ヘイフリックの限界part2

ヘイフリックの限界part2

2009.04.27
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 彼はカルメンという14歳の「ペルーいぼ病」の少年の患部から、その血液を(教授の協力で)感染したメスで自分の両腕に刺させた。そして記録をとっていった。事態は思わぬ展開を取り、彼は死んだ。カリオンは「なるようになる。どうなってもかまわない。自分の体に接種したいんだ」と友人たちに覚悟を語っていた。


  「今日までぼくは、自分がペルーいぼ病の初期段階と思っていた。・・・これは、アラルコ博士が指摘していた、オロヤ熱とペルーいぼ病は同じ原因で起きている。ぼくの症状がその明白な証拠だ」「きっと自分は助かるだろう」と語った。


  墓碑銘には、

  ダニエル・A・カリオン 1885.10.5 医学校6年生

  科学への愛に殉ず・・・


 カリオンの実験のあと、ペルーいぼ病とオロヤ熱がじつは同じ病気で、メディカル・ステージが違うだけだったことが明らかになった。原因はサシチョウバエによる感染だった。ペルーの渓谷地方にはおなじみのハエだ。カリオンは今でもペルーの英雄とされているという。彼の実験のおかけで研究が一気に加速し、国民の関心を高めて研究者の時間を短縮させた。マウスではなく、ヒトと猿の一部しかこの病気にかからないからだ。


 何故カリオンは死んだか。バルトネラ菌に感染したサシチョウバエが人を刺すと、菌が皮膚の中に入る。カリオンが接種した血液には、この虫に数百回刺されたのと同じくらいの菌が含まれていたといわれる。彼の体が闘いに勝てる見込みはない。











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最終更新日  2009.04.27 11:14:20
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