バイロン(1788-1824)は、イニシャルをN.B. と書き、もう一人のN.B. であるナポレオン(1769-1821)がいる。何故、バイロンがG.B.ではなく、N.B.なのか?知っている人は知っている。詩人は、36歳、英雄は、52歳で死んだ。ワーテルローの戦いの一年後(1816.5.4)の戦場に立ち、バイロンは詩篇を残した。素晴らしい講演だったが、講師は昨年女子大に来られたバイロンの研究者でもある教授であった。
・それこそ丸善から本も出版されている研究の成果がある内容なので、内容が濃い訳である。詩編の一部の翻訳を読みながら解説された。あのバイロンの詩編の溢れる感動の根源には、彼のヨーロッパ大陸の二回の grand tour にあったのではないか、と思えてきた。そしてバイロンは、ギリシャで他界した。21歳の時、一回目の旅をしている。そこに見えるのは、当時でも広い視野を求めてヨーロッパを遊学できた文化の高さだろう。
・へ2・・・人を育てる土壌があるのとないのとでは雲泥の差だ。人間の本性を理解しているかどうかだろう。プラス思考かマイナス思考か、の違いにもなる。日本の文学者が世界レベルになれないのは、個人の社会に対する拠って立つその視点が違っている。新鮮な時代の息吹を感じたことのない人間に何が解かるだろうか?その旅して歩く場所さえ違うのだ。