
義祖母は、随分前に亡くなった。それでも80歳くらいまで生きていたので長生きした方だろう。頑丈な身体をしていた。野良仕事をしたからだと言っていた。子供のころ、何度か足の爪を切るのを手伝わされた。自分ではよく切れないようだった。驚いたのはその爪の骨のようになった硬さと厚みだった。とても爪切りでは切れなかった。
・最近自分の足の爪が硬くなったと感じている。それでも爪切りで充分だが、義祖母のあの爪は、厳しい労働の所為ではないだろうか。脚の親指に余り力が入らなくなったような気がしている。どうやら、それも歩かなくなったからではないかと、気になっていた。歩くと足の親指に力がかかるので、当然負荷もかかるに違いない。義祖母は、野良仕事をしていて重い荷物を担いでいたという。幼い頃、驚くような重さの薪を背負っていたのを見たことがある。牛馬の爪をあまり見たことはないが、ばあちゃんの足の爪は盛り上がって骨のようになっていた。
・へ2・・・婆ちゃんの野良仕事も、いまの私の年齢には止めていただろうから、それまでの労働でできたのだろう。いまの自分の爪と比べてみて、その違いは余りにも大きい。私の足の爪は、働いていない爪なのだろう。重い荷物を背負って歩いてことはない。バアちゃんの爪を何で切っていたのだろうか。よく思い出せないが、大きなニッパーのようなものではなかっただろうか。ヤスリのようなものだったかも知れない。何れにせよ、私は、義祖母の人生の証をみたのであり、爪の垢でも飲ませてもらうべきだっただろう。