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2006.04.25
一葉にみる日本女性考
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カテゴリ未分類
を創作して精進を止めず、遂にその錐が嚢を突き破ったと湯地孝氏は評した。
一葉は、閨秀作家として、「明治文学の彗星」といわれるが、その思想的内容の欠如と視野の狭さ
があり、その環境から彼女の見聞したものを書くしかなかった。その文学者としての特徴は、
・小さいながら円熟完成した文学
・真面目な態度
・真情の流露
・余韻
・女性描写の巧みさ
明治20年代は、文明開化のあと男女同権も一部で唱えられたが、まだ女性が男性の玩弄物でしかな
いことは変わりはなかった。娘たちへの教育にしても男に都合のいいような養育だった。
むづかしい事をひとつも知らなくても家事を一通り切り回してゆく女、消極的で良妻賢母型の女が
上品とされ、女らしい女と言われた。他に口出しや、理屈の一つでも言えば生意気だと罵られた。
何事によらず従属的で独立した考えは殆どなかった。内気でなければ男に媚びて、僅かにその生を
保っているような女性が多かったのだ。そこには、女性としての誇りも自覚もありえない。恨みは
あっても憤るだけの抵抗力もなかった。それこそ、慰めは薄暗いじめじめした場所で悲しみに酔う
しかない時代背景であった。彼女たちが与えられた読み物といえば低級卑俗なものばかりであった
だろう。そんな中で育った一葉が、明治文学の彗星となった。全25扁のうち数篇を除いてすべて
恋愛物の世界である。可憐な人物を描いてやまず、つねに努力の跡が見られ、その成長は奇跡の
ジャンプといわれる。思えば遠い昔であるが、ジェンダー・ギャップは今日的課題でもある。
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最終更新日 2006.04.25 16:57:58
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