
「脳と心の地形図」"Mapping The Mind" Rita Carterより、
アスベルガー症候群、自閉症患者に映る世界は、異質でまとまりがない。うまく周囲とコミュニケーションがとれないし、場合によっては、全くできない。ー共感の欠如ー他人は自分と異なる世界観をもっているかもしれないことを直観で理解できない。「相手の身になって」考えられない。自閉症は遺伝性が強い病気である。自閉症の本質は、コミュニケーション欠損症ー感情や信念、知識を他者と分かち合うことができない。ー 他人の心を察する能力は「心の理論」と呼ばれている。
自閉症の子供は、自分の欲求に制限を加えることが解らない。欲しいと思ったら矢も楯もたまらずすぐに手を出してしまう。
何故なら、「他人の心」というコンセプトが元から存在しない。
Page212ー アスベルガー症候群は、300人に一人(男)の確率で存在。決まりごとに異常なほど執着し、収集して分類する趣味に全身全霊を傾ける。
人付き合いはからきしだめで、人間の弱さをネタにしたジョークを聞いても笑えないし、噂話に興味を持たない。誰も興味のない話題を何時間でも喋り続けたり、いつまでも他人の家に長居していやがられたり、他の人が話している目の前で居眠りする。ただ幸いなことに、本人は平気で、他人が自分のことをどう考えるか意識しない。
自閉症気味の人は、一人でいるほうが気楽だが、それでいて社会的なしきたりを守らなければならないという気持ちが強く、結婚して家庭を持つ人もいる。ただどんなものにしろ親密な関係は、相手の心を察してやれるかどうかが基本になる。だからアスベルガーとの結婚は、相手の心、関係が根本的に間違っているという思いが強くなる。