
ウイルスは地球上に生命が誕生した時から存在していると考えられる。ある意味では、生物進化のパートナーでもあったと専門家はいう。エマージング・ウイルスの出現とは、ウイルスが人間を攻撃しているというよりも、人間がウイルスのすみかを荒らしているのではないかという。森林伐採や人口増加による自然破壊が、奥深い森林に生息しているサルやネズミ、蝙蝠などを自然宿主にしていたウイルスを否応もなくその封印を冒したためではないか。人への過剰な被害意識がある。科学者はエマージング・ウイルスの根絶は不可能だという。ウイルスは非常に多様性があり適応能力が優れており、生態変化に応じて変異してしまうからだ。相手にしてはウイルスは強敵過ぎる。
・全面戦争をしても人類が勝つとは限らない。ウイルスは地球に生命が誕生してから生き延びている生物である。病原菌は強くても、空気感染しないものであれば、対策を間違えなければ不用意に怖れることはない。日本でエマージング・ウイルスが出現する可能性は薄いとしても、これだけ航空機の交通網が発達した中ではいつでも日本に入ってくることが考えられるが、不測の事態に備えておかなければならない。
・へ2・・・敵を想定して、それを潰そうとばかり考える発想は危険だし、時にはそれが致命傷になるかも知れない。人類は万能ではない。強敵を惧れることは当然のことであり、共生、共存の道を模索する努力を忘れてはならない。人類とウイルスの闘いは、相手の存在を確り知ることから始まる。