他の料理が苦手なわけではありませんし
若鶏が特別に得意というわけではありません。
ただ1580円という価格で今のフレンチスタイルを守るのは簡単なことではありません。
そこで幾つかの選択肢が生まれます。
メインの素材を変えて前菜を簡略化するか、
デザートの前に提供しているムースをはずすか幾つかの選択肢は確かにあります。
ただ若鶏を使えば他のお店でも同様のことが可能かというと
そうではないと思っております。 ブログのお客様へのメッセージで書かせていただいたのを
ご存知の方も多いかもしれせんが、 柿の樹では料理を
私一人でやらせていただいております。 定休日から次の定休日までは
殆ど不眠不休の覚悟で望んでおります。 それはお客様の笑顔が見たいから
できることなのですが、もしも他にコックさんを雇ったら今の価格の実現は
難しいかと思います。自分のような料理バカがいて初めて実現可能なほどの
微妙なことなので... ご批判が耳に入る度に確かに心が痛いのですが
私には柿の樹を守る責任があります。よくランチは流行っていたのに
いつの間にか商売が成り立たずに閉店してしまうお店も数多くあります。
柿の樹をそういうお店にしたくはありません。そこで私が選んだ選択肢が
若鶏をソースを変えて楽しんでいただき今のスタイルを守ることで
柿の樹を維持してゆこうという選択肢です。
魚やパスタ、他のお料理を召し上がりたいお客様には夜のご来店をお薦めしています。
夜も決して高いお店ではありません。なにぶん一人でやることなので限界もありますし
それがお客様にご不便をおかけすることも多いとは思いますが
今の柿の樹スタイルを守るためにご理解いただければ幸いです。
若鶏もご家庭では難しいほど焼き方などにはこだわっているつもりでおります。
よく 親子丼ひとつでランチに行列ができるお店があります。
是非 どこにも負けない美味しい若鶏が食べたくなったら
柿の樹へ脚を運んでいただけたら嬉しいです
柿の樹の看板にはどこにもフランス料理と書いていないのをご存知でしょうか?
何かと普通のフランス料理店とは違うスタイルになるだろうと思っていたので
あえて書きませんでした。それでも自分の作る料理をフランス料理と
言っていただけるのは大変光栄です。自分はあえて選んだスタイルなので
多少のご批判を受ける覚悟はできておりますが
心痛むのは一生懸命に働いてくれるスタッフが肩身の狭い思いをすることです。
ところがスタッフは日本にありそうでなかなか無いスタイルのお店で働くことに
私の心配をよそに誇りを持って働いてくれているようです。
いただいた ご質問は抱いて当然の疑問だと思っております。
私の中で いつかきちんとお答えしなければならないことだと感じておりましたので
機会をいただけたことをありがたく思っております。
勿論 このスタイルを続けることで離れてゆかれるお客様もいらっしゃるとは思いますが
これからも微力ながら柿の樹ファンを
少しづつでも増やしてゆけるように精進して参ります。
柿の樹 オーナーシェフ 伊藤 和人
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