ヘイフリックの限界part2

ヘイフリックの限界part2

2015.12.30
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 一葉「塵中につ記」より、



「・・・かひなき女子の、何事を思ひ立ちたりとも及ぶまじきをしれど、われは一日の安きを

むさぼりて、百世の憂を念とせざるものならず。かすか也


といへども、人の一心を備へたるものが、我身一代の諸欲を残りなくこれになげ入れて、

死生いとはず、天地の法にしたがひて働かんとする時、大丈夫


も愚人も、男も女も、何のけじめか有るべき。笑ふものは笑へ、そしるものはそしれ、わが

心はすでに天地とひとつに成ぬ。わがこころざしは、国家の


大本にあり。わがかばねは野外にすてられて、やせ犬のえじきに成らんを期す。・・・。」
・碌に教育を受けていない一葉が、明治の世で、女流小説家になろうと決意し

たのは、数えで20歳の時である。過酷な環境と貧困と偏見が渦巻く時代に

ここだけが陽光が射したように輝いている。やがて金子みすずも生まれてい

る。



 どこかでみた詩を思い出す。


    ・・・

    では さやうなら仏さま

    地獄は

    一定わたしたちのすみかださうでございますから


    ・・・・



 ・思えば、わたしたちの目は何ものも見えていない節穴だろうか。見ようとし

ないだけなのだろう。我ことの悩みや哀しみの涙で溺れようとしているだけ

なのだろう。

どこが痛いとか、苦しいとか、メランコリーだとか、何だとか、いう前に

することをして、ひとりの人間として、立ち上がれ。
自分の首を絞めるようなことをしてしまうのだろうか。勿論それは自分も例外ではないが、悲しいくらい多くの人たちが、その蟻地獄に嵌ってしまう。自分の苦しみから逃れ難くしてしまう。 





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最終更新日  2015.12.30 05:40:41
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